データーチェック
前走大敗からの巻き返しもあり難解 中心は4歳馬、5歳馬
前走、阪神牝馬Sが優勢 前走、牡馬相手に戦った馬を重視
前走、重賞好走組は軽視するな 前走、1600m以上に出走
スピードの持久性に長けた先行馬
穴を開けるのは、2走以内に連対している好調馬


2020年5月17日(日曜) 2回東京8日 第15回 ヴィクトリアマイルGT
《レース結果》
1 枠6緑 12 アーモンドアイ 牝5 55.0 C.ルメール 1:30.6
2 枠8桃 18 サウンドキアラ 牝5 55.0 松山 弘平 1:31.3 4
3 枠8桃 16 ノームコア 牝5 55.0 横山 典弘 1:31.3 クビ
4 枠7橙 13 トロワゼトワル 牝5 55.0 三浦 皇成 1:31.4 1/2
5 枠4青 7 ダノンファンタジー 牝4 55.0 川田 将雅 1:31.5 1/2

《レース内容》 1番人気のアーモンドアイ(美浦・国枝栄厩舎、牝5歳)が
4馬身差の圧勝。シンボリルドルフ、ディープインパクトといった歴代の名馬たちに並ぶ
芝GI最多の7勝目を挙げた。陣営は明言を避けたが、主戦のルメール騎手は
次走に安田記念(6月7日、東京、GI、芝1600メートル)参戦を熱望。
今春のうちに、日本競馬の歴史を塗り替えてしまうかもしれない。
こんな走りを待っていた。前日の雨と一転して青空の下、アーモンドアイが
4馬身差の楽勝。無観客でなければ大歓声に包まれたであろう圧倒的な勝ちっぷりに、
主戦のルメール騎手は舌を巻いた。「めちゃくちゃ強かったです。いいスタートを切れて、
いいポジションを取れたし、道中もとてもリラックス。
最後はパワフルなストライドを使いました。エンジン(余力)はまだありました」
ライバルたちの出方をうかがいながら4番手につけた。直線も馬なりで前に並びかけ、
残り200メートルで鞍上がわずかに腕を動かすと、一気に先頭に立つ。
左手のターフビジョンを見て、さらに右側から後続の位置取りを確認すると手綱を緩ませた。
肩ムチだけで100メートル程度追っただけ。現役最強馬たる力の違いをまざまざと見せつけた。
主戦騎手にとっては待ち焦がれた騎乗だった。昨年の有馬記念でまさかの9着。
復活を期待された3月のドバイ遠征では、国内での騎乗をキャンセルして
1週前に現地入りしたが、新型コロナウイルスの影響で開催中止の憂き目に遭った。
さらに、コロナ禍で東西トレセン間の往来にストップがかかっているため、調教にも騎乗できず。
またがったのは、3月12日の追い切り以来だった。「すごく静か。大人になりました。
いつもアーモンドアイに乗るときは特別な日。自信を持って乗るけど、勝って安心します」。
成長を感じつつ、断然人気に応えて安堵の表情。ここ2週、代わりに美浦トレセンで
調教に騎乗した三浦皇成騎手にも「感謝したい。フットワークからも調子は良かったし、
いい仕事をしてくれました」と、レース直後の検量室内では2人が抱き合って健闘をたたえた。
これで史上7頭目となる最多タイの芝GI7勝目。ディープインパクトや
キタサンブラックなどと肩を並べるとともに、総獲得賞金も14億円超えで歴代7位となった。
「アーモンドアイはレジェンドホース。でも、彼女の“人生”はまだ終わっていません。
これからは負けない。やっぱり特別な馬ですから」
ルメール騎手が期待を寄せるように、今後は史上初の大記録が懸かる。次走は未定ながら、
主戦ジョッキーは「安田記念はビッグレース。(スタートの不利で3着だった)去年は残念でした。
リベンジしたい」と、今春に同舞台のGI参戦を熱望する。過去、多くの名馬たちが届かなかった
芝GI8勝の金字塔。完全復活を遂げたアーモンドアイなら、あっさり打ち破ってしまうかもしれない。
2019年5月12日(日曜) 2回東京8日 第14回 ヴィクトリアマイルGT
《レース結果》
1 枠2黒 4 ノームコア 牝4 55.0 D.レーン 1:30.5 レコード
2 枠5黄 9 プリモシーン 牝4 55.0 福永 祐一 1:30.5 クビ
3 枠2黒 3 クロコスミア 牝6 55.0 戸崎 圭太 1:30.6 1/2
4 枠3赤 6 ラッキーライラック 牝4 55.0 石橋 脩 1:30.6 ハナ
5 枠6緑 11 アエロリット 牝5 55.0 横山 典弘 1:30.9 1 1/2



