データーチェック
1番人気は堅実
穴なら前走、未勝利組
逃げた馬が健闘、脚質は不向き
阪神JFの上位馬が出てくるとまず崩れない
キングカメハメハ産駒か父ミスプロ系で母父サンデー系の馬
穴馬は前走の条件戦を0.2秒以上離して勝ち上がってきたような馬


2020年3月7日(土曜) 1回阪神3日第27回 チューリップ賞
《レース結果》
1 枠8桃 13 マルターズディオサ 牝3 54.0 田辺 裕信 1:33.3
2 枠1白 1 クラヴァシュドール 牝3 54.0 M.デムーロ 1:33.3 ハナ
3 枠3赤 4 レシステンシア 牝3 54.0 北村 友一 1:33.5 1 1/4
4 枠6緑 9 イズジョーノキセキ 牝3 54.0 岩田 康誠 1:33.6 1/2
5 枠3赤 3 スマートリアン 牝3 54.0 幸 英明 1:33.6 クビ


《レース内容》
4番人気で田辺騎乗のマルターズディオサが、直線での競り合いを制して
重賞初勝利。昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズで2着に敗れたリベンジを果たし、
桜花賞に向けて弾みをつけた。2着クラヴァシュドール、3着レシステンシアまでが優先出走権を獲得した。
無人のスタンドは静かでも、ターフ内の熱気は変わらない。阪神JF上位3頭が繰り広げたつばぜり合い。
最後にグイッと抜け出したのはマルターズディオサだ。昨年末のリベンジを果たした田辺騎手の頬が緩む。
「いい意味でびっくりしています。阪神JFでは追いつけなかったけど、
きょうはこっちの方が余裕がありました。2着も迫っていたけど、よくしのいでくれました」
外枠からスタートを決め、前走よりゆったり流れた中でじわじわと2番手まで進出。
逃げるレシステンシアを射程に入れて直線に向き、鞍上の左ムチに呼応して差を詰める。
残り100メートル手前で2歳女王を外からかわすと、内ラチ沿いを伸びたクラヴァシュドールの
猛追をハナ差退けた。3カ月前の同舞台でつけられた決定的な5馬身差を逆転し、
本番に向けて勢力図を書き換えた。
手塚調教師は「精神的にどっしりした。外枠で壁がない中でよく我慢した。
GIよりペースが遅かったのも良かった」とひと冬越えての成長に目を細め、
「(今回は)良化の余地がある仕上げ。桜花賞は目いっぱいでいきます」と力を込めた。
今後は栗東に滞在して調整する。
田辺騎手は「見た目じゃ分からないと思うけど、力をつけています。
桜花賞では競馬場にお客さんが入った状態で、みんなに見てもらいたいですね」と結んだ。
1強ムードではなく、混戦模様。桜戦線がにわかに面白くなってきた。
2019年3月2日(土曜) 1回阪神3日第26回 チューリップ賞
《レース結果》
1 枠1白 1 ダノンファンタジー 牝3 54.0 川田 将雅 1:34.1
2 枠8桃 13 シゲルピンクダイヤ 牝3 54.0 和田 竜二 1:34.3 1
3 枠5黄 7 ノーブルスコア 牝3 54.0 福永 祐一 1:34.3 ハナ
4 枠8桃 12 ドナウデルタ 牝3 54.0 北村 友一 1:34.3 アタマ
5 枠5黄 6 シェーングランツ 牝3 54.0 武 豊 1:34.6 1 3/4

