データーチェック
1番人気の複勝率は高い
内枠、先行馬が有利で差し馬は外枠だと届かない危険も
巻き返しを期待されて人気になるタイプは危ない
夏に使っている馬、条件戦を勝っている好調な馬
オークス直行組は不振
早い上がり34秒台前半の脚を使える差しタイプが合う


2020年10月18日(日曜) 4回京都4日 第25回 秋華賞
《レース結果》
1 枠7橙 13 デアリングタクト 牝3 55.0 松山 弘平 2:00.6
2 枠6緑 12 マジックキャッスル 牝3 55.0 大野 拓弥 2:00.8 1 1/4
3 枠4青 8 ソフトフルート 牝3 55.0 藤岡 康太 2:00.9 3/4
4 枠8桃 16 パラスアテナ 牝3 55.0 坂井 瑠星 2:00.9 ハナ
5 枠7橙 15 ミスニューヨーク 牝3 55.0 長岡 禎仁 2:01.5 3 1/2

《レース内容》
1番人気デアリングタクト(栗東・杉山晴紀厩舎、3歳)が中団追走から差し切り、
史上6頭目、無敗では史上初となる牝馬3冠を達成した。全5戦で手綱を取ってきた
松山弘平騎手(30)=栗東・フリー=は胸をなで下ろしつつ
「できれば、このまま無敗でいきたい」とパートナーとのさらなる快進撃を誓った。
空に人さし指を突き立てると、すぐさま、誇らしげに3本指を立てた。史上初となる、
無敗での牝馬3冠達成。デアリングタクトの全5戦をともに歩んできた松山騎手が喜びをかみしめた。
「ホッとした気持ちです。この馬に携われて、感謝の気持ちしかありません。
牝馬3冠を達成できてうれしかった。“史上初”の重圧もありましたが、馬を信じてやるだけでした」
道中は中団で進め、3〜4コーナーでスーッと先頭集団にとりついた。
直線を迎えるまでじっくりと構えていたこれまでと違い、自ら動く強気の競馬。
直線では馬場の真ん中から力強く脚を伸ばす。ラスト1ハロン付近で先頭に立つと、
2着以下を振り切って栄光のゴールへ飛び込んだ。史上6頭目、無敗では史上初の牝馬3冠の金字塔だ。
馬場から引き揚げる際には、ファンにガッツポーズ。秋晴れの淀が一瞬で華やいだ。
「拍手は届いていましたし、うれしかった。ファンあっての競馬ですし、早く日常が戻ってほしい」。
1週前から競馬場への観客の入場が再開され、春以降では初の有観客GI。
快挙を待ち望んでいたファンの目の前で偉業を成し遂げ、喜びは倍増した。
さらに直後の京都12Rも制し、初のJRA年間100勝も達成。
「すごい日。本当にうれしい日になりました」と白い歯をのぞかせた。デビュー12年目の30歳。
牝馬3冠ジョッキーの称号とともに、進化は止まらない。
競馬学校を卒業間近の2009年1月。同時期に厩務員課程に在籍していたのが、
デアリングタクト担当の池水助手だった。11年の時をへてつながった“同期生”の縁。
前哨戦を使わず直行となった今回も、松山騎手が密に連絡を取り、
4週連続で追い切りに騎乗して調整。池水助手は「学校で一緒だったぶん、
スムーズにコミュニケーションをとれたと思いますね」と感謝した。
次走は未定だが、今後は今週の菊花賞で無敗3冠を狙う同い年のコントレイルや
最強牝馬アーモンドアイなど、牡馬や年長馬の強敵との戦いが待っている。
それでも、松山騎手のパートナーへの信頼は揺るがない。
「強い馬はたくさんいますが、ひけを取らないと思います。ここまで無敗で来ていますし、
できれば、このまま無敗でいきたい」。世代最強牝馬から、
現役最強馬へ−。若き牝馬3冠ジョッキーは、これからも大胆なタクトをふるう。 
2019年10月13日(日曜) 4回京都4日第24回 秋華賞
《レース結果》
1 枠3赤 5 クロノジェネシス 牝3 55.0 北村 友一 1:59.9
2 枠4青 8 カレンブーケドール 牝3 55.0 津村 明秀 2:00.2 2
