データーチェック
1番人気馬は近年大不振 朝日杯FCの連対馬は未勝利
弥生賞とスプリングS 前走は皐月賞TRで8着以内、*弥生賞は4着以内
若葉S組は人気の盲点になっていることが多い 2走前・・・1600m〜2000mで5番人気以内・・4着以内
中団よりも前のヴィクトリーポジション 勝ち馬・・・前2走とも、3コーナーで2番手〜9番手、3歳になっても8着以下なし
マイル成績も良く、中距離G1実績を持つ種牡馬


2020年4月19日(日曜) 3回中山8日第80回 皐月賞
《レース結果》
1 枠1白 1 コントレイル 牡3 57.0 福永 祐一 2:00.7
2 枠4青 7 サリオス 牡3 57.0 D.レーン 2:00.8 1/2
3 枠8桃 16 ガロアクリーク 牡3 57.0 L.ヒューイットソン 2:01.4 3 1/2
4 枠4青 8 ウインカーネリアン 牡3 57.0 田辺 裕信 2:01.6 1 1/4
5 枠3赤 5 サトノフラッグ 牡3 57.0 C.ルメール 2:01.8 1 1/4

《レース内容》
1番人気のコントレイルが、史上18頭目の無敗の皐月賞馬に輝いた。
最後の直線では、もう1頭の無敗のGI馬サリオスを激しい叩き合いの末、
半馬身差で退けた。福永騎手同様に矢作芳人調教師(59)=栗東=も初制覇で、
ホープフルSから中112日でのVはレース史上最長間隔勝利。このあとは
日本ダービー(5月31日、東京、GI、芝2400メートル)で無敗での2冠達成を狙う。
静寂の中、競馬の興奮がよみがえった。史上初めて無観客の中山で行われた3冠初戦は、
初めて激突する無敗のGI馬2頭の壮絶な叩き合いに。わずか半馬身差で
保たれたのは、昨年の最優秀2歳牡馬コントレイルのプライドだった。
「簡単にかわせるのかと思ったら、相手も強かった。思ったより位置取りもかなり後ろで、
心臓に悪かった。でも、本当に強い内容。枠順((1)番枠)とか道悪とか、
いろいろ言われるなかで“強い馬はどんな条件でも強い”ということを見せたかった。
ゴール前の熱狂をクールダウンさせた矢作調教師が、
晴れやかな笑顔で皐月賞初制覇をもたらした激闘を振り返った。
デビュー2戦目の東スポ杯2歳Sを、2歳馬離れしたレコードタイム(1分44秒5)でV。
ディープインパクト産駒の逸材中の逸材に対し、「前進気勢が強い馬。仕上げ過ぎたり、
追い込み過ぎたりしてはいけない」と精神面にゆとりを持たせることをテーマに向き合ってきた。
昨年12月のホープフルS直後に、皐月賞直行のローテを選択したのもそのため。
絶妙なさじ加減で昨年のサートゥルナーリア(中106日)を上回る中112日の
レース間隔を乗り越え、「欲を言えば馬体は10キロ程度増えてほしかったけど、
仕上がりは万全で心配はなかった」と胸を張った。
トレーナーは有馬記念(リスグラシュー)、ホープフルSに続いて中山のGIを3連勝。
「出来過ぎです」と謙遜しつつも、見据える先はもちろん新緑の府中だ。
「きょうは走り方が非常に良くなっていた。この走り方ならダービーの2400メートルもいけると思うし、
この内容だと折り合いの課題もなくなった。あまり無事ではなかった馬なので、
ダービーにいい状態で迎えるようにやっていくだけです」
見事な青空のもと、無限の可能性を改めて示してみせた“飛行機雲”コントレイル。
混沌(こんとん)とした時代に、果てしない放物線を優雅に描いていく。
2019年4月14日(日曜) 3回中山8日第79回 皐月賞
《レース結果》
1 枠6緑 12 サートゥルナーリア 牡3 57.0 C.ルメール 1:58.1
2 枠4青 7 ヴェロックス 牡3 57.0 川田 将雅 1:58.1 アタマ
3 枠2黒 4 ダノンキングリー 牡3 57.0 戸崎 圭太 1:58.1 ハナ
4 枠1白 1 アドマイヤマーズ 牡3 57.0 M.デムーロ 1:58.5 2
5 枠3赤 6 クラージュゲリエ 牡3 57.0 横山 典弘 1:58.7 1 1/2

