データーチェック
グレイソウリンの血を持つ馬(スタミナ寄りのサンデー系) *前走
近走でメンバー中2位以内の速い上がりを使っている馬 ・条件戦の馬は軽視・2000m以上
1番人気馬は勝ち切れないまでも軸としてはそれなりの信頼度 逃げ・先行馬は不振
穴ならハンデの軽い格上挑戦馬かオープン以上の実績がありながら人気のない馬 前走、着外からの変わり身に注意(重賞初制覇)
先行勢と後方組の組み合わせのパターン


2020年8月16日(日曜) 2回小倉2日第56回 農林水産省賞典 小倉記念
《レース結果》
1 枠3赤 3 アールスター 牡5 53.0 長岡 禎仁 1:57.5
2 枠4青 5 サトノガーネット 牝5 55.0 松山 弘平 1:57.7 1
3 枠3赤 4 アウトライアーズ 牡6 54.0 丸田 恭介 1:57.9 1 1/4
4 枠5黄 7 アメリカズカップ 牡6 55.0 和田 竜二 1:57.9 クビ
5 枠1白 1 ノーブルマーズ 牡7 56.0 高倉 稜 1:58.0 3/4

《レース内容》 10番人気のアールスターが直線でインを強襲し、
初の重賞奪取に成功。鞍上の長岡騎手もデビュー9年目で、うれしい重賞初制覇を飾った。
2着に6番人気サトノガーネット、3着に13番人気アウトライアーズが入り、
3連単137万4190円の大波乱となった。
勝機とみるや、内ラチ沿いのわずかな間隙に飛び込んだ。勝負のラスト1ハロン。
長岡騎手の懸命の右ムチに応え、アールスターが突き抜ける。格上挑戦ながら
2着に1馬身差をつける快勝で、人馬ともに初の重賞タイトルをつかみ取った。
「一番は、大きな舞台に乗せていただいた、オーナー、杉山先生、厩舎のスタッフの方々に
感謝の気持ちを伝えたかった。こういう形で恩返しができてホッとしています」
デビュー9年目で、重賞騎乗8度目の長岡騎手が感謝の思いを伝えた。好スタートを決め、
中団前めのインをキープ。各馬の出入りが激しくなった3コーナーでも、
じっと我慢した好判断が最後の伸びにつながった。
「いい位置で競馬ができましたし、道中もいい手応えでした。あとは、
僕が進路を探すだけで、馬もよく反応してくれました」
2017年4月の落馬負傷で腎臓破裂の大けがを負い、9月に復帰も騎乗数は減少。
12月のフリー転向を機に、18年に美浦から栗東に拠点を移した。
知人の紹介で朝一番は杉山晴厩舎の調教を手伝うようになり、築いた縁。アールスターも
レースでは初騎乗だったが、調教でまたがり「気持ちが後ろ向きになっていた。
そういう馬は悪さをしたり、逆らったりするので、そうならないよう、
コミュニケーションをしっかりとりました」と絆を深めてパートナーをVへと導いた。
今年のフェブラリーSでは、僚馬ケイティブレイブも長岡騎手とタッグを組み最低16番人気で2着。
起用に応える好騎乗に、杉山調教師は「関東から関西にくるハングリー精神がすさまじい。
レースでも内の厳しいところを突いたり、強い気持ちで乗ってくれます」と全幅の信頼を置く。
次走は未定だが、強固な絆で結ばれた新星が、芝中距離路線を盛り上げてくれそうだ。
2019年8月4日(日曜) 2回小倉4日 第55回 農林水産省賞典 小倉記念
《レース結果》
1 枠6緑 8 メールドグラース 牡4 57.5 川田 将雅 1:58.8
2 枠6緑 9 カデナ 牡5 56.0 北村 友一 1:58.8 クビ
3 枠5黄 6 ノーブルマーズ 牡6 56.0 高倉 稜 1:58.9 3/4
4 枠3赤 3 マルガイタニノフランケル 牡4 55.0 松若 風馬 1:58.9 ハナ
5 枠7橙 11 クリノヤマトノオー 牡5 55.0 和田 竜二 1:59.0 1/2

