データーチェック
優勝馬は前走で3番人気以上! 阪急杯組が断然*阪急杯組が連対しなかった年はない
近3走以内の最低人気は5番人気まで 〈阪急杯と高松宮記念の連勝はない〉
芝の中距離的な切れ味を持つサンデー系の馬 〈阪急杯の前走は1400m以上の重賞〉
サンデー系の次には中距離で斬れるノーザンダンサー系の馬 別路線組なら、前走が芝1200mの重賞連対馬
6番人気以下で馬券になるのは1.2枠か7.8枠の馬 重賞勝ちがあること


2020年3月29日(日曜) 1回中京8日第50回 高松宮記念
《レース結果》
1 枠8桃 16 モズスーパーフレア 牝5 55.0 松若 風馬 1:08.7
2 枠4青 8 グランアレグリア 牝4 55.0 池添 謙一 1:08.7 ハナ
3 枠2黒 3 ダイアトニック 牡5 57.0 北村 友一 1:08.7 アタマ
4 枠6緑 11 クリノガウディー 牡4 57.0 和田 竜二 1:08.7 (1位降着)
5 枠8桃 17シヴァージ 牡5 57.0 藤岡 佑介 1:09.0 2


《レース内容》
1位入線した15番人気のクリノガウディーが4着に降着、ハナ差2位の
9番人気モズスーパーフレアが繰り上がり、念願のGI初制覇を果たした。
GIでの1位入線馬の降着は1991年天皇賞・秋のメジロマックイーン(18着)、
2006年エリザベス女王杯のカワカミプリンセス(12着)、
10年ジャパンCのブエナビスタ(2着)に次ぐ4度目となった。
無観客開催でなければ大歓声が上がったはずのゴール前は、手に汗にぎる攻防となった。
逃げ粘るモズスーパーフレアに外からクリノガウディーが迫り、鼻面を並べてゴール。
写真判定の結果、2センチ差でクリノが1位入線したが、検量室の着順表示板には
“審議中”の札が張られたまま。地上波のテレビ中継枠に収まりきらない、
17分間にわたる長い審議の末、モズスーパーフレアが繰り上がりで春のスプリント王となった。
「最後は無我夢中で、ゴール板を駆け抜けたときは負けたかな、と。
素直に喜べないけど、GIを初めて勝てて、うれしい気持ちはあります」
デビュー7年目でつかんだ初のGIタイトル。松若騎手に本来の笑顔はなかったが、
パートナーの持ち味を生かし切って勝利を呼び込んだ。道中は後続を3馬身以上離しての逃げ。
残り100メートルでクリノが外から斜行し、間を突いたダイアトニックの進路を妨害、
そのあおりを受けて体勢を崩したが、懸命の粘りでハナ差2位を死守した。
「ちょっと不利がありましたし、すっきりしないけど、勝ちは勝ち、と理解しています」
音無調教師も喜びきれない表情だったが、弟子の松若騎手のGI初制覇には
「彼も日々努力していましたから。この日を待っていました」と満面の笑みを見せた。
仕上げには自信を持っていた。昨年は夕刊フジ賞オーシャンS快勝から中2週で疲れが残り、
2番人気で15着に大敗。今年は休み明けのシルクロードS(4着)から
中7週と余裕があるローテーションを選択し、「間隔をあけたのが正解でした」とうなずいた。
今後は昨年2着のスプリンターズS(10月4日、中山、GI、芝1200メートル)が目標。
史上初の無観客GIを振り返った鞍上は「寂しいです。競馬ができる幸せ、
お客さまの大切さを感じます。今度は勝って(大歓声の中で)ウイニングランしたい」と誓う。
マイルGIウイナーなど別路線から有力馬が多く参戦したなかで、
短距離路線を貫いて頂点に立ったモズスーパーフレア。電撃王としての歩みは始まったばかりだ。
2019年3月24日(日曜) 2回中京6日第49回 高松宮記念
《レース結果》
1 枠2黒 3 マルガイミスターメロディ 牡4 57.0 福永 祐一 1:07.3
2 枠2黒 4 セイウンコウセイ 牡6 57.0 幸 英明 1:07.4 1/2
3 枠4青 7 ショウナンアンセム 牡6 57.0 藤岡 康太 1:07.4 アタマ
4 枠7橙 13 ダノンスマッシュ 牡4 57.0 北村 友一 1:07.5 1/2
5 枠3赤 5 ティーハーフ 牡9 57.0 国分 優作 1:07.6 1/2