《レース内容》
断然の1番人気に推されたサートゥルナーリアがゴール前の叩き合いを制してV。
4戦4勝で2005年のディープインパクト以来、
14年ぶり史上17頭目となる無敗の皐月賞馬が誕生した。
ルメール騎手は桜花賞に続くGI連勝で、史上9人目のクラシック競走完全制覇。
次走は上位5頭に優先出走権が与えられる日本ダービーで、史上7頭目の無敗の2冠馬を目指す。
火花散る激戦の末に歴史的勝利が生まれた。平成最後のクラシックホースとなったのは、
サートゥルナーリア。4戦全勝で3冠初戦を制したルメール騎手は、検量室前で右拳を掲げた。
 「調教ですごくいい感じだったので、ずっと自信がありました。いいポジションを取れて、
道中もいい感じ。最後は休み明けのぶん疲れていたけど、ゴールまで頑張ってくれました」
中団追走から、3〜4コーナーで先団を射程に入れる。直線入り口で外からヴェロックスに併せると
手に汗握る展開に。左ムチに反応して鋭く先頭に出た瞬間、内によれて相手と接触。
「スタンドに物見して少しモタれた」が、内から抜け出したダノンキングリー、
ヴェロックスとの追い比べを根気よく制した。
年明け初戦Vは皐月賞史上初で、『中106日』は2016年ディーマジェスティなど4頭の
『中62日』を超える最長間隔。「休み明けで勝つのは簡単じゃない」と称賛した鞍上は
桜花賞に続く2週連続GI勝利でクラシック完全制覇。
「コンプリートはジョッキー人生においてすごいアチーヴメント(達成感)」と声を弾ませた。
 「うれしいです。これまで叩き合いの経験がなかったので激しい競馬に戸惑ったようだけど、
頑張ってくれました」と、昨夏の飲酒運転事故をかんがみて表彰式を自重した角居調教師も、
会見では笑顔。「休み明けは不安だらけでした」。最大目標の日本ダービーから逆算し、
2度の長距離輸送による疲労を懸念して決断した直行策。
その分「うちでは今までないくらい攻めました」(滝川助手)。期待に応え、
厩舎の先輩でもある母シーザリオ(オークス)、兄エピファネイア(菊花賞)に続く
クラシック制覇。トレーナーは「すごいお母さん。
日本を代表する血脈になった」と、厩舎と縁深い血統を誇った。
無敗の皐月賞馬は05年ディープインパクト以来、14年ぶり17頭目。
1984年のグレード制導入後、日本ダービーに進んだ4頭はいずれも2冠馬となった。
「すごい戦いだったけど、いい経験。きょうはコンディションも100%じゃなかったけど、
次はトップコンディションで行けると思うし、もっといい競馬ができるかもしれない」とルメール騎手。
平成から令和へとまたぐ、クラシックの主役へ−。サートゥルナーリアの進撃は止まらない。
2018年4月15日(日曜) 3回中山8日11R 第78回 皐月賞
《レース結果》
1 枠4青 7 エポカドーロ 牡3 57.0 戸崎圭太 2:00.8 35.1 492 0 藤原英昭 7
2 枠7橙 14 サンリヴァル 牡3 57.0 藤岡佑介 2:01.1 2 35.2 488 -12 藤岡健一 9
3 枠5黄 10 ジェネラーレウーノ 牡3 57.0 田辺裕信 2:01.4 1 3/4 37.6 496 0 矢野英一 8
4 枠8桃 15 ステルヴィオ 牡3 57.0 C.ルメール 2:01.4 クビ 34.8 460 -6 木村哲也 2
5 枠3赤 5 キタノコマンドール 牡3 57.0 M.デムーロ 2:01.4 ハナ 34.8 502 +12 池江泰寿 3



