データーチェック
G1未勝利の1番人気は危険 大敗からの一変はない
*3着内馬・・前走が勝ち馬から1秒以内
近年は大波乱続き 3着内馬の条件・・・5歳以上→5勝以上、4歳→3勝以上の実績
父か母父が芝3000m以上でG1実績のある種牡馬 4歳馬が優勢
年明けに3000m以上のレースを2回使っている馬は危険。
前走・・・勝率数は産経大阪杯組  連対率は日経賞組 阪神大賞典組は3着まで 
近走好調な馬 同年のダイヤモンドS出走馬の1着はない


2020年5月3日(日曜) 3回京都4日 第161回 天皇賞(春)
《レース結果》
1 枠8桃 14 フィエールマン 牡5 58.0 C.ルメール 3:16.5
2 枠4青 6 スティッフェリオ 牡6 58.0 北村 友一 3:16.5 ハナ
3 枠4青 5 ミッキースワロー 牡6 58.0 横山 典弘 3:16.9 2 1/2
4 枠5黄 7 ユーキャンスマイル 牡5 58.0 浜中 俊 3:16.9 クビ
5 枠3赤 3 トーセンカンビーナ 牡4 58.0 藤岡 康太 3:17.2 1 3/4

《レース内容》ルメール騎乗で1番人気のフィエールマンがハナ差で差し切り、
史上5頭目の連覇を飾った。ルメール騎手は2018年の天皇賞・秋レイデオロから、
史上初の天皇賞4連勝の快挙を達成した。11番人気の伏兵スティッフェリオが2着。
4番人気ミッキースワローが3着だった。
スタンドに観客がいれば、歓声と悲鳴が交錯しそうなゴール前。11番人気のスティッフェリオが
押し切るかと思われた瞬間、外からフィエールマンが猛然と追いこんだ。首の上げ下げの結果は、
わずかハナ差。きわどい勝負でキタサンブラック以来、史上5頭目の連覇を達成した。
「勝ったかどうかわからなかったから、ガッツポーズができなかった。去年はクビ差でしたし、
菊花賞もギリギリ(ハナ差)だった。でも、これがこの馬の“いつも通り”なんですけどね」
大外(14)番に枠が決まり「スタートして(すぐに)コーナーがあるので、
いいスタートをしたらずっと外になって、少しきついと思っていた」というルメール騎手。
作戦通りに控えめのスタートから、道中は中団後方を追走。
1周目のスタンド前で菊花賞馬キセキが動いて
ハナに立っても、慌てずに進めた。最後の直線は馬群の外へ進路を取り、
末脚を解き放つ。3ハロン34秒6とメンバー最速の上がりで、役者の違いを見せつけた。
「直線に向いたときはもっと楽に勝てるかと思った。ラストでいい脚を使うことができたけど、
普通の馬なら無理でした。天皇賞は日本だけの特別なレース。
4連勝できたのは素晴らしいことだと思います」
2018年の天皇賞・秋から、騎手として史上初の天皇賞4連勝。成し遂げた偉業の感慨に浸った。
3月には、ドバイで騎乗するために現地入りしたが、国際競走が中止。帰国後、
騎乗はおろかトレセンや競馬場にすら入れない時期があった。現在も新型コロナウイルス感染拡大の
影響は続いており、「きょうは(無観客で)寂しかったけど、今は家にいることが大事。
早く競馬場でファンの皆さんと会いたいです」と終息を願った。
フィエールマンは近日中にノーザンファーム天栄(福島県)へ放牧に出され、
宝塚記念(6月28日、阪神、GI、芝2200メートル)を視野に入れている。
「1番人気の責任を果たしてホッとしています。引退後も価値のある1勝になりましたね。
距離はもっと短くてもいい。もう少し距離は短い方が、
切れ味を出せると思う」と手塚調教師は力を込めた。
勝負強い人馬はこれからも、さらにタイトルを積み重ねていくことだろう。
2019年4月28日(日曜) 3回京都3日 第159回 天皇賞(春)
《レース結果》
1 枠7橙 10 フィエールマン 牡4 58.0 C.ルメール 3:15.0
2 枠5黄 7 グローリーヴェイズ 牡4 58.0 戸崎 圭太 3:15.0 クビ
3 枠6緑 8 パフォーマプロミス 牡7 58.0 北村 友一 3:16.0 6
4 枠2黒 2 エタリオウ 牡4 58.0 M.デムーロ 3:16.0 クビ
5 枠6緑 9 ユーキャンスマイル 牡4 58.0 岩田 康誠 3:16.5 3