《レース内容》
3番人気ミスターメロディ(牡4、藤原英)がG1初制覇を達成した。
内枠スタートから好位のインをキープすると、直線は抜群の手応えで抜け出した。
鞍上の福永騎手が、芝1200メートル初挑戦の相棒を見事にエスコート。
「やりたい競馬ができた。直線もいいタイミングでスペースがあいた。G1で、
初めての1200メートルに対応するセンスがある。ダートも走るので、
これからいろんな選択肢があると思う」と将来にも期待した。
同騎手にとっては、かつてダービー初騎乗など主戦を務めたキングヘイローが
19日にこの世を去ったばかり。「後押ししてくれたような・・・。
そういうのってあるんですかね」とかつての相棒にも感謝した。
2着は、前で積極的に運んだセイウンコウセイ。一昨年の覇者が、12番人気の低評価に反発した。
3着には17番人気ショウナンアンセムが入り、
3連単は400万円超の大波乱。1番人気ダノンスマッシュは4着に敗れた。
2018年3月25日(日曜) 2回中京6日11R 第48回 高松宮記念
《レース結果》
1 枠5黄 9 ファインニードル 牡5 57.0 川田将雅 1:08.5 34.5 480 -8 高橋義忠 2
2 枠4青 8 レッツゴードンキ 牝6 55.0 岩田康誠 1:08.5 ハナ 34.6 500 +8 梅田智之 3
3 枠4青 7 ナックビーナス 牝5 55.0 三浦皇成 1:08.6 1/2 34.7 522 -4 杉浦宏昭 10
4 枠6緑 11 ダンスディレクター 牡8 57.0 武豊 1:08.7 1/2 34.3 442 -2 笹田和秀 4
5 枠2黒 3 カクガイブリザード せん7 57.0 K.ティータン 1:08.7 クビ 34.9 502 -8 P.イウ 6


《レース内容》
川田将雅騎手騎乗の2番人気・ファインニードル(牡5、栗東・高橋忠厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:08.5(良)。2着にはハナ差で3番人気・レッツゴードンキ(牝6、栗東・梅田智厩舎)、
3着には半馬身差で10番人気・ナックビーナス(牝5、美浦・杉浦厩舎)が続いて入線した。
注目された先行争いは最内に入った昨年の覇者セイウンコウセイとダイアナヘイローが
競る形で速い流れを形成。ファインイードル、レッツゴードンキ、ナックビーナスは好位で
その流れに乗った一方、1番人気のレッドファルクスは行き脚がひと息で後方から
レースを余儀なくされる。4コーナーではセイウンコウセイが先頭を奪って直線へ。
内を突いたレッツゴードンキがラスト1Fで先頭。後続を引き離しにかかるが、
外からファインニードルがジリジリと差を詰めハナ差交わしたところがゴール。
ファインニードルは連勝でG1初制覇。レッツゴードンキは2年連続2着に泣いた。
勝ったファインニードルは、昨年6月にオープン入りし、9月のセントウルSで重賞初勝利。
G1初挑戦となったスプリンターズSこそ12着と崩れたが、
休養明け初戦のシルクロードSを快勝して2つ目の重賞タイトルを手にすると、
その勢いを駆って初のG1タイトルを奪取。シェイク・モハメド殿下が
ゴドルフィンに馬主名義を変更し、勝負服も新しくなって初めて挑んだG1で嬉しい勝利となった。
2017年3月26日(日) 2回中京6日11R 第47回 高松宮記念(GI)
《レース結果》
1 3 6 セイウンコウセイ 牡4 57.0 幸英明 1:08.7   34.5 500 0 上原博之 5
2 2 3 レッツゴードンキ 牝5 55.0 岩田康誠 1:08.9 1 1/4 33.9 506 +4 梅田智之 2
3 4 7 レッドファルクス 牡6 57.0 M.デムーロ 1:09.0 クビ 34.6 472 +7 尾関知人 1
4 1 1 ティーハーフ 牡7 57.0 国分優作 1:09.3 1 3/4 34.6 468 0 西浦勝一 16
5 1 2 フィエロ 牡8 57.0 内田博幸 1:09.3 ハナ 34.1 504 +2 藤原英昭 7