《レース内容》
レーン騎乗で5番人気のノームコアが7番手から鋭く伸びて、1分30秒5の世界最速タイムで
GI初制覇を達成。外国人短期免許で初来日したレーン騎手は3週目でGIを優勝した。
2着に4番人気のプリモシーンが入り、1番人気のラッキーライラックは4着。
令和が幕を開けると同時に“新風”の勢いは一気に加速した。
初めてJRA外国人短期免許を取得したレーン騎手が、3週目でGI制覇。
ノームコアを巧みに操り、1分30秒5の世界最速タイムで新女王へと導いた。
「来日する機会を与えてもらい、感謝しています。海外でGIを勝つことが初めて。最高の気持ちです」
ジョッキーの表情が思わず緩む。デビュー2戦目以来、1年8カ月ぶりのマイル戦だったが、
スタートを決めて7番手を確保。前半1000メートル56秒1というハイラップにも、難なく流れに乗った。
直線に向くときも手応え十分で「スペースさえできれば、自信を持っていました」と回顧。
実際に前が開くと、末脚を一気に爆発させて鋭く抜け出し、外から迫ったプリモシーンをクビ差で退けて、
騎乗停止になったルメール騎手の代役を見事に果たした。
日本馬が世界で活躍する姿を見て日本に憧れを持った25歳。
「日本に嫌いなところはないし、いつか乗りたい」と意を強くし、
尊敬する母国の先輩ボウマン騎手らにアドバイスも仰いだうえで来日した。
レース以外でも7日に北海道の社台スタリオンステーションを訪れ、短期免許が終了する6月後半には、
京都や富士山を訪れるプランもあるという。多忙のなかでもなじむ努力を惜しまず、早々に溶け込んでいる。
母国のオーストラリアでも12日は『母の日』になっており、「これから電話します」とジョッキー。
まさに遠く離れた母親に最高のプレゼントを送ることができた。
このあとはオークス(19日、東京、GI、芝2400メートル)のコントラチェック、
日本ダービー(26日、東京、GI、芝2400メートル)のサートゥルナーリアなど有力馬への騎乗が続く。
「すごく楽しみ。焦るといいことはない。落ち着いて、
何が起きてもスムーズにリカバリーできるように意識しています。
きょうのような結果を残せるように頑張ります」と気持ちを引き締めた。
佳境を迎えた春のGIシーズン。年明けには誰もが予想できなかった“レーン旋風”が、新緑のターフになびく。
2018年5月13日(日曜) 2回東京8日11R 第13回 ヴィクトリアマイル
《レース結果》
1 枠2黒 4 ジュールポレール 牝5 55.0 幸英明 1:32.3 33.3 460 -6 西園正都 8
2 枠8桃 16 リスグラシュー 牝4 55.0 武豊 1:32.3 ハナ 32.9 450 -2 矢作芳人 1
3 枠3赤 6 レッドアヴァンセ 牝5 55.0 北村友一 1:32.3 クビ 33.6 448 +4 音無秀孝 7
4 枠5黄 10 アエロリット 牝4 55.0 戸崎圭太 1:32.4 1/2 34.0 504 0 菊沢隆徳 3
5 枠1白 2 ミスパンテール 牝4 55.0 横山典弘 1:32.6 1 1/4 33.7 504 -2 昆貢 4



