データーチェック
近年は1番人気馬が堅実 前走は3着以内
前走G1組が優勢 JCダート組が優勢
東京大賞典組は2.3着が多い 地方交流重賞組に妙味
ダート実績のない馬は軽視 平安S・根岸S組はやや不振
米国血統を持つ馬
父か母父サンデー系か母父ブライアンズタイムの馬
2〜3歳時に芝重賞に出走していたか芝で早い上がりを使っていた馬


2021年2月21日(日曜) 1回東京8日第38回フェブラリーステークスGT
《レース結果》
1 枠2黒 3 マルガイカフェファラオ 牡4 57.0 C.ルメール 1:34.4
2 枠5黄 10 エアスピネル 牡8 57.0 鮫島 克駿 1:34.5 3/4
3 枠4青 7ワンダーリーデル牡8 57.0 横山 典弘 1:34.8 1 3/4
4 枠8桃 16 レッドルゼル 牡5 57.0 川田 将雅 1:34.9 1/2
5 枠1白 1 エアアルマス 牡6 57.0 松山 弘平 1:35.1 1 1/4

《レース内容》
ルメール騎乗で1番人気のカフェファラオが好位から抜け出してGI初制覇。
ルメール騎手は昨年のモズアスコットに次ぐ連覇で、今年のGI戦線も最高のスタートを切った。
9番人気のエアスピネルが2着、8番人気のワンダーリーデルが3着だった。
今年もやっぱりルメールだ! カフェファラオを完璧に導き、3番手から1番人気に応えるV。
昨年、年間GI8勝を挙げた男が、2021年も絶好のスタートを切った。
「今年最初のGIでいいチャンスをもらって、いい競馬ができてよかったです」
 昨年のモズアスコットに続く連覇を飾り、ルメール騎手の表情は晴れやかだ。
前走のチャンピオンズCでは6着に敗れていたが、今回は「スタート前に
勝つ自信がありました」という。その秘密はチークピーシズ(※)にあった。
1週前の調教で着用したチークをレースでも使うかどうか。陣営は返し馬で判断すると話していた。
コロナ禍でジョッキーの東西移動が自由にできないため、レース直前の
「返し馬で確かめてもらうしかなかった」と堀調教師。
最終判断はルメールに委ねられたが、結論は“着用”だった。
「チャンピオンズCでは馬体があまりよくなかったし、レースも全然反応しませんでした。
今回は体が違ったし、返し馬でも一生懸命でした」
変化を感じ取ったルメールは「絶対にいいポジションで乗りたかった」と、スタートから3番手を取りに行き、
緩みのない流れでもアグレッシブな競馬。直線で外に持ち出すと「手応えがよかったし、
ラスト250メートルでムチを入れると改めて反応してくれました」と、完璧な内容での勝利に笑みをみせた。
タイム1分34秒4はレース歴代2位で、良馬場では最速。力の違いを感じさせる勝ちっぷりだ。
「きょうはジョッキーがうまく乗って能力を引き出してくれましたが、本来は矯正馬具なしで走ってくれないと…」
堀調教師は苦笑いをみせた。父が米3冠、BCクラシックなどGIを8勝したアメリカンフェイローで、
「将来的に種馬になるなら、癖があるようにしたくない。今回は対症療法。根本的な解決には、
まだ時間がかかります」と頂点を取っても満足せず、もっと高みを目指している。
今後はコロナ禍の状況や馬の状態を確認して決められるが、粗削りなままでダート界のトップに立った
4歳馬カフェファラオ。本当の能力を見せたときはどれだけ強いのか。末恐ろしい。
2020年2月23日(日曜) 1回東京8日第37回 フェブラリーステークスGT
《レース結果》
1 枠6緑 12 モズアスコット 牡6 57.0 C.ルメール 1:35.2
2 枠8桃 15 ケイティブレイブ 牡7 57.0 長岡 禎仁 1:35.6 2 1/2
3 枠5黄 9 サンライズノヴァ 牡6 57.0 松山 弘平 1:35.8 1 1/4
4 枠8桃 16 ワンダーリーデル 牡7 57.0 横山 典弘 1:35.8 ハナ
5 枠2黒 4 タイムフライヤー 牡5 57.0 S.フォーリー 1:36.1 1 3/4