《レース内容》
戸崎圭太騎手騎乗の7番人気・エポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:00.8(稍重)。2着には2馬身差で9番人気・サンリヴァル(牡3、栗東・藤岡健厩舎)、
3着には1馬身3/4差で8番人気・ジェネラーレウーノ(牡3、美浦・矢野英厩舎)が続いて入線した。
先手を主張したのは内からアイトーン、ジェネラーレウーノ、ジュンヴァルロの3頭。
1コーナーに入ってからもスピードを緩めず、この3頭が大きく離れて逃げる展開。
離れた2番手集団の先頭にエポカドーロ。これを見ながらケイティクレバーとサンリヴァル。
そこからは間隔も詰まってマイネルファンロン、スリーヘリオス、タイムフライヤー、
ダブルシャープまでが集団の前半分。後方にはオウケンムーン、ジャンダルム、
ワグネリアン、グレイル、ステルヴィオ、
最後方にキタノコマンドール。直線に向くと、前3頭の中からジェネラーレウーノが抜け出したが、
後続から反応良く伸びてきたエポカドーロとサンリヴァルもこれを猛追。
急坂を上がったところでエポカドーロが先頭に抜け出し、ゴール直前でサンリヴァルが2番手、
ジェネラーレウーノも3着を確保した。後方にいた人気馬たちに出番のない展開となった。
勝ったエポカドーロは、未勝利→あすなろ賞を圧勝した後、前走のスプリングS(G2)では
ハナ差2着に敗れていたが、大本番できっちりと巻き返した。
父は新種牡馬のオルフェーヴル。いきなりクラシック父仔制覇を成し遂げた。
2017年4月16日(日) 3回中山8日11R 第77回 皐月賞(GI)
《レース結果》
1 6 11 アルアイン 牡3 57.0 松山弘平 1:57.8   34.2 518 -2 池江泰寿 9
2 4 7 ペルシアンナイト 牡3 57.0 M.デムーロ 1:57.8 クビ 34.1 480 -2 池江泰寿 4
3 5 10 ダンビュライト 牡3 57.0 武豊 1:57.9 3/4 34.3 466 -4 音無秀孝 12
4 8 16 クリンチャー 牡3 57.0 藤岡佑介 1:58.1 1 1/4 34.8 476 0 宮本博 13
5 3 5 レイデオロ 牡3 57.0 C.ルメール 1:58.2 クビ 34.0 484 +8 藤沢和雄 5

《レース内容》
松山弘平騎手騎乗の9番人気アルアイン(牡、栗東・池江泰寿厩舎)が制した。
タイム1分57秒8(良)は、昨年にディーマジェスティがマークしたレースレコードを0秒1更新。
2着は同じ池江泰寿厩舎のペルシアンナイト(4番人気)、3着はダンビュライト(12番人気)だった。
牝馬として69年ぶりの優勝がかかっていた1番人気ファンディーナは7着。
3連単は106万4360円の好配当となった。
レースはアダムバローズがハナへ。アルアインは4〜6番手あたりで、
トラスト、クリンチャーなどと先行集団を形成した。同じような位置取りだったファンディーナは、
直線でいったん先頭に立ちかけたものの失速。代わって、後方から向こう正面で内ラチ沿いを
一気に押し上げていたペルシアンナイトが、そのまま内を突いて抜け出したが、
アルアインが猛然と追撃してゴール前でクビ差で差した。
中団の前めから4コーナーでファンディーナの外に位置していたダンビュライトが
しぶとく脚を伸ばし、さらに3/4馬身差の3着。2番人気スワーヴリチャードは6着、
3番人気カデナは9着だった。
アルアインは、父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ、母の父エッセンスオブドバイという血統。
北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は(有)サンデーレーシング。
通算成績は5戦4勝。重賞は2017年毎日杯・GIIIに次いで2勝目。
皐月賞は、池江泰寿調教師は11年オルフェーヴルに次いで2勝目。
松山弘平騎手は初勝利で、JRA・GI初制覇。
2016年4月17日(日) 3回中山8日11R 第76回 皐月賞(GI)
《レース結果》
1 8 18 ディーマジェスティ 牡3 57.0 蛯名正義 1:57.9   34.0 476 0 二ノ宮敬宇 8
2 2 3 マカヒキ 牡3 57.0 川田将雅 1:58.1 1 1/4 33.9 498 +2 友道康夫 3
3 6 11 サトノダイヤモンド 牡3 57.0 C.ルメール 1:58.3 1 1/4 34.8 504 +6 池江泰寿 1
4 7 15 エアスピネル 牡3 57.0 武豊 1:58.4 1/2+ハナ 35.5 480 -4 笹田和秀 4
5 8 16 リオンディーズ 牡3 57.0 M.デムーロ 1:58.4 (4位降着) 36.1 500 0 角居勝彦 2