《レース内容》
幸英明騎手騎乗の8番人気・ジュールポレール(牝5、栗東・西園厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:32.3(稍重)。
2着にはハナ差で1番人気・リスグラシュー(牝4、栗東・矢作厩舎)、
3着にはクビ差で7番人気・レッドアヴァンセ(牝5、栗東・音無厩舎)が続いて入線した。
好スタートを切った中からカワキタエンカがハナを奪う。
レーヌミノル、リエノテソーロ、レッドアヴァンセがこの直後。
そう差がなく内からレッツゴードンキ、ラビットラン、アエロリット、
その後ろにミスパンテール、ジュールポレールと続き、
この辺りまでが一団の先行集団。そして縦長にソウルスターリング、アドマイヤリード、
デンコウアンジュ、リスグラシュー、エテルナミノル、メイズオブオナー、ワントゥワン、
デアレガーロと追い込み勢が中団待機。最後方に出遅れたクインズミラーグロ。
直線に入ると先行勢が横並びになって激しく追い比べ。
その外から手応え良く交わしていったのがレッドアヴァンセで、
その後方外からジュールポレールとリスグラシューが猛追。
渋太く粘るレッドアヴァンセを外の2頭が交わしたところでゴールイン。
勝ったジュールポレールは昨年のヴィクトリアM(G1)で3着と激走。
その後、自己条件の秋風Sを勝利して以降はエリザベス女王杯(G1)で16着、
阪神牝馬S(G2)で5着とライバル馬達の後塵を拝していたが、大舞台で見事に巻き返した。
重賞初勝利がG1となった。半兄には同じ西園厩舎が管理していたG1馬サダムパテックがいる。
2017年5月14日(日) 2回東京8日11R 第12回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 3 5 アドマイヤリード 牝4 55.0 C.ルメール 1:33.9   33.4 422 -4 須貝尚介 6
2 5 10 デンコウアンジュ 牝4 55.0 蛯名正義 1:34.1 1 1/4 33.2 444 0 荒川義之 11
3 2 3 ジュールポレール 牝4 55.0 幸英明 1:34.1 クビ 33.6 452 -2 西園正都 7
4 1 2 スマートレイアー 牝7 55.0 武豊 1:34.1 アタマ 34.0 470 -6 大久保龍志 4
5 2 4 ソルヴェイグ 牝4 55.0 川田将雅 1:34.2 クビ 34.1 470 -6 鮫島一歩 9



《レース内容》
C.ルメール騎手騎乗の6番人気・アドマイヤリード(牝4、栗東・須貝尚厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:33.9(稍重)。2着には1馬身1/4差で11番人気・デンコウアンジュ(牝4、栗東・荒川厩舎)、
3着にはクビ差で7番人気・ジュールポレール(牝4、栗東・西園厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたミッキークイーン(牝5、栗東・池江寿厩舎)は7着に敗れた。
好スタートを決めたソルヴェイグが果敢に逃げ、スマートレイアーとレッツゴードンキは
先行集団に取り付いた。中団につけたミッキークイーンをマークするように
ジュールポレール、クイーンズリング、デンコウアンジュが追走。
アドマイヤリードは後方でじっくり脚をためた。各馬が4コーナー手前から外寄りに進路を取る中、
ルメール騎手の好判断で内から先行集団の直後まで進出。
直線では、抜け出したソルヴェイグとスマートレイアーの間を突いて先頭に立ち、
最後は大外から強襲したデンコウアンジュを振り切った。
1番人気ミッキークイーンは外を回って追い上げるも7着、
2番人気のルージュバックは後方で見せ場なく10着に終わった。
勝ったアドマイヤリードは、2歳冬に阪神JF、3歳春に桜花賞とオークスに挑戦したが完敗。
昨秋ローズS7着後に自己条件に戻ってから着実に力をつけた。
今年1月に1000万下を卒業して2月の1600万下も連勝し、
前走の阪神牝馬Sも2着に健闘した。最近5戦連続でメンバー中最速の上がりをマークした
自慢の末脚を爆発させ、初重賞制覇をG1勝利で飾った。
2016年5月15日(日) 2回東京8日11R 第11回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 7 13 ストレイトガール 牝7 55.0 戸崎圭太 1:31.5   33.4 466 +2 藤原英昭 7
2 5 10 ミッキークイーン 牝4 55.0 浜中俊 1:31.9 2 1/2 33.6 432 0 池江泰寿 1
3 7 15 ショウナンパンドラ 牝5 55.0 池添謙一 1:31.9 ハナ 33.5 446 -10 高野友和 2
4 1 2 スマートレイアー 牝6 55.0 武豊 1:32.1 1 1/4 34.5 466 0 大久保龍志 3
5 4 7 ルージュバック 牝4 55.0 C.ルメール 1:32.1 ハナ 34.1 458 0 大竹正博 4



