データーチェック
まともなら1番人気は堅実 3着以内の条件 *芝2000m以上で勝ち鞍があること
穴ならG1勝ちのある前走大敗組み *重賞の勝利があること
直線一気は2着まで
クラシックで連対した事のない近走勢いのある馬 前走は? *すべて5着以内
芝2200、2500mのG1に実績のない人気馬は信頼度が下がる。 *前走が天皇賞(春)組が良い
4歳馬 *目黒記念組は消し
宝塚記念で好走した馬の産駒


第2020年6月28日(日曜) 3回阪神8日 61回 宝塚記念
《レース結果》
1 枠8桃 16 クロノジェネシス 牝4 56.0 北村 友一 2:13.5
2 枠7橙 14 キセキ 牡6 58.0 武 豊 2:14.5 6
3 枠6緑 12 モズベッロ 牡4 58.0 池添 謙一 2:15.3 5
4 枠3赤 5 サートゥルナーリア 牡4 58.0 C.ルメール 2:15.6 1 3/4
5 枠5黄 10 メイショウテンゲン 牡4 58.0 松山 弘平 2:15.6 クビ

《レース内容》
北村友騎乗で2番人気のクロノジェネシスがレース史上最大の6馬身差をつける圧勝で、
昨年の秋華賞以来となるGI2勝目を挙げた。6番人気のキセキが2年連続の2着。
12番人気のモズベッロが3着に入り、3連単は18万円超の高配当となった。
1番人気サートゥルナーリアは4着だった。
涼しげな顔で後続を突き放した。ハイセイコーやビワハヤヒデを上回り、
宝塚記念史上最大となる6馬身差の圧勝。同レース最多のGI馬8頭がそろった一戦で、
クロノジェネシスが並みいる強豪を蹴散らし、衝撃的なGI2勝目を飾った。
「本当に強かったです。リズム良く運べて終始手応えは良く、直線は絶対に伸びてくれると思った。
期待に応えてくれましたね。クロノを褒めてあげてほしい。背中に乗れて幸せです」
デビューから手綱を取り続ける北村友騎手は満面の笑み。ウイニングランでは、
無観客のスタンドに向かって右手の人差し指を突き上げた。
好スタートを決め、道中は中団の外めを追走。折り合いもぴったりだった。
3コーナー過ぎから抜群の手応えで先頭を射程に入れ、直線の入り口で先頭に立つと、
あとはワンマンショー。左ムチに反応し、
メンバー最速の上がり3ハロン36秒3の末脚で一気に突き抜けた。
検量室前で2着キセキから下りた武豊騎手が、出迎えた角居調教師に「バケモノがいた」と
脱帽するほどの強さ。「いつも一生懸命で、とにかく走る能力がある。
正直、これだけのパフォーマンスを見せてくれるとは思っていなかった」と
斉藤崇調教師も驚きを隠せない激走だった。
昨年のリスグラシューに続く、牝馬では史上5頭目の宝塚記念V。最大の勝因は、成長力だ。
前走から10キロ増の464キロと、馬体重はデビュー11戦目で最重量。
「成長が表れていますね」とトレーナーが言えば、主戦騎手も「パワーをつけてくれたのが一番のポイント。
今までで一番落ち着いていて、いい雰囲気でした」と目を細めた。
直前に降った雨も味方した。朝一番に「稍重」でスタートした芝は、7Rから「良」まで回復したが、
その後の豪雨でレース前には再び「稍重」に。昨年の秋華賞を稍重で制し、
2走前の京都記念では雨の重馬場でVと、タフな馬場を物ともしない牝馬が存分に底力を見せつけた。
豪GIコックスプレートと米GIブリーダーズカップターフの優先出走権を獲得したが、
海外遠征を含めて今後は未定。近日中にノーザンファームしがらきに放牧に出され、今後に備える。
「秋はどこに行くか分かりませんが、どこにいってもいいパフォーマンスをしてくれる馬。
いい活躍をしてくれると思う」と斉藤崇調教師の期待は大きい。強さが本物であることを証明する、
圧巻のグランプリ制覇。男勝りの4歳牝馬が、さらなる飛躍を遂げていく。
2019年6月23日(日曜) 3回阪神8日第60回 宝塚記念
《レース結果》
1 枠8桃 12 リスグラシュー 牝5 56.0 D.レーン 2:10.8
2 枠1白 1 キセキ 牡5 58.0 川田 将雅 2:11.3 3
3 枠8桃 11 スワーヴリチャード 牡5 58.0 M.デムーロ 2:11.6 2
4 枠4青 4 アルアイン 牡5 58.0 北村 友一 2:11.9 2
5 枠2黒 2 レイデオロ 牡5 58.0 C.ルメール 2:12.1 3/4

