データーチェック
中団より前で競馬ができるスプリンターに注目 年明けデビュー馬は3着以内なし
皐月賞組は人気ほど走らない。 前走から距離延長は苦戦
率なら牝馬 *連対馬の20頭は前走は全て1600m以上
阪神の重賞組が活躍 中2週以内は未勝利(皐月賞・橘S組が該当)
*前走が2月以前だった馬の3着以内なし


2020年5月10日(日曜) 2回東京6日第25回 NHKマイルカップGT
《レース結果》
1 枠6緑 11 ラウダシオン 牡3 57.0 M.デムーロ 1:32.5
2 枠2黒 3 レシステンシア 牝3 55.0 C.ルメール 1:32.7 1 1/2
3 枠3赤 6 ギルデッドミラー 牝3 55.0 福永 祐一 1:32.8 3/4
4 枠1白 2 タイセイビジョン 牡3 57.0 石橋 脩 1:32.8 ハナ
5 枠7橙 14 ルフトシュトローム 牡3 57.0 D.レーン 1:33.0 1 1/4

《レース内容》

M・デムーロ騎乗で9番人気のラウダシオンが2番手から抜け出し、重賞初制覇をGIで飾った。
新種牡馬の父リアルインパクトにとっても産駒の重賞初勝利となった。
逃げた1番人気のレシステンシアが1馬身半差の2着だった。
ダートコースの砂を舞い上げる向かい風が、ラウダシオンにとって神風となった。
2番手から堂々と抜け出して9番人気の低評価を覆すV。2011年に父リアルインパクトが
3着に敗れたNHKマイルCを孝行息子が制し、父に初の重賞をGIでプレゼントした。
「GIに乗るのはうれしいですし、勝つのはもっと気持ちいい」
昨年のアドマイヤマーズに次ぐ連覇となったミルコ・デムーロ騎手は、検量室前で下馬すると
何度もラウダシオンに感謝のキスを贈った。ラッキーライラックの大阪杯に次ぐ今年GI2勝目で、
通算では歴代単独2位の32勝。「無観客で寂しいし、ガッツポーズはあまり出なかったけど、
やっぱりうれしいです」と、満面の笑みを浮かべた。
スタートこそそれほど速くなかったが、すぐにスピードに乗り、逃げる1番人気の
レシステンシアをかわしそうな手応え。そこを2番手でがっちり抑え込み、直線勝負に持ち込んだ。
レシステンシアに並びかけた直線半ばで、強風によって隣のダートコースから砂が舞い上がると、
後続の脚いろが鈍る。1番人気馬を競り落とすと、あとはゴールへまっしぐらだ。
「何度もVTRを見ました。スタートが速いし、一番いいところにつけられました。
(レシステンシアの)ルメールもさすがにいいペースだったけど、これはいけるかな、差せるかなと思ったね」
この日は差し馬が伸びない馬場状態。それを見越しての先行策に強風も味方につけたミルコの作戦勝ちだ。
斉藤崇調教師はクロノジェネシスでの昨年の秋華賞以来のJRA・GI2勝目。
大阪杯でクロノジェネシスがミルコのラッキーライラックの2着に敗れただけに、
「あのときは悔しかったけど、味方にすると頼もしいです」と鞍上をたたえた。
今後は馬の様子を見て決まるが、父リアルインパクトはNHKマイルC3着から臨んだ
安田記念をGIに格付けされた後、3歳馬として初勝利。
新世代のマイル王ラウダシオンの今後の走りから目が離せない。
2019年5月5日(日曜) 2回東京6日第24回 NHKマイルカップ
《レース結果》
1 枠8桃 17 アドマイヤマーズ 牡3 57.0 M.デムーロ 1:32.4
2 枠8桃 18 ケイデンスコール 牡3 57.0 石橋 脩 1:32.5 1/2
3 枠5黄 10 カテドラル 牡3 57.0 B.アヴドゥラ 1:32.5 ハナ
4 枠2黒 3 ダノンチェイサー 牡3 57.0 川田 将雅 1:32.7 1 1/4+クビ
5 枠4青 7 グランアレグリア 牝3 55.0 C.ルメール 1:32.7 (4位降着)


