データーチェック | ||||
皐月賞でひと桁着順だった馬 | 3歳重賞を勝っていること | |||
皐月賞でひと桁人気でダービーで人気薄の馬 | 勝ち馬の前走はすべてG1 | |||
マイルのG1でも差しきれてしまうような末脚を持った馬 | 皐月賞組が主流 | |||
TR組は2馬身以上で圧勝した馬だけに注目 | 前走が3月以前だった馬の連対はなし | |||
重賞実績は非常に重要 | 0秒4差以上の皐月賞馬 |
2019年5月26日(日曜) 2回東京12日第86回 東京優駿 | |
《レース結果》 1 枠1白 1 ロジャーバローズ 牡3 57.0 浜中 俊 2:22.6 2 枠4青 7 ダノンキングリー 牡3 57.0 戸崎 圭太 2:22.6 クビ 3 枠7橙 13 ヴェロックス 牡3 57.0 川田 将雅 2:23.0 2 1/2 4 枠3赤 6 サートゥルナーリア 牡3 57.0 D.レーン 2:23.1 1/2 5 枠5黄 9 ニシノデイジー 牡3 57.0 勝浦 正樹 2:23.1 アタマ 《レース内容》 浜中騎乗で12番人気のロジャーバローズが道中2番手追走から押し切ってV。 2016年生まれのサラブレッド7071頭の頂点に立った。クビ差2着に3番人気のダノンキングリー、 3着には2番人気のヴェロックスが入った。圧倒的1番人気に推された 皐月賞馬サートゥルナーリアは直線で伸び切れず4着。無敗の2冠達成はならなかった。 府中に詰めかけた11万人をアッと言わせた。無敗の2冠馬誕生へ期待が高まるなか、 令和初の日本ダービーを制したのはGI初挑戦で12番人気のロジャーバローズ。 重賞未勝利馬としては1996年フサイチコンコルド以来の快挙に、浜中騎手が声を上ずらせた。 「僕自身が一番、びっくりしています。本当に実感がなくて、フワフワした気持ち。 頭が真っ白ですが最高にうれしい」 好スタートを切り、道中は逃げるリオンリオンから距離を置いた2番手を追走。 4コーナーで早めに仕掛け、残り300メートル付近で先頭に立つと、ムチを入れて追いまくった。 外から迫るダノンキングリーとの一騎打ちをクビ差しのぎ、 2015年のドゥラメンテの記録を0秒6更新する2分22秒6のレースレコードでゴールを駆け抜けた。 「『早くゴールが来い』と思っていた。“スローペースでヨーイドン”は分が悪い。 後続に脚を使わせる展開になればと」。入線後、キングリーの戸崎騎手に「残っていますか?」とたずね、 「残ってるよ」の返事で確信。ウイニングランを終えると、 スタンド前で右手を突き上げて「やった!」と絶叫した。 単勝9310円は1949年(タチカゼ)の5万5430円に次ぐ史上2番目の高額配当だった。 デビュー13年目、6度目の挑戦で手にした晴れ姿を見せたい人が、天国にいた。 小学時代、地元・小倉の乗馬センターに応募をしてくれた祖父・飯田幸照さんだ。 「競馬の道に導いてくれた、かけがえのない人。 その時から『ダービー、ダービー(を勝ってくれ)』と言われてきました」。 2016年11月20日、マイルCSをミッキーアイルで制したその日に他界。 死に目にも会えなかった。少し遅かったが、やっと幼い日の“約束”を果たせた。 「見せてはあげられなかったけど、きょう勝って、 祖父の夢をかなえられてうれしい」と大粒の涙がこぼれ落ちた。 角居調教師は、2007年のウオッカ以来となる2勝目も、僚馬サートゥルナーリアが1番人気で 4着に敗れただけに笑顔はなし。「前回勝ったときは、訳が分からなかった。 うれしいですが、1番人気の馬と勝った馬が違いますし…。複雑です」と言葉少なかった。 今後は休養に入るが、秋には登録済みの凱旋門賞挑戦も視野に入る。 「今後もダービージョッキーに恥じない騎乗をしたい」と誓う浜中騎手とともに、さらなる高みを目指す。 |
