データーチェック
1番人気馬は複勝率9割 チューリップ賞組
穴なら不当に人気を落とした馬 前年の阪神JF勝ち馬(連対率75%)
チューリップ賞3着以内の馬 他の臨戦過程ならエルフィンSからの直行組
SS系99年〜09年まで連続連対している 前走、2桁の馬体減から3着以内に入った馬はいない
マイルのOP特別かマイル以上の重賞3着以内の実績
前が止まらない高速馬場か末脚が活きる馬場かを見極める


2020年4月12日(日曜) 2回阪神6日 第80回 桜花賞
《レース結果》
1 枠5黄 9 デアリングタクト 牝3 55.0 松山 弘平 1:36.1
2 枠8桃 17 レシステンシア 牝3 55.0 武 豊 1:36.3 1 1/2
3 枠2黒 3 スマイルカナ 牝3 55.0 柴田 大知 1:36.6 1 3/4
4 枠6緑 11 クラヴァシュドール 牝3 55.0 M.デムーロ 1:36.8 1
5 枠7橙 14 ミヤマザクラ 牝3 55.0 福永 祐一 1:36.9 3/4

《レース内容》
松山騎乗で2番人気のデアリングタクトが鮮やかな差し切り勝ち。
無傷の3連勝でGI初制覇を飾った。キャリア3戦目での勝利は最少で史上3頭目の快挙。
また、無敗での制覇は16年ぶり7頭目で、新種牡馬エピファネイア産駒は
GI初挑戦で初制覇となった。1番人気のレシステンシアは1馬身半差の2着に終わった。
満開の桜を散らす大粒の雨を切り裂きながら、豪快に突き抜けた。デアリングタクトが
無傷の3連勝で桜の女王に君臨。無敗での制覇は2004年ダンスインザムード以来、
16年ぶり7頭目。キャリア3戦目でのVは最少で史上3頭目の快挙だ。
「本当に強い競馬をしてくれました。デビュー戦からすごくいい脚を持っていたけど、
さらに磨きがかかりました。これだけ雨が降って
重たい馬場であれだけいい脚を使えるのは成長ですね」
17年皐月賞(アルアイン)以来のGI2勝目を飾った松山騎手は、ゴールの瞬間、
左手の人差し指を立てて喜びを爆発させた。課題のスタートを五分に出て、
道中は中団やや後方をキープ。「ポジションは意識せず、馬のリズムを大事に乗ろうと。
そうすればいい脚を使うと信じていました」。4コーナーでは先頭との差はかなりあったが、
鞍上の懸命な右ムチに応えて大外から豪脚を発揮。
重馬場の抜かるんだ芝に苦しむライバル勢を尻目に、
メンバー最速となる上がり3ハロン36秒6の末脚で、粘り込みを図る
2歳女王レシステンシアを抜き去った。「この馬なら届くと信じて、無我夢中で追いました。
すごい末脚でよくかわしてくれました」とパートナーを称えた。
土曜のサンスポ杯阪神牝馬S(サウンドキアラ)に続く2日連続重賞Vで、
今年JRA重賞トップとなる6勝目を飾った鞍上は兵庫県神戸市出身。
子供の頃から、阪神競馬場で乗馬を習って育った。それだけに「阪神でGIを勝ちたい
気持ちは強かったので、桜花賞を勝つことができて非常にうれしいです」と喜びを噛み締めた。
管理する杉山晴調教師は、18年のJBCクラシック(ケイティブレイブ)に続くGI2勝目。
テンションが上がりやすい面を考慮して、中8週のゆったりしたローテーションを選択。
また、初めてゲート裏までメンコを着用するなど、対策を練って大一番に挑んだ。
次走はオークス(5月24日、東京、GI、芝2400メートル)などが候補になるが、
「桜花賞を目標にやってきたので。馬の状態次第でオーナーと相談して決めていきたい」と。
緊急事態宣言が出された中、開催された桜花賞で、無限大の可能性を
示したデアリングタクト。名牝への階段を、ノンストップで駆け上がる。
2019年4月7日(日曜) 2回阪神6日 第79回 桜花賞
《レース結果》
1 枠4青 8 グランアレグリア 牝3 55.0 C.ルメール 1:32.7
2 枠8桃 16 シゲルピンクダイヤ 牝3 55.0 和田 竜二 1:33.1 2 1/2
3 枠2黒 4 クロノジェネシス 牝3 55.0 北村 友一 1:33.1 クビ
4 枠7橙 15 ダノンファンタジー 牝3 55.0 川田 将雅 1:33.1 ハナ
5 枠7橙 14 ビーチサンバ 牝3 55.0 福永 祐一 1:33.2 クビ