《レース内容》
幸英明騎手騎乗の5番人気・セイウンコウセイ(牡4、美浦・上原厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:08.7(稍重)。
2着には1馬身1/4差で2番人気・レッツゴードンキ(牝5、栗東・梅田智厩舎)、
3着にはクビ差で1番人気・レッドファルクス(牡6、美浦・尾関厩舎)が続いて入線した。
シュウジがポンと好スタート。そこへラインスピリット、セイウンコウセイ、トウショウピスト、
ワンスインナムーンらが加わって先行集団を作る。レッドフォルクスはその後ろの
インでジッと前を見る形、メラグラーナ、レッツゴードンキは
後方5〜6番手のポジションで終いにかける。
シュウジ、ラインスピリットが並んで直線に入るが、セイウンコウセイが手応え良く
馬場の外めを一気に伸びて先頭。内を突いたレッツゴードンキ、レッドフォルクスが
懸命に詰め寄ろうとするが、その差は詰まらず、セイウンコウセイがトップでゴールを突き抜けた。
勝ったセイウンコウセイはちょうど1年前に初勝利。そこからトントン拍子で勝ち進み、
重賞は前走のシルクロードSに続く2度目の挑戦。G1はもちろん初挑戦で、
一気にスプリント界の頂点へ上り詰めた。関東馬の優勝は2011年キンシャサノキセキ以来。
騎乗した幸英明騎手は2008年ファイングレインに次ぐ2度目の勝利となった。
2016年3月27日(日) 2回中京6日11R 第46回 高松宮記念(GI)
《レース結果》
1 2 4 ビッグアーサー 牡5 57.0 福永祐一 1:06.7 レコード 33.4 520 -4 藤岡健一 1
2 3 6 ミッキーアイル 牡5 57.0 松山弘平 1:06.8 3/4 33.8 490 +2 音無秀孝 2
3 4 8 マル外アルビアーノ 牝4 55.0 C.ルメール 1:07.1 1 3/4 33.4 516 +6 木村哲也 3
4 5 10 アクティブミノル 牡4 57.0 藤岡康太 1:07.1 アタマ 33.6 482 -2 北出成人 16
5 7 13 マル外エイシンブルズアイ 牡5 57.0 石橋脩 1:07.2 3/4 33.3 472 -2 野中賢二 5


《レース内容》
前日同様の速い馬場で、ちょっと前の7R・古馬500万下で1分07秒3のレコード決着。
このことから高松宮記念が1分06秒台となるのは想定の範囲内だった。
まさかこんな馬場になっているとは思いませんでした。
そんな中で、すんなり好位を取れたビッグアーサーとミッキーアイルが1、2着。
前が止まらない馬場を味方にできるセンスが光った。
ビッグアーサーは持ち時計ナンバーワン。京都とはいえ1分06秒7で走った経験がありました。
ミッキーアイルは勝ち運がないだけで、昨年3着しているように地力は上位。
控える形でもよく頑張っている。アルビアーノは3着。能力の高さで押し上げてきた感じですが、
本質は1200メートルというより1400メートル以上。今回はこの距離に対するキャリアの違いがモロに出た感じ。
いくらなんでも速過ぎですから。というか、馬場をいじり過ぎだと思います。
この高松宮記念の現競馬場のレコードは1分08秒1。軽さだけを求めるコースではない、というのが特徴でした。
先週までも同様の傾向です。それがたった1週間でレコード連発の馬場へと変貌…。
AからBコースへと替わっただけで、こうも変わりますか? 
JRAはローラーをかける等、馬場をいじることはないと公言していますが、
これでは不信感を持たれても仕方がない。今週はあっちこっちで「インチキだ」なんて声を聞きました。
先週までの馬場傾向を踏まえたうえで予想しているわけだから。
もちろん前売りで馬券を買うファンにとっても不親切。
天候など自然に馬場傾向が変わるのは仕方がないが、人為的なものは好ましくない。
レース自体は素晴らしかったです。スプリント戦らしく締まった流れ。それに勝ったビッグアーサーは血統も素晴らしい。
何といっても父サクラバクシンオーですから。テスコボーイが日本に輸入され、
産駒のランドプリンスが皐月賞を制してからすでに40年以上。
日本でこれだけ続く父系は他にありません。後継種牡馬がまた1頭増えて喜ばしい限りです。
4着に食い込んだのはアクティブミノルか。人気はなかったけど、昨秋にGUセントウルSを勝ってる。
こういう流れのスプリント戦は、フロックでは上位に来れませんからね。
今後へ向けて価値ある4着と言えるのでは。一方、こういう速い馬場に泣いた馬も複数。
スノードラゴンだったり、ウリウリだったり…。
エイシンブルズアイ。レースの流れに全然乗れませんでした。
2015年3月29日(日) 2回中京6日11R 第45回 高松宮記念(GI)
《レース結果》
1 2 4 外エアロヴェロシティ せん7 57.0 Z.パートン 1:08.5   34.3 524 -16 P.オサリバン 4
2 7 15 ハクサンムーン 牡6 57.0 酒井学 1:08.6 1/2 34.5 478 -6 西園正都 6
3 8 16 ミッキーアイル 牡4 57.0 浜中俊 1:08.6 ハナ 34.2 486 +4 音無秀孝 3
4 3 6 サドンストーム 牡6 57.0 国分優作 1:09.2 3 1/2 34.5 476 -4 西浦勝一 10
5 8 17 コパノリチャード 牡5 57.0 武豊 1:09.3 1/2 34.7 492 -2 宮徹 5