《レース内容》
第76回皐月賞(G1)(芝2000m)が行なわれ、蛯名正義騎手騎乗の8番人気
ディーマジェスティ(牡3、美浦・二ノ宮厩舎)が優勝。勝ちタイムは1:57.9(良)。
2着には1馬身1/4差で3番人気・マカヒキ(牡3、栗東・友道厩舎)、
3着には1馬身1/4差で1番人気・サトノダイヤモンド(牡3、栗東・池江寿厩舎)が続いて入線した。
戦前の予想通り、リスペクトアースが押して先手をとる。
その後ろにはなんとリオンディーズ。ミルコ・デムーロ騎手は、
今日は2番手というポジションを選択した。直後にアドマイヤモラール、マウントロブソン、
ジョルジュサンクがつけ、エアスピネルは6番手で虎視眈々と先行勢を見ながら進む。
少し間が開いて、アドマイヤダイオウとドレッドノータスが続き、
1番人気に支持されたサトノダイヤモンドは9番手追走。
ディーマジェスティは後方6番手から3コーナーで徐々に進出していき、マカヒキは後方4番手。
3コーナーに入るところでリオンディーズが早くも先頭。
後続の17頭を引き連れて直線に入る。追い上げてくるのはエアスピネルとサトノダイヤモンド。
2頭がリオンディーズに並びかけ、この3頭の争いになるかと思われたところに、
外からディーマジェスティが一気に末脚を伸ばして追い込む。
その後ろからはマカヒキも懸命に追い込んで2番手に上がるが、
突き抜けたディーマジェスティが先頭でゴールに飛び込んだ。
勝ったディーマジェスティはディープインパクト産駒。
皐月賞をディープインパクト産駒が制するのはこれが初めてで、
しかも今回は同産駒が馬券圏内を独占する形となった。
共同通信杯からのローテーションというのは、昨年のドゥラメンテと同様。圧倒的な強さを見せた、
昨年の覇者を彷彿とさせる爆発的な末脚。
鞍上・蛯名正義騎手の悲願のダービー制覇が、いよいよ見えてきた。
2015年4月19日(日) 3回中山8日11R 第75回 皐月賞(GI)
《レース結果》
1 2 2 ドゥラメンテ 牡3 57.0 M.デムーロ 1:58.2   33.9 486 -2 堀宣行 3
2 3 5 リアルスティール 牡3 57.0 福永祐一 1:58.4 1 1/2 34.5 502 -4 矢作芳人 2
3 4 7 キタサンブラック 牡3 57.0 浜中俊 1:58.8 2 1/2 35.2 510 +6 清水久詞 4
4 1 1 ブライトエンブレム 牡3 57.0 田辺裕信 1:58.8 アタマ 34.7 484 0 小島茂之 6
5 8 14 クラリティスカイ 牡3 57.0 横山典弘 1:58.9 1/2 35.4 482 +2 友道康夫 10