《レース内容》
川田将雅騎乗で断然人気に推された昨年の2歳女王ダノンファンタジーが
ゴール前で抜け出して快勝。4連勝で桜花賞制覇に
王手をかけた。タイム1分34秒1(良)。
1馬身差の2着は4番人気のシゲルピンクダイヤ。
ハナ差3着のノーブルスコアまでが本番の優先出走権を手に入れた。
桜のつぼみがまだ堅い仁川で、ダノンファンタジーが貫禄の2019年V発進を決めた。
華麗にエスコートした川田騎手は、ホッとした表情で切り出した。
 「調教では不安に思うところがありましたが、返し馬から雰囲気が良くて、
レースも上手に走ってくれました。いい反応で伸びていたので、
安心して追っていました。桜花賞が楽しみですね」
休み明けで、追い切りでは力む面を見せていたが、競馬では隙を見せなかった。
最内枠から好発を決め、道中はなだめながらインの3番手をキープ。
直線ではしばらく前があかなかったが、人馬とも焦りはなかった。
徐々に外に持ち出して進路を見つけると、一完歩ごとに加速。あっさり差し切った。
これでデビュー2戦目から4連勝。過去2年の2歳女王同様にGIウイナーの力を示し、
不動の主役として桜の舞台に歩みを進める。中内田調教師は
「トレセンで感じていた成長を競馬でも見せてくれました。
筋肉の張りも、これからもうひとつ良くなると思います」と満足げにうなずいた。
確かな成長と本番への上積みを感じさせた前哨戦から、“桜”本番へ。
新馬戦で土をつけられたグランアレグリアとの再戦でも、ダノンファンタジーの優位は揺るがない。
2018年3月3日(土曜) 1回阪神3日11R 第25回 チューリップ賞
《レース結果》
1 枠5黄 5 ラッキーライラック 牝3 54.0 石橋脩 1:33.4 33.3 494 +10 松永幹夫 1
2 枠4青 4 マウレア 牝3 54.0 武豊 1:33.7 2 33.3 438 -8 手塚貴久 3
3 枠8桃 9 リリーノーブル 牝3 54.0 川田将雅 1:33.8 クビ 33.5 498 +4 藤岡健一 2
4 枠8桃 10 サラキア 牝3 54.0 池添謙一 1:34.1 2 33.4 430 -6 池添学 4
5 枠6緑 6 レッドランディーニ 牝3 54.0 浜中俊 1:34.1 クビ 33.3 436 -6 石坂正 8

《レース内容》
石橋脩騎手騎乗の1番人気・ラッキーライラック(牝3、栗東・松永幹厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:33.4(良)。2着には2馬身差で3番人気・マウレア(牝3、美浦・手塚厩舎)、
3着にはクビ差で2番人気・リリーノーブル(牝3、栗東・藤岡健厩舎)が続いて入線した。
サラキアが出遅れて後方から。ラッキーライラックは好スタートを決め、
2頭の先手争いを見ながら3番手に控える。その直後にマウレア、リリーノーブルがピッタリと
マークして人気馬3頭は中団をスムーズに追走。サヤカチャンとカレンシリエージョが
3番手以下を離して逃げるが、3コーナーを過ぎてラッキーライラック以下が徐々に差を詰めて直線の脚比べへ。
2番手を追走したカレンシリエージョがサヤカチャンを交わして先頭に立つも、
それをラッキーライラックが馬なりで捕らえてトップへ。
マウレア、リリーノーブルが併せ馬の形で懸命に差を詰めようとするが、
その差は詰まらず堂々と4連勝を決めた。
勝ったラッキーライラックは、重賞3連勝でデビューから無傷の4連勝。
意外にもここまで1度も1番人気に支持されたことがなかったが、
このレースは単勝オッズ1.8倍と断然の1番人気。そんなプレッシャーも何ら関係なく、
道中は余裕たっぷりの手応えで追走。直線いち早く抜け出して
後続を完封し、無敗のまま桜花賞へ向かう。
2017年3月4日(土) 1回阪神3日11R 第24回 チューリップ賞(GIII)
《レース結果》
1 7 10 ソウルスターリング 牝3 54.0 C.ルメール 1:33.2   33.8 476 +4 藤沢和雄 1
2 6 7 ミスパンテール 牝3 54.0 四位洋文 1:33.5 2 33.7 496 -8 昆貢 7
3 3 3 リスグラシュー 牝3 54.0 武豊 1:33.6 1/2 33.9 438 +4 矢作芳人 2
4 1 1 ミリッサ 牝3 54.0 福永祐一 1:33.7 3/4 34.1 412 +2 石坂正 3
5 2 2 カワキタエンカ 牝3 54.0 和田竜二 1:33.8 1/2 34.7 466 +2 浜田多実雄 8