《レース内容》
ルメール騎乗で1番人気のモズアスコットが豪快に差し切ってV。
2018年安田記念以来のGI2勝目で、史上5頭目の芝&ダートGI制覇の快挙を達成した。
2着に16番人気のケイティブレイブ、3番人気のサンライズノヴァが3着で、
3連単は46万4920円の高額配当となった。
砂煙と大歓声に包まれながら、東京競馬場の直線501・6メートルを駆け抜けた。
2018年安田記念勝ち馬モズアスコットが、今度はダートのGIも鮮やかに差し切り。
史上5頭目となる芝&ダートGI制覇の快挙で、新たな砂の王者を襲名した。
「いいスタートでしたし、素晴らしい走りでしたね。砂をかぶっても大丈夫でした。
コンディションが良かったので、勝つ自信はありました」
この日6勝目と会心の一日となったルメール騎手が、笑みを浮かべた。
検量室前で地方の短期免許を取得して来日中のミカエル・ミシェル騎手から
祝福を受け、「『いい騎乗でしたね』と言われました」と笑った。
アルクトスとワイドファラオが2頭でレースを引っ張り、前半3ハロンは34秒6のハイペース。
道中は昨年の覇者インティのやや後ろを追走。直線では馬場の
やや内めから残り200メートル付近で抜け出すと、鞍上が後続を振り返る余裕さえあった。
「状態、条件も、前走から好転してかなり自信があったので緊張しました」と矢作調教師。
これで有馬記念(リスグラシュー)、ホープフルS(コントレイル)に続くJRA・GI実施機会3連勝。
04年の松田調教師以来2人目の快挙に「ちょうど駒がそろっていたのもあるけど、
スタッフが仕事をしてくれていますからね。バラエティーに富んでいるのがうちの厩舎らしいですね」と。
次走はオーストラリアGI・ドンカスターマイルに参戦。
再び芝でGI制覇を狙ったうえで、秋には米挑戦プランも浮上している。
この優勝で今年のブリーダーズカップへの優先出走権を獲得したが、矢作師は「距離に限界があって、
ダート1800メートルや2000メートルは厳しい。秋は、BCであればダートのマイルを考えています」と、
BCダートマイル(同、ダ1600メートル)を視野に入れていることを明かした。
「芝、ダート問わずに本格的な二刀流として育てていきたい」
芝で14戦全勝のフランケル産駒だが、母インディアは米ダートGIIなど6勝。
血統的にも期待の大きいアスコットが、次は世界でその名をとどろかせる。
2019年2月17日(日曜) 1回東京8日第36回 フェブラリーステークス
《レース結果》
1 枠4青 6 インティ 牡5 57.0 武 豊 1:35.6
2 枠3赤 3 ゴールドドリーム 牡6 57.0 C.ルメール 1:35.6 クビ
3 枠2黒 2 ユラノト 牡5 57.0 福永 祐一 1:36.3 4
4 枠5黄 8マルガイモーニン ブリンカー 牡7 57.0 和田 竜二 1:36.5 1 1/4
5 枠7橙 11 マルガイコパノキッキング せん4 57.0 藤田 菜七子 1:36.6 1/2