《レース内容》
M・デムーロ騎乗で2番人気のアドマイヤマーズが中団追走から抜け出してV。
昨年の朝日杯FSに次ぐ2度目のGI制覇を果たした。4位で入線した1番人気のグランアレグリアは
走行妨害で5着に降着となり、ルメール騎手は加重制裁で11日から26日まで
開催日6日間の騎乗停止。日本ダービーのサートゥルナーリアなど多くの有力馬に騎乗できなくなった。
男として、王者として負けられなかった。直線の攻防を制し、
アドマイヤマーズが昨年の朝日杯FSに続くGI2勝目。
ともに復活を印象づけたM・デムーロ騎手は、検量室前で何度も愛馬の首筋を叩いてねぎらった。
 「最高! 感謝です! 思ったより後ろになったけど、前に行く馬が多くて道中はスムーズ。
直線では手応え抜群。外から馬が来たら耳を絞ってまた伸びてくれました」
軽く出負けしたが、押して中団の外を追走。4コーナーで追い出されると、
断然人気の牝馬グランアレグリアが伸びあぐねるのを尻目に、どんどん加速していく。
残り100メートルで先頭に立ち、そこへケイデンスコールが迫ったが
「負けたくない気持ちがある」相棒が勝負根性を全開。半馬身差でゴールを駆け抜けた。
昨年のホープフルS(サートゥルナーリア)以来のGI29勝目で、今年初戴冠の鞍上だが、
1〜3月と2桁勝利の一方、4月は6勝どまり。重賞も日経新春杯以降は勝てなかったが、
気持ちは萎えていなかった。勝ち星が伸びず、腰痛説などの噂話も耳に届いたが
「全然痛くない。令和で初めてのGIを勝てて気持ちいい。スッキリです」と破顔一笑だ。
管理する友道調教師は2015年クラリティスカイに続く2度目のV。
GIは7年連続の通算11勝目となった。「最後はどうかミルコ頑張ってくれ…と。
お互いGIで勝てていなかったので、良かったです」。ジョッキーと何度もハグして喜んだ。
距離を延ばして共同通信杯2着、皐月賞4着と苦杯をなめたが、
これでマイルは5戦全勝。ほっと胸をなで下ろした。
この後は休養し、秋に備える。「一番結果が出ているし、マイルを中心に使っていくことになると思います」。
具体的な復帰戦などは未知数だが、マイルCSなどで古馬との戦いが待っている。
2歳、3歳とマイル王の座に就いたアドマイヤマーズが、令和の始まりとともにマイル界制圧に乗り出した。
2018年5月6日(日曜) 2回東京6日11R 第23回 NHKマイルカップ
《レース結果》
1 枠6緑 11 ケイアイノーテック 牡3 57.0 藤岡佑介 1:32.8 33.7 456 0 平田修 6
2 枠5黄 9 ギベオン 牡3 57.0 M.デムーロ 1:32.8 クビ 34.5 508 +6 藤原英昭 2
3 枠8桃 17 レッドヴェイロン 牡3 57.0 岩田康誠 1:32.8 アタマ 34.1 474 +4 石坂正 9
4 枠8桃 16 マルガイミスターメロディ 牡3 57.0 福永祐一 1:33.0 3/4 34.9 486 +4 藤原英昭 7
5 枠3赤 5 プリモシーン 牝3 55.0 戸崎圭太 1:33.0 クビ 34.0 478 0 木村哲也 5