《レース内容》ダミアン・レーン騎乗で3番人気のリスグラシューが2番手から力強く抜け出し、
GI2勝目を飾った。好スタートのアドバンテージを生かすため、無理に控えず前につける好判断で、
鞍上はJRA短期免許の最終週を見事にGI制覇で締めた。
1番人気のキセキはマイペースの逃げを打ったが、2着に終わった。
5歳牝馬と25歳の若き天才が紡いだ驚きの完勝劇に、仁川が沸いた。
紅一点のリスグラシューが強豪牡馬を蹴散らしてGI2勝目。春の日本競馬に旋風を巻き起こし、
グランプリまでも奪取したレーン騎手が、はにかみながら喜びを伝えた。
「最高の気持ちです。仕上がりが完璧な馬に乗せていただき、厩舎に感謝しています」
スタート直後に、抜群の判断力を発揮した。好発を決めると、本来は後方から末脚を生かす
タイプと承知の上で、抑えることなく2番手につけた。誰もが驚く奇策は「先頭に立つかどうか悩んだが、
流れや展開で“ここで大丈夫”と判断しました」という絶妙のアドリブ。向こう正面では折り合いもつき
、いい手応えで直線へ。ラスト1ハロン手前でキセキを抜いて先頭に立つと、
脚いろが鈍ることなく3馬身差をつけての圧勝だ。
矢作調教師も「誰も、まさか2番手に行くとは思わなかったでしょう。指示は“ゲートに気をつけて、
出してくれれば”と、それだけ。彼の好判断です」と“レーンマジック”に最敬礼だ。
オークス(ラヴズオンリーユー)に続くGI7勝目の指揮官は、有馬記念を含めてグランプリ初出走初制覇。
国際派調教師らしく、秋の目標もワールドワイドだ。米GI・ブリーダーズカップに挑戦するなら、
牝馬限定のフィリー&メアターフ(11月2日、サンタアニタ、芝約2000メートル)の予定だったが
「この強さならターフに行っても(戦えるのでは)と思います」と目尻を下げた。
さらに、今年から宝塚記念優勝馬に豪州GI・コックスプレートの優先出走権を付与。
優勝時のボーナスも設定されており、「“直線が短いのでどうか”と思っていたが、きょうの競馬なら…」
と夢は広がるばかりだ。
2018年6月24日(日曜) 3回阪神8日11R 第59回 宝塚記念
《レース結果》
1 枠2黒 4 ミッキーロケット 牡5 58.0 和田竜二 2:11.6 35.8 476 -4 音無秀孝 7
2 枠7橙 13 カクガイワーザー せん7 58.0 H.ボウマン 2:11.6 クビ 35.3 446 -27 J.ムーア 10
3 枠1白 2 ノーブルマーズ 牡5 58.0 高倉稜 2:12.1 3 36.1 490 0 宮本博 12
4 枠5黄 10 ヴィブロス 牝5 56.0 福永祐一 2:12.1 クビ 36.0 440 前計不 友道康夫 3
5 枠4青 8 ダンビュライト 牡4 58.0 武豊 2:12.3 1 1/4 36.4 480 +12 音無秀孝 5