《レース内容》
川田騎乗で1番人気のメールドグラースが、大外から力強く差し切って重賞3連勝。
今後は未定ながら、今秋の大舞台に向けて弾みをつけた。
2着には6番人気のディープインパクト産駒カデナが入った。
猛烈な暑さの小倉で、実りの秋へ確かな手応えをつかんだ。
メールドグラースが大外から突き抜けて重賞3連勝。
額には大粒の汗が光っていたが、川田騎手の表情は涼しげだった。
「馬群が密集していたので(最後は)外に出すしかなかったですが、
ここまで4連勝中で馬が自信を持って走っていました。
楽な競馬ではなかったですが能力で勝てたレースだったと思います」
スタートのタイミングが合わず、道中は中団後方で構えた。
勝負どころからエンジンをふかして直線に向くと、鞍上のアクションに呼応してグングン加速。
トップハンデの57・5キロをものともせず、力でねじ伏せるように差し切った。
これで新潟大賞典、鳴尾記念に続いて芝2000メートルのGIIIで3連勝。
今年1月6日の1000万下(現2勝クラス)戦からの連勝を5に伸ばし、充実ぶりを見せつけた。
清水久調教師は「本当に強いですね。川田騎手が競馬を教えてくれて、しっかり動かしてくれています。
精神的にも、走ることだけに集中できるようになっていますね」と目を細めた。
今後は未定ながら、天皇賞・秋(10月27日、東京、GI、芝2000メートル)などの大舞台が視野に入る。
中距離路線は昨年の年度代表馬アーモンドアイなど強敵がひしめいているが、
そこに割って入れるだけの力をつけているのは間違いない。
「このまま無事に行ってくれれば、ということだけです。秋が楽しみですね」とトレーナーは笑顔で結んだ。
ディープインパクトの急死で、過渡期を迎える競馬界。新時代の主役を担うのは、この馬かもしれない。
2018年8月5日(日曜) 2回小倉4日11R 第54回 農林水産省賞典小倉記念
《レース結果》
1 枠8桃 11 トリオンフ せん4 57.0 武豊 1:56.9 レコード 33.5 532 +2 須貝尚介 1
2 枠7橙 10 サトノクロニクル 牡4 57.0 M.デムーロ 1:57.4 3 33.8 462 +4 池江泰寿 2
3 枠6緑 7 マルチマウントゴールド 牡5 54.0 浜中俊 1:57.4 クビ 34.0 452 +10 池江泰寿 5
4 枠2黒 2 マルチレイホーロマンス 牝5 51.0 北村友一 1:57.6 1 1/4 33.4 426 +6 橋田満 8
5 枠3赤 3 マルガイストーンウェア 牡6 54.0 蛯名正義 1:57.6 クビ 33.7 464 -6 吉田直弘 6

《レース内容》
武豊騎手騎乗の1番人気・トリオンフ(セ4、栗東・須貝尚厩舎)が優勝。勝ちタイムは1:56.9(良)。
2着には3馬身差で2番人気・サトノクロニクル(牡4、栗東・池江寿厩舎)
3着にはクビ差で5番人気・マウントゴールド(牡5、栗東・池江寿厩舎)が続いて入線した。
レースを引っ張ったのはマウントゴールドで、トリオンフはその直後でマーク。
2番人気のサトノクロニクルはトリオンフを射程圏に入れてレースを進める。
淀みのない流れで、逃げたマウントゴールド、3番手に上がったサトノクロニクルの鞍上が
激しく手綱を動かすのに対して、トリオンフは楽な手応えで直線に入り、
武豊騎手が気合を付けるとスッと後続を突き放してゴール。
従来のコースレコードを0.2秒更新した。
勝ったトリオンフは、2月の小倉大賞典に続いて2つ目の重賞も小倉での勝利。
前走の鳴尾記念でも高速馬場での高い適性を示していたが、
1頭だけ違う手応えで直線に入り、後続を置き去りにしてのレコード勝ち。
秋は大舞台での活躍に期待がかかる。なお、武豊騎手は小倉記念4勝目。
管理する須貝尚介調教師は騎手時代の1999年にアンブラスモアで勝っており、
騎手、調教師双方での勝利となった。
2017年8月6日(日) 2回小倉4日11R 第53回 農林水産省賞典小倉記念(GIII)
《レース結果》
1 18 ニホンピロレガーロ 牡7 56.0 酒井学 1:57.9   34.8 498 -8 服部利之 9
2 11 バトルバニヤン 牡6 57.0 和田竜二 1:57.9 ハナ 34.7 488 0 池江泰郎 4
3 1 スマートギア 牡5 57.0 武豊 1:58.2 1 3/4 34.4 460 +2 佐山優 1
4 3 ナリタクリスタル 牡4 55.0 幸英明 1:58.2 クビ 34.8 480 -2 木原一良 2
5 2 ステップシチー 牡6 52.0 川田将雅 1:58.3 クビ 35.1 494 -2 岡田稲男 13