《レース内容》
1番人気のインティが鮮やかな逃げ切り。破竹の7連勝で、GI初制覇を飾った。
鞍上の武豊騎手、同レース歴代最多の5勝目となった。タイム1分35秒6(良)。
2着はゴールドドリーム、3着はユラノト。JRA女性騎手として初めてGIに騎乗した
藤田菜七子騎手(21)=美・根本=のコパノキッキングは5着だった。
6万超の大歓声に後押しされ、後続との差をグングン広げていく。日の出の快進撃は、
初めて迎える大舞台でも止まらない。インティが7連勝でGI初挑戦Vの快挙を成し遂げた。
初めての芝スタートを無難にこなすと、周囲の出方をうかがいながら先頭へ。
前半3ハロン35秒8と絶妙なペースを演出した。勝負を分けたのは名手の決断だ。
他馬の仕掛けを待つことなく、直線を向くと一気にスパートした。
「後ろが離れましたから。ラストはいっぱいになっても仕方ない。おそらく押し切れると思いました」。
懸命に追いすがるゴールドドリームをクビ差振り切って、栄光のゴールへと飛び込んだ。
武豊騎手にとっては2017年有馬記念(キタサンブラック)以来のJRA・GI76勝目。
今年24勝は全国リーディングトップと“復権”著しい。「ブレークしていますね」と笑ったが、
「去年(GIを)勝てなかったのでホッとしています。
このペースで、いや、もっと上げて頑張っていきたい」。レジェンドはどこまでも貪欲だ。
インティは体質的な弱さを抱え、デビュー戦(9着)で両トモを落鉄。レース後はまともに歩けないほどだった。
そこから7連勝での戴冠に、野中調教師は「ホッとしました。本当にすごい」と何度も繰り返した。
開業12年目でのJRA・GI初制覇には「夜にビールでも飲んだら、
すごくこみ上げてくるものがあるかと思います」としみじみ語った。
上半期は帝王賞が最大目標となる見込みで、秋は優先出走権を獲得したブリーダーズCクラシックも
選択肢に入ってくる。「(BCは)まだ先の話ですが、頭の片隅には置いておきたい。
せっかくのチャンスですから」と指揮官はさらなる飛躍に思いをはせる。
武豊騎手を背に、太陽王が砂の英雄へと突き進む。
2018年2月18日(日曜) 1回東京8日11R 第35回 フェブラリーステークスGT
《レース結果》
1 枠6緑 12 ノンコノユメ せん6 57.0 内田博幸 1:36.0 36.1 450 -6 加藤征弘 4
2 枠7橙 14 ゴールドドリーム 牡5 57.0 R.ムーア 1:36.0 クビ 36.4 524 -14 平田修 1
3 枠3赤 6 インカンテーション 牡8 57.0 三浦皇成 1:36.1 クビ 36.7 512 +5 羽月友彦 6
4 枠8桃 16 サンライズノヴァ 牡4 57.0 戸崎圭太 1:36.6 3 37.0 536 +4 音無秀孝 3
5 枠7橙 13 レッツゴードンキ 牝6 55.0 幸英明 1:36.7 1/2 37.0 492 +4 梅田智之 10

《レース内容》
内田博幸騎手騎乗の4番人気・ノンコノユメ(セ6、美浦・加藤征厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:36.0(良)。2着にはクビ差で1番人気・ゴールドドリーム(牡5、栗東・平田厩舎)、
3着にはクビ差で6番人気・インカンテーション(牡8、栗東・羽月厩舎)が続いて入線した。
内枠勢のニシケンモノノフ、ケイティブレイブ、ノボバカラがスタート良く飛び出して先団を形成。
テイエムジンソクもその直後にサッと取り付く。その後ろに地方の女王ララベルが追走。
そこから馬群が少し切れてインカンテーションら3頭が第2グループ、
更に少し切れてサンライズノヴァ、ゴールドドリームは後方5番手。
ノンコノユメは後方2番手からレースを進め、縦長の展開となる。
レースは淀みなく流れ、ケイティブレイブがニシケンモノノフを交わして先頭で直線へ。
テイエムジンソクはジリジリと差を詰めようとするが、勢いは今ひとつ。
代わって外からゴールドドーム、その内にインカンテーション、大外からノンコノユメが脚を伸ばす。
3頭の叩き合いは外のノンコノユメがゴールドドリームの粘りを抑えて軍配。
得意の東京コースで完全復活を果たした。
勝ったノンコノユメは、3歳時にジャパンダートダービーを制しているが、
中央のG1では15年のチャンピオンズC、16年のフェブラリーSで連続2着と涙を飲んでいた。
その後は去勢手術も施されたが、なかなか勝てず、
ようやく前走の根岸Sで15年武蔵野S以来の勝利を挙げ、
勢いを駆って2連勝。管理する加藤征弘調教師にとっても、
シャドウゲイトによる海外G1制覇があるものの、中央のタイトルは初めてで、
人馬ともに悲願の中央G1初制覇となった。
また、関東馬は1998年グルメフロンティア以来の勝利で長い連敗にピリオドを打った。
2017年2月19日(日) 1回東京8日11R 第34回 フェブラリーステークス(GI)
《レース結果》
1 2 3 ゴールドドリーム 牡4 57.0 M.デムーロ 1:35.1   35.6 520 +4 平田修 2
2 5 9 マル外ベストウォーリア 牡7 57.0 戸崎圭太 1:35.1 クビ 35.7 516 -4 石坂正 5
3 5 10 カフジテイク 牡5 57.0 津村明秀 1:35.2 3/4 34.9 486 +2 湯窪幸雄 1
4 7 13 エイシンバッケン 牡5 57.0 岩田康誠 1:35.4 1 1/4 35.4 530 +4 中尾秀正 8
5 6 12 マル地ニシケンモノノフ 牡6 57.0 横山典弘 1:35.6 1 1/4 36.4 512 -2 庄野靖志 14