《レース内容》
ルメール騎乗で1番人気フィエールマンが叩き合いを制して2度目のGI制覇。
史上最少キャリア(6戦目)Vを達成し、ルメールは史上3人目の8大競走完全制覇を成し遂げた。
クビ差2着は6番人気のグローリーヴェイズ。 ゴールデンウイークの熱気に負けない、
火の出るような叩き合いが繰り広げられた。約400メートルにわたる攻防を制して
新時代の長距離王に名乗りを上げたのはフィエールマン。
“平成最後”の盾を手にしたルメール騎手が笑みをこぼした。
「激しい戦いでした。外から競りかけられても、また頑張ってくれた。次も楽しみですね」
スタートがひと息で、序盤は中団後方で折り合いに専念。
「長い距離なので、最初はリラックスさせたかった。それができたら、
ポジションを上げていけるというイメージでした」という狙い通り、
2コーナー付近で進出を開始した。2周目の3コーナーで早くも先頭に並びかけると、
4コーナーで並びかけてきたグローリーヴェイズとの猛烈な競り合い。
一旦は詰め寄られたが、残り100メートル付近で突き放し、最後はクビ差抜け出した。
名手は、これで保田隆芳(故人)、武豊に次ぐ史上3人目の8大競走完全制覇を達成。
桜花賞、皐月賞に続くGI3連勝を果たすと、直後の京都12Rを制し、JRA通算1000勝にも王手をかけた。
平成最後の中央競馬となる29日は、新潟で5鞍に騎乗。大台到達が期待される。
フィエールマンはデビュー6戦目でのVで、菊花賞に続いてレース史上最少キャリア記録を更新。
今年初戦のAJCCは中間に微熱があるなど、万全とはいえない状態で2着に敗れた。
ただ、レース後の疲れはなく、しっかりと乗り込みを消化。手塚調教師が
「菊花賞前ぐらいのデキに戻るかなという感じはありました」と抱いた自信どおりの強さだった。
初めての斤量58キロ、3200メートルと厳しい条件を乗り越えてつかんだ栄冠。
果てしない伸びしろを感じさせる4歳馬が日本馬の悲願をかなえるのは、く訪れる令和元年かもしれない。
2018年4月29日(日曜) 3回京都4日11R 第157回 天皇賞(春)
《レース結果》
1 枠6緑 12 レインボーライン 牡5 58.0 岩田康誠 3:16.2 35.2 452 -2 浅見秀一 2
2 枠6緑 11 シュヴァルグラン 牡6 58.0 H.ボウマン 3:16.2 クビ 35.8 474 +4 友道康夫 1
3 枠4青 8 クリンチャー 牡4 58.0 三浦皇成 3:16.3 1/2 35.7 488 +2 宮本博 4
4 枠1白 1 ミッキーロケット 牡5 58.0 和田竜二 3:16.4 クビ 35.5 480 -8 音無秀孝 9
5 枠1白 2 チェスナットコート 牡4 58.0 蛯名正義 3:16.5 3/4 35.9 452 -6 矢作芳人 7