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2018年5月27日(日曜) 2回東京12日10R 第85回 東京優駿 | |
《レース結果》 1 枠8桃 17 ワグネリアン 牡3 57.0 福永祐一 2:23.6 34.3 450 -2 友道康夫 5 2 枠6緑 12 エポカドーロ 牡3 57.0 戸崎圭太 2:23.7 1/2 34.7 490 -2 藤原英昭 4 3 枠4青 7 コズミックフォース 牡3 57.0 石橋脩 2:23.8 クビ 34.7 464 -2 国枝栄 16 4 枠7橙 14 エタリオウ 牡3 57.0 H.ボウマン 2:23.8 ハナ 33.5 454 +4 友道康夫 13 5 枠4青 8 ブラストワンピース 牡3 57.0 池添謙一 2:23.8 ハナ 34.5 532 +10 大竹正博 2 《レース内容》 福永祐一騎手騎乗の5番人気・ワグネリアン(牡3、栗東・友道厩舎)が優勝。 勝ちタイムは2:23.6(良)。 2着には半馬身差で4番人気・エポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)、 3着にはクビ差で16番人気・コズミックフォース(牡3、美浦・国枝厩舎)が続いて入線した。 注目の先行争いは皐月賞馬エポカドーロが先手を奪って17頭を従えて向こう正面へ。 ジェネラーレウーノ、ダノンプレミアムと続き、ワグネリアン、ブラストワンピースも 先団グループに取り付く。人気の一角キタノコマンドールは後方2番手でジックリと脚を溜めて 馬群は縦長となってレースが流れる。3コーナーを過ぎ、 先団グループがひと塊となって最後の決め手勝負。 逃げるエポカドーロにコズミックフォース、ワグネリアン、 内からダノンプレミアムも懸命に脚を脚を伸ばし、壮絶な叩き合い。 残り100mを過ぎ、エポカドーロとワグネリアンの一騎討ちとなり、 ワグネリアンが半馬身抜け出したところが栄光のゴール。平成最後のダービーウイナーとなった。 勝ったワグネリアンは、皐月賞で1番人気の支持を受けた馬で、 重賞は昨年の東スポ杯2歳Sに続いて2勝目。 鞍上の福永祐一騎手は2007年アサクサキングス、 2013年エピファネイアで2着があったが、19回目の挑戦で悲願のダービー初制覇となった。 |
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2016年5月29日(日) 2回東京12日10R 第83回 東京優駿(GI) | |
《レース結果》 1 2 3 マカヒキ 牡3 57.0 川田将雅 2:24.0 33.3 502 +4 友道康夫 3 2 4 8 サトノダイヤモンド 牡3 57.0 C.ルメール 2:24.0 ハナ 33.4 500 -4 池江泰寿 2 3 1 1 ディーマジェスティ 牡3 57.0 蛯名正義 2:24.1 1/2 33.3 472 -4 二ノ宮敬宇 1 4 3 5 エアスピネル 牡3 57.0 武豊 2:24.4 2 34.0 476 -4 笹田和秀 7 5 6 12 リオンディーズ 牡3 57.0 M.デムーロ 2:24.5 1/2 33.2 496 -4 角居勝彦 4 《レース内容》マカヒキがゴール前の激しい競り合いを制して見事にダービー馬に輝いた。 川田ジョッキーが最高にうまく乗りました。勝つためには馬の力だけでなく 様々なプラス材料が必要だと思います。今回は皐月賞のような後方待機ではなく サトノダイヤモンドを見ながら好位でレースを進めました。 コースロスなく理想的な競馬ができました。 JRAによると2着サトノダイヤモンドとの差は約8cmでした。 接戦をものにできたのはマカヒキの決め手はもちろんだが、川田の腕によるところが大きい。 