《レース内容》
ストレイトガールに恐れ入りました。1分31秒5でこの強さだから。
決して恵まれた勝利ではないですからね。2着のミッキークイーンの浜中君もそうだけど、
戸崎君もいいスタートを切りながらスッとあの後方のポジションに収まるのだからたいしたもの。
あれがもうひとつふたつ前ではこうはいかなかったでしょう。
それに、陣営がうまく立て直したというのも大きいんだろう。
これで一昨年からこのレースは3↓1↓1着。一度は引退表明があった馬だし、
6歳、7歳でマイルGTを勝つ牝馬なんて常識外と言っていいでしょう。
ただ今後を考えれば、マイル戦でも地力を見せた2、3着馬に素直に注目したいです。
ミッキークイーンもショウナンパンドラもマイルがダメではないが、
本質的には中距離ランナーだから。瞬発力やスピードの差が出た。
それでも時計ともに1分31秒9を考えると十分走っているんだけど。
道中は3頭ともほぼ同じ位置にいながら、坂を上がって「いざ」という時に
一気に差が開きましたからね。パンドラは外を回るロスもありましたが、やはり適性の差でしょう。
もともとがマイルを目指すような馬ではないのだから、実力馬らしい走りは見せてくれたと評価していいだろう。
ほかも順当に人気馬が上位を占めた。4着スマートレイアー、5着ルージュバック、6着マジックタイム…。
スマートレイアーは現状の力は出し切った印象です。ここ2戦は流れも向いたけど、
内容的には今回が一番強かったと思います。
ルージュバックはマイル戦は向かないのか。 もっと切れ味を生かしたかったんでしょうけど…。
これが今後のいい経験になればいい。マジックタイムもよく頑張っているけど、
この速い決着ではここまでかな。クイーンズリングはもう少しやれると思ったが、久々の分もあったのかも。
ほかでは9着のシュンドルボン。最後はあっちに行ったりこっちに行ったりと、
スムーズにさばけませんでした。マイルがベストという馬ではないし、今後もマークしたいです。

2015年5月17日(日) 2回東京8日11R 第10回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 3 5 ストレイトガール 牝6 55.0 戸崎圭太 1:31.9   33.0 460 0 藤原英昭 5
2 4 7 ケイアイエレガント 牝6 55.0 吉田豊 1:31.9 アタマ 34.0 530 +10 尾形充弘 12
3 8 18 ミナレット 牝5 55.0 江田照男 1:32.2 1 3/4 35.3 482 +2 大和田成 18
4 2 4 レッドリヴェール 牝4 55.0 C.ルメール 1:32.4 1 1/2 33.7 430 -6 須貝尚介 3
5 1 2 カフェブリリアント 牝5 55.0 福永祐一 1:32.4 クビ 33.3 428 +2 堀宣行 4