《レース内容》
和田竜二騎手騎乗の7番人気・ミッキーロケット(牡5、栗東・音無厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:11.6(稍重)。
2着にはクビ差で10番人気・ワーザー(セ7、香港・J.チェン厩舎)、
3着には3馬身差で12番人気・ノーブルマーズ(牡5、栗東・宮本厩舎)が続いて入線した。
先手を主張するサイモンラムセスにタツゴウゲキが絡んでいくが、
サイモンラムセスが先手を取り切って向こう正面へ。
ミッキーロケットは中団前めのインで脚を溜め、サトノダイヤモンド、サトノクラウン、ヴィブロスは中団。
ワーザー、キセキは後方に構え、やや縦長の展開。
3コーナーを過ぎて中団からサトノダイヤモンドがスッとポジションを上げ、
ヴィブロスも追撃態勢。逃げるサイモンラムセスを交わしてミッキーロケットが先頭に立って直線勝負。
内ラチ沿いをスルスルと抜け出すミッキーロケットにサトノダイヤモンドが懸命に食らい付くが、半ばで後退。
代わってノーブルマーズ、大外からワーザーが襲いかかり、ゴール前は押し切りを図る
ミッキーロケットと追い込むワーザーが馬体を並べたが、ミッキーロケットがクビ差凌いでゴールに入った。

勝ったミッキーロケットは、昨年の日経新春杯以来の勝利で重賞2勝目。昨年の宝塚記念は6着で、
G1では菊花賞5着、前走の天皇賞(春)が4着と、あと一歩のレースが続いていたが、
今回は早めにラチ沿いを抜け出す強気の競馬でワーザー以下を押さえて悲願のG1初制覇。
鞍上の和田竜二騎手は昨日がバースデーで、JRAG1はテイエムオペラオーで勝った
2001年の天皇賞(春)以来8勝目。こちらは久しぶりのビッグタイトルとなった。
2017年6月25日(日) 3回阪神8日11R 第58回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 8 11 サトノクラウン 牡5 58.0 M.デムーロ 2:11.4   35.4 488 +10 堀宣行 3
2 2 2 ゴールドアクター 牡6 58.0 横山典弘 2:11.5 3/4 35.4 488 -6 中川公成 5
3 7 8 ミッキークイーン 牝5 56.0 浜中俊 2:11.7 1 1/2 35.5 448 +8 池江泰寿 4
4 6 6 シャケトラ 牡4 58.0 C.ルメール 2:12.0 1 3/4 36.2 510 +2 角居勝彦 2
5 6 7 レインボーライン 牡4 58.0 岩田康誠 2:12.3 1 3/4 36.3 444 +2 浅見秀一 7

《レース内容》
M.デムーロ騎手騎乗の3番人気・サトノクラウン(牡5、美浦・堀厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:11.4(稍重)。2着には3/4馬身差で5番人気・ゴールドアクター(牡6、美浦・中川厩舎)、
3着には1馬身半差で4番人気・ミッキークイーン(牝5、栗東・池江寿厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたキタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)は9着に敗れた。
キタサンブラックもマズマズのスタートを切ったが、意表を突く逃げの手に出たのは
シュヴァルグラン、これにシャケトラも続いて、キタサンブラックは3番手の外を回る。
キタサンブラックをピッタリとマークしたのがゴールドアクターとサトノクラウン。ミッキークイーンは
後方3番手で、先頭から最後方まで7〜8馬身差。淡々とレースが流れていく。
残り600mを過ぎ、いよいよキタサンブラックにゴーサインとなったのだが、
行きっぷりが今ひとつ。2番手で直線に入るも、前を行くシャケトラを捕らえる前に外から
サトノクラウンに交わされて、あとは後退する一方。先頭に立ったサトノクラウンに
内へ進路を変えたゴールドアクターが詰め寄るが3/4馬身差まで。
サトノクラウンが春のグランプリを制した。
勝ったサトノクラウンは、昨年暮れの香港ヴァーズに次ぐ2度目のG1制覇。
帰国初戦の京都記念ではマカヒキを下す好スタートを切っていたが、
前走の大阪杯では伸びを欠いて6着。中間はこのレースを目標にリフレッシュされ、
鮮やかに復活。M.デムーロ騎手はJRAG1・20勝目となった。
2016年6月26日(日) 3回阪神8日11R 第57回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 8 16 マリアライト 牝5 56.0 蛯名正義 2:12.8   36.3 438 0 久保田貴士 8
2 5 9 ドゥラメンテ 牡4 58.0 M.デムーロ 2:12.8 クビ 36.1 498 前計不 堀宣行 1
3 2 3 キタサンブラック 牡4 58.0 武豊 2:12.8 ハナ 36.8 536 +12 清水久詞 2
4 4 7 ラブリーデイ 牡6 58.0 C.ルメール 2:13.0 1 1/4 36.7 486 -4 池江泰寿 4
5 4 8 ステファノス 牡5 58.0 戸崎圭太 2:13.4 2 1/2 36.9 484 -2 藤原英昭 7