勝ち時計2分24秒も上々です、1000m通過は60秒ですから決して速くないのですが 最後は力勝負になりました。結果的にレベルの高い馬同士の決着でした。 結局1着から5着までは皐月賞組が独占、レースレコードだった皐月賞のレベルの 高さを証明したと言えるし、あの時計もまやかしではなかったようだ。 サトノダイヤモンドも負けはしたが、勝ちに等しい内容でした。 皐月賞のときは馬体がやぼったく見えましたが、今回は素晴らしいデキに仕上がっていました。 レース運びにミスはなかったと思いますが、最後は爆発力の差でしょうか。 本質的には少し時計がかかる馬場が合うかもしれません。 跳びの大きいフットワークから東京コースに替わったのは良かったが、 最後は決め手の差、それでもマカヒキに半馬身ほど離されながら 最後はハナ差まで盛り返している、この辺りは器の大きさだろう。 対照的にディーマジスティはパドックで元気がないというか 覇気がないように映りました。中間、不安説がささやかれましたが、 2週間前からうまく持ち直してきました。しかし最後は順調さを欠いた分なのかも知れません。 直線で少し外に張られる場面もあったが、2冠を取るにはすべてが揃わないと難しいということだろう。 皐月賞を好タイムで勝った馬は案外、ダービーでは苦戦している。ディーマジェスティを含めて このあたりは反動が大きいということなんでしょう。4着にはエアスピネルが頑張った。 ただ、3着のディーマジェスティには2馬身と水をあけられた。一旦は先頭に立って 見せ場は作ったが上位3頭とは距離の壁を含めて地力の差があったということ。 5着リオンディーズは4コーナーで差後方に近い位置取り。メンバー最速の上がりでも さすがにあそこからでは届きません。皐月賞の失敗から今日は最初から脚を 溜める作戦だったようだ。気性的にはやはり2000m以下が合うと思う。 折り合いに課題のある馬、それでもMデムーロ騎手もこのところは乗れていません。 どうもリズムが良くないです、スマートオーディンも自分のスタイルで勝負したが、 さすがに通用しなかった。いい脚が長く続かなかったことを見ると直線平坦の方が合っている。 ヴァンキッシュランもデキは良さそうでしたが、13着に大敗。2400mばかり短期間に 4戦しましたから、さすがにスタミナ切れだったのかも。青葉賞の勝ち時計に 遠く及ばないのだから、これも反動があったということだろう。終わってみれば 皐月賞上位馬が1〜3着人気で上位を占めたのだから、実力通りのいいダービーだった。 |
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2015年5月31日(日) 2回東京12日10R 第82回 東京優駿(GI) | |
《レース結果》 1 7 14 ドゥラメンテ 牡3 57.0 M.デムーロ 2:23.2 33.9 484 -2 堀宣行 1 2 1 1 サトノラーゼン 牡3 57.0 岩田康誠 2:23.5 1 3/4 34.2 454 0 池江泰寿 5 3 6 11 サトノクラウン 牡3 57.0 C.ルメール 2:23.5 ハナ 33.8 470 -4 堀宣行 3 4 7 13 リアルスティール 牡3 57.0 福永祐一 2:23.8 2 34.3 498 -4 矢作芳人 2 5 2 3 コメート 牡3 57.0 嘉藤貴行 2:23.9 3/4 35.0 490 +4 土田稔 16 《レース内容》ドゥラメンテは本当に強かった。 時計がキングカメハメハとディープインパクトのダービーレコードを 0秒1詰めたことに象徴される、堂々たる2冠馬の誕生だ。 皐月賞の鬼脚もそうだけど速いし強いし切れる。インパクトの強い勝ち方だった。 皐月賞が名前通りの荒々しい強さだったのに対し、今日はずっとお利口さんに見えました。 古馬の枯れてきたうまみに似た、とでも言いましょうか。