《レース内容》
17日、東京競馬場でヴィクトリアマイル(4歳上・牝・GI・芝1600m)が行われ、
5〜6番手でレースを進めた戸崎圭太騎手騎乗の5番人気ストレイトガール(牝6、栗東・藤原英昭厩舎)が、
直線に入って脚を伸ばし、大逃げを打った18番人気ミナレット(牝5、美浦・大和田成厩舎)を
単独2番手から交わして先頭に立った12番人気ケイアイエレガント(牝6、美浦・尾形充弘厩舎)を
ゴール前で捕らえ、これにアタマ差をつけ優勝した。勝ちタイムは1分31秒9(良)。
2着ケイアイエレガントから1.3/4馬身差の3着はミナレットとなった。
なお、3番人気レッドリヴェール(牝4、栗東・須貝尚介厩舎)は4着、
1番人気ヌーヴォレコルト(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)は6着、
2番人気ディアデラマドレ(牝5、栗東・角居勝彦厩舎)は7着に終わった。
勝ったストレイトガールは、父フジキセキ、母ネヴァーピリオド、
その父タイキシャトルという血統。昨年は高松宮記念で3着、
ヴィクトリアマイルで3着、スプリンターズSで2着、
香港スプリントで3着とあと一歩でGIタイトルに手が届かず、
今年の高松宮記念では13着と惨敗していたが、ここでついに悲願のGI制覇を果たした。
なお、本レースの3連単2070万5810円はJRA史上2番目の払戻額で、
GIでは史上最高額となった。
JRA史上最高額は2012年8月4日新潟5Rの2983万2950円で、
この時勝ったのは本レース3着のミナレットだった(14番人気)。
2014年5月18日(日) 2回東京8日11R 第9回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 7 14 ヴィルシーナ 牝5 55.0 内田博幸 1:32.3   34.3 456 -4 友道康夫 11
2 2 4 メイショウマンボ 牝4 55.0 武幸四郎 1:32.4 1/2 33.5 486 +6 飯田祐史 3
3 1 1 ストレイトガール 牝5 55.0 岩田康誠 1:32.4 アタマ 33.2 456 +2 藤原英昭 6
4 5 9 ホエールキャプチャ 牝6 55.0 蛯名正義 1:32.4 クビ 33.7 480 -2 田中清隆 2
5 5 10 キャトルフィーユ 牝5 55.0 C.ウィリアムズ 1:32.4 ハナ 34.0 464 +2 角居勝彦 13

《レース内容》レース自体はG1のマイルらしく中身のあるものでした。
前後半がほぼ同じペースで実績馬がきっちり力を出しました。
馬場や展開が明暗を分けたのも事実、上位馬はうまく流れに乗ってイン有利の馬場を
生かし切った印象もある。とはいえ、勝ったヴェルジーナの復活走は見事。
どう見てもペースが速くなることはない組み合わせだけにハナを切られた時は
半分、やられたと思いました。記録的にほぼ昨年と同じタイム。
2ハロン目が速いだけで息の入る流れに持ち込んだのは大きい。
そして強調したいのは、馬に気合をつけての逃げはウチパクが自分自身への
闘魂注入の意味もあったのではないかということ。
鞍上もしばらく成績が振るわなかったですから、人馬ともに気合の逃げでした。
そして結果を出したのはさすがです。2着メイショウマンボ、3着ストレイトガールは
イン有利の馬場も味方したはいえ、収穫のある1戦でした。
マンボはマイルもこの時計で走れるのだから、さすがに地力がある。
しかも絶好調には見えなかったですし・・・。前回大阪杯7着より良かったにせよ、
チャカチャカしたり本調子ではなかったです、G1のタイトルを積み上げてくれそうな感じです。
ストレイトガールも見せ場十分、岩田が大事に乗った感もあるけど、
このメンバーで地力を見せつけた。4着ホエールキャプチャーは3年連続同タイムの
1分32秒4という珍記録となりました。この馬の力は出しているんでしょうが、
これが誉め言葉でもあり物足りなさでもあり・・・。12番人気の昨年2着ほど気楽に
乗れる立場でもなかったし、一瞬、完全な抜け出し体勢でしたけど、
着差はわずかですし、この馬も大したものです。
デニムアンドルビー、スマートレイアーは馬場や展開に泣かされたクチです。
デニムはどうしても位置取りが悪くなる、マイル適正の差もあるでしょう。
スマートレイアーも前やイン有利の今日の芝では仕方ない。
人気を背負ったことで乗り方も苦労したんじゃないでしょうか。
東京のダラダラと長い直線も合わないのかも。
いずれにせよ、馬場、展開、自在性の差は響きましたね。
この1戦だけで評価を下げることはできないでしょう。
2013年5月12日(日) 2回東京8日11R 第8回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 11 ヴィルシーナ 牝4 55.0 内田博幸 1:32.4   34.0 450 -6 友道康夫 1
2 8 ホエールキャプチャ 牝5 55.0 蛯名正義 1:32.4 ハナ 33.4 474 +2 田中清隆 12
3 1 マイネイサベル 牝5 55.0 柴田大知 1:32.5 1/2 34.1 478 -6 水野貴広 5
4 3 ジョワドヴィーヴル 牝4 55.0 川田将雅 1:32.6 1/2 33.3 430 +2 松田博資 4
5 6 ドナウブルー 牝5 55.0 C.ウィリアムズ 1:32.7 1/2 34.1 430 0 石坂正 7