《レース内容》
ラストの攻防は後続を離した3頭の叩き合いになった。
これを制したのが香港のエアロヴェロシティ。着差は半馬身でも、
力強く抜け出した際の迫力はさすがワールドクラスだ。
7歳馬とはいえキャリアは今回で17戦目。一戦ごとに力をつけています。
日本勢やラッキーナインを下した暮れの香港スプリントあたりから急激に強くなった印象です。
セン馬だし、まだまだ活躍が期待できます。
ロードカナロアの香港スプリントの時計は12年が1分08秒5で13年が1分08秒2。
エアロは1分08秒5で勝っているんだから終わってみれば通用して当然。
ただ香港の短距離路線も以前に比べればレベルは下がっていると思います。
サイレントウィットネスやブリッシュラック、それこそロードカナロアの域にはまだ達していないでしょう。
深刻なのは日本の現状だ。初めての海外遠征で久々の左回り、
おまけに16キロの馬体減の馬に勝たれてしまったんだから。
一応、意地を見せたのが2着のハクサンムーン。というより前走からコンビが復活した
酒井の気迫十分の手綱さばきが光った。ただ6歳馬だけに上がり目は疑問。
となると、今後が楽しみなのは4歳の3着ミッキーアイルです。
今回は負けはしましたが、地力がついてきたことは感じました。
精神面がどっしりして、かかることがなくなったのが大きい。マイルまでは守備範囲だし、
短距離路線全般での活躍が期待できる。上位3頭からは離されたが、
4着には伏兵のサドンストーム。頑張ってくれましたけど力負けですね。
渋い馬場を苦にするタイプでもないだけに上位との力差は認めざるを得ません。
ストレイトガールは香港スプリント3着を物差しにすれば、こんなに負ける馬ではない。
ぶっつけの参戦は、やはり状態面に問題があったのだろう。
連覇を狙ったコパノリチャードはいいころのうなるような迫力が見られませんでした。
ダイワマッジョーレは総合力で千四までこなしますが、本質的にはスプリンターではないのでしょう。
2014年3月30日(日) 2回中京6日11R 第44回 高松宮記念(GI)
《レース結果》
1 3 5 コパノリチャード 牡4 57.0 M.デムーロ 1:12.2   37.2 484 -4 宮徹 3
2 8 17 スノードラゴン 牡6 57.0 大野拓弥 1:12.7 3 36.1 510 -4 高木登 8
3 5 9 ストレイトガール 牝5 55.0 岩田康誠 1:12.9 1 1/4 37.0 454 +2 藤原英昭 1
4 8 16 マル外エーシントップ 牡4 57.0 武幸四郎 1:12.9 クビ 38.4 526 -6 西園正都 15
5 6 12 ハクサンムーン 牡5 57.0 酒井学 1:13.0 1/2 36.5 474 -6 西園正都 2