《レース内容》
秋山真一郎騎手騎乗の4番人気・タツゴウゲキ(牡5、栗東・鮫島厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:57.6(良)。2着にはハナ差で2番人気・サンマルティン(セ5、美浦・国枝厩舎)、
3着には3馬身差で6番人気・フェルメッツァ(牡6、栗東・松永幹厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたストロングタイタン(牡4、栗東・池江寿厩舎)は8着に敗れた。
スタート後、各馬が様子を探り合う中、大外のバンドワゴンが敢然とハナを切る。
先団はひと塊で、タツゴウゲキは3番手のイン、ストロングタイタンはその外に付け、
サンマルティンは先団馬群の後方から少しずつポジションを上げていく。
残り600mを過ぎ、バンドワゴンの手応えが怪しくなると、
サンマルティンが外から一気に先頭に立って直線へ。
馬場の真ん中を堂々とサンマルティンが抜け出し、
戸崎圭太騎手のJRA全10重賞制覇が決まったかと思われたところ、
内からスルスルとタツゴウゲキが接近。最後は首の上げ下げになって
タツゴウゲキがハナ差交わしたところがゴールだった。
勝ったタツゴウゲキは、前走の七夕賞に続く格上挑戦、2度目の重賞挑戦で
通算4勝目が嬉しい重賞初勝利。このレースは手綱をとる予定だったM.デムーロ騎手が
7Rでの落馬負傷のため、急遽秋山真一郎騎手への乗り替わりとなったが、
道中ソツのないポジション取りから決め手勝負に持ち込んで、見事な代打ホームランを放った。
2016年8月7日(日) 2回小倉4日11R 第52回 農林水産省賞典小倉記念(GIII)
《レース結果》
1 3 3 クランモンタナ 牡7 54.0 和田竜二 2:00.0   36.0 480 -4 音無秀孝 11
2 5 5 ベルーフ 牡4 56.0 D.ホワイト 2:00.0 クビ 35.2 486 +2 池江泰寿 4
3 2 2 エキストラエンド 牡7 57.0 浜中俊 2:00.1 1/2 35.4 464 -6 角居勝彦 6
4 8 11 ダコール 牡8 58.0 小牧太 2:00.2 クビ 35.7 474 -2 中竹和也 1
5 5 6 マーティンボロ 牡7 57.0 藤岡佑介 2:00.2 クビ 35.9 452 +2 友道康夫 5