《レース内容》
ヴェルジーナが念願のG1タイトルを手にした。
9Rの1000万下・立石特別が1分32秒5で小差の決着。
G1にしては落ち着いた流れになったのが原因だけど、
その分、後半は先行したアドバンテージをうまく生かした。
内田ジョッキーは馬場状態や逃げ馬不在のメンバー構成を考えて
積極策を取ったのでしょう、スタートも良かったし、もともと勝ちみに遅いタイプですから
受けて立つくらいの強気のレース運びが結果的に勝利を呼び込みました。
最後に争り勝つあたりは、これまでG1でモマれてきたキャリアだろう。
ただ、この相手なら1〜2馬身くらい離して勝ってほしかった。
まあ、本質的にはマイルじゃなくて2000mくらいがベストなんだろうけど。
でも自分でレースを作ってマイルをこの時計で勝ったんだから合格点でしょう。
自分からスパートしてホエールキャプチャーの追撃をしのぎ切ったあたりは、
昨年よりステップアップした証拠たと思います。
そのホエールには驚きました。昨年のこのレースを勝った後は2桁着順ばかり、
もうピークは過ぎたと思ったが、終わってみれば昨年の勝ちタイムと同じだけ走っている。
後で考えれば宝塚記念やダート戦は条件も良くなかったんでしょう。
それに鞍上の蛯名騎手も乗れていました。
見せ場たっぷりの3着マイネイサベルも柴田大騎手の勢いがあった。
結局うっちゃられてしまったけど、一旦は勝ち馬よりクビぐらい前に出た。
本来はもう少しためていくタイプなんでしょうけど、
内枠を生かすためにおっつけて先行しました。
それでも崩れないんですから、強くなっています。
4着ジョワドヴィーヴルも復調してきました。
マイルは少し忙しかったが馬体が良くなってしたし、最後は底力を見せた。
ハナズゴールも体つきなんかは良く見えたのですが、
直線で行き場がなく、この馬自身が切れ過ぎるぐらいだから
東京の1600mは微妙に長い気もする。直線が平坦なら問題ないだろうが。
オールザットジャズは直線で失速、能力不足でした。
ドナウブルーも5着止まり、復調は示したけど、やっぱりホエールにはかなわない。
勝ち馬も2着馬もクラシックの桜花賞で連対しています。
格が大事なレースでもありますね。
2012年5月13日(日) 2回東京8日     11R 第7回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 12 ホエールキャプチャ 牝4 55.0 横山典弘 1:32.4   33.8 470 0 田中清隆 4
2 16 ドナウブルー 牝4 55.0 C.ウィリアムズ 1:32.5 1/2 34.1 432 +12 石坂正 7
3 1 マルセリーナ 牝4 55.0 田辺裕信 1:32.7 1 1/4 33.5 448 +2 松田博資 3
4 3 キョウワジャンヌ 牝4 55.0 柴田善臣 1:32.7 ハナ 33.9 464 +2 飯田明弘 11
5 7 アパパネ 牝5 55.0 蛯名正義 1:32.8 3/4 33.8 498 -6 国枝栄 1