《レース内容》
ルメール騎乗で2番人気のグランアレグリアが好位から抜け出してGI初制覇。
年明け初戦での勝利は史上初で、勝ちタイム1分32秒7も昨年のアーモンドアイが
樹立したレースレコードを0秒4更新した。7番人気のシゲルピンクダイヤが2着、
1番人気のダノンファンタジーは4着に終わった。
平成最後の桜花賞で、“アーモンドアイ超え”の名牝が誕生だ。
朝日杯FS3着以来のグランアレグリアが、2馬身半差の快勝でGI初制覇。
桜花賞連覇を飾ったルメールは、右手を突き上げて喜びを爆発させた。
 「圧勝でした。速い脚で加速して、長い脚でゴールまで頑張った。
平成最後の桜花賞で2連覇できて、すごくうれしい」
スタートを決めて好位4番手をキープ。外からかぶせられてひるんだ前走の敗戦を生かし、
ペースが落ちたところで「早めに外から競りかけた」。4コーナーで早くも先頭に並びかけると、
直線はひとり舞台。後続との差を一気に広げて、激しい2着争いを尻目に悠々とゴール板を駆け抜けた。
勝ちタイム1分32秒7はアーモンドアイの記録を0秒4更新する桜花賞レコード。
中111日での桜花賞制覇も、アーモンドの中89日を上回る最長記録だ。
「(休み明けは)少し心配したけど、スタート前もすごく静かで自信を持った。
体が大きくなってパワーアップしたし、心身ともに充実していた。素晴らしかった」とジョッキー。
この日は、母国フランスから来日した父・パトリスさん(65)と母・マリさん(64)が現地で応援。
日本で息子のGI制覇を初めてみたマリさんは、「とても誇りです」と笑みを浮かべた。
藤沢和調教師は2004年ダンスインザムードに続く桜花賞2勝目。
朝日杯FSからのぶっつけとなる異例のローテも、放牧先の牧場と連携して万全の状態で送り出した。
「前走後に牧場に帰ってから疲れをとるのに時間がかかりましたけどね。
(厩舎に)戻ってからは調整程度でよかった」と師も相好を崩した。
2冠目のオークス(5月19日、東京、GI、芝2400メートル)について、トレーナーは
「きょうの時計を見ると、このくらいの距離が得意なのかなと思う」と話し、NHKマイルC(5月5日、
東京、GI、芝1600メートル)への参戦を示唆。ルメール騎手は「スピードがあるので、
2400メートルはいけるかわからないけど、難しそう。
1600メートルはベスト。すごくいい馬だし、またGIを絶対勝てる」とさらなる活躍に太鼓判を押した。
2018年4月8日(日曜) 2回阪神6日11R 第78回 桜花賞GT
《レース結果》
1 枠7橙 13 アーモンドアイ 牝3 55.0 C.ルメール 1:33.1 33.2 462 -2 国枝栄 2
2 枠1白 1 ラッキーライラック 牝3 55.0 石橋脩 1:33.4 1 3/4 34.5 488 -6 松永幹夫 1
3 枠5黄 9 リリーノーブル 牝3 55.0 川田将雅 1:33.5 1/2 34.3 498 0 藤岡健一 3
4 枠4青 7 トーセンブレス 牝3 55.0 柴田善臣 1:33.8 1 3/4 34.2 456 0 加藤征弘 8
5 枠8桃 17 マウレア 牝3 55.0 武豊 1:33.8 ハナ 34.4 440 +2 手塚貴久 4