《レース回顧》
岩田康誠騎手騎乗の2番人気・レインボーライン(牡5、栗東・浅見厩舎)が優勝。
勝ちタイムは3:16.2(良)。2着にはクビ差で1番人気・シュヴァルグラン(牡6、栗東・友道厩舎)、
3着には半馬身差で4番人気・クリンチャー(牡4、栗東・宮本厩舎)が続いて入線した。
好スタートを決めたヤマカツライデンがそのままハナへ。
トミケンスラーヴァ、ガンコと続き、その外へシュヴァルグランが付ける。
クリンチャー、レインボーラインは中団に構え、馬群は縦長に。
レースが動いたのは2周目の向こう正面。ヤマカツライデンが大きくリードをとった後ろで
サトノクロニクル、トーセンバジル、アルバートらがポジションを上げて
2番手集団が大きな馬群となる。そして坂の下りでヤマカツライデンは馬群に飲み込まれ、
ガンコとシュヴァルグランが並んで直線へ。
楽な手応えで先頭に立ったシュヴァルグランがガンコを競り落とし、リードを広げる。
そこへ外からクリンチャー、内からレインボーラインが脚を伸ばして3頭の壮絶な叩き合い。
最後にレインボーラインがクビ差シュヴァルグランを捕らえてゴールに入った。
勝ったレインボーラインは、阪神大賞典に続く連勝で、
G1は10度目の挑戦で悲願の初制覇。管理する浅見秀一調教師は
1998年にメジロブライトでこのレースを勝っていて、
実に20年ぶりの2度目の勝利。鞍上の岩田康誠騎手も
2008年にアドマイヤジュピタで勝っており、こちらは10年ぶりの天皇賞(春)制覇となった。
2017年4月30日(日) 3回京都4日11R 第155回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 2 3 キタサンブラック 牡5 58.0 武豊 3:12.5 レコード 35.3 536 -4 清水久詞 1
2 3 6 シュヴァルグラン 牡5 58.0 福永祐一 3:12.7 1 1/4 35.2 468 -6 友道康夫 4
3 8 15 サトノダイヤモンド 牡4 58.0 C.ルメール 3:12.7 クビ 35.0 506 0 池江泰寿 2
4 5 10 アドマイヤデウス 牡6 58.0 岩田康誠 3:12.8 クビ 35.2 490 +4 梅田智之 10
5 4 7 アルバート 牡6 58.0 川田将雅 3:13.3 3 35.3 480 +2 堀宣行 6


《レース内容》
武豊騎手騎乗の1番人気・キタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)が優勝。
勝ちタイムは3:12.5(良)。2着には1馬身1/4差で4番人気・シュヴァルグラン(牡5、栗東・友道厩舎)、
3着にはクビ差で2番人気・サトノダイヤモンド(牡4、栗東・池江寿厩舎)が続いて入線した。
バラついたスタートでシャケトラ、ゴールドアクターは後手。
大外のヤマカツライデンがハナを切って徐々にリードを広げていく。
キタサンブラックはガッチリと2番手に付け、ワンアンドオンリー、アドマイヤデウス、シュヴァルグラン、
出遅れたシャケトラも先団グループに加わり、サトノダイヤモンドは中団の外めでスムーズな追走。
1周目のスタンド前ではヤマカツライデンが後続を引き離して大逃げの態勢。
軽快に逃げるヤマカツライデンも2周目3コーナーの下りで一杯となり、
キタサンブラックが一気に交わして先頭へ。それを追ってシュヴァルグラン、アドマイヤデウス、
そしてサトノダイヤモンドもスパート。キタサンブラックが2馬身のリードで残りは200m。
シュヴァルグラン、サトノダイヤモンドが懸命に追うが、その差がなかなか詰まらず、
そのままキタサンブラックが押し切ってゴール。
2着はシュヴァルグランがクビ差サトノダイヤモンドを抑えた。
勝ったキタサンブラックは、ディープインパクトが持っていたレコードを大きく塗り替えるタイムで、
そのディープインパクト以来となる1番人気での勝利。
春の天皇賞連覇はメジロマックイーン、テイエムオペラオー、フェノーメノに次ぐ
史上4頭目で、武豊騎手は同レース8勝目。
キタサンブラックにとっては大阪杯に続く5つ目のG1タイトル獲得となった。
2016年5月1日(日) 3回京都4日11R 第153回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 1 1 キタサンブラック 牡4 58.0 武豊 3:15.3   35.0 524 0 清水久詞 2
2 2 3 カレンミロティック せん8 58.0 池添謙一 3:15.3 ハナ 34.8 458 -2 平田修 13
3 4 8 シュヴァルグラン 牡4 58.0 福永祐一 3:15.5 1 1/4 34.5 468 -2 友道康夫 3
4 6 11 タンタアレグリア 牡4 58.0 蛯名正義 3:15.6 1/2 34.3 476 -2 国枝栄 10
5 5 9 トーホウジャッカル 牡5 58.0 酒井学 3:15.6 クビ 34.9 492 -12 谷潔 7