《レース内容》
例年この時期は馬場が荒れるけど、今年はよく持ったな、というのが正直な感想。
その分、能力差がはっきりと出た一戦だった。とりわけ今週は走りやすいコンディション。
こうなると紛れがなくなり力のある馬が上位に来ますが、勝ち馬はえらく強かったです。
ドゥラメンテは前哨戦を使わずに共同通信杯からここ一本のローテだったけど…。
あの時点では賞金的に除外の可能性もあり、決して予定通りだったとは思えません。
それでも抜け出してからの脚がすごい。これで母系は4代にわたってGT馬。
厳しい競馬でファミリーの底力が出ました。
ラスト1ハロンは11秒を楽に切るような脚だから、極上の切れ味というしかない。
ただ、ダービーでは気性の激しさをコントロールできるのか…今後の課題はメンタル面だろう。
その気性に相反してこれだけ走れるんでしょう。いつもこれだけ走られたら
ダービーも仕方ないでしょうけど、死角もあると思います。
普通なら2着リアルスティールで完勝の競馬だった。
正攻法の競馬をして自身も1分58秒4。普通は楽勝です。
今回はびっしり仕上げたことで少しチャカチャカしていましたが、
反動さえなければダービーはもっと良くなると思います。
サトノクラウンは弥生賞での強さはどこにいったんだろう。
スタートの失敗で流れに乗れず、不利もありました。
それでも勝ち馬と同じ位置にいながら案外の伸び。距離もあるかもしれません。
血統的なバックボーンがあるわけではないし、成長も1、2着馬に比べてひと息だった。
3着キタサンブラックのしぶとさは時計的にも評価できる。
この馬は負けたけど立派でしたね。前回スプリングS1着がフロックではなかったことを証明しました。
4着ブライトエンブレムも力は出していますが、この時計の決着では通用しないんでしょう。
ダノンプラチナは距離もあるんだろうけど見せ場なし。全く脚を使えていない。これにはがっかりした。
素晴らしいデキと思えたので明らかに距離の影響はあるでしょう。
ただ、同タイプと思えるクラリティスカイが5着に善戦。もう少し走ってほしかった。
2014年4月20日(日) 3回中山8日11R 第74回 皐月賞(GI)
《レース結果》
1 1 2 イスラボニータ 牡3 57.0 蛯名正義 1:59.6   34.6 462 0 栗田博憲 2
2 8 17 トゥザワールド 牡3 57.0 川田将雅 1:59.8 1 1/4 35.2 510 -8 池江泰寿 1
3 8 18 ウインフルブルーム 牡3 57.0 柴田大知 1:59.9 1/2 35.6 488 -2 宮本博 8
4 1 1 ワンアンドオンリー 牡3 57.0 横山典弘 1:59.9 アタマ 34.3 478 -6 橋口弘次郎 4
5 4 8 ステファノス 牡3 57.0 後藤浩輝 2:00.0 1/2 34.8 468 0 藤原英昭 15

《レース内容》
桜花賞に続いて皐月賞もいいレースだった。勝ったイスボラニータは
中山コースもこれだけのメンバーとも戦うのも初めてだったが、本当に強かった。
時計も上がりも優秀だし、鞍上のレース運びもノーミス、まさに完勝だった。
1000m通過が60秒2ですから、ほぼ平均ペース。どの馬も有利不利のない流れでした。
そんな中、蛯名ジョッキーは自信あふれる騎乗ぶりでした。
特に3〜4コーナーでじっくり待ったあたりはダービーも見据えているような印象も受けました。
スタートがいいからすぐにいい位置が取れる、改めてスタートの大切さを思い知らされた。
イスラは1コーナーまでに8番手の好位キープ。それを周りに馬がいない絶妙の位置だった。
あの時点で今日はこの馬にやられたと思いました。
前にトゥザワールドやアジアエクスプレスがいていい目標になりました。
レースもしやすかったでしょうね。イスラはうまく内枠を生かした。
対照的にトゥザワールドやワンアンドオンリーは当ったた枠を生かしきれなかった。
そのあたりも明暗を分けた気がする。トゥザワールドはもう少し内めの枠だったら
控える予定だったかもしれませんね。全体的にはソツのないレース運びでしたけど
今回は前へ行き過ぎてしまいました。ワンアンドオンリーは若干立ち遅れたこともあって
腹をくくって最後方から。さすがに4着まで追い上げるのが精一杯だったけど、
直線の伸び脚は目立った。マイナス6キロでしたが、馬体は全然細くなかった。
もともとダービータイプだし、この内容なら次は楽しみです。
ウインフルブルームもよく頑張りました。朝日杯FCでも3着に好走してますけど、
本質的に平均ペース型。2000mが合うんだと思います。
一方、トーセンスターダムは11着に大敗。位置取りはイスラの前だから
決して悪くなかったのに、3コーナーではもう反応がなかった。
まだ幼いというか、馬体もバランスが整っていない感じでした。
ローテーションそのものも皐月賞ではなく、ダービーを見据えてのものでしょうからね。
それにしても負け過ぎたような、これでは次も厳しいかも知れません。
アジアエクスプレスはやっぱりマイラーですね、ロサギガンティアはパドックから
イレ込んでいました。このあたりが解消されてこないことには、
巻き返しは難しいかも知れません。まず一冠の皐月賞はイスボラニータが完勝したわけだけど、
ダービーはどうなるか?。今日のところは満点の内容ですけど、ダービーもこれで堅いとは・・・
やっぱりフジキセキ産駒というのは少し引っ掛かります。これまで皐月賞で2着した3頭は
いずれもダービーで着順を下げています。ダイタクリーヴァ、ドリームパスポート、サダムパテック
まあ、イスラはそれよりは器は上なんでしょうけど。
とにかく競馬が上手ですから、それでもダービーはもつれそう。
皐月賞の上位組を中心に着順が入れ替わる可能性は十分にありそうだ。
2013年4月14日(日) 3回中山8日11R 第73回 皐月賞(GI)
《レース結果》
1 7 ロゴタイプ 牡3 57.0 M.デムーロ 1:58.0 レコード 35.3 486 0 田中剛 1
2 14 エピファネイア 牡3 57.0 福永祐一 1:58.1 1/2 35.6 486 -8 角居勝彦 2
3 12 コディーノ 牡3 57.0 横山典弘 1:58.3 1 1/4 35.8 478 -6 藤沢和雄 3
4 15 カミノタサハラ 牡3 57.0 蛯名正義 1:58.5 1 1/4 35.7 518 +6 国枝栄 4
5 5 タマモベストプレイ 牡3 57.0 和田竜二 1:58.5 クビ 35.6 486 0 南井克巳 8