3 枠7橙 14 シゲルピンクダイヤ 牝3 55.0 和田 竜二 2:00.4 1 1/2
4 枠5黄 9 シャドウディーヴァ 牝3 55.0 松山 弘平 2:00.5 1/2
5 枠4青 7 ビーチサンバ 牝3 55.0 福永 祐一 2:00.5 クビ

《レース内容》
4番人気のクロノジェネシスが好位から抜け出してGI初制覇。春の2冠はともに
3着に敗れたが、雪辱を果たした。管理する斉藤崇史調教師もJRA・GI初勝利となった。
このあとはエリザベス女王杯(11月10日、京都、GI、芝2200メートル)に向かう。
「シャーッ!」。検量室前でクロノジェネシスの馬上から降りると、北村友騎手が
両手を突き上げて感情を爆発させた。牝馬3冠路線をともに歩んできたパートナーが、
最後の1冠で悲願のGI初制覇。鞍上は喜びを押さえながら振り返った。
「理想的なポジションで来られました。4コーナーでは、いつでも抜け出せる手応え。
自信を持って追い出しました」 少し押して、人気のダノンファンタジーを見ながら
好位の内を追走。脚をため込み、直線入り口で外に持ち出されると、エンジンを一気に吹かす。
前の人気馬をかわし、逃げ粘るビーチサンバを残り150メートルで捕らえきり、
カレンブーケドールの追撃も余裕を持って封じた。初代秋華賞馬ファビラスラフインの
1996年以来に芦毛が先頭でゴールを駆け抜けた。
デビューから7戦全て手綱を取り、GIの阪神JF2着、桜花賞、オークスはともに3着。
能力を肌で感じながら、もどかしい結果に悔しさが募った。「ここで絶対に勝つんだ、
という気持ちでした。ずっと乗せていただき、ようやく結果を出せて、
本当に“うれしい”のひと言」。あふれる思いが、雄叫びに表れた。
「抜けてくる脚が良かったですし、残り1ハロンで勝てるかな、と。
うれしかったのと、ホッとしたのと両方ですね」
開業4年目の斉藤崇調教師は静かに喜びをかみしめた。今年のクイーンCでの
重賞初制覇と同じく、クロノジェネシスでGI初制覇。松永幹厩舎で調教助手だった09年には、
担当のレッドディザイアで秋華賞を制した。「あの馬がいなかったら今の僕はいません。
同じ(5)番。縁ですね」。史上4頭目のオークスからの直行Vにも
「昨年(アーモンドアイ)勝った馬がいますから。
ノーザンファームさんときっちりやってきました」と仕上がりに胸を張った。
この後はエリザベス女王杯を予定。「自分にとっても、クロノジェネシスにとっても、
斉藤先生にとっても、大きな1勝。これを励みに、また頑張りたい」と
北村友騎手は意気込む。クロノジェネシスが、古馬牝馬界統一へ力強く駆け出した。 
2018年10月14日(日曜) 4回京都5日11R 第23回 秋華賞
《レース結果》
1 枠6緑 11 アーモンドアイ 牝3 55.0 C.ルメール 1:58.5 33.6 480 +14 国枝栄 1
2 枠7橙 13 ミッキーチャーム 牝3 55.0 川田将雅 1:58.7 1 1/2 35.4 452 +2 中内田充正 5
3 枠1白 2 カンタービレ 牝3 55.0 武豊 1:58.9 1 33.9 434 0 中竹和也 3
4 枠3赤 5 サラキア 牝3 55.0 池添謙一 1:59.0 3/4 34.6 442 -8 池添学 4
5 枠1白 1 ラテュロス 牝3 55.0 秋山真一郎 1:59.0 ハナ 34.9 418 0 高野友和 13

《レース内容》
C.ルメール騎手騎乗の1番人気・アーモンドアイ(牝3、美浦・国枝厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:58.5(良)。2着には1馬身半差で5番人気・ミッキーチャーム(牝3、栗東・中内田厩舎)、
3着には1馬身差で3番人気・カンタービレ(牝3、栗東・中竹厩舎)が続いて入線した。