《レース内容》
武豊騎手騎乗の2番人気・キタサンブラック(牡4、栗東・清水久厩舎)が優勝。勝ちタイムは3:15.3(良)。
2着にはハナ差で13番人気・カレンミロティック(セ8、栗東・平田厩舎)、
3着には1馬身1/4差で3番人気・シュヴァルグラン(牡4、栗東・友道厩舎)が続いて入線した。
18頭がきれいなスタートを切り、外からサウンズオブアースも出方をうかがうが、
それを制して最内のキタサンブラックが下馬評通りにハナへ。
ヤマニンボワラクテ、カレンミロティックも差がなく続き、マイネルメダリスト、
サウンズオブアース、アドマイヤデウスも前めのポジション。
ゴールドアクターはそれらを見る形で、その直後にはシュヴァルグラン、
トーホウジャッカルらも付け、レーヴミストラルだけがやや離れた最後方を進む。
2週目の坂の上りで集団の後ろにいたトゥインクルが徐々にポジションをアップ。
下りに入ってペースが上がるとゴールドアクターも進出を開始して、
直線入り口でキタサンブラックに並びかける。
その外にはトーホウジャッカルも上がって直線最後の脚比べ。
逃げるキタサンブラックがラストスパートをかけ、
ゴールドアクターは懸命に食い下がるが伸びはひと息。
2頭の間を割ってカレンミロティックがキタサンブラックを捕らえ、
史上初のセン馬による優勝かと思われたところ、
内からキタサンブラックが差し返し、火の出るような叩き合いで2頭並んだところがゴール。
写真判定の結果、ハナ差でキタサンブラックに軍配が上がった。
勝ったキタサンブラックは、昨年の菊花賞馬で2つ目のG1制覇。
昨年の有馬記念、今年の大阪杯とハナを切って惜敗を喫し、
最内枠を引いた今回、鞍上の武豊騎手がどんな作戦を取るかが注目されたが、
好枠を利してハナを切り、最後は一端先頭を譲ったカレンミロティックを
差し返して再び淀の舞台で大輪を咲かせた。
また、鞍上の武豊騎手は春の天皇賞7勝目で、JRAG1・70勝目の偉業達成となった。
2015年5月3日(日) 3回京都4日11R 第151回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 1 1 ゴールドシップ 牡6 58.0 横山典弘 3:14.7   35.0 510 +2 須貝尚介 2
2 7 14 フェイムゲーム 牡5 58.0 北村宏司 3:14.7 クビ 34.5 456 0 宗像義忠 7
3 1 2 カレンミロティック せん7 58.0 蛯名正義 3:14.8 3/4 35.3 454 0 平田修 10
4 2 4 ラストインパクト 牡5 58.0 川田将雅 3:14.9 クビ 34.4 492 +2 松田博資 5
5 2 3 ネオブラックダイヤ 牡7 58.0 秋山真一郎 3:15.0 1/2 34.8 518 +8 鹿戸雄一 16