《レース内容》
素直な感想で言えば良馬場で見たかった。やはり高松宮記念といえば
スピード馬場で快速ぶりを競ってもらいたい。
稍重くらいまでと踏んで予想しましたが、まさか不良馬場まで悪化するとは・・・。
1分12秒2の決着ですから馬場差はザッと見積もっても4秒。これは相当に悪い馬場です。
それだけ各馬の評価は難しい。勝ったのはコパノリチャード。馬主のDr.コパさんは
フェブラリーSをコパノリッキーで制したばかりで乗りに乗っている。
だがらといって今回の勝利をラッキーで片付けるわけにはいかない。
昔から遅い時計の決着こそ本当に強い馬でなければ勝てないと言います。
これまでの戦歴が示す通り、典型的なスプリンターではありませんが、
マイルまでをこなす持久力がタフな馬場で存分に生かされました。
それに良馬場だと馬群は密集する。各馬が少しでも走りやすいところを選んだために
バラける展開になった点も味方した。純粋なスプリント戦ではテンのスピードが物足りないが、
今回はその点が致命傷にならなかった。もちろん満点のエスコートをした
ミルコ・デムーロの手綱さばきも達者だった。余裕があるからこその進路取りでした。
コーナーはインを回って直線に向いて外へ出しました。
コパノリチャードもそうですが、極悪馬場で問われたのがパワーと同時にデキの良さです。
2着スノードラゴンは同じ葦毛馬のワシントンカラーを彷彿させる快走でした。
決め打ちとはいえ、最後の1ハロンからの伸びは目を引きました。
3着のストレイトガールは自ら動いた分、最後の最後でスノードラゴンに差されてしまった。
ただし、勝ちにいっての競馬で負けて強しと評価していいだろう。
逃げて見せ場を作ったのはエーシントップでした。
行くと思われたハクサンムーンはスタート悪く後方から。
それでも外に出してからはじりじり伸びてきました。
まだ本当ではないにしろ、久々を叩いてそれなりに良くなっていた。
見せ場がなかった組の大半はやはり今回の馬場が合わなかった。
リアルインパクトがその代表格、ドタバタした走りで早々と音を上げていた。
小柄な牝馬のレディオブオペラにも同じことが言える。
古豪のサンカルロも今年はいいところがありませんでした。
内枠を引いてしまった時点でアウト。力を出せませんでした。
2013年3月24日(日) 2回中京6日11R 第43回 高松宮記念(GI)
《レース結果》
1 11 ロードカナロア 牡5 57.0 岩田康誠 1:08.1 レコード 33.2 498 -4 安田隆行 1
2 12 ドリームバレンチノ 牡6 57.0 松山弘平 1:08.3 1 1/4 33.3 492 -2 加用正 2
3 13 ハクサンムーン 牡4 57.0 酒井学 1:08.3 ハナ 34.0 464 -6 西園正都 10
4 15 サクラゴスペル 牡5 57.0 横山典弘 1:08.4 1/2 33.8 480 -4 尾関知人 4
5 17 ダッシャーゴーゴー 牡6 57.0 川田将雅 1:08.5 1/2 33.7 536 0 安田隆行 6