3冠を目指すアーモンドアイはまずまずのスタート。
3連勝で勢いに乗るミッキーチャームが先手を主張に絶妙のペースでレースを引っ張る。
アーモンドアイは中団やや後ろをゆうゆうと追走。
カンタービレはその直後で終い勝負にかける。
逃げるミッキーチャームは後続との差を広げて直線へ。
アーモンドアイとは大きな差があったが、2冠を制した末脚はやはり規格外。
その差は一気に詰まり、並ぶ間もなく一気に交わし去って先頭。大歓声に包まれてゴールへ入った。
勝ったアーモンドアイは、デビュー6戦目の最短キャリアで史上5頭目となる牝馬3冠を達成。
春の桜花賞はシンザン記念から、このレースはオークスからぶっつけでの参戦という
異例の臨戦過程で文句なしの快勝。C.ルメール騎手は昨年のディアドラに続いて連覇を達成。
管理する国枝栄調教師は2010年にアパパネで牝馬3冠を達成しており、2度目の牝馬3冠トレーナーとなった。
2017年10月15日(日) 4回京都5日11R 第22回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 7 14 ディアドラ 牝3 55.0 C.ルメール 2:00.2   35.7 490 +12 橋田満 3
2 4 7 リスグラシュー 牝3 55.0 武豊 2:00.4 1 1/4 36.2 438 +2 矢作芳人 4
3 2 4 モズカッチャン 牝3 55.0 M.デムーロ 2:00.4 ハナ 36.6 478 -4 鮫島一歩 5
4 1 2 マル外ラビットラン 牝3 55.0 和田竜二 2:00.9 3 36.9 448 +4 角居勝彦 6
5 4 8 カワキタエンカ 牝3 55.0 北村友一 2:00.9 クビ 37.7 464 +2 浜田多実雄 8


《レース内容》
C.ルメール騎手騎乗の3番人気・ディアドラ(牝3、栗東・橋田厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:00.2(重)。
2着には1馬身1/4差で4番人気・リスグラシュー(牝3、栗東・矢作厩舎)、
3着にはハナ差で5番人気・モズカッチャン(牝3、栗東・鮫島厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたアエロリット(牝3、美浦・菊沢厩舎)は7着に敗れた。
レース史上初めて重馬場となった今年の秋華賞。まず先手を取ったのはカワキタエンカ。
人気のアエロリット、ファンディーナがそれに続き、速い流れを作る。
レーヌミノル、モズカッチャンは中団の前め、それを見るようにラビットラン。
リスグラシューは中団やや後ろで、ディアドラは後方4番手から徐々に進出を開始する。
3コーナーを回って馬群は凝縮。逃げるカワキタエンカをモズカッチャンが交わして先頭で直線へ。
すぐ内にアエロリットもいたが伸び脚はひと息。外からリスグラシュー、更に外からディアドラが迫り、
3頭の争いとなるが、脚色に勝るディアドラが桜花賞2着のリスグラシュー、
オークス2着のモズカッチャンを捕らえてトップでゴールに飛び込んだ。
勝ったディアドラは、メンバー最多の4勝、最多タイのキャリア13戦でこのレースに臨み、
嬉しいG1初制覇。春のオークスは中1週の厳しいローテーションで3着だった
アドマイヤミヤビにアタマ差の4着。その後、HTB賞をクビ差、紫苑Sをハナ差の接戦で制し、
ここも抜群の勝負根性で差し切った。管理する橋田満調教師は秋華賞3度目の挑戦で初勝利。
過去2度の挑戦が3、2着で、まさに3度目の正直となった。
2016年10月16日(日) 4回京都5日11R 第21回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 4 7 ヴィブロス 牝3 55.0 福永祐一 1:58.6   33.4 414 0 友道康夫 3