《レース内容》
C.ルメール騎手騎乗の2番人気・アーモンドアイ(牝3、美浦・国枝厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:33.1(良)。
2着には1馬身3/4差で1番人気・ラッキーライラック(牝3、栗東・松永幹厩舎)、
3着には半馬身差で3番人気・リリーノーブル(牝3、栗東・藤岡健厩舎)が続いて入線した。
最内で好スタートを決めたラッキーライラックも行く構えを見せたが、
ハナを切ったのはコーディエライト。ラッキーライラックは3番手のインを追走。
リリーノーブルは中団やや前めのポジション。
2番人気のアーモンドアイは後方2番手でジックリと折り合いに専念する。
淀みないペースでレースは流れ、コーディエライト、ツヅミモンが並んで直線へ。
2歳女王ラッキーライラックがラスト1Fで満を持して先頭に躍り出るが、
後方で脚を溜めていたアーモンドアイが次元の違う脚で並ぶ間もなく
ラッキーライラックを交わし、そのままゴールへ飛び込んだ。
勝ったアーモンドアイは、シンザン記念に続く重賞2連勝。
母のフサイチパンドラはエリザベス女王杯を勝った名牝だったが、
桜花賞は2番人気に支持されながら14着。その娘、アーモンドアイは同じ2番人気で
見事な差し切りを決め、母の無念を晴らして桜の女王に就いた。
鞍上のC.ルメール騎手は昨年ソウルスターリング(3着)、
一昨年はメジャーエンブレム(4着)と2年連続で1番人気の2歳女王に騎乗して
涙を飲んだが、今年は逆の立場で1番人気の2歳女王を撃破。嬉しい桜花賞初勝利となった。
2017年4月9日(日) 2回阪神6日11R 第77回 桜花賞(GI)
《レース結果》
1 5 10 レーヌミノル 牝3 55.0 池添謙一 1:34.5   35.4 466 -2 本田優 8
2 3 6 リスグラシュー 牝3 55.0 武豊 1:34.6 1/2 35.3 436 -2 矢作芳人 3
3 7 14 ソウルスターリング 牝3 55.0 C.ルメール 1:34.6 クビ 35.4 474 -2 藤沢和雄 1
4 4 8 カラクレナイ 牝3 55.0 田辺裕信 1:34.7 クビ 35.0 480 +2 松下武士 7
5 6 12 アエロリット 牝3 55.0 横山典弘 1:34.7 クビ 35.0 480 -6 菊沢隆徳 6


《レース内容》
池添謙一騎手騎乗の8番人気・レーヌミノル(牝3、栗東・本田厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:34.5(稍重)。2着には半馬身差で3番人気・リスグラシュー(牝3、栗東・矢作厩舎)、
3着にはクビ差で1番人気・ソウルスターリング(牝3、美浦・藤沢和厩舎)が続いて入線した。
ほぼ揃ったきれいなスタートからベルカプリ、ショーウェイ、ヴゼットジョリーが先手をうかがうところ、
大外からカワキタエンカが一気にハナを奪い後続を離した逃げを打つ。
縦長の展開となり、レーヌミノルは4番手、ソウルスターリング、リスグラシュー、ミスエルテは
その直後で中団は大きな馬群を形成。アドマイヤミヤビは後方2番手を追走するが、
向こう正面でM.デムーロ騎手の手綱が激しく動く。
淀みのない流れでカワキタエンカが16頭を引き連れて直線へ。
各馬広がった中からレーヌミノルが力強く抜け出して先頭。外から懸命にソウルスターリングが追うが
その差がなかなか詰まらない。更に馬群を縫ってリスグラシューも猛追するが、
レーヌミノルがリスグラシューを半馬身振り切ってトップでゴール。見事に第77代目の桜の女王となった。
勝ったレーヌミノルは、デビューから2連勝を果たした小倉2歳S以来の勝利。
その勝利以降、京王杯2歳S、フィリーズR2着、阪神JF3着など惜しいレースを続けていたが、
今回は桜花賞で過去2年連続2着に泣いていた池添騎手にスイッチ。
大一番に強い鞍上が持ち味のスピードを存分に生かして2歳女王ソウルスターリング狩りを果たした。
池添騎手は自身のG1初勝利となった2002年のアローキャリー以来15年ぶりの桜花賞勝利。
管理する本田優調教師はG1初勝利で、騎手時代にテイエムオーシャンで
桜花賞を勝っており、史上4人目となる騎手、調教師双方での桜花賞制覇となった。
2016年4月10日(日) 2回阪神6日11R 第76回 桜花賞(GI)
《レース結果》
1 7 13 ジュエラー 牝3 55.0 M.デムーロ 1:33.4   33.0 494 -4 藤岡健一 3
2 6 12 シンハライト 牝3 55.0 池添謙一 1:33.4 ハナ 33.7 426 -4 石坂正 2
3 5 10 アットザシーサイド 牝3 55.0 福永祐一 1:33.7 1 3/4 33.9 430 -10 浅見秀一 6
4 3 5 メジャーエンブレム 牝3 55.0 C.ルメール 1:33.8 1/2 34.2 502 +4 田村康仁 1
5 8 17 アドマイヤリード 牝3 55.0 藤岡康太 1:33.9 1/2 33.2 412 0 須貝尚介 13