《レース内容》
和田竜二騎手騎乗の11番人気・クランモンタナ(牡7、栗東・音無厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:00.0(良)。2着にはクビ差で4番人気・ベルーフ(牡4、栗東・池江寿厩舎)、
3着には半馬身差で5番人気・エキストラエンド(牡7、栗東・角居厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたダコール(牡8、栗東・中竹厩舎)は4着に敗れた。
メイショウナルトが好スタートを決めてそのままハナへ。押してクランモンタナが2番手に付け、
ウインリバティ、テイエムイナズマが先団を形成する。サトノラーゼンは中団のインでじっくりと脚を溜め、
ダコールはそれをマーク。ベルーフ、アングライフェンは後方からレースを進める。
前半の1000mを過ぎたところでアングライフェンが一気に進出。
逃げるメイショウナルトに和田騎手のクランモンタナが激しくステッキを入れて詰め寄り、
外を上がってきたアングライフェンと並ぶように4コーナーを回ると、メイショウナルトが力尽きて後退。
代わって先頭に立ったクランモンタナにマーティンボロ、
ベルーフ、ダコール、エキストラエンドらが伸びてくるが、
鞍上のゲキに応えたクランモンタナが後続の追撃を抑え先頭でゴールした。
勝ったクランモンタナは、デビュー40戦目で嬉しい重賞初制覇。
兄に皐月賞馬キャプテントゥーレがいる良血で、早くから期待の大きかった馬だが、
オープン入りは5歳の夏。昇級初戦の新潟記念で2着と好走するも、
その後はオープン特別で3着が1度あったきりで、前走の鳴尾記念では13着と大敗していた。
この小倉記念は昨年後方から追い込んで僅差の4着と健闘。
今年はテン乗りの和田騎手が3コーナーから気合を入れ通しの
闘志溢れる騎乗で鮮やかな変わり身を見せた。
2015年8月9日(日) 2回小倉4日11R 第51回 農林水産省賞典小倉記念(GIII)
《レース結果》
1 8 15 アズマシャトル 牡4 56.0 松若風馬 1:58.0   35.6 508 +10 加用正 6
2 3 5 ベルーフ 牡3 54.0 Z.パートン 1:58.2 1 1/4 35.9 488 +16 池江泰寿 2
3 2 3 ウインプリメーラ 牝5 53.0 和田竜二 1:58.2 クビ 36.3 442 -2 大久保龍志 3
4 5 10 クランモンタナ 牡6 54.0 浜中俊 1:58.2 アタマ 35.5 480 +4 音無秀孝 8
5 3 6 マローブルー 牝4 51.0 川田将雅 1:58.3 クビ 36.2 454 0 堀宣行 1

《レース内容》
前半の1000メートル通過が57秒9で、後半が60秒1。
馬場もパンパンの良馬場ということで、差し、追い込み馬が台頭する流れになった。
勝ったアズマシャトルはハードな追い切りを消化して当日はプラス10キロ。
はまった感じもあるが、体調と展開がかみ合って見事に重賞初勝利を挙げた。
ハンデの56キロも決して恵まれたわけじゃありませんから。
4コーナーでもかなり外をブン回して差し切ったんですから立派。
秋につながる内容だったと思います。
着差も1馬身以上で完勝と言っていい。まだ4歳だから、これからステップアップも期待できそうだ。
2着にも若い3歳馬ベルーフが健闘しました。時計が足りないと思っていましたが、
やっぱり平坦巧者なんでしょう。近親にサッカーボーイ、ステイゴールドがいますし、
パートン騎手のちょっと強引なまくりもこの馬に合っていたと思います。
これも皐月賞12着以来で馬体重がプラス16キロ。
結果を出して成長した姿を見せたのだから見通しは明るい。
距離が延びても問題ないでしょうから、再びクラシック戦線に進みそうですね。
ウインプリメーラもソツのないレース運びだったが、結果的に少し仕掛けが早かった。
マローブルーは51キロが魅力で1番人気に支持されたが、ここに入るとパンチ不足だったようだ。
ハンデが軽過ぎると思いましたが、終わってみれば力負け。
ハンデキャッパーの評価が正しかったということでしょう。
メイショウナルトは先行したものの、直線はズブズブに。もうかつての勢いはない。
この時期のハンデ戦で若い馬同士の決着は珍しい。
収穫があったとすれば、やっぱり上位2頭の展望が大きく開けたことですね。
2014年8月10日(日) 2回小倉4日11R 第50回 農林水産省賞典小倉記念(GIII)
《レース結果》
1 6 9 サトノノブレス 牡4 57.0 和田竜二 1:59.8   35.3 510 +2 池江泰寿 3
2 8 13 マーティンボロ 牡5 56.0 藤岡佑介 2:00.1 1 3/4 35.3 446 0 友道康夫 6
3 1 1 メイショウナルト せん6 57.5 田辺裕信 2:00.4 1 3/4 36.4 448 0 武田博 2
4 6 10 ニューダイナスティ 牡5 55.0 浜中俊 2:00.5 1/2 35.8 474 -4 石坂正 4
5 7 11 ローゼンケーニッヒ 牡5 52.0 武幸四郎 2:01.0 3 35.9 464 0 橋口弘次郎 9