《レース内容》 
調教では立ち上がって鞍上を振り落そうとし、
この日は枠入りを何度も嫌がって、いざゲートから出れば押しても前に進まず……。
手綱を取った横山典弘騎手は「ゴールドシップと僕との戦いでした」と振り返る。
そのゴールドシップが、終わってみれば1着。
一昨年5着、昨年7着の雪辱を果たして天皇賞(春)(GI)を勝利した。
スタートから間もなく、「機嫌を損ねないように」と横山騎手は無理に押し上げることをやめ、
単勝1番人気のキズナと並ぶ最後方に待機。が、
1周目スタンド前、大観衆の声援に目が覚めたのか、
ここでゴールドシップの“やる気”が燃え上がる。
外に持ち出されると少しずつポジションを上げ、向こう正面の半ばでさらに加速。
「いつもはお願いするのですが、今日は少しげきを飛ばしました」と、
横山騎手にムチを入れられたゴールドシップは、
重賞2連勝中のアドマイヤデウスや菊花賞2着のサウンズオブアースらを交わし、
3コーナー手前では早くも好位へ。先行するクリールカイザー、
スズカデヴィアス、カレンミロティックを射程圏内に捉える。
そして最後の直線。先に抜け出したカレンミロティック、
内から迫るラストインパクトを自慢のスタミナでねじ伏せると、
ゴール前で追い込んできたフェイムゲームをクビ差振り切って、
ゴールドシップは先頭でゴールを駆け抜けた。
 「たまにでいいから真面目に走ってくれれば」と横山騎手が語る通り、
まるで走るのを拒否するかのようなそぶりを見せ、力を出し切れずに終わることも多いのが、この馬。
けれど、ひとたび闘志に火がつけば、こうして得意のロングスパートを決めてみせる。
そんな危うい個性がゴールドシップの魅力のひとつと言えるだろう。
見る者を、あるいは自らの上に跨るジョッキーたちを振り回す
強烈な個性で積み上げた通算13勝目、そして6つ目のGI タイトルである。
2014年5月4日(日) 3回京都4日11R 第149回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 4 7 フェノーメノ 牡5 58.0 蛯名正義 3:15.1   34.3 498 +10 戸田博文 4
2 6 12 ウインバリアシオン 牡6 58.0 武幸四郎 3:15.1 クビ 34.1 526 0 松永昌博 3
3 3 6 ホッコーブレーヴ 牡6 58.0 田辺裕信 3:15.1 ハナ 34.0 478 -2 松永康利 12
4 7 14 キズナ 牡4 58.0 武豊 3:15.2 1/2 34.0 492 -6 佐々木晶三 1
5 5 9 タニノエポレット 牡7 58.0 和田竜二 3:15.4 1 1/2 34.1 506 -2 村山明 13