2 2 3 パールコード 牝3 55.0 川田将雅 1:58.7 1/2 33.8 508 -10 中内田充正 4
3 7 15 カイザーバル 牝3 55.0 四位洋文 1:58.8 1/2 34.1 470 0 角居勝彦 8
4 1 2 ジュエラー 牝3 55.0 M.デムーロ 1:58.8 クビ 33.5 502 -2 藤岡健一 2
5 3 5 レッドアヴァンセ 牝3 55.0 武豊 1:59.1 1 3/4 33.7 452 0 音無秀孝 5

《レース内容》
福永祐一騎手騎乗の3番人気・ヴィブロス(牝3、栗東・友道厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:58.6(良)。2着には半馬身差で4番人気・パールコード(牝3、栗東・中内田厩舎)、
3着には半馬身差で8番人気・カイザーバル(牝3、栗東・角居厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたビッシュ(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)は10着に敗れた。
ローズS同様、クロコスミアが逃げ、ネオヴェルザンディ、ウインファビラス、ダイワドレッサー、
掛かり気味にカイザーバルも前のポジションを取る。ヴィブロスはちょうど中団。
その後ろにレッドアヴァンセ、ジュエラー、ミエノサクシード、そしてビッシュが脚を溜める。
やや縦長の馬群は小回りの3〜4コーナーを回るとギュッと凝縮。
クロコスミアが先頭をキープして直線に入る。
内でクロコスミアが粘るところをカイザーバル、パールコードがグイグイ差を詰める。
ジュエラーも内に進路をとって前に接近。外からヴィブロスも伸びて5頭の争いとなるが、
勢い勝ったヴィブロスがパールコードを半馬身交わしてトップでゴール。嬉しいG1初勝利を挙げた。
勝ったヴィブロスは、ヴィクトリアM2連覇を果たしたヴィルシーナの妹。
夏の中京で2勝目を挙げ、紫苑Sでは大きな不利を受けながら直線盛り返して2着に入り
秋華賞の出走権を確保。本番ではビッシュ、ジュエラーに次ぐ3番人気に支持され、
それらを上回る末脚でG1初制覇。牝馬3冠全て2着に泣いた姉ヴィルシーナの無念を晴らした。
2015年10月18日(日) 4回京都5日11R 第20回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 8 18 ミッキークイーン 牝3 55.0 浜中俊 1:56.9   34.6 434 -4 池江泰寿 1
2 5 9 クイーンズリング 牝3 55.0 M.デムーロ 1:56.9 クビ 34.1 458 +8 吉村圭司 5
3 3 6 マキシマムドパリ 牝3 55.0 幸英明 1:57.1 1 1/4 35.0 460 -6 松元茂樹 8
4 6 12 アンドリエッテ 牝3 55.0 川田将雅 1:57.2 クビ 34.7 448 -2 牧田和弥 7
5 8 17 アースライズ 牝3 55.0 川須栄彦 1:57.2 アタマ 34.4 448 +4 矢作芳人 16

《レース内容》
秋華賞レコードの1分56秒9でミッキークイーンが2冠を達成。ローズS2着から見事な巻き返しだ。
1000メートル通過が57秒4と超のつくハイペースになったことで
折り合いに注文がつかない流れ。大外枠はかえって良かったのでしょう。
浜中は意識的に前半でポジションを取りに行く自信を持った騎乗だった。
最後はクイーンズリングにクビ差まで迫られたが、レースの中身は明らかに違う。
春先は体重を減らして馬体の維持に苦労しました。もうひと回り成長する余地があります。