《レース内容》
勝ったロゴタイプはこれで朝日杯FCに続いてG12勝目。
皐月賞レコードの1分58秒5のみならず、コースレコードの1分58秒2も更新する
1分58秒の新レコードだから恐れ入った。
他の芝レースの時計の出方を見ても、G1仕様に馬場を作ってきた節はあります。
それを差し引いても自身はほぼイーブンのラップを刻んだ正攻法の勝利ですから
中身は濃い、それに強調しておきたいのがM・デムーロの手綱さばきです。
レースリプレイを見直しましたが、まったく隙がありませんでした。
道中の運び、勝負どころでの仕掛けも全くソツがなかった。
中山の正攻法を完璧にマスターしている。もちろんロゴタイプの
ポテンシャルに疑う余地はないのですが。
こうなるとダービーも当確でしょう、今日のゴール前の脚色を見ると
全く鈍ってなかったので距離は持つと思います。
そもそもロゴタイプに父ローエングリーンのイメージをそのまま重ねることが
間違いかも知れません、ローエンは古馬になってからマイラー色が強くなりましたが
2〜3歳時には2000メートル前後で強い競馬をしていました。
ダービーに関しては体型からも2着エピファネイアも距離適正が高そうです。
弥生賞をひと叩きしてきっちり変わり身を見せたし
距離延長を味方に逆転があって不思議ではない。
シンボリクリスエス産駒はこれが牡馬クラシックで初めての連対です。
母シーザリオ、母の父スペシャルウィークが強く出ているようです。
今回のようにまともに行っては分が悪いだけに、次は徹底的に脚をためる競馬をするかも知れません。
1横綱に対して2大関のもう一頭コディーノといった感じ、
今回の敗因はズバリ距離だろう、開き直って意表を突くならまだしも、
正攻法で2000メートルのG1では厳しい。気性面を考慮すればマイルの方が合っています。
いいところのバネが戻ってきましたし、今日は落ち着きもありました。
それでいてこの結果は距離負けと判断せざるを得ません。
上位勢は人気順でゴール。4着カミノタサハラも弥生賞から上積みはあったと思いますが・・・
この馬も1分58秒5で走っているのだから普通なら勝ち負けのレベル
4角で外からロゴタイプにかぶせに行ったが先に抜け出られてしまった。
今回は相手が悪かった。下位に沈んだ組ではしまいの脚が光ったメイケイペガスターが見限れない。
今回の流れに乗り切れなかったが能力は確かです。
2歳王者に弥生賞上位組の決着と破綻のない牡馬第1冠でした。
ダービーも同じような構図に皐月賞をパスしたキズナがどう絡んでくるかが焦点だろう。
2012年4月15日(日) 3回中山8日               11R 第72回 皐月賞(GI)
《レース結果》
1 14 ゴールドシップ 牡3 57.0 内田博幸 2:01.3   34.6 498 -8 須貝尚介 4
2 9 ワールドエース 牡3 57.0 福永祐一 2:01.7 2 1/2 34.9 446 0 池江泰寿 2
3 6 ディープブリランテ 牡3 57.0 岩田康誠 2:01.8 3/4 36.7 502 0 矢作芳人 3
4 15 コスモオオゾラ 牡3 57.0 柴田大知 2:01.8 ハナ 36.4 476 +2 高橋義博 6
5 18 グランデッツァ 牡3 57.0 M.デムーロ 2:02.0 1 1/4 35.4 484 -6 平田修 1