《レース回顧》
ホエールキャプチャが念願のG1タイトルを手にした。
絶妙の位置取りでした。前半4ハロン46秒4→後半4ハロン46秒と
数字上では平均ペースですが、このクラスのマイル戦としては決して速くない。

先週の東京のマイル戦は以前よりペースが落ち着くケースが目立つ。
今回も4コーナーにかけてペースダウン。あそこで息が入る格好になった。
2.3番手に付けたホエール、ドナウブルーで決ったのも納得です。

それだけに、いかに流れに乗れたかが勝敗を分けました。
ホエールの横山典、ドウナのウィリアムズ騎手ともに直ぐにあの位置をキープしました。
優れたペース判断がこの結果に繋がったと思います。

ホエールは叩き2戦目で斤量もわずかながら軽くなった。
いろいろな面で上積みが大きかったのだろう。
馬体重こそ前回と同じでしたが、馬体はシャープに映りました。
クロフネ産駒はジリ脚が多いと言われますが、トップクラスは切れ味も備えている。
ホエールも4歳になって完成されてきたようです。

ドウナブルーも見事に巻き返した。
ゴール前は一杯一杯になったが、今回は輸送しても馬体は減らなかった。
鞍上の好騎乗同様、陣営の仕上げの手腕も見逃せません。

上位2頭とは対照的にマルセリーナはスムーズさを欠きました。
最後の最後で追い込んできましたが、うまく馬群を捌けなかった分、
脚を余してしまいました。

直線でその隣にいたアパパネも一緒に伸びてくると思ったが、
簡単に交わされてしまった。
今回は4歳馬の勢いに負けた感じ、それにキャリアの割りに
もまれた経験が少ないので、その辺りも堪えたと思います。

2番人気に推されたオールザットジャズは16着、福島牝馬Sからの中2週はきつい
結果的にガソリン切れだったのだろう、坂を上がったところで止まってしまった。
道中もずっと外を回る形で厳しかったです。
フミノマージンも終始前が塞がって全く力を出せませんでした。
4着までが4歳馬が独占、伸びシロで上回った若いパワーが旧勢力をしのぎました。
2011年5月15日(日) 2回東京8日  11R 第6回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 16 アパパネ 牝4 55.0 蛯名正義 1:31.9   34.3 490 0 国枝栄 2
2 13 ブエナビスタ 牝5 55.0 岩田康誠 1:31.9 クビ 34.0 460 前計不 松田博資 1
3 4 レディアルバローザ 牝4 55.0 福永祐一 1:32.0 クビ 35.0 478 -4 笹田和秀 3
4 3 グランプリエンゼル 牝5 55.0 C.ウィリアムズ 1:32.2 1 1/2 35.0 446 -2 矢作芳人 14
5 5 アンシェルブルー 牝4 55.0 田中勝春 1:32.3 3/4 35.1 456 +4 田中清隆 9



《レース回顧》
ブエナビスタ対アパパネ、期待していた通り、見応えのあるレースになりました。
格は落ちるかも知れませんがウオッカとダイワスカレットが接戦を演じた
天皇賞のように強い2頭が名勝負を見せてくれました。
直線の攻防は見ているほうも本当に力が入りました。

オウケンサクラが超ハイペースの逃げ、2番手のエーシンリターンズでも
1000m通過は前週のNHKマイルCを0.7秒上回る56.9秒。
厳しい流れで、まさに底力が問われる展開になりました。