《レース内容》
C.ルメール騎手騎乗の1番人気・ソウルスターリング(牝3、美浦・藤沢和厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:33.2(良)。2着には2馬身差で7番人気・ミスパンテール(牝3、栗東・昆厩舎)、
3着には半馬身差で2番人気・リスグラシュー(牝3、栗東・矢作厩舎)が続いて入線した。
好スタートを決めたカワキタエンカ、エントリーチケットが先手をうかがうが、
それを制してワールドフォーラブがハナへ。更にアンバーミニーも絡んで速い流れを形成。
ソウルスターリングはグッと抑えて5番手、その直後にミリッサ、
そこから2馬身後ろにリスグラシューが構える。8枠の2頭が後続を離して逃げ、
淀みのない流れのまま直線へ。一杯になった8枠2頭をカワキタエンカが交わすも、
外からソウルスターリングが全く違う脚色で先頭に立ち、そのままリードを広げる。
最後は抑える余裕を見せて2馬身差の快勝。2着は道中、後方3番手にいた
ミスパンテールがリスグラシューとの叩き合いを制して、
この上位3頭が桜花賞の優先出走権を獲得した。
勝ったソウルスターリングは、前走の阪神JFに次ぐ重賞2勝目でデビューから無傷の4連勝。
スタート直後はやや行きたがるような場面も見られたが、好位でリズムを取り戻すと、
あとは抜群の手応えで直線を向き、そのまま力強く押し切り勝ち。
2歳女王の貫禄をまざまざと見せ付け、無敗のまま1カ月後の桜花賞へ向かう。
2016年3月5日(土) 1回阪神3日11R 第23回 チューリップ賞(GIII)
《レース結果》
1 6 11 シンハライト 牝3 54.0 池添謙一 1:32.8   33.0 430 0 石坂正 2
2 5 9 ジュエラー 牝3 54.0 M.デムーロ 1:32.8 ハナ 33.0 498 -6 藤岡健一 1
3 4 7 ラベンダーヴァレイ 牝3 54.0 戸崎圭太 1:33.0 1 1/2 33.7 430 +20 藤原英昭 10
4 3 5 クィーンズベスト 牝3 54.0 F.ヴェロン 1:33.1 1/2 34.2 484 -8 大久保龍志 12
5 1 2 デンコウアンジュ 牝3 54.0 川田将雅 1:33.1 クビ 33.6 450 +4 荒川義之 6


《レース内容》
クイーンCをレースレコードで圧勝した2歳女王メジャーエンブレムへの挑戦権をかけた一戦。
結果は戦前の評価通り、人気2頭のマッチレースになった。
3番人気のレッドアヴァンセは14キロ減の体で覇気に欠け、
パドックの時点で消えるかもと思ったけど…。
そんな中、接戦をきっちりモノにしたのがシンハライト。
小柄な体こそ変わらないが、フットワークは大きくなりました。
切れ味だけで制したのとは違って、より相手が強化された中で
正攻法の勝負ができたのは評価していいですね。
2着ジュエラーもノーミスで運んで惜敗。500キロ級の大型馬だけに
使い減りする心配がないし、ハナ差で負けたが
安定味では上という印象も残した。
1、2着馬ともにスピード勝負への対応を示した点は対メジャーへの指針になる。
とはいえ、いったい阪神の馬場はどうしちゃったんでしょう?
ウオッカの記録(07年)を0秒9更新する1分32秒8のレースレコード。
本番がこれほど速くなると思えないし、
ステップレースとしては負担の大きさが気になるところではあります。
そこは中間の気配をチェックするとして…。
3着ラベンダーヴァレイは権利を取りつつもインパクトが弱い。
阪神JF2着ウインファビラス、3着ブランボヌールは成長を示せなかったから、
これで牝馬戦線の“トップ3”が決まったのは確かだろう。
2015年3月7日(土) 1回阪神3日11R 第22回 チューリップ賞(GIII)
《レース結果》
1 7 14 ココロノアイ 牝3 54.0 横山典弘 1:37.7   35.9 460 +10 尾関知人 5
2 1 1 アンドリエッテ 牝3 54.0 川田将雅 1:37.9 1 1/4 35.7 436 +10 牧田和弥 7
3 8 15 レッツゴードンキ 牝3 54.0 岩田康誠 1:38.0 3/4 36.6 468 +2 梅田智之 2
4 6 12 ロカ 牝3 54.0 M.デムーロ 1:38.3 2 36.2 490 -2 今野貞一 3
5 2 4 アスカビレン 牝3 54.0 秋山真一郎 1:38.5 1 1/4 36.1 458 -2 中尾秀正 12