《レース内容》
期待したメジャーエンブレムは4着という結果…。納得いかない。
平凡な表現になってしまいますけど消化不良です。行く気になれば行けたと思うんですけど。
名手ルメールにしては弱気でした。もともと“肉を切らせて骨を断つ”的な先行力が売りだった馬。
それが中団でシンハライトの横にいるようでは…。
そのせいか、いつもの伸び伸びとしたフットワークも影を潜めていました。
体の使い方という意味では今日はパドックからちょっと硬かった。
もちろん状態が悪いという意味ではなく勝っていれば「男勝り」と褒めようと思っていたんだけど。
しなやかさには欠けるけどさすがの迫力だと思いました。
ただ負けてしまうとちょっと硬いというか、デブり気味というか…。
まぁ、それもこれもルメールに尽きる。今回のレース運びでは何が敗因だったのか分からない。
明白なのは力を出し切っていないことだけですから。ただオークスとなるとどうでしょう?
当然距離不安はささやかれるでしょうし、今回の反省を受けて次は主導権を握りたいはず。
楽に先行できる2400メートルはこの馬本来の走りをしやすいと思う。
距離に関しても秋はともかく、春までは結構こなせるものだから。
逆に勝ったジュエラーはオークスでも強調したいです。半姉ワンカラットは短距離馬でしたけど、
あの馬が特殊なだけで本来は長丁場向きの血統ですから。
記録面も優秀だ。走破タイム1分33秒4、上がり3ハロン33秒0は14年の
ハープスターよりそれぞれ0秒1遅いだけ。外を回っての数字だから大いに強調できる。
あとはデムーロの度胸ですね。ただ1頭後方の位置取りで、こうして結果を出すんですから。
もし負けたら「失敗」と言われていましたよ。こういうことができるあたりが大レースでの強さなんでしょう。
ハナ差の2着がシンハライト。チューリップ賞の着順が逆転したが内容は勝ちに等しい。
ジュエラーと違って小柄だから今後は馬体の維持がカギになるけど、
ディープインパクト産駒だからあまり神経質にならなくてもいいのかも。
あとは…3着のアットザシーサイドですか。能力は出し切った感じでしたけど。
今回は目一杯につくってきた感じだったし、あと少しの場面から
最後突き放されてしまったあたりは能力差だろう。
今年は5着以下にも目立つ存在はいなかった印象。
次のオークスでも今回の“3強”が主力を形成するのは間違いないだろう。
2015年4月12日(日) 2回阪神6日11R 第75回 桜花賞(GI)
《レース結果》
1 3 6 レッツゴードンキ 牝3 55.0 岩田康誠 1:36.0   33.5 464 -4 梅田智之 5
2 4 7 クルミナル 牝3 55.0 池添謙一 1:36.7 4 33.4 488 +2 須貝尚介 7
3 1 1 コンテッサトゥーレ 牝3 55.0 C.ルメール 1:36.8 3/4 33.6 444 -2 安田隆行 8
4 7 13 クイーンズリング 牝3 55.0 M.デムーロ 1:36.8 ハナ 33.7 442 -2 吉村圭司 3
5 2 3 ノットフォーマル 牝3 55.0 黛弘人 1:36.9 1/2 34.3 452 -8 中野栄治 16