《レース内容》
レースはキタサンブラックがハナを切る展開で、マリアライトは先行集団を見る形、
中団の外めをスムーズに流れに乗る。3コーナーの勝負どころを迎えると
蛯名正義騎手が懸命に押して好位へ。馬なりで上がっていくラブリーデイとは全く手応えが違っていたが、
ここからが根性娘の真骨頂、逃げるキタサンブラック目掛けて一完歩ずつ差を詰めると、
先に前へ出たラブリーデイを交わし、そして、キタサンブラックを交わしてトップでゴールへ飛び込んだ。
デビューから16戦して掲示板を外したがわずか1度。今回の馬体重が438キロという小柄な牝馬ながら、
タフなスタミナ勝負を得意とし、陣営も力の要る馬場を希望していたが、
その願いが叶ってマリアライトにとっては最高の馬場状態。
「女の仔なのにこのメンバー相手に勝てた。すごいことだよ。春3戦目で一番いいデキだった。
馬場も枠順も恵まれて、どこまでできるかという思いでした。最初の入りは速いな、と思いましたが、
内回りで馬場も重いので後ろからだと厳しい。思った通りのレースが出来た。
周りもすっと伸びないなか、ラストは勝負根性を発揮してくれたね」と鞍上も最高の笑みを浮かべる。
昨年のエリザベス女王杯が6番人気、今回も8番人気と評価はさほど高くなかったが、
有馬記念は0.1秒差の4着、前走の目黒記念も「不利がなければ」という惜しいクビ差の2着で地力を示し、
今回はドゥラメンテ、キタサンブラックという現在の日本競馬のトップ2を抑えての勝利。
牝馬としては史上3頭目の宝塚記念制覇で、紛れもなく日本のトップホースとなった。
管理する久保田貴士調教師も「この馬はいつも頑張ってくれるが、いまは誇らしい気持ちです。
例年この時季、馬場が悪くなるのは想定していて、
マリアライトにとって決してマイナスにはならないと思っていました。
目黒記念を使った後、ひと叩きしたおかげで馬の状態がすごく良くなっていました。
勝ち負けは運もあるけれど、馬のデキには自信を持っていました。
使う以上は一発を狙っていました」と自信の仕上げ、最高の結果に胸を張る。
「あそこまで行ったら何とかしてくれ、と。この馬には素晴らしい思いをさせてもらって。
大事に大事に牧場、厩舎とやりとりしながら来ました。まだまだ底をみせていないし、
こちらの想像以上の成長力だと思います。今後のことは未定ですが、
この勝利は先に向けても自信になりますよ」と、
師は今後についての明言こそ避けたが、タフな馬場を得意とし、
長距離もOKとなれば、凱旋門賞も視野に入ってくるかもしれない。女傑の秋が非常に楽しみとなった。
2015年6月28日(日) 3回阪神8日11R 第56回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 8 16 ラブリーデイ 牡5 58.0 川田将雅 2:14.4   34.8 488 +2 池江泰寿 6
2 3 6 デニムアンドルビー 牝5 56.0 浜中俊 2:14.4 クビ 34.0 450 +2 角居勝彦 10
3 1 1 ショウナンパンドラ 牝4 56.0 池添謙一 2:14.6 1 1/4 34.7 446 +4 高野友和 11
4 7 14 トーホウジャッカル 牡4 58.0 酒井学 2:14.7 1/2 34.8 484 0 谷潔 7
5 6 11 ヌーヴォレコルト 牝4 56.0 岩田康誠 2:14.7 クビ 34.9 446 -6 斎藤誠 3