《レース回顧》
ゴールシップが内田博の思い切った騎乗で栄冠を勝ち取った。
今年の皐月賞は予想の段階から馬場が大きなポイントになるとは思いましたが
やはり当日の馬場状態が明暗を分けました。

稍重発表でしたが、実質は重馬場で少し内が回復してきた。
という微妙な推移が勝ち馬に味方しました。
向正面でゴールドが最後方でその前に2着ワールドエース、
この2頭は3コーナーではほとんど差のない位置にいたのに
4コーナーを回って直線を向くと、内を通ったゴールドが10馬身近いリードを取っていた。

勝負どころで大胆にインを突いた内田の賭けが見事にハマった。
あの位置取りでも全く慌てませんでした。
洋芝の札幌で結果を出しているように、道悪も苦にしないという自信もあった。
それにしても他馬が大外を通る中で一頭だけインから追い上げてきたのですから
内田ジョッキーの好判断。逆に言えば、コース取りの差をモノともせず
2着に押し上げたワールドエースもすごい。

しかもスタート直後にはつまずくあわや落馬のシーンがあった。
今回は2馬身半差を付けられたけど、道悪も良くなかったし
勝ち馬と互角の評価でよいと思います。

ディープブリランテは前半かかり気味で最後も内にもたれていた。
右回り、左回りに関係なくいつものパターン、1,2着馬とは力差を感じた。

グランデッツァが思っていたより後ろの位置取り
道悪は大丈夫と見ていたのですが、レース後のジョッキーの話では
のめっていたようです、状態は目立っていたのですが・・・。
本来は正攻法がこの馬のスタイル、それができなかったのは
道悪が堪えたんだろう。対照的にコスモオオゾラはこういう馬場が合っている。
うまく流れに乗ってしぶとさを生かした。

アダムスピークは離れたシンガリ負け、馬場も敗因でしょうが
それ以上に好不調の波が大きいディープ産駒の難しさが出た。

2011年4月24日(日) 2回東京2日   11R 第71回 皐月賞(GI)
《レース結果》
1 12 オルフェーヴル 牡3 57.0 池添謙一 2:00.6   34.2 440 -4 池江泰寿 4
2 4 サダムパテック 牡3 57.0 岩田康誠 2:01.1 3 34.9 500 -8 西園正都 1
3 2 ダノンバラード 牡3 57.0 武豊 2:01.3 1 1/4 35.3 464 +4 池江泰寿 8
4 15 デボネア 牡3 57.0 佐藤哲三 2:01.4 3/4 34.4 530 -4 中竹和也 14
5 5 ナカヤマナイト 牡3 57.0 柴田善臣 2:01.5 1/2 35.3 458 -8 二ノ宮敬宇 2



《レース回顧》
皐月賞が東京で行われたのは23年ぶり、予想する上でコース変更が最大の鍵でした。
例年、ダービーの最も大きい前哨戦は結局のところ、皐月賞です。
同じ東京コースでの施行となれば、関連性はさらに増してきます。

皐月賞馬に輝いたオルフェーヴルがダービーの最有力候補に浮上した。
距離が2F伸びる本番で必要とされる折り合いと決め手、
今回のレース内容で、その持ち主であることを存分に証明してみせた。