《レース内容》4ハロン通過が50秒0で5ハロン通過が62秒5。信じられないスローペースだった。
同じ日の3歳未勝利より遅いラップ。桜花賞の歴史を何十年とさかのぼっても、
こんな数字は出てくるのでしょうか。常軌を逸しています。
有力馬が揃って差し脚質だったのが原因か。
そもそも確たる逃げ馬が不在でペースがちゃんと分かりそうな騎手は後方。
おまけに2、3番手がゆっくり運んで粘り込みたい伏兵でした。
結果、ジョッキーは不本意だったようだが、馬を引っ張り殺さずに逃げたレッツゴードンキ
岩田が優勝。褒められるのはこのコンビくらい。
ただ、この勝ち方では次のオークスをイメージできないのも事実。
正直、同日の忘れな草賞を勝ったミッキークイーンのほうが強く思えてしまったくらいだ。
例年は桜花賞が終わればオークスの形もぼんやり見えてくるものだが。
それには圧倒的な支持を集めたルージュバックの負けっぷりも影響。
位置取りや展開が向かなかったが、それでも本当に強い馬であればもう少し伸びを見せてくれないと。
そもそも今回は気配がひと息に映った。パドックで妙に汗をかいていたし、
ゲート裏でもいつにない気負いを感じた。振り返れば追い切りで予定より時計が速くなり、
美浦にいる段階で馬体重は前走と同じ450キロ。
その時点で黄信号はともっていたのかもしれませんね。
陣営が次までにどう立て直してくるかだが、現時点でオークスどうこうは言えない。
ただ、ほとんど同じメンバーがオークスに向かうことを考えると、
次もスローは必至でしょう。各馬、次は本当にスタミナに不安があるんですから。
つまり今回、消化不良に終わった有力馬たちは作戦を練り直す必要があるということ。
みんなしまい一手じゃどうしようもない。
それにしても切ないレースでした。未勝利や条件戦ならともかく
GTでこんな競馬は見たくない。少しでも競馬に詳しいファンはあきれてしまいます。
2014年4月13日(日) 2回阪神6日11R 第74回 桜花賞(GI)
《レース結果》
1 8 18 ハープスター 牝3 55.0 川田将雅 1:33.3   32.9 478 +2 松田博資 1
2 6 12 レッドリヴェール 牝3 55.0 戸崎圭太 1:33.3 クビ 33.4 418 0 須貝尚介 2
3 5 10 ヌーヴォレコルト 牝3 55.0 岩田康誠 1:33.4 3/4 33.8 438 0 斎藤誠 5
4 7 15 ホウライアキコ 牝3 55.0 和田竜二 1:33.6 1 1/2 34.1 442 -4 南井克巳 6
5 3 6 レーヴデトワール 牝3 55.0 福永祐一 1:33.6 アタマ 33.9 464 +2 松田博資 7