落ち着いていて正攻法。 折り合いに苦労することもなく、前回と強さは同じでも雰囲気が違いました。 実況のアナウンサーも言っていたけど、坂下で抜け出す時のタイミングや速さといい本当にアッという間だった。 結果的に高速馬場の流れにも乗れたわけですしね。 皐月賞の時は秘める能力の高さで褒めましたが、今日はレース運びまで褒めないといけません。 最後は見せムチに近い感じで上がりが33秒9ですからね。絶賛していいでしょう。 2着のサトノラーゼンは京都新聞杯の時計が出色。この数字の裏付けがあったってことだろう。 それに岩田は本当に転んでもただでは起きないというか、何かをやってくる。 この馬も本当にお利口さんでした。それに内の芝も良かったし 岩田に内枠を与えたのも天の恵みです。一番得意なイン作戦。負けはしたけど立派。 3着のサトノクラウンは東京で改めてよみがえった。 スタートが少し下手で位置取りが悪くなったけど、そこだけと言ってもいいくらい。 結果的に展開には恵まれたかもしれませんが上がりは最速ですし、 他の馬がインをうまく立ち回ったのに対しこちらは大外をマクったわけですから。 皐月賞で1番人気の支持を集めた能力は示しました。 まあ、上位3頭は絶賛することにしよう。リアルスティールはそこから2馬身差の4着。 ドゥラメンテの前にいるだろうと思っていたのが逆だったのは意外だったが、 瞬発力勝負ではかなわないってこと。 先行しない作戦は想定内だったと思います。ただ、パドックなどを見ていても 短評がないというか、少し目立たない感じがしました。 決して悪くはないんですが…サトノクラウンに負けているんですから言い訳にはできません。 距離もこなしてはいてもベストではないのかもしれません。 大負けこそしていないけど、がっかり。今日は完敗を認めるしかない。 5着コメートの激走にもびっくりした。普通はこの馬の時計でダービータイム。 この馬が頑張ったおかげで昨年から格上げされたホープフルSのメンツも保たれました。 ミュゼスルタンやタンタアレグリアも見せ場はつくった。 特にタンタは将来性の面では4〜5番手に入ってきそうだ。 ただ、終わってみればドゥラメンテの1強だった。3冠にしろ凱旋門賞にしろ秋が非常に楽しみになった。 |
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14年6月1日(日) 2回東京12日10R 第81回 東京優駿(GI) | |
《レース結果》 1 1 2 ワンアンドオンリー 牡3 57.0 横山典弘 2:24.6 34.0 482 +4 橋口弘次郎 3 2 7 13 イスラボニータ 牡3 57.0 蛯名正義 2:24.7 3/4 34.3 468 +6 栗田博憲 1 3 2 3 マイネルフロスト 牡3 57.0 松岡正海 2:24.9 1 1/2 34.2 484 -2 高木登 12 4 7 14 タガノグランパ 牡3 57.0 菱田裕二 2:24.9 クビ 34.4 478 +10 松田博資 16 5 3 5 トゥザワールド 牡3 57.0 川田将雅 2:25.0 クビ 34.1 516 +6 池江泰寿 2 《レース内容》 今年の1番のポイントは1角の位置取りだった。ウインフルブルームが取り消しになって 何が行っても速くなることのないメンバー構成でした。その中で、皐月賞馬イスボラニータが 好位に行ったのは当然だけど、勝負に出たのがワンアンドオンリーだった。 2番枠でしたから行くだろうとは思っていましたが、行ってもどの程度の脚を使えるかは未知の部分。 でも大一番で勝つ可能性を広げる策に出た。この気持ちが栄冠に結びつきました。 しかも、目の前にイスボラニータがいる絶好のポジション。最も競馬を運びやすい位置でした。 加えて、橋口厩舎の仕上げも素晴らしかった。