《レース内容》
藤岡佑介騎手騎乗の6番人気・ケイアイノーテック(牡3、栗東・平田厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:32.8(良)。2着にはクビ差で2番人気・ギベオン(牡3、栗東・藤原英厩舎)、
3着にはアタマ差で9番人気・レッドヴェイロン(牡3、栗東・石坂正厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたタワーオブロンドン(牡3、美浦・藤沢和厩舎)は12着に敗れた。
スタートでカツジとプリモシーンが出遅れ。ダノンスマッシュが好スタートを決めたが、
それを制してテトラドラクマが先手を主張。先団はひと塊でミスターメロディも
サッとポジションを上げる。タワーオブロンドはちょうど中団。
ケイアイノーテックは後方2番手で、デルタバローズが少し置かれる形となって
大きな馬群のまま直線に入る。いち早く抜け出しを図ったのはミスターメロディ。
それを目掛けて馬群の真ん中からギベオンが迫り、残り200mで2頭のマッチレースに。
そこへレッドヴェイロン、ケイアイノーテックも襲いかかり、
最後は大外のケイアイノーテックが内に3頭を従えてゴール。3歳マイル王に輝いた。
勝ったケイアイノーテックは、デイリー杯2歳S3着、朝日杯FS4着と2歳時から重賞で好走。
前走のニュージーランドTではカツジにアタマ差敗れたものの、
1番人気に支持されて2着と世代トップクラスの実力を示していたが、
ここで嬉しい重賞初勝利がG1のビッグタイトル。鞍上の藤岡佑介騎手はJBCスプリント、
全日本2歳優駿でJpn1レースを勝っているが、JRAのG1は86回目の挑戦で初勝利(2着7回)。
このレースは弟の藤岡康太騎手が2009年に勝っており、
武豊・武幸四郎兄弟に続く2組目の兄弟制覇となった。
2017年5月7日(日) 2回東京6日11R 第22回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 8 16 アエロリット 牝3 55.0 横山典弘 1:32.3   34.3 478 -2 菊沢隆徳 2
2 7 14 マル外リエノテソーロ 牝3 55.0 吉田隼人 1:32.5 1 1/2 34.0 450 -4 武井亮 13
3 3 6 ボンセルヴィーソ 牡3 57.0 松山弘平 1:32.9 2 1/2 35.0 462 -2 池添学 6
4 7 15 レッドアンシェル 牡3 57.0 福永祐一 1:32.9 クビ 34.2 442 -14 庄野靖志 7
5 6 11 オールザゴー 牡3 57.0 内田博幸 1:33.0 3/4 34.4 480 +6 矢作芳人 16


《レース内容》
横山典弘騎手騎乗の2番人気・アエロリット(牝3、美浦・菊沢厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:32.3(良)。2着には1馬身半差で13番人気・リエノテソーロ(牝3、美浦・武井厩舎)、
3着には2馬身半差で6番人気・ボンセルヴィーソ(牡3、栗東・池添学厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたカラクレナイ(牝3、栗東・松下厩舎)は17着に敗れた。
ロケットスタートを決めたのはアエロリット。内から先手を主張する他馬に
ハナを譲るようにジックリと進めると、ボンセルヴィーソがハナ、モンドキャンノ、
ディバインコードらが続く。差がなく中団にリエノテソーロらがマークし、
アエロリットは馬場を選びように馬群からやや離れた位置を立ち回る。
直線に向くとラスト2F過ぎから各馬がスパート。
一旦はリエノテソーロがアエロリットに並びかけるが、そこから盛り返す。
終わってみれば終始、アエロリットが危なげなく押し切った。
勝ったアエロリットの近親にはマイルG1を2勝したミッキーアイルがいる。
新馬勝ち以降は2着が続き、前走の桜花賞では後方から伸びるも5着までだったが、
結果の出ている東京コース、しかもG1で巻き返してみせた。
父クロフネは01年の同レース勝ち馬で親子制覇。鞍上の横山典弘騎手は
99年シンボリインディ、15年クラリティスカイに続く同レース3勝目。
管理する菊沢隆徳調教師は嬉しいG1初勝利。
2016年5月8日(日) 2回東京6日11R 第21回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 2 4 メジャーエンブレム 牝3 55.0 C.ルメール 1:32.8   35.1 496 -6 田村康仁 1
2 3 5 ロードクエスト 牡3 57.0 池添謙一 1:32.9 3/4 33.8 446 -6 小島茂之 2
3 8 18 レインボーライン 牡3 57.0 福永祐一 1:32.9 クビ 34.4 430 -2 浅見秀一 12
4 5 10 ダンツプリウス 牡3 57.0 丸山元気 1:33.1 1 1/4 34.9 494 -4 山内研二 7
5 4 7 トウショウドラフタ 牡3 57.0 田辺裕信 1:33.1 アタマ 34.2 460 -4 萱野浩二 5