《レース内容》 3連覇を期待したゴールドシップだったが、よもやのゲート難再発。
もちろん、可能性として1、2割は頭の隅にあったけど、本当にやられてしまうとは…。
8割方悪いのはゴールドシップ自身です。ただ残りの2割はスターターのチョンボでしょう。
ゲート内で1度立ち上がって怪しい体勢をしていたんだから。もうひと呼吸、様子を見てほしかった。
ゲート先入れで長く待たされていたから。普通の馬でさえ大変なのに、
ましてゴールドシップには苦しかったのだろう。
それもゴールドシップ自身がまいた種ではあります。
ただ、あの馬のゲートに問題を感じて再審査を課し、
先入れをさせたのは主催者。本命馬にタイミングを合わせろとは言いませんが、
1度立ち上がっていたのだからもう少し注意深く見ても良かったのでは。
未勝利や500万下ではないのです。ファン投票のドリームレースで断トツの支持を集めた馬であり、
莫大な金額が賭けられた1番人気馬だったんですから。
鞍上にもガッカリしたな。出遅れは仕方ないとはいえ、その後は完全に諦めてしまった感じ。
馬に走る気がなかったのかどうか知らないが、
まくりを打つとかステッキを使うとか…何かアクションを起こしてほしかった。
ゴールドシップに限らず、今回はレースの質が低かったようにも思います。
本命馬が出遅れて圏外となったのに、最初の1000メートルまでに13秒台のラップが2回も出る
緩い展開。結局、2番手にいたラブリーデイがそのまま押し切ったのですが、何だか味気なかった。
決着タイムが2分14秒4だもんな。同じようなペースの同日7R3歳上500万下=2分14秒8より
0秒4速いだけ。例年に比べると明らかにレベルは下。
ゴールドシップがいなくなってGU級の顔ぶれとなり、そのままレースが終わってしまった感じだ。
2、3着も正攻法ではありません。デニムアンドルビーは後方からの決め打ちで、
ショウナンパンドラはイン突きがはまったものです。
それを考えると4着トーホウジャッカルだけは立派だった。
決して万全な臨戦過程ではなかったのにな。やはり力がある。
もちろん見方を変えれば、それだけレベルが低かったということになるが…。
他の有力馬も見どころがなかったです。ラキシスもワンアンドオンリーも
カレンミロティックもどこを走っていたのか。それもこれもゴールドシップのスタートがすべてだろう。
あれでレースが壊れてしまった感じがする。
上半期最後のビッグレースだけに、いい競馬を見たかったが…。残念だ。
2014年6月29日(日) 3回阪神8日11R 第55回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 8 11 ゴールドシップ 牡5 58.0 横山典弘 2:13.9   35.2 504 -2 須貝尚介 1
2 5 5 カレンミロティック せん6 58.0 池添謙一 2:14.4 3 35.8 450 -8 平田修 9
3 3 3 ヴィルシーナ 牝5 56.0 福永祐一 2:14.6 1 1/4 36.3 458 +2 友道康夫 8
4 4 4 ヒットザターゲット 牡6 58.0 武豊 2:14.6 クビ 35.3 514 -6 加藤敬二 12
5 2 2 デニムアンドルビー 牝4 56.0 浜中俊 2:14.6 ハナ 35.9 438 0 角居勝彦 6