あれだけビシビシ追って 皐月賞の時よりも馬体が大きく映るプラス体重(4キロ)さらに言えば弥生賞から 横山典騎手を確保したのも大正解。ここまでの過程も含めてすべてが勝利に向いた印象です。 敗れたとはいえ、イスボラニータもクラシックホースらしい立派な走りを見せてくれた。 力を出し切っていると思います。今回も前半はやや行きたがってましたが、ラスト2ハロンまで 持ったままで運べました。内容的に距離が長くて負けたわけではないと思います。 上位馬の着差は詰ってはいたけど、実質はマッチレース。目標にされる立場と追う者の立場。 これが2冠達成の難しさでしょう。他の上位陣も誉められる内容でしたけど、 ちょっと意外だったのはトゥザワールド、稽古の良さからもっと弾けると思いましたが。 もともと、この一族は東京の2400mでは詰めが甘いですから、結果的には 前で運んでたほうがチャンスがあったと思います。もう一頭、果敢に挑戦したレッドリヴェールは それほど負けたわけではないですが、やっぱり8キロのマイナス体重で410キロは惜しまれます。 体質面の強化もないとダービーは勝てないということでしょう。 直線でヨレてラチにぶつかったトーセンスターダムにも同じ事が言えます。 ここまで厳しい競馬を経験してなかったですから。 終わってみれば2着馬は賞金を持って王道路線を予定通りに歩めた馬。 一方、ダービーに出るために厳しいローテーションとなったベルキャニオン、 ワールドインパクト、ハギノハイブリッドらは馬群に沈む結果でした。 改めてダービーを勝つにはローテーションが大事だと思い知らされた。 参戦に苦労した馬の能力評価は秋以降にまた変わるでしょう。 とにかく超スローではなく、お客さんも納得のダービーだったことが最も良かったです。 |
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2013年5月26日(日) 2回東京12日 10R 第80回 東京優駿(GI) | |
《レース結果》 1 1 キズナ 牡3 57.0 武豊 2:24.3 33.5 478 -2 佐々木晶三 1 2 9 エピファネイア 牡3 57.0 福永祐一 2:24.4 1/2 33.9 478 -8 角居勝彦 3 3 3 アポロソニック 牡3 57.0 勝浦正樹 2:24.6 1 1/4 35.5 536 +6 堀井雅広 8 4 16 ペプチドアマゾン 牡3 57.0 藤岡康太 2:24.6 ハナ 34.7 472 +4 吉村圭司 13 5 8 ロゴタイプ 牡3 57.0 C.デムーロ 2:24.6 ハナ 34.5 484 -2 田中剛 2 《レース内容》 キズナの勝因のひとつに陣営の英断を挙げたい。 毎日杯を制して賞金を上乗せしながら、皐月賞をあえてパスした。 その皐月賞が疲れが残りかねないレコード決着。 間に挟んだ京都新聞杯も反動が出ない勝ち方で万全の態勢でダービーに望むことが出来た。 展開面に目を向けると、危惧したのが超ハイペースでなし崩しに脚を使わされるパターンでした。 レースを前、後半に2分割すると1分12秒2→1分12秒1とほぼ完全なイーブンです。 これが逃げ馬のラップですから好位から後方組は楽に追走できます。 ライバルを射程圏に入れつつ、切れ味を温存できたキズナにはもってこいの展開でした。 付け加えれば2分24秒3は理想的なタイム。 反動が残るほどの高速決着でもなく、能力分析に不向きなほど遅くはありません。 何より忘れてはならないのが武豊の存在だ。 ヒーローインタビューで「戻ってきました」と言っていたように 置かれている状況が全盛期と違うことは本人も重々承知している。 ただしこれまでのダービー4勝の腕はダテではない。 このレースの勝ち方を知っていることが最後、半馬身差に反映された。 ファンよりも誰よりも本人が1番、痛快なダービーだったようです。 