《レース内容》勝負の明暗を分けたのは馬場だろう。
重馬場で1分37秒7の決着となると苦にする馬も出てくる。
ココロノアイは阪神JFが1分34秒6で3着に好走。
その一方で今回のような道悪もこなして勝ったことは大きな価値がある。
ステイゴールド産駒らしく道悪は得意なのでしょうが、
体を10キロ増やして結果を残した点も収穫です。ふっくらというよりもしっかりと映りました。
すんなり好位から抜け出した内容から、本番でも有力馬の一頭に加わりました。
それにしても桜路線は関東から有力候補が続々と出てきました。
現時点ではショウナンアデラ、ルージュバックが抜けているが、2番手グループの筆頭に浮上した感じ。
これまで大崩れがないのは能力があるからこそ。本番での激突が本当に楽しみになった。
自身の上がり3ハロンで36秒を切ったのはココロノアイとアンドリエッテだけ2着馬も本番が楽しみになった。
馬体が回復してパドックでも素晴らしかった。道中はインでモマれてポジションを悪くしたし、
ディープインパクト産駒で道悪は本来合わないでしょう。その点も考慮すると価値のある好走です。
本来は時計の出る馬場で決め手をフルに発揮するタイプだろうからな。
同じディープ産駒でもクルミナルとコンテッサトゥーレはいいところがなかった。
それぞれ実績からこれが実力ではないはずだ。
クルミナルは決して非力なタイプではないと思っていました。
少しも見せ場がなかっただけに本番での巻き返しはどうでしょうか?
コンテッサトゥーレはルメールの騎乗停止で鞍上がスイッチした点も考慮したい。
6着には踏ん張ったし、素晴らしい母系からまだ見限れない。
キャリアが浅い3歳牝馬が、一戦ごとに乗り替わりでは確かに厳しいですね。
優先出走権を確保した残る1頭が3着レッツゴードンキ。これでココロノアイとの対戦歴は1勝2敗です。
馬場を考慮して積極的に動いた分、最後は脚が上がってしまった。
暮れ以来の実戦も考慮すれば評価が下がる敗戦ではない。
ロカは4着止まりで賞金加算にも失敗。デビュー戦ではもっと大物感があったが…。
一戦ごとに下がりムードです。2戦目からマイルを続けて使ってきましたが、
本質はオークス向きのタイプでしょう。展望を見誤った感もあります。
2014年3月8日(土) 1回阪神3日11R 第21回 チューリップ賞(GIII)
《レース結果》
1 3 3 ハープスター 牝3 54.0 川田将雅 1:34.3   33.7 476 0 松田博資 1
2 8 13 ヌーヴォレコルト 牝3 54.0 岩田康誠 1:34.7 2 1/2 34.7 438 -2 斎藤誠 4
3 8 12 リラヴァティ 牝3 54.0 松山弘平 1:34.9 1 1/2 35.5 438 0 石坂正 6
4 6 8 ブランネージュ 牝3 54.0 藤岡康太 1:35.0 1/2 34.8 458 -2 藤岡健一 7
5 6 9 ウインリバティ 牝3 54.0 池添謙一 1:35.0 ハナ 34.6 432 -2 飯田雄三 11

《レース内容》
王道トライアルとあって、パドックでもムードのある馬が多いなと思いましたが、
ただ一頭、別次元の雰囲気を漂わせていたのがハープスター。
先を見据えた仕上げなら少しは隙もあるかと見ていましたが、
ちょっと格が違う、とレース前に感じました。
実際、ゲートが開けば期待通りの走り、メンバー的に負けてはいけない一戦だったが、
それにしても脱帽ものの勝ちっぷりだった。1分34秒3の数字では
測れない強さを示した。イメージに反して小脚が使えたし、いざ追い比べになったら
他馬とは全然ランクが違いました。この手の馬に阪神JF(2着)のような
小細工は不要だろう。力でねじ伏せる競馬で十分。今回の勝ち方なら
ダメージも残らないでしょうし、よほどのことがない限り桜花賞も取りこぼす事はないはず。
あえて死角を挙げれば、チューリップ賞優勝馬の不振傾向くらいでしょうか。
重賞に格上げなった94年以降、本番も勝ったのはテイエムオーシャンと
ブエナビスタの2頭だけ。不思議なことに他はことごとく負けているんです。
この時期の牝馬はそれくらい調整が難しい。不安を見つければこの点ぐらい。
ただ2着ヌーヴォレコルト、3着リラヴァティは権利こそ取ったものの、
本番での逆転となるとねぇ・・・。確かに本番が今回より楽な流れになるとは思えないし
特に3着リラヴァティの逆転は厳しそうです。
走ると見ていたシャイニーガールも案外だった。結局はこの先、
果してライバルが出てくるのかということだが・・・。
阪神JF優勝馬レッドリヴェールはぶっつけ本番。同3着フォーエバーモアも、
勝ったとはいえクイーンCはやや迫力不足の印象。
その意味で桜花賞は思わぬ伏兵の台頭があっても不思議ではない。
2013年3月2日(土) 1回阪神3日11R 第20回 チューリップ賞(GIII)
《レース結果》
1 7 クロフネサプライズ 牝3 54.0 武豊 1:34.9   34.7 466 -6 田所秀孝 3
2 13 ウインプリメーラ 牝3 54.0 和田竜二 1:35.5 3 1/2 35.2 434 +4 大久保龍志 7
3 6 アユサン 牝3 54.0 丸山元気 1:35.6 3/4 35.1 496 0 手塚貴久 5
4 12 ヴィルジニア 牝3 54.0 池添謙一 1:35.7 クビ 34.8 426 -2 松田博資 4
5 1 グッドレインボー 牝3 54.0 W.ビュイック 1:35.7 ハナ 35.0 460 -4 宮徹 6