《レース内容》
M.デムーロ騎手騎乗の2番人気・ゴールドドリーム(牡4、栗東・平田厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:35.1(良)。2着にはクビ差で5番人気・ベストウォーリア(牡7、栗東・石坂厩舎)、
3着には3/4馬身差で1番人気・カフジテイク(牡5、栗東・湯窪厩舎)が続いて入線した。
インカンテーションが大外枠から果敢に押して行き、
ニシケンモノノフとの先行争いを制してハナへ。
モーニンは少し離れた先行集団の一角、ゴールドドリームは
全体の丁度真ん中辺りの外目で追走、カフジテイクは最後方から末脚勝負に賭ける。
4角で馬群が固まり、その外から勢いを付けて進出したゴールドドリームが
グイグイ伸びて先頭へ。その内から抜け出してきたベストウォーリア、
大外一気のカフジテイクの追撃を凌ぎ切った。
勝ったゴールドドリームは昨年のヒヤシンスSを快勝して同コースのユニコーンSで重賞初制覇、
初の古馬相手の武蔵野Sでも2着。これで東京ダ1600mでは4戦3勝2着1回。
父は先日亡くなったばかりのゴールドアリュール。
この日はヒヤシンスSでも同産駒のエピカリスが勝利。まだまだ産駒達の活躍は続きそうだ。
2016年2月21日(日) 1回東京8日11R 第33回 フェブラリーステークス(GI)
《レース結果》
1 7 14 マル外モーニン 牡4 57.0 M.デムーロ 1:34.0 レコード 35.2 522 -4 石坂正 2
2 4 7 ノンコノユメ 牡4 57.0 C.ルメール 1:34.2 1 1/4 34.7 454 +2 加藤征弘 1
3 2 4 アスカノロマン 牡5 57.0 太宰啓介 1:34.2 アタマ 34.9 524 -2 川村禎彦 7
4 3 5 マル外ベストウォーリア 牡6 57.0 戸崎圭太 1:34.2 アタマ 35.0 514 0 石坂正 3
5 3 6 ロワジャルダン 牡5 57.0 横山典弘 1:34.3 クビ 35.3 502 -2 戸田博文 6

《レース内容》
4歳のモーニン、ノンコノユメがワンツーフィニッシュ。
ダート路線の世代交代を感じた決着だった。
勝ったモーニンにとっては、1分34秒0という速い決着タイムも
大きな味方になった気がします。1分36秒台くらいのせめぎ合いになっていたら、
果たして同じ結果になったかどうか。
根岸S後は距離延長に対しては疑問を呈していたから。
ただ直前の追い切りがあまりに動いたしモーニン自身が
成長しているのも確かなんでしょう。同条件の2走前・武蔵野S3着の時と違って、
今日は最後までしっか り伸びましたから。
デビュー7戦目でのGT制覇はただただ立派だし、
早い時期に厳しく使い込まなかったのも良かったのだろう。
父のヘニーヒューズは祖父のヘネシーとはランクが違う感じです。
対照的に、速い時計に泣いたのがノンコノユメ。最後の1ハロンはものすごい脚だった。
直線に入ってのポジションでは、普通の馬なら掲示板にすら載れないと思いましたが…。
ラスト3ハロンは芝並みの34秒7。まさに負けて強しでした。
前半のスピードがないのがネックだけど、本当に大した馬だと思う。
今回の時計では厳しかったコパノリッキー、いつもと同じくらいは走っている
ベストウォーリアなどの6歳勢とは勝負付けが済んだ。
一方、まだ見限れないのは5歳勢です。初のダートマイル戦を思えば
3着のアスカノロマンはよく頑張りました。
5着ロワジャルダンもいつになく上手な立ち回りだった。
まだまだ力をつけそうだ。あとは…穴人気になりながら10着に終わったホワイトフーガ。
状態は良さそうでした。今回は枠順も響いたか。2走前JBCレディスクラシックは
内で脚をためる形で結果を出しましたが、当時は牝馬限定戦。
今回は戦車のような牡馬たちの中での競馬です。仕方のない部分もあ るかもしれません。
現役馬の中では横綱と言えるホッコータルマエ、サウンドトゥルーが
不在のレースではあったが、ダート界に新風が吹き込んできたことを感じる競馬だった。
2015年2月22日(日) 1回東京8日11R 第32回 フェブラリーステークス(GI)
《レース結果》
1 2 4 コパノリッキー 牡5 57.0 武豊 1:36.3   36.2 536 -2 村山明 1
2 7 14 インカンテーション 牡5 57.0 内田博幸 1:36.4 1/2 36.2 488 -8 羽月友彦 5
3 5 10 マル外ベストウォーリア 牡5 57.0 戸崎圭太 1:36.5 3/4 36.1 512 +6 石坂正 3
4 4 7 グレープブランデー 牡7 57.0 北村宏司 1:36.6 1/2 36.3 536 -4 安田隆行 11
5 1 1 ローマンレジェンド 牡7 57.0 岩田康誠 1:36.6 ハナ 35.8 508 +7 藤原英昭