《レース内容》ゴールドシップが見事に史上初の宝塚記念連覇を達成した。
昨年も強かったが、今年も2着に3馬身差。ほんとうに強かったです。
得意の阪神、時計のかかる馬場、馬の状態、この馬にとってはあらゆる条件が揃って
それをきっちり生かした横山典ジョッキーの手腕もさすがです。最初の1Fは馬群から
少し距離を置き、馬の気持ちを確認した上で好位置につける作戦を選択したように見えました。
このあたりは3週続けて追い切りに騎乗した成果でしょう。もちろん、馬も強いんですけど、
今日はノリの勝ちと言いたい。鞍上が能力をフルに引き出した完勝でした。
馬のほうも成長を感じました。今回のレース運びは母父メジロマックインを彷彿させました。
サラブレッドとして完成期を迎えたようです。ただ、今後の目標となると難しい。
秋の天皇賞、ジャパンCはこの馬の持ち味が出せる舞台とは思えない。
年末の有馬記念くらいしか思い浮かばない。それなら凱旋門賞へ行くしかないでしょう。
一次登録は済ませてあるんですから、ぜひ実現してほしいです。
本領を発揮したゴールドとは対照的にウインバリアシオン、ジェンティルドンナは力を出し切っていない、
どちらも状態に問題があるようには見えなかったですが。ウインは行きっぷりが悪くて
直線も差を詰めただけ、激戦だった春の天皇賞の疲れがあったのかも知れません。
ジェンティルドンナは折り合いを欠いた感じはなかったが、こういう馬場が向かないのかも。
やっぱり、左回りで直線の長い東京のようなコースが合うんだろう。
根本的に休み明けが良くないのかも。これまで勝ったのはローズSだけ、今年の京都記念も
6着に負けています。この2頭が能力を出し切れなかったのなら2、3着は何が来てもおかしくない。
カレンミロティックはG1では足りないと思っていたけど、スローの流れにうまく乗って2着に食い込んだ。
3着ヴェルシーナも含めて、この2頭の好走は展開によるところが大きい。
メイショウマンボは熱心な稽古を積んでいたけど見せ場なし、もう終わったのかも。
凡走した馬が多いのは調整が難しい、ということもある、6月末の離れ小島のようなG1だから、
最初からここに狙いを絞っている馬は少ない。このあたりも波乱の要因になっていると思います。
2013年6月23日(日) 3回阪神8日11R 第54回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 10 ゴールドシップ 牡4 58.0 内田博幸 2:13.2   35.2 500 -2 須貝尚介 2
2 4 ダノンバラード 牡5 58.0 川田将雅 2:13.8 3 1/2 36.2 484 -2 池江泰寿 5
3 11 ジェンティルドンナ 牝4 56.0 岩田康誠 2:13.8 クビ 35.9 470 前計不 石坂正 1
4 3 フェノーメノ 牡4 58.0 蛯名正義 2:13.9 1/2 35.8 496 0 戸田博文 3
5 6 トーセンラー 牡5 58.0 武豊 2:14.2 2 36.1 456 -4 藤原英昭 4

《レース内容》
結果的には3強じゃなくて1強だったことをゴールドシップが誇示した感じだけど・・・
当日の雨が大きく明暗を分けましたね。
近10年で2分13秒以上かかったのが3度あり、2回が稍重で1回は重馬場。
今年は良発表だったけど、どう見ても良馬場ではなかった。
予想段階では良馬場に回復して2分10秒台の決着と考えてましたから・・・
ゴールしてみて、ここまでかかる馬場だったんだ、と驚かされました。
この時計で決着したことがゴールドシップの1番の勝因とも言えるけど、
積極的に出して行って好位で運んだことも間違いなく勝因のひとつ。
付きっ切りで稽古をつけたことが実が結んだようです。それと、どう考えても
ステイヤーではなく中距離血統。この距離も実は合ってたんじゃないでしょうか。
馬場、積極策、距離と3要素がうまくかみ合って確かに強かった。
直線で3強が並ぶシーンがあったけど、ラスト1ハロンでまざまざとパワーの違いを見せ付けた。
みんなが一番苦しいところから後続を3馬身半も離したんだから立派です。
ただ、秋のレースで早い決着になった時にどう判断すべきか、難しさが残ったままなのも事実だと思います。
負けた2頭は馬場の影響と擁護はできる内容だけど。仏G1凱旋門賞を予定している
ジェンティルドンナにとってまずい敗戦だった気がします。力の要する馬場で凱旋門賞の
絶好の練習になるような条件でしたから。ここでダノンバラードさえ捕らえ切れなかったのは
非常にまずいです。もっと逞しい馬と思っていましたが、考えていたほどの底力がなかったのかも。
ちょっとガッカリです。フェノーメノは中間の調教が素晴らしかったのに、最終追い切りがアレって感じだった。
このあたりと馬場の影響かな。ライバル2頭に先に行かれて外を回った時点でリズムが崩れた感じがします。
ただ、春の天皇賞であのパフォーマンスですから、良さそうに見えても絶好調ってわけでも
なかったんじゃないでしょうか。最後にオルフェーヴルが出走していたら・・・。
昨年も結構、掘れる馬場でしたから、確実に好勝負だったでしょう。
だから凱旋門賞で好走できたんです。やっぱりジェンティルドンナは心配です。