《レース内容》4コーナーで馬群が固まってきて、後方から徐々に押し上げてきたキズナは大外。
出遅れて前半は最後方だったゴールドシップがその直後を追ってきた。
その時フェノーメノは好位で馬群の中にいたが、直線入り口で馬群がばらけると
ウインバリアシオンと並んで伸び、競り合いを制してフェノーメノが連覇達成。
外のキズナは伸びそうで伸びず4着。遅れて伸びてきたホッコーブレーヴが
2着とハナ差の3着まで届いた。 フェノーメノは休み明けの日経賞を使って
状態が上向いていたし、やはり長距離適性が高い。
今回の組み合わせだと、他の有力馬よりも前につけられること、
馬群の中から抜けて来れることも大きなアドバンテージだった。
宝塚記念は昨年4着だったが、今年も上位争いにはなるはず。
2200M適性がもっと高い馬の逆転があるかどうかだろう。
ウインバリアシオンは惜しい2着としか表現しようがない。
オルフェーヴルがいなくなったと思ったら、今度は別のステイゴールド産駒に
GT勝ちを阻止されてしまった。当日の急な乗り替わりだったが、
バンデが出走できていればそちらがシュタルケ騎手で、
ウインバリアシオンは武幸四郎騎手の予定だった。
乗り替わりの影響はあまりなかったはずで、馬は力を出している。
ホッコーブレーヴが3着に来て、日経賞組が1着から3着までを占めた。
叩いて上昇したフェノーメノが5着から1着に上がり、日経賞の1着、2着が今回2着、3着。
日経賞のころの中山芝は力の要る時計のかかる馬場だったが、
そういう馬場で好走できた馬は、極端に上がりが速くない
3200Mのスタミナ勝負で力を発揮できたのではないか。
上位3頭とは4コーナーで大外を回していた分の差があったとはいえ、
1番人気キズナは伸びそうで伸びなかった。「伸びそうで伸びない」のは
距離の影響である場合が多く、京都であっても3000M級はこなせないのかと思ったが、
レース中に骨折していた。伸びそうで伸びなかったのはそのためだろう。
ゴールドシップは出遅れが響いたが、京都の高速馬場はやはり苦手。
2013年4月28日(日) 3回京都4日11R 第147回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 6 フェノーメノ 牡4 58.0 蛯名正義 3:14.2   36.2 496 +2 戸田博文 2
2 1 トーセンラー 牡5 58.0 武豊 3:14.4 1 1/4 36.4 460 0 藤原英昭 3
3 13 レッドカドー せん7 58.0 G.モッセ 3:14.7 2 36.5 482 前計不 E.ダンロップ 6
4 7 アドマイヤラクティ 牡5 58.0 岩田康誠 3:15.0 1 3/4 36.4 486 +6 梅田智之 4
5 8 ゴールドシップ 牡4 58.0 内田博幸 3:15.1 クビ 37.0 502 0 須貝尚介 1


《レース内容》
フェノーメノが待望のG1制覇を成し遂げた。最大の要因は成長を促した
陣営の戦略にある。3歳馬にとっては負担の大きい菊花賞、有馬記念を
無理せずパスしたことがここで花開いた。
今回は初めての長距離輸送での実戦でしたが、体はまったく減っていませんでした。
ビッシリと追い切ってのものだけに心身の充実を物語っています。
レースに関して、特に対ゴールドシップでいえば前で競馬をしなければ勝利は見えてこない。
その点でいえば直線が平坦の京都という舞台設定はピッタリだ。
急坂が待ち受けていれば最後に脚が鈍った可能性も不定できない。
落ち着いた流れからの先行抜け出しは考え得る理想的なゴールドシップ撃破のシナリオです。
ただ今回は逃げたサトノシュレンを別に考えても厳しい流れになりました。
3分14秒2は歴代4位の高速決着。たとえ引っ張られた記録にせよ
実際にスタミナがなければ乗り切れません。
いろいろな角度から賞賛されていい勝利だと思います。

今回の勝利でオルフェーヴル、ジェンティルドンナに肩を並べる存在に浮上したと見ていい。
問題は現役最強馬の1角でありながら1番人気を裏切って5着に沈んだゴールドシップの評価だ。
この馬のアキレス腱が速い上がりでの決着、今回はレースのラスト1F12秒6
前の2Fが11秒9→11秒8、不向きだったのは確かだが・・・・。
だからといってアドマイヤラクティまでに先着を許したのは納得がいかない。
レース全体は厳しい流れですから、位置取りや動きだすタイミングが悪かったとはいえません。
ただ振り返れば1番人気の勝利は過去10年でディープインパクトだけ。
3200mのG1はやはり難しい要素が多いということでしょう。
機械ではないので計算通りにはいきません。ある意味、歴史通りともいえます。
とにかく有馬記念のインパクトからも力負けでないことは確かだ。
デキが伴っていなかった可能性も探っていく必要があるだろう。