《レース内容》
結果的にはクビ差だったけど、予想通りとも言えるハープスターの差し切り勝ち。
しかも、桜花賞タイレコードのオマケ付きだ。ダントツの人気を背負いながら、
あの最後方から大外を回る競馬でした。自身のペースはスローとはいえ、
この馬だけ上がり32秒台。着差以上に評価しなければなりません。
あれだけ外を回ったコース取りの差を考えるとレコードホルダーのアパパネを
超えたと言っていいでしょう。歴代の桜花賞馬をしのぐポテンシャルを感じさせた。
凱旋門賞という声が出ているようだけど、まずはオークスだな。
あえてケチをつけるとすれば、正攻法ではないあの競馬では取りこぼす可能性も・・
ってことくらいかな。歴史的牝品になるのは自在性も必要です。
あと、個人的にあの競馬はかなり負担がありそうな印象。この後、そのあたりはどうなのか。
まあ。不安はそのくらいでしょう。2着レッドリヴェールも大したもんだ。
この馬も勝ち馬と同じぐらい誉められていいでしょう。相手が悪かっただけで、世代が違えば
無敗の桜花賞馬です。ぶっつけG1、そしてこちらも外を回って一度は完全に抜け出しました。
函館(札幌2歳S)の極悪馬場でも今日のようなレコ−ドでも結果を残せるのだから。すごい馬です。
ローテーを考えると、ハープと互角に近い評価ができます。
3着以下は8着フォーエバーモアまでが1分33秒台で走破しています。逃げ馬が飛ばして
2番手以下は時計の出やすい展開だったとはいえ、今年の牝馬路線は全体的にレベルが高いでしょう。
それに、ほとんど上位人気が順当に上位を占めた。17番枠で力を出し切れなかった
ベルカントが崩れたくらいです。3着ヌーヴォレコルト、4着ホウライアキコなど、
まさに勢力図通りに推移してきた感じ。ただ、1〜3着馬はともかく、全体的に
マイル色の強いメンバー構成だった。オークスにつながるかは何とも言えないところ、
別路線もチェックしないと。いずれにしても強い馬がいいスタートを切りました。
これからどんな走りを見せてくれるか。2着レッドリヴェールとともに楽しみにしたいです。
2013年4月7日(日) 2回阪神6日11R 第73回 桜花賞(GI)
《レース結果》
1 7 アユサン 牝3 55.0 C.デムーロ 1:35.0   35.5 484 -12 手塚貴久 7
2 14 レッドオーヴァル 牝3 55.0 M.デムーロ 1:35.0 クビ 35.1 430 +4 安田隆行 2
3 9 プリンセスジャック 牝3 55.0 福永祐一 1:35.4 2 1/2 35.6 464 -2 加用正 14
4 13 クロフネサプライズ 牝3 55.0 武豊 1:35.4 クビ 36.5 458 -8 田所秀孝 1
5 6 ローブティサージュ 牝3 55.0 秋山真一郎 1:35.6 1 1/2 36.2 436 -12 須貝尚介 8


《レース内容》
直前にC・デムーロに乗り替わった7番人気のアユサンが快勝。
これに争い負けたレッドオーヴァルが2着で、なんとデムーロ兄弟のワンツーになった。
1着から5着までチューリップ賞組です。あのレース自体は単調みたいな感じでしたが、
調整がうまくいったという事でしょうか。
アユサンは今回、栗東に滞在してじっくり調整できたのが良かったのだろう。
アルテミスSですごい脚を見せたようにもともと能力はあった。
骨折で乗れなかった丸山はかわいそうだけど、鞍上の腕も後押ししたようだ。
レッドオ−ヴァルも馬体が戻っていたように、前走後の調整がうまくいきました。
これでディープインパクト産駒は昨年に続いてワンツー。
今年は2頭しか出走しませんでしたが、その2頭で決まってしまった。
対照的にクロフネサプライズは馬体重がマイナス8キロ。そのせいか
少しカリカリしていたし、この失速ぶりだと距離面に限界があるのかも知れない。
多少、かかり気味だったにしても情けなかった。この2戦と比べると明らかに物足りません。
メイショウマンボ、クラウンロゼもここまで崩れるとは・・・。
メイショウマンボは大外枠ということもあって、なし崩しに脚を使って切れ味を生かせませんでした。
クラウンは逆に内枠がアダになったのでしょう。
このあたりはローブティサージュも同様です。良発表といっても、
インコースは馬場が悪かったです。トーセンソレイユも出遅れたこともあるが、
タフな芝が合わなかった。それに今回もマイナス4キロと馬体が減っていました。
混戦と言われた牝馬路線でしたけど、アユサン、レッドが3着以下を引き離しました。
でもオークスもこれで決まりという感じではない。勝ちタイムは稍重だった同日4Rの3歳未勝利戦より
0秒3速いだけ、しかもその勝ち馬スマートレイアーは初出走なんだから、
レベルは例年より低いと思う。ここ数年は名牝が続出していましたから、
それと比較すると厳しいです、最近は桜花賞の結果がオークスに直結する傾向にありますが、
今年は違う路線の台頭があるんじゃないかと見ています。
今年の牝馬路線は依然として不透明です。
2012年4月8日(日) 2回阪神6日         11R 第72回 桜花賞(GI)
《レース結果》
1 10 ジェンティルドンナ 牝3 55.0 岩田康誠 1:34.6   34.3 456 -4 石坂正 2
2 15 ヴィルシーナ 牝3 55.0 内田博幸 1:34.7 1/2 35.1 434 -4 友道康夫 4
3 11 アイムユアーズ 牝3 55.0 N.ピンナ 1:34.8 1/2 34.9 450 0 手塚貴久 3
4 13 サウンドオブハート 牝3 55.0 松岡正海 1:35.1 1 3/4 35.0 448 -4 松山康久 5
5 7 メイショウスザンナ 牝3 55.0 武豊 1:35.1 クビ 34.9 448 +8 高橋義忠 11