2着のエピファネイアも福永君の乗り方は申し分ありません。 むしろ大外を回ったキズナよりも距離ロスなく、馬場の伸びるところを選んでいました。 馬もマイナス8キロと絞って万全の仕上がりに映りましたが・・・。 前半をそれなりになだめ、向正面でつまずづいた時もきちんとリカバリーできていた。 今日のところはキズナにしてやられたという表現がピッタリの惜敗だ。 レースセンス、スピード、切れ味、どれを取っても世代トップレベルで間違いない。 充実の秋を迎えれば天下を取れるだけの好素材。 ダービーを終えて3歳牡馬の勢力図はキズナとの2強になったと見ていいだろう。 となると問題は5着に終わった皐月賞馬ロゴタイプの扱いです。 レースのアヤで3着までは許容範囲。だがアポロソニックとペプチドアマゾンを交わせなかったとなると 評価が厳しくなると同時に首をかしげざるを得ない。 昔の格言ではないが、レコード勝ちの後はやはり買ってはいけないのか? 現在の馬場レベルからすると皐月賞のタイムそのものは過度に疲労が残るものではない。 多少、行きたがっていたように取りざたされた距離適正も含めて敗因は極めて複合的なものでしょう。 何よりダービーという特別なレースでは総合力が問われます。 陣営、鞍上の経験値の差も大きいかもしれません。 今年は3本の矢を用意した藤沢厩舎はコディーノの9着が最高だった。 昨秋のパフォーマンスを見ても、ポテンシャルがG1級なのは間違いない。 ところが気性面が成長どころか、むしろ悪くなっているように思える。 NHKマイルカップ参戦プランもあったように距離には限界がありそうだ。 近年はデビュー当初こそAランク当確の見立てでも伸び悩むことが少なくありません。 コディーノに関しては当初から距離に関して懐疑的な見方がありました。 クラシック路線を目指すならばマイルの朝日杯FC2着に参戦したことは大失敗だったと言わざるを得ません。 |
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2012年5月27日(日) 2回東京12日 10R 第79回 東京優駿(GI) | |
1 10 ディープブリランテ 牡3 57.0 岩田康誠 2:23.8 34.5 496 -6 矢作芳人 3 2 11 フェノーメノ 牡3 57.0 蛯名正義 2:23.8 ハナ 33.9 490 -2 戸田博文 5 3 14 トーセンホマレボシ 牡3 57.0 C.ウィリアムズ 2:23.9 3/4 36.1 504 +6 池江泰寿 7 4 8 ワールドエース 牡3 57.0 福永祐一 2:24.0 クビ 33.8 446 0 池江泰寿 1 5 6 ゴールドシップ 牡3 57.0 内田博幸 2:24.0 クビ 33.8 500 +2 須貝尚介 2 《レース回顧》 1000m通過59秒1は2分23秒6のレースレコードが記録された先週のオークスと全く同じ 2分23秒8はキングカメハメハとディープインパクトの2分23秒3に次ぐ ダービー史上3位のタイム、速い流れで速い決着になった事が結果を大きく左右した。 さすがにジョッキーたちも高速馬場は重々承知ですが、これに対応した乗り方を迫られました。 普段着通りでも良かった組とスタイルを崩さねばならない組とで明暗が分かれました。 結果的には離れた4番手のディープブリランテのポジションが絶好位だった。 坂の頂上手前で先頭に立った時点でフェノーメノに6馬身ほどのアドバンテージがあった。 この貯金が最後のハナ差につながりました。 東京スポーツ杯2歳Sを快勝後は勝ち切れない競馬が続いていましたが崩れたわけではありません。 騎乗停止中の岩田くんが中間は志願して付っきりで調教をつけた成果で 課題の折り合い面が良化したのは大きかったです。 2着は上がり馬で勢いを見せつけたフェノーメノ。