《レース内容》レース史上初めてコパノリッキーが連覇を達成した。
1番人気に応えて結果を出したのだから見事としか言いようがない。
ただ時計そのものは昨年より0秒3遅い1分36秒3。
数字上は格別に進化というわけでもなさそ うだが…。
逃げが予想されたコーリンベリーが出遅れたことで想定外の展開になりました。
思いもよらず好位を取れた組は本来の位置に戻ろうと下がります。
その結果、4ハロン目からのラップが12秒6↓13秒1と急落して全体 時計も伸びませんでした。
コパノリッキーのような先行タイプは、これで随分と助かりました。
ライバルであるホッコータルマエの不在に加えて、上がり馬のエアハリファも直前で回避。
確かに恵まれた面はあるが、今回の相手関係では抜けて強かったと言わざるを得ない。
着差こそ半馬身でしたが、かわされるような雰囲気はありませんでした。
この組み合わせなら総合力では断然上位でしょう。
武豊くんが父と走りが似ていると言うようにゴールドアリュール同様、千八〜二千のほう が合っているタイプ。
ライバルの頭数も減る交流GTではより盤石と言えるかもしれません。
2着にはインカンテーションが入りました、本来はスタートがうまい馬ですが、
ここ2走は出遅れて本来の力を発揮できなかった。
そのことがあって陣営は大野から内田博へスイッチしたのだろうが、非情采配がはまった。
それに外枠からうまくモマれずにレースを 運べたことも幸いした。
本来はマイルがベストというタイプではありません。ただ好位につけられたことで
複雑な流れに惑わされることなく力を発揮できたことが好走につながりました。
前半の貯金で最後のひと伸びが利いた。ベストウォーリアの追撃を封じることができた。
ベストはレース間隔を空けたことがいいリフレッシュになったようで素晴らしいデキに映りました。
何頭もが横並びになったところで戸崎くんのスッと下げた手綱さばきは巧みだったんですが…。
先にスパートしたのがコパノ リッキーとインカンテーションではさすがにかわせません。
もったいなかったのは5着のローマンレジェンドだ。最内枠でなければもっと際どいところまで迫れたかもしれない。
ラップが落ちたところで前との差を詰められませんでしたからね。
普通にマイルのペースで流れてくれたら結果も違っていたでしょう。
不満が残ったのはワイドバッハ。楽なペースで行けてしまった分、脚がたまらなかった。
追い込み馬が慣れない形になるとだいたいダメですね。
上がり36秒0とそれなりの脚は使っていますが、自分の形ならもっと切れたはずです。
2014年2月23日(日) 1回東京8日11R 第31回 フェブラリーステークス(GI)
《レース結果》
1 7 13 コパノリッキー 牡4 57.0 田辺裕信 1:36.0   35.3 530 +4 村山明 16
2 8 15 ホッコータルマエ 牡5 57.0 幸英明 1:36.1 1/2 35.1 506 0 西浦勝一 2
3 6 11 ベルシャザール 牡6 57.0 C.デムーロ 1:36.4 1 3/4 35.1 540 +2 松田国英 1
4 3 6 ノーザンリバー 牡6 57.0 戸崎圭太 1:36.4 クビ 35.4 480 0 浅見秀一 11
5 6 12 ブライトライン 牡5 57.0 福永祐一 1:36.5 クビ 35.5 528 +4 鮫島一歩 7