《レース回顧》凄い雨風の中のレースに。乗る方も走る方も大変だ。
メイショウカイドウカップが1:09.1だから、馬場差は1秒位は見ておいた方がいい馬場。
レースはスタートから少し押しながらメイショウナルトが主張。
タムロスカイが2番手。先頭集団の後ろにラストインパクト。
そこから少し離れた中段グループの先頭にサトノノブレス。
ペースは前後半で60.0-59.8。メイショウナルトは60.0-60.4。
メイショウナルトは最後止まってしまったが、ペース配分は悪くなかったと思う。
メイショウナルトが4コーナーで前走みたいに突き放そうとしていたものの、
そこで前走ほど突き放せない。馬場もあるだろうし、57.5キロの斤量、内側のコース。
昨年は1:57.1で走った馬だし、もっと高速決着にならないとこの馬の良さは出ない。
でもこの2戦はいい感じのレース振り。こういう馬が前にいると敵としては厄介なので、いい味出している。
4コーナーで2番手に取り付いたラストインパクト、その外にサトノノブレス、真後ろにマーティンボロ。
やはり小倉だし、あまり後ろからでは届かない。前に力のある馬がいるし、
必然的に仕掛けも全体的に早くなる。力がないと辛いレースになった。
最後は外目からサトノノブレス。その外からマーティンボロ。
2頭揃って上がり35.3。57キロ背負ってこの強さなので、
4歳馬のエースとはいかないものの、有力馬の1頭として秋は大きい所で戦って欲しい。
マーティンボロは昨年末からの安定感は本物だったと言うこと。
こっちは秋も福島とか中京で目立ちそうな感じだけど、
天皇賞秋と有馬記念は大丈夫。どちらを目標にするか?だろう。
ラストインパクトは、前半の進め方は理想通り進めていたと思うけど、直線で失速。
コース取りの差かもしれないが、メイショウナルトからも離されてしまっているので、そっちは言い訳できない。
もしかしたら少し休み明けは苦手かもしれない。
2ヶ月位開くと[1.0.0.3](一応きさらぎ賞も大体2ヶ月なので含む)。
ダコールは7着。力どおりだけど、良馬場の方がいいのについてない。
この馬は重賞を勝てる日が来るのか?
ニューダイナスティも力どおり走ってるが、勝つには爆発力不足。
展開などが余程向かないと、重賞を勝つには…という印象を受けた。

2013年8月4日(日) 2回小倉411R 第49回 農林水産省賞典小倉記念(GIII)

《レース結果》
1 3 4 メイショウナルト せん5 53.0 武豊 1:57.1 レコード 34.2 452 +4 武田博 3
2 4 6 ラブリーデイ 牡3 53.0 川田将雅 1:57.3 1 1/4 34.3 474 +4 池江泰寿 5
3 8 14 マイネルラクリマ 牡5 58.0 柴田大知 1:57.3 クビ 34.5 484 +6 上原博之 1
4 5 8 ダコール 牡5 56.0 丸田恭介 1:57.5 1 33.9 466 +2 中竹和也 4
5 4 7 マックスドリーム せん6 54.0 古川吉洋 1:57.8 1 3/4 34.5 522 -4 宮徹 6