《レース内容》メジャーエンブレムが堂々の逃げ切り勝ち。見事に桜花賞(4着)の雪辱を果たした。
それにしても強かった。内枠で経済コースを通れたとはいえ、
2月のクイーンCで見せたスピードを存分に発揮。ほかの馬は太刀打ちできなかった。
前半の4ハロン通過が46秒0で、後半が46秒8。本当にバランスの取れたラップ構成です。
これは1分32秒5で逃げ切ったクイーンCの時とほぼ同じ(46秒1→46秒4)。
このラップでまとめられては後続はお手上げです。
自分でペースをつくって他馬を振り切ってしまうんだから本当に恐れ入った。
勝ちタイム的には過去にもっと速い時計もあったが、中身が違う。
引っ張られた時計ではなくて逃げ切りですから。
帰厩してから日が浅く、調教の動きもなんとなく桜花賞の時のほうが良かった気もしましたが、
陣営は前回の敗戦を糧にしたということでしょうね。
放牧先との連携を含めて仕上げもレース運びも、すべてがうまくいったということでしょう。
馬自体もタフだ。結果的に詰まったローテーションも良かったんだろう。
桜花賞を取りこぼしたことでNHKマイルCに回ってきたが、やっぱりマイルが合う。
父ダイワメジャーや、その妹のダイワスカーレットも先行タイプでしたが、
ばたっと止まるタイプではありませんでした。メジャーもぶっ飛ばすような逃げ方ではないので、
成長してくれば距離を延ばせるんじゃないですか。
将来的には2000メートルでもバランスのいい逃げが打てると思います。
2着ロードクエストも皐月賞8着から巻き返してきた。上がり33秒8はメンバー最速。
今回は持ち味を生かした。勝ち馬とは着差以上に開きがあったとは思いますが、
はまれば素晴らしい脚を使う。自分のスタイルに徹したことが良かったんでしょう。
馬も細く見えるくらいに仕上がっていました。
勝ちにいってはダメなタイプかもしれない。今日は池添が開き直った騎乗で脚をうまく引き出した。
3着にはずっとマイル路線を歩んできたレインボーライン。
やっぱりアーリントンC勝ちはダテじゃなかったということです。
4着以下は大混戦。ダンツプリウス、トウショウドラフタも力を示したが、後者はスムーズじゃなかった。
直線でうまくさばけませんでした。でも、デビュー時とは明らかにお尻の格好が違う。
マイルも大丈夫で本当に良くなってきました。
イモータルは残念ながら11着。位置取りは良かったが、直線は無反応。
マイルでは全然脚が使えなかった。
総合力で乗り切れると思いましたが、このペースについて行くのが負担だったようです。
ティソーナも出遅れて見せ場がなかった。柏木 ミルコ(デムーロ)は乗れてなかったですね。
他のレースを見ても、今日は本当にリズムが悪かった。
2015年5月10日(日) 2回東京6日11R 第20回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 4 7 クラリティスカイ 牡3 57.0 横山典弘 1:33.5   33.9 478 -4 友道康夫 3
2 5 9 マル外アルビアーノ 牝3 55.0 柴山雄一 1:33.7 1 34.4 512 +6 木村哲也 4
3 6 12 ミュゼスルタン 牡3 57.0 柴田善臣 1:33.7 クビ 33.8 470 -6 大江原哲 2
4 1 1 アヴニールマルシェ 牡3 57.0 北村宏司 1:33.9 1 1/2 33.8 488 -4 藤沢和雄 5
5 1 2 グランシルク 牡3 57.0 戸崎圭太 1:33.9 クビ 34.1 480 +2 戸田博文 1