時計だけでジェンティルドンナやブエナビスタと比べるにはまだ早いですが、
歴代の名牝に肩を並べる可能性は十分にあるでしょう。
浜中が勝利インタビューで「馬にかわいそうなことをした」と言ったのもそれだろう。
これだけ走ってしまうと反動が怖い。同世代ながら2000メートル以上の距離で
強さを発揮できるのは地力の証し。古馬路線に入っても好勝負できると考えている。
ローズSでミッキーを黙らせたタッチングスピーチは6着。
この流れでも4角最後方ではさすがに届きません。
4角で外に振られたし、ミッキーとはレースセンスの差が出てしまった。
この一戦だけで力負けとは思えない。
復帰後の2戦がいずれも直線勝負なので急に作戦を変えるわけにもいきません。
馬はすごく良く見えたので、持ち味を生かせる外回りでもうひと勝負してほしいものです。
間隙を突いて2着に押し上げたのがクイーンズリング。
トライアルを見て距離が持たないと軽視してしまったが、この日のM・デムーロは追えば馬が伸びた。
気配はそこまで一変したとは感じられませんでした。底力が生きる流れになったのが味方したのでしょうか。
4着アンドリエッテもローズS(6着)で大きくは負けていません。西のトライアルの質が高かったということでしょう。
3着マキシマムドパリは18キロ減だったフローラS(3着)を見て「走るな」と高く評価していた。
前潰れの展開で好位から唯一、踏ん張ったのは立派だ。
レッツゴードンキは道中で行きたがりましたが、敗因は明らかに距離。
桜花賞のレーティングがジェンティルドンナやブエナビスタと同じ120ポンドというのは高過ぎます。
着差だけでは測れません。トーセンビクトリーはローズSの時も指摘したが、
まだ緩さが残る体つき。GIで戦うにはもうワンランクのアップが欲しい。
ズバぬけたセンスを発揮するのは体が完成するこれからだ。
桜花賞で世代レベルを疑問視しましたが、総じて今年は例年以上のレベルでした。
ミッキー以下、まだ上に進める好素材。古馬に交じっても好勝負してくれるでしょう。
ミッキーが桜花賞に出走していれば…と言うのはご法度。今後、GI勝ちを積み上げる活躍を期待しよう。
2014年10月19日(日) 4回京都5日11R 第19回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 3 6 ショウナンパンドラ 牝3 55.0 浜中俊 1:57.0   34.3 440 0 高野友和 3
2 2 4 ヌーヴォレコルト 牝3 55.0 岩田康誠 1:57.0 クビ 34.0 448 +10 斎藤誠 1
3 6 12 タガノエトワール 牝3 55.0 小牧太 1:57.2 1 1/4 34.4 442 +2 松田博資 4
4 1 1 ブランネージュ 牝3 55.0 秋山真一郎 1:57.2 クビ 34.7 462 0 藤岡健一 5
5 7 14 サングレアル 牝3 55.0 戸崎圭太 1:57.4 1 1/2 33.9 404 -2 松田博資 9

《レース内容》もっとも速い時計が出やすい10月の京都とはいえ、
1分57秒0の秋華賞レコードが飛び出した。
ファビラスラフインの持っていた最高タイム1分58秒1を、一気に1秒以上も塗り替えてみせた。
果敢に飛ばしてレースを盛り上げた伏兵グループも、
持てる能力全開となって1分57秒台前半で乗り切った上位陣も、中身の濃い秋華賞だった。
勝ったショウナンパンドラは、春のクラシックにはもう一歩のところで出走できなかったものの、
夏を過ぎて急速にパワーアップ。飛ばす先行集団からちょっと離れた中団で、
直後にタガノエトワール、ヌーヴォレコルトがいる展開。
レース前半から理想のポジションにいたのが、上位3着までを占めることになった気の3頭だった。