《レース内容》
メイショウナルトは3走前に500万下を勝ったばかりとはいえ、
当時は5馬身差の圧勝。上がり馬の勢いそのままに
一気にG3を制してみせた。
去勢手術の前後は1000〜1200mに出走するほど気難しい面もありました。
今ではすっかり落ち着きが出てきましたね。
今回も堂々とレースに参加していました。
その落ち着きがあるからこそ武豊の手綱さばきが生きた。
高速馬場を読んで道中はインの経済コースをキープ。
4角ではマイネラクリマの進出に合わせて早めにスパートを開始し
ここで築いたアドバンテージを最後まで押し切ってしまった。
小倉を知り尽くしているからこそできる芸当でしょう。
その腕と高速馬場が相まって1分57秒1のレコード決着になりました。
鞍上も合わせて04、05年小倉記念連覇のメイショウカイドウを砲没させます。
これで小倉は3勝目、ミユキカマダにさかのぼる一族は
平坦巧者だし、父系もアイリッシュダンス(父ハーツクライの母)
など平坦歓迎でしょうから。
1番人気に支持されたマイネラクリマは3着まで。
理想は重い馬場だけに、速い時計の決着は苦しかった。
それにサマー2000シリーズ全体見ると先に1勝した馬はどうしても
ハンデの面で厳しくなる。58キロを背負ったことを考慮すれば中身は誉めていいだろう。
マイル1分32秒7の持ち時計から馬場そのものは許容範囲だけにやはり斤量でしょう。
何より相手が小倉巧者過ぎた点が不運でした。
勝ったメイショウナルトと同じく2着ラブリーデイもハンデ53キロ。
とはいえダービーで0秒4差の7着に健闘した実績からも能力は確かだ。
稽古の動きが際立っていましたが、初の古馬相手での好走は立派ですね。
流れにきっちり乗れていたように距離2000m前後が合うのでしょう。
連覇がかかっていたエクスペディションは手応えほど伸びず、
追ってからフラフラでした。昨年のデキにはなかったのかも。
状態は前走の七夕賞7着よりは上だと思います。
ただ雨が降ったり稍重のコンディションは合いません。
それに今日の主戦浜中君も10戦未勝利と元気がありませんでした。
2012年8月5日(日) 2回小倉4日11R 第48回 農林水産省賞典小倉記念(GIII)
《レース結果》
1 10 エクスペディション 牡5 55.0 浜中俊 1:57.3   34.5 450 -2 石坂正 3
2 5 トーセンラー 牡4 57.0 川田将雅 1:57.7 2 1/2 34.8 442 +6 藤原英昭 1
3 11 ナリタクリスタル 牡6 58.0 武豊 1:57.8 3/4 34.5 480 -4 木原一良 9
4 4 ダノンバラード 牡4 57.0 小牧太 1:58.0 1 1/2 34.9 474 0 池江泰寿 2
5 12 ゲシュタルト 牡5 57.0 中井裕二 1:58.1 1/2 34.9 508 -8 長浜博之 8

《レース回顧》
エクスペディションがあっさり抜け出して見事に初重賞制覇をした。
それにしても強かった。
前走の七夕賞8着が案外でどうかと思っていたが、
自分で勝ちに出て最後は2着以下を2馬身半も引き離してしまった。

これで小倉芝コースは5勝目
馬場差もあるのだろうが、持ち時計を1秒も詰めたのだから立派です。
この馬の場合、夏の小倉がベスト
中央の重賞戦線で活躍できるかどうかは、
この秋のレースぶりを見てからになりそうだ。

トーセンラーは七夕賞に続いて2着、ポケットに入ってしまったこともありますが、
早めに上がって行けなかった。
このあたりは自力勝負に出た勝ち馬とは対照的です。
相変わらずエンジンの掛りが遅い、着差ほど力の差はあるとは思わないが
高速決着も厳しかったかな。
自力で動けないタイプだけに、小回りの小倉コースも合わないかもしれません。

もどかしいのはダノンバラードも同じ、今回も最後は伸びてきたけど
4着でも全然惜しいレースじゃなかった。
母がダートで活躍したレディバラード父はディープインパクトですけど
思ったよりスパッとした脚はないのかもしれませんね。