《レース内容》
勝者は褒めたたえるべきなんだが…レース後の素直な感想は“物足りない”。
クラリティスカイがスパッと切れたというより、他がはじけなかっただけ。
先週の天皇賞・春に続いて横山典の手綱さばきは鮮やかだったが…。
スローペースのすべてが悪いとは言いませんが、マイルのGTくらいは流れてもらいたいですね。
ひと昔前は東京の千六は逃げ切り困難が当たり前。
GTで逃げ切ったのは安田記念のニッポーテイオー(88年)だけでした。
だからこそ“千八以上でも通用する総合力が必要”という認識だったわけでして。
ヴィクトリアマイルのヴィルシーナ(14年)に加え、このNHKマイルCもカレンブラックヒル(12年)、
ミッキーアイル(14年)とこのところ逃げ切りが当たり前になってきた。
レースの質が明らかに変わってきました。ペースが落ち着けば当然、前に行った方が有利。
おまけに馬群がばらけず後方待機組が不利を受ける可能性も高くなります。
昔は適当に差し、追い込み馬を買えば当たっていたのに今は逃げ、先行馬を買わないと当たりません。
そのあたりも見越して路線を変更してきたクラリティスカイ陣営の英断は称賛すべきだろう。
皐月賞(5着)の上位勢をダービーで逆転することは難しいだろうからな。
強敵にもまれた経験がここで生きた形だ。
やはり距離はマイルまでが合っていますね。ただレース内容はラップ、走破時計ともに
2歳時のいちょうSとあまり変わりませんから食い足りない面は否めません。
“ねじ伏せた”との迫力は感じませんでした。
2着アルビアーノも先行馬有利の流れに乗った組だが男馬相手の善戦は褒めていい。
タラレバになってしまうが桜花賞に出ていたら押し切っていた可能性は高いだろう。
戦前はあまり買っていませんでしたが、評価を改めなければなりませんね。
3、4着は昨夏のGV新潟2歳Sの1、2着馬。これを上回れなかったトライアルの
GUニュージーランドT組はちょっと情けないな。アルマワイオリなんかは目一杯の競馬が続いて
お釣りがなかったのかもしれない。一方、2〜4着馬は十分なレース間隔を取ってきた。
“余力”が明暗を分けたという見方もできそうだ。
3着ミュゼスルタンはもう少しスムーズに運べていたらと思う、もったいない内容でした。
それにフルゲート18頭立てで流れが落ち着くと枠順の有利不利も大きいですね。
4着アヴニールマルシェ、5着グランシルクも自分で進路を探しながらのレース運びを強いられました。
そういう意味からもダービーを使ってくればアヴニールマルシェが怖いだろう。
上積みも加味すれば惑星に浮上しても不思議はない。
2014年5月11日(日) 2回東京6日11R 第19回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 5 10 ミッキーアイル 牡3 57.0 浜中俊 1:33.2   34.8 478 +8 音無秀孝 1
2 1 2 タガノブルグ 牡3 57.0 三浦皇成 1:33.2 クビ 33.9 428 -6 鮫島一歩 17
3 1 1 キングズオブザサン 牡3 57.0 蛯名正義 1:33.2 ハナ 33.7 464 0 荒川義之 12
4 2 4 ロサギガンティア 牡3 57.0 柴田善臣 1:33.3 クビ 33.2 526 -2 藤沢和雄 2
5 4 7 ホウライアキコ 牝3 55.0 和田竜二 1:33.3 ハナ 34.7 440 -2 南井克巳 8