《レース内容》
これだけの豪華メンバーが揃ったのだから厳しい流れになると思っていたが、
意に反して5ハロン通過が60秒6.予想外の遅い流れでした。
ダートのマイル路線は普通、ペースはあまり関係がない。
前残りを想定していたベストウォーリアやペルシャザールも同様で
前に行きたい馬が行けなかった、流れに乗れた馬と逆らった馬で明暗が分かれた気がする。
ホッコータルマエはスピード系ではないから公営のレースで結果を出せる馬。
負けたけど、この2着は偉かったです。ラストの2ハロンが11秒台、
1分35秒台前半の決着と想定していたので1分36秒0ではやはり遅い。
展開やペースを考えたことが逆に落とし穴になりました。加えてペルシャザールは出遅れ。
それでも最優秀ダート馬のタイトルを争った2頭は面目を保ちました。
勝ち馬は3歳時に兵庫SCで今回人気になったベストウォーリアを1秒ちぎっていて
能力は評価されていた馬だ。現4歳世代ではトップスリーに入っていた時期もあります。
ただ、休養明けの2戦の成績が悪すぎた、だからこその大波乱です。
一般的な距離に思われるマイルですが、中央の古馬ダートでは
このレースと武蔵野Sくらいしか大きなレースがありません。
下級条件では適正がわからない。マイルは基本距離と言われますが、ダートに限っては違います。
これだけ流れが落ち着いて、ベストウォーリアやゴールスキー、ワンダーアキュートは
道中モマれっ放し。不完全燃焼の馬がかなりいた。
当然ながら直線で内は開きません。ダートでこういうケースは珍しいです。
コパノは同じ4歳とはいえ、ベストウォーリアやソロルはG1でモマれた経験がない。
内枠を加味すれば評価は下げられません。勝ち馬は距離が延びたら微妙だろうが、
ゴールドアリュール産駒で化ける要素はある。2.3着馬は予定通りドバイへ行く。
ペルシャザールはダービー3着馬だしオールウェザーは平気だろう。
向こうの馬場はスピードを前面に出す馬のほうが良い。
ただ、ペルシャザールがもしドバイで通用する馬であれば、
今回も来ている流れだったと思うが、それに外国人騎手を次々に乗せるのは
プラスもあるけど時にはマイナスもありますからね。

2013年2月17日(日) 1回東京8日11R 第30回 フェブラリーステークス(GI)
《レース結果》
1 2 グレープブランデー 牡5 57.0 浜中俊 1:35.1   35.9 526 -6 安田隆行 3
2 6 エスポワールシチー 牡8 57.0 松岡正海 1:35.2 3/4 36.5 504 +3 安達昭夫 9
3 10 ワンダーアキュート 牡7 57.0 和田竜二 1:35.3 クビ 35.9 518 0 佐藤正雄 7
4 3 セイクリムズン 牡7 57.0 藤岡佑介 1:35.4 3/4 35.8 516 +2 服部利之 16
5 16 シルクフォーチュン 牡7 57.0 横山典弘 1:35.5 クビ 35.7 474 0 藤沢則雄 5

《レース内容》
フェブラリーSはグレープブランデーが優勝。トモが良化して状態も良くなっていました。
直前情報でも馬は一番良かったです。ただ、マイルの距離は1ハロンは短いですし、
飛びが大きくて不器用なところがあるので、多頭数の内枠を捌けるかが懸念されましたが、
レースでは浜中騎手が上手く外に持ち出しました。
マイルのGIで勝てたのはかなり大きな収穫で、距離が延びればさらにいいので、
これから一時代を築いていけるかもしれません。
ハタノヴァンクールやローマンレジェンドとの対決が楽しみです。

2着のエスポワールシチーは状態としては素晴らしかったです。
レースがそうだったように番手くらいで競馬できそうなのは見えていたので、
軽い砂に適性が高いだけに、もう少し軽い砂になっていれば押し切れたでしょう。
高齢ですが、マイルの距離ならまだまだやれます。