《レース内容》
ロードカナロアが強いことはもちろん承知していたが・・・・
隙のない完勝で改めて国内に敵なしを証明した。
これでG1では3連勝、レコードのおまけ付きだから文句のつけようがない。
スタートこそひと息でしたが、岩田君は慌てて押して行くこともなく
落ち着いた手綱さばきを見せました。もちろんパートナーの能力を信用しているからこその騎乗ぶりです。
万全のデキも含めて人馬にケチのつけようがない。ただ、しっくりこないのが1分8秒1の数字。
G1でレコードなら感覚的にはもっと速いタイムでないとピンとこない。
9Rの1000万下が1分8秒5ですから1分7秒5くらいは出てもいい計算です。
ところがラップ構成を見ると、前半3F34秒3より後半33.8秒の方が速い。
ちょっとG1とは思えません。逃げているのがハクサンムーンなので
錯覚した面もあるでしょうか、トップクラスのジョッキーでもまだ新中京を手の内に入れていない面があるのでしょう。
その後傾ラップだからこそ中団から差し切ったロードカナロアの強さが際立ったともいえる。
やはり58キロを背負って1400mを押し切った前走の阪急杯はダテではなかった。
平坦小回りの旧中京時代は、G1でもやはり軽いイメージが否めませんでした。
むしろ時期的に高速馬場となる中山スプリンターズSよりも新中京の方が重厚感があります。
もはや両G1のステータスは同等と見ていいでしょう。
ドリームバレンチノはよく追い込んだが2着まで。
ロードに万が一があればと思っていたが、まともに走られてはまだ力不足を否めない。
それでも位置取りを考えればよく頑張ったと思います。
全く正反対のラップ構成ならば肉薄以上があったかもしれません。
実際、最後方待機だったサンカルロは自身33秒2の上がりで9着止まり。
ハマればともくろんでいた組には切ない展開でした。
結果論になるが、スタートが良かっただけに抑えたのはもったいなかった。
年齢的にもG1を取れるラストチャンスと思っていたが、いよいよ切羽詰まってきた。
サクラゴスペルは少しうるさい面を見せていましたが、流れは向いたクチです。
それでも4着は少し物足りない。それこそG1の壁だろう。
サクラから半馬身差の5着が、G1だと善戦止まりのダッシャーゴーゴー。
6着のマジンプロスパーも含めて現時点のポジションが掲示板の下の方ということだ。
結果こそひと息でしたが、牝馬ながら素晴らしいポテンシャルを持つ
エピセアロームは見限れません。もっと軽い芝質のスピード勝負の方が
持ち味を生かせるでしょう。
2012年3月25日(日) 1回中京8日     11R 第42回 高松宮記念(GI)
《レース結果》
1 10 カレンチャン 牝5 55.0 池添謙一 1:10.3 基準タイム 35.5 482 0 安田隆行 2
2 17 サンカルロ 牡6 57.0 吉田豊 1:10.3 クビ 34.7 504 -6 大久保洋吉 3
3 1 ロードカナロア 牡4 57.0 福永祐一 1:10.4 1/2 35.4 500 0 安田隆行 1
4 15 ダッシャーゴーゴー 牡5 57.0 横山典弘 1:10.4 クビ 35.4 536 +6 安田隆行 6
5 12 マジンプロスパー 牡5 57.0 浜中俊 1:10.6 3/4 35.7 504 -8 中尾秀正 5

《レース回顧》
新設・中京競馬場となって初めてのG1。
普通、芝コースが改装されると高速馬場になるのが定番だが、
開催を通して時計を要した点が特徴的でした。

2日目に1000万下でマークされた1.10.4秒がこれまでの基準タイム
高松宮記念は良馬場ながら、わずか0.1秒上回るだけの1.10.3秒の決着。
正直、拍子抜けした感は否めない。

同日の9R三河特別は前半3ハロンがG1と全く同じ34.5秒で1.10.9の決着。
ですから1000万下レベルの時計でしか走れていない組もいる計算になります。
それでいて人気とほぼ変わらない決着は不思議な印象が残ります。

それと今回に限らず、G1の週になると芝の傾向が変わることがあります。
3週目までは外有利が一変して内が伸びる馬場になりました。

勝ったカレンチャンの強さは文句なし、JRAスプリントG1、2勝馬は
過去に7頭だけ、正攻法を選択した池添の判断もファインプレーでした。
芯の強さは歴代の名馬以上かもしれません。
香港スプリントでもスムーズさを欠きながら5着に健闘したほどですから。

1番人気に支持されたロードカナロアは3着止まり、
4角で進路を探すようなシーンはあったが、いつもの切れがなかった。
近走は除々に控える競馬にシフトしていましたが、
今回はスタートが良すぎました。
スタイルが崩れた上に左回り、坂、G1と初めて尽くし・・・
少しずつズレが積み重なった結果かも知れません。
連勝は止まったが、まだ4歳馬。
今回の経験でもっと上を目指せる好素材である点は間違いない。

3年連続参戦のサンカルロは昨年と同じ2着惜敗、
今回もあとひと息だったが、もはや善戦止まり。
ペースが落ち着いた点が痛かったですね。
前半がもっと流れれば逆転があったかもしれません。

34秒台の脚を使ったのはサンカルロとアグネスウイッシュだけ、
展開と馬場に泣いた。
2011年3月27日(日) 2回阪神2日  11R 第41回 高松宮記念(GI)
《レース結果》
1 4 キンシャサノキセキ 牡8 57.0 U.リスポリ 1:07.9   34.0 494 -10 堀宣行 3
2 8 サンカルロ 牡5 57.0 吉田豊 1:08.1 1 1/4 33.3 494 -2 大久保洋吉 4
3 6 アーバニティ 牡7 57.0 四位洋文 1:08.1 アタマ 33.6 500 -6 古賀慎明 11
4 12 ビービーガルダン 牡7 57.0 佐藤哲三 1:08.2 10
5 1 レッドスパーダ 牡5 57.0 横山典弘 1:08.4 1 1/2 34.5 526 -6 藤沢和雄 5