《レース内容》
圧倒的な1番人気に応えてミッキーアイルが逃げ切りを決めた。見事5連勝で
G1制覇は大したものだが・・・。マイネルホウオウが勝った昨年は同日準オープンの
湘南Sより0秒2遅いだけの1分32秒7.今年は同じ湘南Sから0秒4も遅い1分33秒2だと
記録面からは誉めることがありません。確かにレースのレベルは低いと言わざるを得ません。
実際、伏兵勢がコンマゼロで2頭いる接線ですから。1分32秒台の高速決着だったら結果は
変わっていたと思います。もちろんミッキーアイルが弱い馬ということではない。
要はイメージとは違っていたという事。まさかゴール前であんなにしぶとさを発揮するとは思いもよらなかった。
明らかに馬場差があった未勝利戦のレコードを除けば、これまで、もの凄いラップや
タイムを叩き出してきたわけではありません。今日のレースを見ても典型的な快速マイラーとは違うタイプと
判断してもいいでしょう。となると今後の路線が難しくなる。現状では古馬相手の安田記念を
押し切るだけの記録や爆発力を持ち合わせていません。秋まで考えても京都のマイルCSだと
上がり32秒台を使う切れ者もいるだけに厳しいのではと思います。個人的には距離は
もう少しあった方が持ち味が生きると思います。1800mの毎日王冠で好走するようなら
秋の天皇賞も楽しみになるでしょう。2,3着はコースロスなく回った1枠2頭が浮上した。
タガノブルグにはさすがに手が出なかったが・・・。キングスオブザサンの母は95年の
G1阪神牝馬Sを制したスティンガー。マイラーの血が騒ぎ出したと見ることも出来る。
タガノブルグはNHKマイルCで来ないタイプの馬ですが、外国馬のヨハネスブルグ産駒と違って
内国産の多くは母の父がSS系。5着ホウライアキコもそうですが、単純なマイラー扱いは危険かも知れません。
ロサギガンティアは大外から差し切るほどの勢いで伸びてきたが、最後は脚色が一緒になってしまった。
1番いい脚を使っています。それこそ届いていれば世代トップマイラーの評価が与えられます。
期待を集めたショウナンアチーヴとサトノルパンはいつもより前めの位置取りになりました。
チャンスがあるだけに勝ちに行きましたけど、自分の形を崩した分、坂で止まってしまいました。
2013年5月5日(日) 2回東京6日11R 第18回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 8 マイネルホウオウ 牡3 57.0 柴田大知 1:32.7   33.7 482 0 畠山吉宏 10
2 17 インパルスヒーロー 牡3 57.0 田中勝春 1:32.7 クビ 33.9 496 -4 国枝栄 6
3 12 フラムドグロワール 牡3 57.0 横山典弘 1:32.8 クビ 34.6 488 -10 藤沢和雄 8
4 6 レッドアリオン 牡3 57.0 川須栄彦 1:33.0 1 1/4 33.6 472 +2 橋口弘次郎 3
5 10 ガイヤースヴェルト 牡3 57.0 C.ウィリアムズ 1:33.0 クビ 35.1 490 -2 斎藤誠 2


《レース内容》
アッと驚く結果だった。前哨戦のニュージランドTでは惨敗7着でしたから
ここでは力不足かなと思っていたけど、1番のポイントは流れでしょう。
前半4F46秒1、もう少し遅いと思っていました。
2ハロン目から10秒8、11秒3と始まって、ラスト1ハロン前までずっと11秒台が続いたから。
後方の馬達に漁夫の利があったかも知れないが、全体的なバランスを考えれば
コパノ、ガイヤーズ、エーシントップは健闘の部類に入りますが、
上位3頭はこの時計で走ったわけだからフロックではありませんね。
V時計は過去10年に幅を広げれば速い。展開がハマったとはいえ
マイネルホウオウはいい脚を長く使っていた。
スプリングS3着で負けてからは距離が長いと判断して皐月賞を回避した
陣営の判断が良かったのでしょう。
1分32秒台走破なら立派と言えます。今回の結果が先に結び付くかはどうなるか分かりません。
フラムドグロワール3着だってもっとうまく乗っていれば勝っていたかもしれない。
レッドアリオンも最後はいい脚を使っていた。あの出遅れは本当に悔やまれる。
コパノは時計的限界もあったがコースも合わなかった。
フラムはかかり気味だった上、3角で一旦下がって最後は盛り返しました。
インパルスヒーローは距離がどうかと思っていましたけど、
マイルも問題ありませんでした。2.3着は本当に微差でした。
ガイヤースヴェルトはあまりにも正攻法過ぎたきらいはあります。
タメてもいいタイプのように映りました、ただ芝のマイル戦は今回が初めて、
結果を見るとキャリア不足だったということでしょう。
1番人気エーシントップは5勝の実績はキラリと光るものがあったがすべて辛勝。
今回はゴール前で不利があったが、やはりチャンピオン級ではなかった。
かつての優勝馬キングカメハメハやクロフネは一流馬になりましたが、
一方でその後は鳴かず飛ばずという馬もいます。
今年は流れひとつで随分と結果が変わってしまうような印象を受けた。
それにしても今春のG1は関東馬の勢いがすごいですね。
まして今回はワン、ツースリー
オ−クスやダービーはどのような結果になるのか・・・楽しみです。
2012年5月6日(日) 2回東京6日   11R 第17回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 5 カレンブラックヒル 牡3 57.0 秋山真一郎 1:34.5   34.6 460 -6 平田修 1
2 17 アルフレード 牡3 57.0 C.ウィリアムズ 1:35.1 3 1/2 34.9 516 -2 手塚貴久 3
3 12 クラレント 牡3 57.0 小牧太 1:35.1 クビ 34.4 472 -4 橋口弘次郎 15
4 13 オリービン 牡3 57.0 川田将雅 1:35.1 ハナ 34.5 456 0 橋口弘次郎 10
5 9 セイクレットレーヴ 牡3 57.0 横山典弘 1:35.2 クビ 34.2 464 -4 田中清隆 7