結果的にアパパネがクビ差でブエナの追撃を退けた訳ですが、
ブエナの戦歴からすれば距離に関してはオールマイティーと言えますが
マイルはやっぱりベストではありませんね。

海外遠征帰りで決して絶好調ではありませんでしたが、
いつになく反応が鈍く、岩田の激しいムチでようやくエンジンが点火した状態
トップスピードに乗ったのは残り50m付近、負けたとはいえ健在ぶりはアピールできました。

そのブエナを負かしたアパパネは得意のマイルなら牡馬相手でも互角に
渡り合えることを証明してみせました。

3着レディアルバローザは速い流れの中、早めに先頭に押し出されてしまいましたが
ブエナとクビ差なら立派な内容で、力をつけてきましたね。
4着以下は上位3頭とは少し力差を感じます。

アニメイトバイオは出遅れましたけど、良い体付きになってきました。






2010年 5月16日(日) 2回東京8日   11R 第5回 ヴィクトリアマイル(GI)
《レース結果》
1 11 ブエナビスタ 牝4 55.0 横山典弘 1:32.4   33.5 448 前計不 松田博資 1
2 2 ヒカルアマランサス 牝4 55.0 内田博幸 1:32.4 クビ 34.3 448 -8 池江泰郎 8
3 10 ニシノブルームーン 牝6 55.0 北村宏司 1:32.5 3/4 33.5 480 0 鈴木伸尋 11
4 17 レッドディザイア 牝4 55.0 四位洋文 1:32.5 ハナ 33.9 476 前計不 松永幹夫 2
5 9 ブロードストリート 牝4 55.0 藤田伸二 1:32.5 アタマ 33.9 446 -8 藤原英昭 4



《レース内容》
春の女王決定戦・ヴィクトリアマイル(GI)では、
当然のように昨年の二冠牝馬ブエナビスタが1番人気、
単勝オッズ1.5倍という断然の支持を集めた。
そのブエナビスタを秋華賞で降した最大の好敵手レッドディザイア、
まだ底を見せていない素質馬ラドラーダ、
ローズS勝ち馬ブロードストリートなども女王の打倒を狙ってゲートに収まる。
が、17頭の野望は、ブエナビスタの末脚に砕かれることとなった。

1000m通過57秒5という速いペースで駆けたベストロケーション、ブラボーデイジー、
プロヴィナージュの先行3頭を目がけて、直線に入ると後続が一斉に脚を伸ばす。
4番手からしぶとく前に迫るヒカルアマランサス、外にはレッドディザイア、
馬群の真ん中を突いてブロードストリートやニシノブルームーンなどだ。
その中からヒカルアマランサスが、残り100mを切ったところで抜け出したかに見えた。

直後、この熾烈な争いを大外からまとめて交わし去り、
先頭でゴールを駆け抜けたのは、やはりブエナビスタだった。
直線入口では馬群の大外、後方から6〜7頭目、レッドディザイアの後ろという位置取り。
そこから鋭く息の長いラストスパートを繰り出して、
最後はきっちりとヒカルアマランサスを差し切ってみせたのである。

いわゆる前に行った馬が止まらない高速の馬場、遠征から帰国しての初戦、久々のマイル……。
もしブエナビスタが負けるとすれば、その原因として数えられるファクターはいくつもあった。
事実、鞍上の横山典弘騎手は「返し馬が硬くて、デキは心配だった。
もう少し前で競馬をしたかったが、押しても前へ行ってくれなかった。
直線の手ごたえもあまり良くはなかった」と、レース前とレース中に抱いた不安を吐露している。
それでも勝ち切ってしまうところが、ブエナビスタの強さなのだろう。

京都記念でジャガーメイルとドリームジャーニーを撃破し、
ドバイシーマクラシックでは世界の一流馬を相手に激闘を繰り広げ2着に入った
ブエナビスタにとって、女王の称号は「守って当たり前」だったはずだ。
牡馬も含めた“現役最強”の座を確固たるものとするために、
ブエナビスタの負けられない戦いは、まだまだ続く。