3着のワンダーアキュートは重い砂への適性が高かったですし、
状態も良かっただけにパドックでも評価すべきでした。マイrルは少し短いですし、
重い砂に適性があるので、交流重賞、特に大井では期待できそうです。

4着のセイクリムズンは今までに見たセイクリムズンの中でもっとも良く見えたくらい、
短期間に急上昇していました。筋肉がしっかりと付いて素晴らしい馬体でしたし、
内枠もうまく生かせました。ただ、距離については1ハロン長く、
その分詰め切れなかった感じです。

1番人気カレンブラックヒルはデキ自体素晴らしかったですが、砂質に負けた印象です。
今回は力の要る馬場で馬格が要りましたし、
460キロ台の芝馬ではきつかったと思います。
惨敗の精神的ショックが無ければ当然巻き返します。
2012年2月19日(日) 1回東京8日    11R 第29回 フェブラリーステークス(GI)


《レース結果》
1 16 テスタマッタ 牡6 57.0 岩田康誠 1:35.4   35.7 504 +2 村山明 7
2 3 シルクフォーチュン 牡6 57.0 藤岡康太 1:35.7 2 35.7 470 0 藤沢則雄 4
3 10 ワンダーアキュート 牡6 57.0 和田竜二 1:35.8 3/4 36.4 520 +12 佐藤正雄 2
4 11 ダノンカモン 牡6 57.0 福永祐一 1:35.8 ハナ 36.6 532 +2 池江泰寿 5
5 9 エスポワールシチー 牡7 57.0 武豊 1:36.0 1 36.8 500 -6 安達昭夫 3


《レース回顧》
単勝1.5倍の圧倒的支持を集めたトランセンドが7着に敗退。
ドバイの壮行レースとなるはずが一転、窮地に追い込まれることになった。
スタートから鞍上の手綱が激しく動き、4番手をキープするのが精一杯だった。
G1、4勝を誇る実績があれば、行き脚のつかなかった前半の穴埋めを
後半に見せたかったところだが・・・。芝スタートはやはりダッシュがひと息。
それでも南部杯は2番手に付けられましたが、今回は7枠2頭に先に行かれてしまいました。

それにしても直線でこの馬らしい粘り腰が見られなかった。
体調に問題があったのか、ちょっと敗因がつかめない。
南部杯では今回よりも速い流れを番手から押し切ってますから、
そう考えると、もっと厳しいラップを踏んで後続に脚を使わせた方が良かったかも。
今回はハイペースといっても勝ったテスタマッタ、2着シルクホーチュン
ともに上がり35.7秒をマークしていますから。

そのテスタマッタはもともと一昨年のこのレースで2着。
展開がハマったとはいえ当時の走破タイム、上がりともに今年と差がないのだから
自分の力を出し切ったわけだ。逆にその時の勝ち馬エスポワールシチーをはじめ
ほかの馬は走っていないと言えるかもしれません。

結果的にテスタマッタが勝ちましたが、上位陣は力の差はありませんでした。
ワンダーアキュート、ダノンカモンも前にいたトランセンドを負かしにいった分の負け。
展開が明暗を分けた格好です。

トランセンドはこの後、ドバイワールドCが控えているが
去年はノーマークですんなり行けましたが、ドバイでハナを切るためにも
行き脚をつけてほしかった、まぁ、かなわない相手じゃないようですから
何とか頑張ってほしいですね。
2011年2月20日(日) 1回東京8日  11R 第28回 フェブラリーステークス(GI)


《レース結果》
1 12 トランセンド 牡5 57.0 藤田伸二 1:36.4   36.3 514 +2 安田隆行 1
2 13 フリオーソ 牡7 57.0 M.デムーロ 1:36.6 1 1/2 35.7 506 -1 川島正行 3
3 5 バーディバーディ 牡4 57.0 池添謙一 1:36.6 クビ 36.0 488 +6 池江泰郎 4
4 7 ダノンカモン 牡5 57.0 U.リスポリ 1:36.8 1 1/4 36.1 526 0 池江泰寿 5
5 16 マチカネニホンバレ 牡6 57.0 A.クラストゥス 1:36.9 クビ 36.8 538 -10 藤沢和雄 7