ナリタクリスタルも最後方から差を詰めただけ。ゲシュタルトも毎回ここらが定位置です。
ハンデ戦の割りに順当な結果でしたけど4歳馬がいまひとつ、内容的には物足りなかった。
2011年7月31日(日) 4回小倉2日     11R 第47回 農林水産省賞典 小倉記念(GIII)
《レース結果》
1 17 イタリアンレッド 牝5 55.0 浜中俊 1:57.3 レコード 35.7 478 +4 石坂正 4
2 9 キタサンアミーゴ 牡5 55.0 熊沢重文 1:57.6 1 3/4 35.8 450 +8 松田博資 15
3 6 リクエストソング 牡5 55.0 和田竜二 1:57.7 1/2 36.6 490 -4 石坂正 8
4 4 ヤマニンキングリー 牡6 56.0 石橋守 1:57.7 クビ 36.4 490 -4 河内洋 5
5 18 エーシンジーライン 牡6 55.0 太宰啓介 1:57.8 1/2 36.8 490 +4 坂口正則 13



《レース回顧》
1〜4着がレコードタイムで5〜9着がタイレコード
いかにパンパンの高速馬場だったかということだけど
イタリンアンレッドは中団から抜け出すタイミングが絶妙でした。

夏は牝馬って前走から3キロ増の55キロは牡馬でいう57キロですから
勝ち馬イタリンアンレッドの持ち時計が1.59.7秒なので
57.3秒で走られては何も言えません。
牝馬ながら大きく見えましたし、夏の小倉に限れば全勝です。

2着キタサンアミーゴについては、この時計で走っているのだからフロックではない。
数あるハンデ戦でも1番難しいのが小倉記念、
その伝統をキタサンアミーゴが・・・皆それぞれ伏兵を探しましたが
いくらなんでも57秒台で走るとは考えにくかった。

3着リクエストソングは調教で動いていた通り奮闘した。
前、前で押し切ろうという競馬ぶりっが復調を表しています。
少し不器用なところがありますが、位置取りは成功しました。

アドマイヤメジャーは位置取りが悪すぎました。
仕方のない結果です。

ナリタクリスタルは以前から指摘されていた高速馬場が不向き
良い脚を長く使える一方で一瞬の切れ味勝負は苦手です。
2010年8月1日(日) 1回小倉6日          10R 第46回 農林水産省賞典 小倉記念(GIII)
《レース結果》
1 18 ニホンピロレガーロ 牡7 56.0 酒井学 1:57.9   34.8 498 -8 服部利之 9
2 11 バトルバニヤン 牡6 57.0 和田竜二 1:57.9 ハナ 34.7 488 0 池江泰郎 4
3 1 スマートギア 牡5 57.0 武豊 1:58.2 1 3/4 34.4 460 +2 佐山優 1
4 3 ナリタクリスタル 牡4 55.0 幸英明 1:58.2 クビ 34.8 480 -2 木原一良 2
5 2 ステップシチー 牡6 52.0 川田将雅 1:58.3 クビ 35.1 494 -2 岡田稲男 13



《レース内容》
左鎖骨骨折のため療養していた武豊騎手が4か月ぶりに復帰。
この小倉記念(GIII)では最内1番枠のスマートギアに騎乗し、早速1番人気に推された。
が、結果は3着。後方からよく追い込んだものの、
武騎手にとっての復帰即重賞勝利も、スマートギアにとっての重賞初制覇もならなかった。

レースの主役となったのは大外18番枠のニホンピロレガーロだ。

飛ばすオースミスパークを先頭に道中では縦長の隊列が作られたが、
3〜4コーナーでは後続がグっと押し上げていく。ここでもっとも力強い脚を見せたのが
ニホンピロレガーロとバトルバニヤンだ。ともに中団の外を追走していた両馬は、
並ぶように馬群の外を駆け上がり、直線に入っても叩き合いながら先頭へと躍り出る。
懸命の追い比べの末に2頭並んでのゴール。
わずかハナ差でニホンピロレガーロの1着となった。

勝ち時計1分57秒9は、コースレコードにコンマ1秒差という好タイム。
高速の決着を、鋭くパワフルな伸び脚と競り勝つ根性で制し、
7歳にして初めてつかんだ重賞タイトルである。