デキといえば立ち直りを見せたのが2着に食い込んだトーセンラ
京都は得意としているコースとはいえ、完全復活といっていいだろう。
菊花賞3着こそありますが、必ずしも長丁場でこそのタイプではありません。
その意味では宝塚記念、秋の天皇賞の中距離路線で楽しみになってきました。
あとは調整過程も含めて判断が難しい外国馬ですが、
昨年から力をつけてきたレッドカドーが3着に好走しました。
一昨年のメルボルンCで2着の実績もありました。
ジャパンCは不利もあり8着止まりだったが、適正のある長丁場で力のあるところを見せてくれた。
2012年4月29日(日) 3回京都4日        11R 第145回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 1 ビートブラック 牡5 58.0 石橋脩 3:13.8   36.5 512 -2 中村均 14
2 16 トーセンジョーダン 牡6 58.0 岩田康誠 3:14.5 4 34.0 478 -4 池江泰寿 3
3 11 ウインバリアシオン 牡4 58.0 武豊 3:14.8 2 33.5 512 -2 松永昌博 2
4 5 ジャガーメイル 牡8 58.0 四位洋文 3:14.9 クビ 33.6 476 -4 堀宣行 9
5 8 ギュスターヴクライ 牡4 58.0 蛯名正義 3:15.1 1 1/2 34.4 494 -4 荒川義之 4


《レース回顧》
何を言ってもオルフェーヴル、阪神大賞典に続いて2戦連続で波乱を演出。
今度は大丈夫と思ったファンも多かっただけにがっかりさせられました。

敗因は?4角で20馬身差以上はあったように、仕掛けのタイミングとか
58キロが初めてだったとかあるにはあるけど・・・
展開や馬場というだけでは片付けられない負け方です。

どうも馬が空回りしている印象を受ける。
中間から調教再審査などがあって馬をいじめてきたし、
鞍上も折り合いを意識してナーバスになり過ぎたのも馬に伝染したのか?
パドックでもオーラーというか迫力が感じられなかった。

スパートのタイミングが悪かったというよりも
むしろ動けなかった、猛然と追い上げて負ければ良かったけど・・・。
前走で崩したリズムがさらに悪くなってしまった感じです。

勝ったビートブラックは先週と一転して時計の速い馬場コンディション
石橋騎手がレース後に言っていたように
馬場状態を考えてグイグイと早めに仕掛けて行く形が良かったでしょう。
菊花賞3着でスタミナの裏付けはあった。時計的にも見事だった。
他の馬の助けなしに自力で勝ったものだけに評価したいです。

2.3着トーセンジョーダン、ウインバリアシオンは鞍上の緩慢プレーもあったが
4着以下とは力の違いを見せた。
仕掛け遅れは仕方ないところもあるし、評価を落とすものではないでしょう。

4着ジャガーメイルも8歳にして立派な走り、
天皇賞馬の意地は見せた。
2011年5月1日(日) 3回京都4日   11R 第143回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 2 ヒルノダムール 牡4 58.0 藤田伸二 3:20.6   35.3 474 0 昆貢 7
2 15 エイシンフラッシュ 牡4 58.0 内田博幸 3:20.7 1/2 35.2 490 -2 藤原英昭 3
3 3 ナムラクレセント 牡6 58.0 和田竜二 3:20.9 1 1/2 36.3 502 +2 福島信晴 5
4 7 マカニビスティー 牡4 58.0 小牧太 3:21.1 1 1/4 35.4 476 -2 矢作芳人 17
5 14 トウカイトリック 牡9 58.0 川田将雅 3:21.1 クビ 35.1 454 +2 野中賢二 18