《レース回顧》
典型的な逃げ馬不在は誰もが分かっていたこと、
ある程度、前に行くとは思っていたがカレンブラックヒルがハナを切ったのは意外だった。
何かが行けば控えるつもりだったとは思うが、それでも意を決して先手を主張したことが正解でした。

メンバー構成からもペースが早くなりようがありませんし、隊列が決った時点で
勝ったと思いました。2着アルフレードに付けた着差は3馬身半だから完勝と言える。
勝ち馬の強さは認めざる得ないが、レースそのものは単調で味気がなかった。

本来ならレースが動く地点3〜4コーナー、5ハロン目のラップが何と12秒6、
1000m通過は59秒9ですから、未勝利クラスでも逃げ切って不思議のないペースと言えます。
直前の強風の伴った雨で馬場、ペース判断を惑わされた面もあるかもしれない。

こういう時こそ騎手の手腕が問われるとも言える。
残念だったのは失格となったマウントシャスタ、岩田が大事に乗った分、
ポジションが悪くなった。結果、後手後手の対応になり、
インを突いてシゲルスダチを妨害してしまった。

一方で朝日杯FS以来の手腕できっちり結果を出したアルフレードのウィリアムズは流石です。
ただ、各馬キャリアが浅い中でいきなり脚質を変えろというのも酷でしょう。
8着までは2着と0秒2差以内ですし、結果が出なかった組も見限るのは早計です。
不向きの展開ながら5着セイクレットレーヴや8着レオアクティブはよく押し上げていた

特にセイクレットのしまいの脚は見所が十分だった。
一見、収穫が少なかったようにも感じますが、
次を見据えると悪いことばかりではありません。
ここ3年はペースもきつく、1分31秒4〜32秒4の高速決着。
ダービーを取り消したダノンシャンティに象徴される消耗を今回は無視できそうですから。

楽な勝ち方だったカレンブラックヒルは、もちろんダメージは少ない。
順調さを欠いて皐月賞をパスしたアルフレード、ジャスタウェイも上積み込みで次ぎに期待が持てる。

ただ舞台がダービーとなると甘くはないでしょう、
NHKマイルCからの参戦は近年のトレンドです。
ただし不利があって3着に敗れたタニノギムレットを別にすれば
キングカメハメハもディープスカイも取りこぼす事なく、ここを圧勝でしたから。
2011年5月8日(日) 2回東京6日   11R 第16回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 13 グランプリボス 牡3 57.0 C.ウィリアムズ 1:32.2   34.0 500 -6 矢作芳人 1
2 17 コティリオン 牡3 57.0 小牧太 1:32.4 1 1/2 33.4 468 -2 橋口弘次郎 2
3 1 リアルインパクト 牡3 57.0 内田博幸 1:32.5 3/4 34.2 496 +2 堀宣行 4
4 3 エイシンオスマン 牡3 57.0 後藤浩輝 1:32.6 3/4 34.7 470 +8 松永昌博 7
5 8 プレイ 牡3 57.0 柴田大知 1:32.7 クビ 34.8 492 -4 斎藤誠 8