2012年6月24日(日) 3回阪神8日   11R 第53回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 11 オルフェーヴル 牡4 58.0 池添謙一 2:10.9   34.7 456 -4 池江泰寿 1
2 7 ルーラーシップ 牡5 58.0 C.ウィリアムズ 2:11.2 2 35.4 496 -2 角居勝彦 2
3 2 ショウナンマイティ 牡4 58.0 浜中俊 2:11.4 1 1/4 35.0 496 +2 梅田智之 6
4 1 ウインバリアシオン 牡4 58.0 岩田康誠 2:11.7 2 35.8 508 -4 松永昌博 3
5 4 マウントシャスタ 牡3 53.0 川田将雅 2:11.7 ハナ 35.9 450 -6 池江泰寿 12

《レース回顧》

結果から先に言えば、強いオルフェーヴルが戻ってきた。本当に強かった。
エンジンが全開になったときのスピードは皐月賞、ダービ−を思い出すものでした。
配当を考えると消えてほしい反面、ここで終わってもらっては困るという難しい存在ですが・・
競馬全体を考えると喜ばしい復活です。
ただし、今までとは別の馬として考えた方がいい面もある。

パドックの雰囲気はこぢんまりしていたし、うるさい面もなかった。
それでも結果が出たのだから年齢を重ねて大人になったと見るべきだ。
トモが寂しく見えましたし、デキそのものは完調手前だったと判断していいでしょう。
現状は変にギンギンしているよりもこれぐらいの気配の方が力を発揮できるようです。

それに復活をアシストした重要な要素が展開だ。
ネコパンチが飛ばしてくれたおかげでレース史上2位の2分10秒9の高速決着。
池添が引っ張るシーンもなく、ぴったり折り合って直線も真っ直ぐ伸びていた。

紛れのない流れで実力勝負になれば、そもそもが能力上位です。
鞍上が余計なことを考えないで済んだ事で、その力を存分に発揮できました。
問題はスローになった時、どう池添が対処するか?

2着のルーラーシップはオルフェを意識することなく早めに動いた。
あっさりと抜き去られたが、以前に比べて安定して力を出せるようになった点は評価できる。
流れに逆らわず能力を出し切るウィリアムズらしいレースは運びでした。
頼りなかった面はすっかり快勝されましたし、
今後も海外を含めて大舞台での活躍を期待していいでしょう。

ショウナンマイティはインで脚をためて直線勝負が功を奏した。
目下の充実ぶりをアピールする3着だ。
浜中くんはうまく乗っていました。ただスケールの大きさとなると上位2頭とはまだ差がありそうです。

ウインバリアシオンは岩田に手が替わったが結局、今回もチョイ足らずで4着止まり。
この馬は一生、脇役から抜け出せないタイプだろう。
力を出し切ってもオルフェーヴルが走ってしまえばこのポジションが定位置です。
見方を変えればウインよりも強い馬を見つければ予想が当たることになります。

健闘が目立ったのは3歳馬のマウントシャスタ、
斤量の恩恵があったとはいえ、よく踏ん張った。
期待したエイシンフラシュは良く映ったが中身が伴っていなかったということか。
厳しい展開を考えるとマウントシャスタの頑張りは褒めていいですね。
今回の距離は不向きとみていただけに条件が替われば飛躍も期待できます。

2011年6月26日(日) 4回阪神4日     11R 第52回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 2 アーネストリー 牡6 58.0 佐藤哲三 2:10.1 レコード 35.1 534 -2 佐々木晶三 6
2 8 ブエナビスタ 牝5 56.0 岩田康誠 2:10.3 1 1/2 34.5 472 +12 松田博資 1
3 4 エイシンフラッシュ 牡4 58.0 安藤勝己 2:10.3 ハナ 34.7 494 +4 藤原英昭 3
4 9 ローズキングダム 牡4 58.0 C.ウィリアムズ 2:10.4 1/2 35.1 466 +2 橋口弘次郎 5
5 3 ルーラーシップ 牡4 58.0 横山典弘 2:11.0 3 1/2 35.3 498 +2 角居勝彦 2


《レース回顧》
戦前の読みは逃げ馬不在でスローの流れも想定されたが5ハロン通過は58.7秒
この速い流れが引き出した2.10.1秒のレコードが、明暗を分けるおおきな要因になった。