《レース内容》
1着のクロフネサプライズは迫力こそありませんでしたが、
休み明けながらきっちりと仕上がっていました。
レースでは前残り馬場で単騎逃げ。
力の要る馬場もクロフネ産駒だけに合っていました。
かなり恵まれたところはありましたが、
直線で最後は突き放していたように能力も伴っています。
ハナを切らなくても競馬ができますし、
パワーを要求される馬場状態なら本番でも期待が持てます。
2着のウインプリメーラはそつなくまとまっている感じの馬体です。
筋肉に柔軟性があり、本質的には軽い馬場の方が向いていそうな感じです。
この馬も先行力があるので、前が有利な馬場や流れでは警戒が必要です。
3着のアユサンはまだ絞れるくらいの体付きでしたが、
ディープインパクト産駒らしいバネがあって良い馬です。
内枠の利もありましたが、楽なポジションを取れたのは収穫で、
良化が見込める本番では怖い存在になりそうです。
4着のヴィルジニアは手先が軽くて回転の速いフットワークが特徴。
ガリレオ産駒ですが、もっと軽い馬場でも良いかも知れません。
今回は権利に届きませんでしたが、いずれは一線級とも戦える馬です。
6着のウリウリはだいぶんマシになってきました。
先々はもっと良くなりそうな馬ですが、現時点でも自己条件ならやれそうです。
9着に敗れてしまったローブティサージュは馬体に迫力がでて、
かなり良くなっていました。状態としては阪神JF時よりも上だったと思います。
今回は枠順が悪かったですし、前半の折り合いに苦労してポジションが
悪くなったことも影響しています。本番へ向けての
加点要素は多いですし、次は本来の走りを見せてくれると思います。
2012年3月3日(土) 1回阪神3日      11R 第19回 チューリップ賞(GIII)
《レース結果》
1 12 ハナズゴール 牝3 54.0 C.デムーロ 1:35.5   34.0 414 -12 加藤和宏 4
2 14 エピセアローム 牝3 54.0 浜中俊 1:35.9 2 1/2 34.6 460 -12 石坂正 3
3 5 ジョワドヴィーヴル 牝3 54.0 福永祐一 1:36.0 クビ 34.8 420 +2 松田博資 1
4 1 ジェンティルドンナ 牝3 54.0 岩田康誠 1:36.1 1/2 34.7 460 -6 石坂正 2
5 3 スピークソフトリー 牝3 54.0 武幸四郎 1:36.2 3/4 35.1 466 -8 千田輝彦 7


《レース回顧》
少し重めの良馬場でしたが、5ハロン通過が60秒2、変な流れになったわけではない。
直前の準オープン・武庫川Sが5ハロン通過59秒6で1分35秒3の決着。
これを考えると衝撃的ではないけど例年並みのレベルにあったと思う。
この流れで3.4着に終わったジョワドヴィーヴル、ジョンティルドンナの2強は
嫌な負け方だった気がします。

ジョワドは2歳時とあまり変わっていない体つき、気合ひと息の印象もありましたが、
普通の競馬をして負けるのが、天才肌としてはどうでしょうか。
良化を見込んでも戦前評価を大きく変えざるを得ません。
面目をギリギリ保った3着とも言えるし、切れ味が生きない競馬が影響したのか
稽古をやり過ぎたのか・・・。敗因を特定できず納得がいかない。
阪神JFのパフォーマンスを考えればこんなものではないのは確か。
本番ではやっぱり軽視できない存在に変わりない。