《レース回顧》
全体を見渡しても体調の変動の見極めがカギでした。
中でも最大のポイントはチューリップ賞にありました。
休み明けとはいえ普通に競馬をして負けてしまったジョワドヴィーヴル。
一方のジェンティルドンナはジョワドを見ながらの競馬で脚を測れました。
トライアルらしく走れたことで岩田くんも強気の競馬ができたと思います。

そのチューリップ賞は熱発明け、今回は追い切りの動きが抜群だったし、
当日の気配も落ち着いていて文句がなかった。
最速34秒3の上がりで突き抜けた内容も文句なし。
次のオークスでも有力候補は間違いない。
ただマイル戦としては完璧な勝ち方をしただけに距離が延びてどうか・・・。

2着ヴェルシーナは最後も差し返す勝負根性を見せていたし
実際に東京のクイーンCを制しているのは強み。
自在性ある脚質だし、距離延長も問題ない。
そのクイーンCから直行のローテ選択が今回は功を奏しました。

ディープインパクト産駒は走り過ぎてしまうこともあり、
勝った後の状態把握が難しい面があります。
適度な間隔を取ってじっくり調整したことは大正解です。

ディープ産駒といえば何より1番人気を裏切ってしまったジョワドヴィーヴル
完全に水をあけられた6着、オークスまでにどう立て直してくるか・・・。
阪神JFの1.34.9秒で走っていれば上位争いに加われたはずですが、
惜しくない内容に終わりました。
デキは良く見えただけに悩ましいです。
ディープ産駒の難しい面が出たパターンでしょう。

今後の展望になるとアイムユアーズはレース巧者だが、ベストは1400m
距離はもってもマイルまでのタイプ。
サウンドオブハートも力負けの印象でした。
8着トーセンベニザクラはジリジリ伸びていたし東京に替わって変わり身に期待できる。

ゆとりのあるローテで力をつけてきたパララサルーはマイナス10キロが響きました。
オークスまでに、どう立て直してくるかは見ものです。
2011年4月10日(日) 2回阪神6日   11R 第71回 桜花賞(GI)
《レース結果》
1 8 マルセリーナ 牝3 55.0 安藤勝己 1:33.9   34.3 452 +4 松田博資 2
2 16 ホエールキャプチャ 牝3 55.0 池添謙一 1:34.0 3/4 34.3 454 -6 田中清隆 1
3 17 トレンドハンター 牝3 55.0 岩田康誠 1:34.1 3/4 34.2 474 +2 松田博資 4
4 14 メデタシ 牝3 55.0 浜中俊 1:34.3 1 1/4 34.8 420 -2 音無秀孝 11
5 1 フォーエバーマーク 牝3 55.0 吉田豊 1:34.5 1 1/4 36.0 488 -4 矢野英一 12


《レース回顧》
主役レーヴディソールの離脱で混戦ムードも終わってみれば堅い決着でした。
中でも光ったのは勝利したマルセリーナ、同厩舎ブエナビスタを彷彿させる勝ちっぷりです。