《レース回顧》
昨年の1.31.4は別格として勝ちタイムは歴代2位の記録、G1級と認めても良さそうです。
年明け2戦が案外だったグランプリボスが見事は変わり身を見せました。

馬込みにヒルまない根性と抜け出す際の一瞬の脚はまさにG1ホース
今回の相手では完成度も絶対能力も一枚上でした。
500キロの馬体重はデビュー以来最小できっちり仕上げて来た矢作調教師の手腕は凄いですね。

2着コティリオンは大外を回って長く良い脚を使いました。
最後まで伸びていたし、枠や展開を考えれば肉薄していたかも知れません。
33秒4の脚を使った後だけに中2週でのダービーは調整が鍵になりそう。

3着リアルインパクトはディープ産駒で明らかにマイラータイプ
完歩が大きいので一瞬の加速に弱点はあるがG1級として見て良い。
4着以下は着差以上にスケールに開きがありそうです。



2010年 5月9日(日) 2回東京6日  11R 第15回 NHKマイルカップ(GI)
《レース結果》
1 13 ダノンシャンティ 牡3 57.0 安藤勝己 1:31.4 レコード 33.5 468 +2 松田国英 1
2 1 ダイワバーバリアン 牡3 57.0 蛯名正義 1:31.6 1 1/2 34.5 510 +4 矢作芳人 5
3 3 リルダヴァル 牡3 57.0 福永祐一 1:31.8 1 34.4 488 0 池江泰郎 3
4 4 サンライズプリンス 牡3 57.0 横山典弘 1:31.9 1/2 35.2 502 +2 音無秀孝 2
5 10 キョウエイアシュラ 牡3 57.0 吉田豊 1:32.2 2 34.5 454 0 矢作芳人 13


《レース内容》
レースは1000m通過タイムが56秒3という、とてつもないハイペース。
トライアル・ニュージーランドTの勝ち馬で2番人気に推されていたサンライズプリンスが、
好位で直線へと向かい、坂を駆け上がりながら力強く前を交わす。
中団から脚を伸ばすのはニュージーランドT2着で5番人気のダイワバーバリアン。
皐月賞6着のリルダヴァルも3番人気を背負って差してくる。

この争いを一気に抜き去っていったのがダノンシャンティだ。

前走、このレースと縁の深い毎日杯を差し切り、1番人気に支持されていたダノンシャンティ。
鞍上・安藤勝己騎手も自信を持っての騎乗だった。が、速い流れゆえ、
道中は後ろから3頭目の位置取り。さすがに「前とは距離があったので少し不安だった」という。

そんな思いは直線に入ると同時に消し飛ぶ。大外に持ち出されたダノンシャンティは弾かれたようにスパート。
瞬く間に前の十数頭をなで斬りにし、2着ダイワバーバリアンに1馬身半の差をつけて悠々と先頭ゴールを果たした。

電光掲示板に表示された勝ち時計は1分31秒4。ダノンシャンティは、衝撃的な末脚で、
レースレコードのみならず芝1600mの日本レコードとなるタイムを叩き出したのである。

「この勝ち方なら2400mでも期待できる」と、早くも3週間後に思いを馳せる安藤騎手。
ダノンシャンティと同じ松田国英調教師&安藤勝己騎手のコンビが
キングカメハメハで成し遂げた、NHKマイルCと日本ダービーの“二冠”が大目標となるようだ。

ヴィクトワールピサを筆頭とする皐月賞上位馬に加え、トライアルや前哨戦でも
高素質馬が次々と勝ち名乗りをあげて、史上最高ともいえる好メンバーの激突が期待される日本ダービー。
もちろんダノンシャンティも、主役候補の1頭として数えられることになるはずだ。