普段はちょっと荒っぽい乗り方が気になる池添騎手でしたが、落ち着き払った完璧な騎乗。
もちろん3馬身差は完勝の部類に入りますが、それ以上に強い勝ち方でした。

ダービーに向けて相手うんぬんよりも自分との戦い、きついローテーできているだけに
他馬以上の体調維持が必要でしょう。


2着サダムパテックは今回が休み明け2戦目、ラストも止まってなかったし、
挽回の余地を残している。
スタートで出負けして前半、脚を使って馬群に取り付きましたが、勝負どころで反応が鈍くなりました。
ただ馬の体形やタイプとしては2000mの今回こそがチャンスだったとは思います。

3着には積極的なレースが功を奏したダノンバラードが巻き返してきました、
線の細さが気になりますが、本番に向けて怖いのがデボネア、
不利な外枠からラストはオルフェーヴルに次ぐ34.4秒の末脚を使いました。
持久力もありますので、距離も大丈夫でしょう。

ナカヤマナイトは期待を集めた一頭ですが、期待ほど成長が感じられませんでした。
伸び切れなかったレース内容から距離に限界があるタイプかも知れません。

ペルシャザールは流石に負け過ぎ、長い目でみたら好素材ですけど、
現時点の完成度ではダービーでの巻き返しは厳しいだろう。
2010年 4月18日(日) 3回中山8日   11R 第70回 皐月賞(GI)


《レース結果》
1 13 ヴィクトワールピサ 牡3 57.0 岩田康誠 2:00.8   35.2 506 -4 角居勝彦 1
2 16 ヒルノダムール 牡3 57.0 藤田伸二 2:01.0 1 1/2 35.0 456 -10 昆貢 6
3 11 エイシンフラッシュ 牡3 57.0 内田博幸 2:01.0 ハナ 35.2 488 -4 藤原英昭 11
4 5 ローズキングダム 牡3 57.0 小牧太 2:01.0 ハナ 35.4 438 -6 橋口弘次郎 2
5 18 アリゼオ 牡3 57.0 横山典弘 2:01.1 3/4 35.7 510 -4 堀宣行 3



《レース内容》
稍重の馬場の上、淡々と、しかし緊張感を湛えながら、バーディバーディの先導で隊列は進む。
その緊張感は4コーナーを回りながら最大へと達し、勝負は直線での攻防へと移行する。

ゲシュタルト、アリゼオ、リルダヴァルらが好位から抜け出す構え。
これを追って前年の2歳王者ローズキングダムも脚を伸ばす。
この一団による決着かと思われた瞬間、最内から鋭く突き抜けてきたのがヴィクトワールピサ。
デビュー戦ではローズキングダムの2着に敗れたものの、以後は未勝利、京都2歳S、
ラジオNIKKEI杯2歳S、そして弥生賞と連勝街道を突き進み、1番人気に推されていた存在だ。

デビュー以来ヴィクトワールピサにレースを教えてきたパートナーの武豊騎手は
負傷のため手綱を取れなかったが、急遽ピンチヒッターを務めることになった岩田康誠騎手の、
落ち着きと自信に満ちた手綱捌きが光る。13番枠発走からスタート直後に早くも内へと潜り込み、
そこからスルリ、スルリとポジションを上げ、
「馬場の外は水を含んでいる。だから迷わず内を突いた」と、直線でもインからスパートをかけたのだ。

前走・弥生賞でもヴィクトワールピサは内から差し切っている。
岩田騎手が「豊さんが仕込んでくれていたので心強かった」と振り返った通り、
ヴィクトワールピサは、ひるむことなく狭い間隙から弾けるように先頭へと躍り出た。
最後は、外から追い込んできたヒルノダムールとエイシンフラッシュ、
しぶとく食い下がるローズキングダムらの2着争いを1馬身半後方に従えて、
堂々の1着ゴールを果たす。

堅く握りしめた拳を、何度も何度も振り続ける岩田騎手。
そのアクションが、大本命馬を託されたプレッシャーに冷静かつ大胆な騎乗で
打ち克った喜びを物語る。もちろん、持てる能力をフルに
発揮して人気にこたえたヴィクトワールピサも立派だった。