《レース回顧》
ソツのない立ち回りでヒルノダムールが見事に盾の栄冠を勝ち取りました。
レコード勝ちの反動があると思っていましたが、更に良くなっていましたね。
完全に一皮向けた感がり、調教をハンロに変更してから重賞2連勝と末脚に磨きを掛けてきました。

2着エイシンフラシュとは内外の差もあったと思いますが敗れたとはいえ
ピタリと折り合い、決め手を引き出しました。
くしくも皐月賞の2.3着馬、勝ったのはヴィクトワールピサですから
本当にレベルの高いレースです。

対照的に人気を集めたトゥザグローリー、ローズキングダムはどちらも掛かりました。
最初の1000m通過が64秒2で2000m通過が2分8秒7ですから、ここまで遅くなるのは予想外。
本来のスタミナを問われるようなレースではなかったですね。
トゥザグローリやペルーサは距離も敗因ですがそもそも菊花賞には参戦しなかった訳ですから。

マイネルキッツはナムラエクセレントをマークして早い目に進出しましたが
自分のスタイルには持ち込めませんでした。
粘りきれなかったのは年齢的なものかも知れません。

終わってみれば4歳馬の1.2着、短距離を除けば、この世代は強いし層も厚いですね。

2011年5月1日(日) 3回京都4日   10R 第141回 天皇賞(春)(GI)
《レース結果》
1 12 ジャガーメイル 牡6 58.0 C.ウィリアムズ 3:15.7   33.7 472 -8 堀宣行 2
2 16 マイネルキッツ 牡7 58.0 松岡正海 3:15.8 3/4 34.2 506 -4 国枝栄 4
3 4 メイショウドンタク 牡4 58.0 武幸四郎 3:16.6 5 34.9 488 -6 本田優 16
4 7 ナムラクレセント 牡5 58.0 小牧太 3:16.8 1 1/2 34.6 496 +10 福島信晴 7
5 2 エアジパング せん7 58.0 岩田康誠 3:17.2 2 1/2 35.0 440 -2 藤原英昭 12


《レース内容》
天皇賞(春)(GI)で1番人気に推されたのは、菊花賞2着、ステイヤーズSと
ダイヤモンドSが1着と抜群の長距離実績を誇るフォゲッタブル。
今年に入って1600万下を勝ち上がり、前走・阪神大賞典では
僅差2着に追い込んだ上り馬ジャミールも注目を集め、
昨年の覇者マイネルキッツは前哨戦の日経賞で久々の勝利をマーク。
牝馬メイショウベルーガは日経新春杯1着、阪神大賞典3着と
牡馬と互角以上の戦いを繰り広げていた。

これらに混じり、重賞未勝利ながら2番人気となっていたのがジャガーメイル。
評価の理由は、幾多の強豪と接戦を演じてきた経験だ。
スクリーンヒーローと叩き合い、香港への2度の遠征では3着と4着に健闘。
前走・京都記念ではブエナビスタを半馬身差まで追い詰めている。

力強く、だが悔しさも残る戦いの中で培った逞しさを、初めてジャガーメイルの
手綱を取ることになったC.ウィリアムズ騎手も感じ取っていたのだろう。
「この馬を信じていたから不安はなかった」という。その信頼にこたえて、
ジャガーメイルは鋭い末脚を炸裂させた。

3コーナーの坂の下り、逃げたミッキーペトラに後続が詰め寄り、4コーナーでは
マイネルキッツが一気に先頭へと躍り出る。好位にいたメイショウドンタクも早めの仕掛けだ。
フォゲッタブルやジャミールなど中団から後方に控えた馬は伸びあぐねるが、
唯一、ジワリと好位へ押し上げ、さらに力強いラストスパートも見せたのがジャガーメイルだった。

独走態勢に入ったマイネルキッツとの差を1完歩ずつ詰め、最後は4分の3馬身交わし去ってのゴール。
鮮やかな差し脚で盾獲りを完遂するとともに、この大舞台で、
重賞制覇の悲願を成し遂げた。