これまでの東京コース3戦3勝はダテではなかった。 上がり34秒1で快勝の青葉賞からシンボリクリスエス、ゼンノロブロイのレベルにあると見ていましたが、 またしても涙をのみました。最後で外にヨレ気味だったのが惜しまれる。 それでも勝ちに等しい内容は評価できます。 注目されたディープインパクト対ステイゴールドの種牡馬対決は 少々意外な形でディープに軍配が上がった。 オークスに続く連勝で、すっかり距離不安は払拭した格好だ。 初年度こそマイラータイプが目立ちましたが2年目でらしさが出ました。 ディープ自身もスタミナを生かすより高速馬場にめっぽう強いクチ 3着までを独占した京都1800mのきさらぎ賞のような速い上がりは得意なパターンです。 それを2400mでも再現できた意味は大きい。 3着もディープ産駒のトーセンホマレボシけれみなく勝ちにいったレースが功を奏した。 一方、1番人気のワールドエースの福永は難しい手綱さばきを迫れた。 スタートは良かっただけに先行する手もあったが・・・。上がりはゴールシップとともに最速の33秒8。 切れ味ナンバーワンの思いが過信になったかもしれない。 いつもより早めには動いて最後も伸びています。 ただダービーという大一番で自分の形を大きく崩す冒険はしにくいでしょう。 それに年明け5戦目というローテーも少し厳しかったかもしれません。 ゴールシップもレースを自分でつくれない弱みが出た。 共同通信杯のように好位を取るのが理想だったが、行き脚がつかなかった。 本質的にスピード競馬には向かないタイプかもしれません。 それでも勝ち馬からは0秒2差、2分24秒0の走破タイムからも上位勢はレベルが高いと見てよいでしょう。 |
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2011年5月29日(日) 3回東京4日 11R 第78回 東京優駿(GI) | |
《レース結果》 1 5 オルフェーヴル 牡3 57.0 池添謙一 2:30.5 34.8 444 +4 池江泰寿 1 2 1 ウインバリアシオン 牡3 57.0 安藤勝己 2:30.8 1 3/4 34.7 496 -4 松永昌博 10 3 7 ベルシャザール 牡3 57.0 後藤浩輝 2:31.9 7 36.7 542 +16 松田国英 8 4 10 ナカヤマナイト 牡3 57.0 柴田善臣 2:32.0 クビ 36.4 458 0 二ノ宮敬宇 4 5 6 クレスコグランド 牡3 57.0 浜中俊 2:32.0 アタマ 36.7 496 +6 石坂正 9 《レース回顧》 3歳馬ナンバーワン決定戦があいにくの不良馬場、正直、良馬場でこその馬もいただけに残念な面もある。 同じ不良でもロジユニヴァースが勝った09年ほどではなかったんですが・・・ Cコースとはいえ、他レースでも前週と違った外を回した馬が伸びていました。 そんな状況で最も落ち着いた手綱さばきを見せたのがオルフェーヴルでした。 1番強い馬が1番強い競馬を見せつけたのだから感服するしかないです。 良馬場だったとしても1着だけは変わらなかったはずです。 勝負どころで外から蓋をしに来たナカヤマナイトをはじき飛ばしながら伸びてきました。 皐月賞以上に強さを感じる中身の上に、タフなスタミナも証明。 まさに2冠馬にふさわしいと言って良いでしょう。 少し気が早いが、3冠目の菊花賞も見えて来ました。 怖いのは夏の上がり馬だが、せいぜい1.2頭程度ですから 絶対王者のまま暮れまで突き進む可能性は限りなく高い。 ペースを問わず能力を発揮できるオルフェーヴルが最も菊花賞馬のイメージに近いと言えます。 唯一、勝ち馬に肉薄したのがウインバリアシオン一旦は並び掛けようかというシーンもありました。 2着以下ではこの馬が最も距離適正がありました。 