スタートで後手になりながら前半4F 47.2は決して追い込み有利の流れではなかった。
シンザン記念、エルフィンSで斬れる脚を見せていましたが、
今回はそれを上回る脚をより長く使ったのが勝因、
勝負根性という点でも高く評価できる内容でした。
底力の伝達という点で未知数だった父ディープにも、種牡馬として大きなプレゼント、
1.34秒0を切る時計も優秀ですし、2冠目オークスに向けて大きく抜け出したのは間違いないだろう。
もし、レーヴディソールがいたとしても、互角に戦えたのではないでしょうか。

2着ホエールキャプチャーは枠順もあって1番外を回る形になり、
それでも阪神JFでレーヴと争り合った地力はキッチリ示した。
しかしながら距離が伸びるオークスでの巻き返しは考えにくいかも・・・。

むしろ条件的には3着トレンドハンターの方が好転しそう、
直線では若さを見せて内にササって真っ直ぐに走れなかった。
距離延長と今後の伸びしろに逆転を見出せるかも知れません。

逆にダンスファンタジアは血統背景から今回は期待した1頭でしたが
あのフェアリーSの好時計が何だったのか・・・そう言いたくなるほどの走り、
直前輸送で挑まざる得なかった背景にも敗因はありそうだが、逃げたフォーエバーマークも
捕らえられないほど精彩がなかった。
ローテやキャリアを考えれば6着ハブルバブルの方が上昇余地を残している。
2010年4月11日(日) 2回阪神6日   10R 第70回 桜花賞(GI)


《レース結果》
1 9 アパパネ 牝3 55.0 蛯名正義 1:33.3   34.1 480 +2 国枝栄 1
2 8 オウケンサクラ 牝3 55.0 安藤勝己 1:33.4 1/2 34.5 486 0 音無秀孝 3
3 11 エーシンリターンズ 牝3 55.0 福永祐一 1:33.4 クビ 34.3 440 0 坂口正則 11
4 1 ショウリュウムーン 牝3 55.0 佐藤哲三 1:33.5 1/2 34.0 454 +4 佐々木晶三 5
5 3 アプリコットフィズ 牝3 55.0 横山典弘 1:33.6 3/4 34.4 426 -4 小島太 2


《レース内容》
1番人気に推されたのは昨年の2歳女王アパパネ。
だが鞍上・蛯名正義騎手に驕りはなく「前走・チューリップ賞は2着に負けている。
チャンピオンではなく、ここはもう一度チャレンジャーのつもりで」デビュー以来コンビを組む愛馬に跨ったという。
結果、その冷静かつ勝利への意欲にあふれる走りが実を結ぶことになる。

時計が速く前が残る馬場を見越してか、フラワーC勝ち馬のオウケンサクラが一気にハナを奪う。
続いたのが報知杯フィリーズレビュー3着のレディアルバローザ、
チューリップ賞3着のエーシンリターンズ、クイーンC1着で2番人気のアプリコットフィズなど。
これらを見る形でアパパネも好位を進む。前へ行きたそうな素振りを何度も見せるが、
蛯名騎手はガッチリと手綱を引いて脚をためている。

そして直線、アパパネは馬場の真ん中へ持ち出してのスパート。
オウケンサクラが最後の力を振り絞って後続を突き放し懸命の粘りを見せていたが、
「何とか交わしてくれ」という鞍上の祈りにこたえて、アパパネもパワフルな伸び脚を繰り出した。
ゴール直前でついには差し切り、オウケンサクラ、エーシンリターンズ、
チューリップ賞勝ち馬ショウリュウムーン、アプリコットフィズらの2着争いに半馬身の差をつけての勝利となる。

この世代で唯一「女王」の称号を持つアパパネが、その座を守り通したのである。

オークスでアパパネには、3つ目のGIタイトルという大きな期待がかけられることになる。
だが蛯名騎手は「距離が延びるので、また新たな気持ちで頑張る」とこたえた。
そうして常に“挑む”姿勢こそが、アパパネに女王の座を与え続けているのかも知れない。