順番こそ入れ替わりましたが、掲示板に載った組はいずれも上位人気馬
このことが底力を要求する展開だったことを証明しています。

そのガチンコ勝負を制したのがアーネストリー、これまでの実績から直線平坦コースでこその
イメージがありましたが、叩き上げで力をつけてきた経歴はタップダンスシチーに被ります。
佐藤哲騎手と厩舎が一丸となって育てた点もまったく同じです。

レース内容こそ異なるが、ブエナビスタは2年連続で2着
プラス12キロがどう出るかが興味深かったが、結果が出た以上まだ成長していると見える。
持ち前の勝負根性と能力で時計勝負に対応したのだから。
どんな条件、どんな相手でも崩れない、今回も不向きな内回りで2着死守
完成した牝馬では体重変動も関係ありませんでした。

注目を集めた4歳勢は3着エイシンフラシュが最上位、着差以上に上位2頭とは力差を感じた。
3歳時に比べて堅実さが出た点は評価できるが、テン乗りながらインをうまく立ち回った
安藤勝は好プレーでした。
現状では力負けでしたが、自身も2.10.3秒で走破ですから悲観する内容ではない。

2番人気ルーラシップは5着。道悪の金鯱賞の反動なのか、それとも速い時計に対応できなかったのか
スタートをヨロっと出てしまうのが弱みで、SSの血が入っていない分
実はイメージほど瞬発力を持ち合わせていないのかも、
好位から早め押し切りが理想だったと思うが
さすがに今回は外を回ってのロングスパートで差し切れる相手ではありませんでした。

残念だったのはドリームジャーニー、ハードトレで作って来たが見せ場なし
陣営はこのまま引退させる意向のようです。
2010年 6月27日(日) 3回阪神4日     10R 第51回 宝塚記念(GI)
《レース結果》
1 17 ナカヤマフェスタ 牡4 58.0 柴田善臣 2:13.0   35.8 466 +2 二ノ宮敬宇 8
2 8 ブエナビスタ 牝4 56.0 横山典弘 2:13.1 1/2 36.3 460 +12 松田博資 1
3 2 アーネストリー 牡5 58.0 佐藤哲三 2:13.2 1/2 36.6 526 -6 佐々木晶三 3
4 18 ドリームジャーニー 牡6 58.0 池添謙一 2:13.3 1/2 35.9 428 -6 池江泰寿 4
5 3 ネヴァブション 牡7 58.0 後藤浩輝 2:13.5 1 36.4 482 +6 伊藤正徳 12



《レース内容》
宣言通りハナを切り、緩みなくレースを引っ張ったナムラクレセントに、直線入口、
余裕ある手ごたえで2番手からアーネストリーが並びかけていく。
その直後の内にいたブエナビスタもスパート、前の2頭の間を突いて伸びると、
やがてナムラクレセントを蹴落として、最後はアーネストリーとの叩き合いへと持ち込む。

さすがは現役最強牝馬、GI 初挑戦のアーネストリーをブエナビスタがねじ伏せた瞬間、
外からやって来たのがナカヤマフェスタだ。

レース前は盛んに苛立った仕草を見せ、ゲート入りも嫌がったナカヤマフェスタ。だが
「出てからは冷静に走ってくれた」と鞍上・柴田善臣騎手は振り返る。
ゆったりと中団の外を追走し、3〜4コーナーで少しずつ追い上げると、
直線では馬場の真ん中を弾ける。大外からドリームジャーニーも追い込んできたが、
それを上回る力強い末脚でブエナビスタを差し切って、ナカヤマフェスタはゴールへと飛び込んだ。

前日に不良まで悪化した馬場は稍重まで回復していたものの、それでもまだパワーを要する芝コンディション。
昨年、不良馬場の日本ダービーで強烈な追込みを見せたナカヤマフェスタが苦にするはずもない。
前走・メトロポリタンSを完勝、充実ぶりも示していた。
また、直前の長距離輸送が気の悪さを助長してしまうことを避けて、
陣営は早めにナカヤマフェスタを栗東トレーニング・センターへ送り込んで滞在調教を続けてきた。
その配慮が道中の落ち着きにつながったのだろう。

さまざまな要素が絡み合ってのGI 初制覇だった。