《レース回顧》
ペースは600m通過が35秒7で、これは過去10年で2番目に遅い時計
見た目の先行争いは混戦のように見えていたが、意外に落ち着いた流れでした。
しかも、この前が残りやすい馬場でというのも勘案すると、
前の馬たちにとっては、かなり楽なレースとなったのは事実だろう。
レースタイムも結局1分36秒台とかなり時計が掛かった。

トランセンドのマイルはやや短すぎるという懸念もあったが、
極端なスピード勝負にならなければ、やはりこの馬は強いけど
マイラーの資質を問うレースではなかったですね。

2着フリオーソは本当によく走ってくれた。地方競馬ファンとしては、感謝の一言!
もともとマイルやや短いタイプで立ち回りが難しいという懸念もあったのですが、
4コーナーに先団後ろまで上昇すると、直線ではデムーロ騎手が渾身のスパート、
馬を懸命に励ましてこれまでのイメージと全く違う差し脚を発揮、
前残りの流れで直線だけの競馬ながら2着は大いに評価していいでしょう。

3着バーディバーディは池添騎手の完璧な騎乗だった。
直線でもこの馬らしいしぶとい脚を繰り出した。
最後は詰めきれずにフリオーソにかわされたが
JCDに続いて最後の1ハロンの粘りが課題
池江郎調教師が残した財産であり是非、この後のさらなる成長を期待したい。
2010年2月21日(日) 1回東京8日  11R 第27回 フェブラリーステークス(GI)


《レース結果》
1 4 エスポワールシチー 牡5 57.0 佐藤哲三 1:34.9   35.6 498 -4 安達昭夫 1
2 3 テスタマッタ 牡4 57.0 岩田康誠 1:35.3 2 1/2 35.5 482 0 村山明 5
3 6 サクセスブロッケン 牡5 57.0 内田博幸 1:35.9 3 1/2 36.5 532 +11 藤原英昭 2
4 2 ケイアイテンジン 牡4 57.0 四位洋文 1:36.8 5 37.3 476 +4 白井寿昭 14
5 12 グロリアスノア 牡4 57.0 小林慎一郎 1:37.0 1 1/2 37.0 518 +2 矢作芳人 6


《レース内容》
ジャパンカップダートを制したエスポワールシチーと
このレース連覇を狙うサクセスブロッケンは、
ダートでの実績を着々と積み上げてきた両雄。
これに対して東京新聞杯快勝のレッドスパーダ、
日本ダービー2着馬リーチザクラウン、スプリント王ローレルゲレイロ、
マイルの強豪スーパーホーネットは、芝からの転向組。
また4歳世代からは、ジャパンダートダービーを勝ったテスタマッタ、
根岸Sを差し切ったグロリアスノア、
JBCスプリント1着のスーニらが、飛躍を期して参戦してきた。
3つの勢力が顔を揃え、興味深い一戦となったフェブラリーS(GI)。

だがレースは、昨年度のJRA賞最優秀ダートホース・エスポワールシチーの
強さを、ただ再確認するための場と化した。
「ゲートを出てすぐの芝の部分が上手くない。ここだけ気を遣った」と佐藤哲三騎手。
人馬とも集中力を発揮してこの課題はクリア、果敢に飛ばすローレルゲレイロの2番手に
エスポワールシチーはつけた。そこからゆっくり前に詰め寄ると、直線入口で先頭に並びかけ、
残り400mを切ったところから一気にスパート。たちまち後続を突き放して、
エスポワールシチーは真っ直ぐゴールまで駆け抜ける。

最後は、インを突いて伸びてきたテスタマッタに2馬身半の差、
さらに3着サクセスブロッケンは3馬身半後ろ、4着以下はそこから5馬身差。
圧倒的な力差を誇示し、単勝オッズ1.7倍の断然人気にも応えて、
エスポワールシチーはダート最強を証明してみせたのである。

これで、かしわ記念、マイルチャンピオンシップ南部杯、ジャパンカップダート、
そしてフェブラリーSとダートGI・JpnIを4連勝。大目標に掲げるドバイワールドカップが、
射程圏に入ってきた。「また強くなっている」という佐藤騎手の言葉も頼もしい限りだ。

世界制覇へ向けて、夢のふくらむ勝ちっぷり、希望を託すに足る“日本代表”の誕生である。