《レース回顧》
勝ったキンシャサノキセキは昨秋のスプリンターズSではセントウルSを
使えない影響があり、マイルCSなどと比べても状態がよかった。
南半球産で実質7歳後半だが、スピードの絶対値を求められるG1連覇は凄いの一言です。
昨年よりも状態面では上でその点が2着に0秒2の差をつける完勝でした。
ここから状態や能力が上昇していく可能性は低いため、
現役を退くという判断は賢明だろう。

2着サンカルロも状態面に関しては良好で常に安定している感じですが
完全本格化を思わせるラスト1Fの脚でした。
決め手に一層の磨きがかかり、短距離G1に必要な顔になった感じ。
11番人気という低評価ながら3着に入ったアーバニティも、
上位2頭と同様に調教のよさ、状態面のよさが好走の要因と思われる。
また、サンカルロと同じくペースが上がってしまいの決め手が生きるペースも合っていた。

1番人気に推されたジョーカプチーノであるが審議の対象となり、
ダッシャーゴーゴーが降着処分とさせられた不利にくわえて、
道中でもう1度不利があったため、大敗も必然といえる結果。

今回の不利により精神的なダメージがないかという点に、
先行力を生かすレースを常に出来るようになるかが今後のポイントでしょう。


2010年3月28日(日) 2回中京8日  11R 第41回 高松宮記念(GI)


《レース結果》
1 6 キンシャサノキセキ 牡7 57.0 四位洋文 1:08.6   34.6 504 0 堀宣行 1
2 17 ビービーガルダン 牡6 57.0 安藤勝己 1:08.6 ハナ 34.8 506 +8 領家政蔵 6
3 16 エーシンフォワード 牡5 57.0 岩田康誠 1:08.6 クビ 34.5 482 +2 西園正都 3
4 13 サンカルロ 牡4 57.0 吉田豊 1:08.7 クビ 34.1 490 +2 大久保洋吉 4
5 3 アルティマトゥーレ 牝6 55.0 横山典弘 1:08.7 ハナ 34.6 486 +2 奥平雅士 2


《レース内容》
現スプリント王のローレルゲレイロが不在の中でおこなわれた高松宮記念(GI)。
そのローレルゲレイロはドバイゴールデンシャヒーンで4着と健闘、
日本を代表するスプリンターとして立派な成績を残した。
留守を預かる各馬としても恥ずかしくないレースを見せたいところだったが、
まさにその通り、高松宮記念史上に残る大激戦が繰り広げられることとなった。

直線入口、逃げたセブンシークィーンを交わしてヘッドライナーが先頭に踊り出る。
その直後からはキンシャサノキセキが脚を伸ばし、外には懸命に盛り返そうとするビービーガルダン。
さらに内を突いてアルティマトゥーレが追い込み、エーシンフォワード、サンカルロ、
スズカコーズウェイ、ファイングレインなども、外から、あるいは中から押し寄せてきた。
最後の一瞬まで勝ち馬がわからぬほどの混戦、一団となって馬群はゴールへと達する。

写真判定の結果、電光掲示板の1着の欄にはキンシャサノキセキを示す「6」が灯された。
キンシャサノキセキは一昨年のこのレース2着、スプリンターズSでも2着となって、
GI タイトルは間近だと見る者に感じさせたものの、昨シーズンは高松宮記念10着、
スプリンターズS12着と思わぬ停滞を強いられた馬だ。が、その後の立ち直りは鮮やか。
スワンS、阪神C、オーシャンSと重賞3連勝を飾ってここに臨み、1番人気に推されていた。

鞍上・四位洋文騎手は「安藤さん(ビービーガルダン)の方が脚色は良かったので、
交わされたかも知れないと感じた」と振り返ったが、直線半ばで抜け出し、
後続が迫るともうひと伸びしたようにも見えた。
取り戻した調子、勢い、実績、そしてGI に賭ける思いが結実した勝利といえるだろう。

この開催の後、中京競馬場では馬場改修工事が始まる。新しくなるコースでは直線が延び、
ゴール前には急坂も作られる予定だ。現行コース最後の高松宮記念は、手に汗握る名勝負となった。
新生・中京競馬場では、どんな闘いが見られるだろうか。