青葉賞は実質直線だけの競馬で決着、負担のかからない内容で大一番に余力を残せた点も大きかった。 ただ青葉賞は歴史的にどうしても2着止まりなんですよね。 3着以下は7馬身差ペルシャザールはもともとパワータイプと見立てた馬ですから 今回の馬場がプラスに働きました。 対照的にナカヤマナイトは良で決め手を生かしたい口、それを考慮すれば3着以上も評価できる。 2番人気を集めたサダムパテックは馬場が合わなかっただろうが、距離はやはり1800mがベスト ある程度予想された事ですがディープインパクト産駒は道悪は向きませんね。 良馬場で競馬を見たかった馬も多いが、それにしても負け過ぎの側面も 正直、過大評価だった面もあるかも知れません。 |
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2010年 5月30日(日) 3回東京4日 10R 第77回 東京優駿(日本ダービー)(GI) |
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《レース結果》 1 1 エイシンフラッシュ 牡3 57.0 内田博幸 2:26.9 32.7 486 -2 藤原英昭 7 2 8 ローズキングダム 牡3 57.0 後藤浩輝 2:26.9 クビ 32.9 440 +2 橋口弘次郎 5 3 7 ヴィクトワールピサ 牡3 57.0 岩田康誠 2:27.2 1 3/4 33.1 502 -4 角居勝彦 1 4 13 ゲシュタルト 牡3 57.0 池添謙一 2:27.2 クビ 33.4 486 -8 長浜博之 12 5 3 ルーラーシップ 牡3 57.0 四位洋文 2:27.2 アタマ 33.3 484 -2 角居勝彦 4 《レース内容》 第77回東京優駿(日本ダービー・GI)で人気を分け合ったのは、 5連勝で第一冠・皐月賞を制したヴィクトワールピサと、 デビュー戦から青葉賞まで4連勝で突き進んできたペルーサ。ほかにも、皐月賞2着馬ヒルノダムール、 プリンシパルSを圧勝したルーラーシップ、前年の2歳王者ローズキングダムといった逸材がズラリ。 NHKマイルC覇者ダノンシャンティの出走取消は残念だったが、 それでも史上「最高」の好メンバーという評価にうなずける顔ぶれが揃ったといえるだろう。 そのレベルの高さは、意外な展開を作り出した。1000m通過が61秒6。 ゆったりとした流れは3コーナーから4コーナーにかけても続く。 各馬・各騎手とも周囲の様子をうかがいながら勝負どころを待っているようだ。 ようやく全馬がギアを入れ替えたのは直線に入ってからのこと。 内外に大きく広がり、死力を尽くしての追い比べが始まった。 まるで「最高」をラストスパートだけに凝縮したかのような戦いである。 残り200m、馬場の真ん中を通って抜け出したのはローズキングダム。が、 その直後からエイシンフラッシュが鋭く伸びて一気に交わし去る。 ローズキングダムも最後に差し返そうとする根性を見せたものの、 これをクビ差振り切ったエイシンフラッシュが1着ゴールを果たす。 上がり3ハロンの推定タイムは、エイシンフラッシュが32秒7、ローズキングダムが32秒9で、 メンバー中1位と2位。「最高」の日本ダービーは「最高」の末脚を使った両馬による決着となったのである。 皐月賞で鋭く3着に追い込みながら、多くの好素材たちに囲まれて、 ここでは単勝オッズ31.9倍の7番人気に甘んじていたエイシンフラッシュ。 だが鞍上・内田博幸騎手は周囲に惑わされることなく「行き過ぎないように、脚をためて」と、 パートナーのいい部分を引き出すことだけを心がけ、それを実現してみせた。 「リーディングジョッキーと日本ダービーを獲るために中央へ移籍した」 そう語る内田騎手の、ここへ賭ける迷いのなさがもたらした優勝ともいえるかもしれない。 |