ジェンティルも同様、ジョワドを見る位置で運んで
4角でうまくさばけていればの敗戦でしたが
中間の熱発の不安視を感じさせない姿でしたからね。
褒められる負け方ではありません。

勝ったハナズゴールはそれなりの位置で運んだ2強を外から一刀両断の2馬身半抜け
切れ味はやっぱり非凡だし、そのままの栗東滞在で馬体重の不安も解消できる。
桜の主役を張れる力量を示した。
はっきりしていたはずの桜戦線が一転、混戦ムード、
いろいろな意味で面白くなったのは間違いないでしょう。

2011年3月5日(土) 1回阪神3日  11R 第18回 チューリップ賞(GIII)
《レース結果》
1 8 レーヴディソール 牝3 54.0 福永祐一 1:34.5   33.6 460 +10 松田博資 1
2 10 ライステラス 牝3 54.0 岩田康誠 1:35.2 4 34.7 452 0 和田正道 2
3 5 メデタシ 牝3 54.0 浜中俊 1:35.2 クビ 34.7 422 -8 音無秀孝 6
4 2 タガノラヴキセキ 牝3 54.0 武豊 1:35.2 ハナ 35.1 442 +6 河内洋 4
5 6 ビッグスマイル 牝3 54.0 小牧太 1:35.3 クビ 34.4 422 -2 領家政蔵 8


《レース回顧》
チューリップ賞は、断然の1番人気でしたレーヴディソール
単勝支持率は81.4%、あのディープインパクトが
無敗の3冠を達成した菊花賞が79.0%でしたから、
これを上回るダントツの数字。
もちろんグレード制導入後(84年以降)の重賞では最高記録です。

支持率もダントツならば、そのレースぶりも圧巻の一言!
大外を回り、軽く仕掛けられただけで4馬身差の圧勝。
涼しい顔をしながら、上がり3Fは33.6と、
他の馬たちとは上がりだけで1秒以上違います。
これはもう、見ているだけで笑いと溜め息がこみ上げてくるような、
圧倒的強さ。

「凄いものをを見てしまった」という気持ちの方が
強かった感までしてしまいますね。

4馬身差の2着ライステラス以下は4頭が横一線、
まったく歯が立たない感じです、3着にメデタシ。

配当は260円、レーヴディソールが走るレースは
こんな配当が続きそうな予感です。
2010年3月6日(土) 1回阪神3日  11R 第17回 チューリップ賞(GIII))


《レース結果》
1 12 ショウリュウムーン 牝3 54.0 木村健 1:36.1   34.7 450 -8 佐々木晶三 9
2 16 アパパネ 牝3 54.0 蛯名正義 1:36.2 3/4 35.0 478 +6 国枝栄 1
3 4 エーシンリターンズ 牝3 54.0 岩田康誠 1:36.2 アタマ 34.9 440 -8 坂口正則 8
4 3 オウケンサクラ 牝3 54.0 小牧太 1:36.5 1 3/4 34.6 484 -4 音無秀孝 2
5 2 ラフォルジュルネ 牝3 54.0 藤岡康太 1:36.6 1/2 34.5 444 0 松田博資 6


《レース内容》
桜花賞を目標に据える16頭によって争われたチューリップ賞(GIII)。
中でも期待を集めたのは昨年の2歳女王アパパネで、道中は好位の外、
直線では十分に余裕を持って追い出すという、1番人気に恥じない堂々の走りを見せる。

楽々と抜け出すかと思われたアパパネだったが、そこへ並びかけてきたのが
単勝オッズ39倍・9番人気の伏兵ショウリュウムーン。
鞍上は地方競馬通算1900勝オーバーを誇る兵庫のエース・木村健騎手だ。

前走・3戦目にしてようやく初勝利をあげたばかりのショウリュウムーンだが、
その手綱を取った小牧太騎手から木村騎手へ「走る馬」との言葉が贈られていたという。
かつて同地区で腕を競い合った先輩の言葉を信じ、道中は徹底してアパパネをマーク、
最後に競りかけていく戦法でレースに挑んだ木村騎手とショウリュウムーン。
その策が実り、女王を4分の3馬身差ねじ伏せての重賞初制覇となったのだった。

アパパネもしぶとく2着を確保し、そこへ詰め寄ったのはエルフィンS勝ち馬エーシンリターンズ。
いずれもキングカメハメハを父に持つ、この上位3頭、本番でも注目を浴びる存在になりそうだ。