直線をロスなく乗り切るために迷わず内を狙ったのが、浜中俊騎手のショウナンパンドラ。
あくまでレースの流れや、先行集団のバラけ方による結果ではあるが、
ショウナンパンドラの浜中俊騎手のファインプレーは、有力馬のなかでもっとも前に位置していたこと。
自分でインを衝く作戦が可能だった果敢な挑戦者である。
ヌーヴォレコルトは外に回って一完歩ごとに内から抜け出したショウナンパンドラを追い詰め、クビ差、
オークスにつづく2冠を逃がしてしまった。同タイムの1分57秒0。
上がり3ハロンは勝ち馬を0秒3上回る34秒0だった。
前回のローズSとは前半1000m通過が約2秒も速い流れを読んで、
負担なく追走できる中団に位置した岩田康誠騎手の騎乗も、100点満点だったと思える。
競馬には勝ち馬と、2着馬が生じる必然があり、その違いは、ほんの小さな「運の味方」だけ。
ハープスター、ショウナンパンドラと1冠ずつを分け合うことにより、
素晴らしい世代であることを十分に示す主役となっているのだから、
ヌーヴォレコルトは、今回はたまたま2着でも決して敗者ではない。
寸前でヌーヴォレコルトに交わされて3着にとどまった3着タガノエトワールは、
桜花賞が終了してから5月にデビューし、前回のローズS2着は未勝利を勝ち上がった直後の1戦であり、
ここが5戦目であることを考えると、あと半年もすると、ショウナンパンドラや、
ヌーヴォレコルト、そしてハープスターとビッグレースを争う4歳牝馬に育っていること必至である。
4着ブランネージュの上がり3ハロンは、先着を許した上位の3頭よりずっと遅い34秒7。
しかし、これはみんな失速に追い込まれたハイペースの先行集団8頭の中で、
この馬だけが失速しなかった数字でもある。
4コーナーでうまく前をさばくことができたなら、もっと差はなかったかもしれない。
2番人気のレッドリヴェールは、0秒6差の6着にとどまったが、
スタートが決まらず後方に位置する展開になり、決してスムーズな追走ではなかったことを考えるなら、
凡走という敗戦ではない。自身、1分57秒6である。
今回は、春の桜花賞2着時と同じ418キロの馬体重。
今回の418キロは巻き返しをはかったギリギリの仕上げであり、あまりムリをできないのが弱みだろう。。
2013年10月13日(日) 4回京都4日11R 第18回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 16 メイショウマンボ 牝3 55.0 武幸四郎 1:58.6   34.2 488 +2 飯田明弘 3
2 1 スマートレイアー 牝3 55.0 武豊 1:58.8 1 1/4 34.0 466 +4 大久保龍志 2
3 13 リラコサージュ 牝3 55.0 池添謙一 1:58.8 アタマ 34.1 414 -12 藤原英昭 15
4 14 デニムアンドルビー 牝3 55.0 内田博幸 1:58.8 ハナ 34.3 442 -4 角居勝彦 1
5 11 リボントリコロール 牝3 55.0 横山典弘 1:58.9 1/2 33.8 444 0 菊沢隆徳 12

《レース内容》
レースは内枠から好スタートを決めたセキショウが紫苑Sと同じくハナを窺うも、
逃げ宣言をしていたビーナストリックが押してハナを叩き、1000m通過が
58.9と秋華賞らしく淀みのない厳しい流れに。前はバラバラとなり、
中団以降はバラけてはいないものの縦に伸びる隊列。
1番人気デニムアンドルビー、2番人気スマートレイアーはスタートが遅く後方からで、
3番人気のメイショウマンボは中団の位置取り。4コーナーでデニムアンドルビーが早めに仕掛けると、
直線は激しい追い比べとなりラスト1Fでガラリと入れ替わる展開になりました。
デニムアンドルビーの仕掛けに押し込まれまいと抵抗したメイショウマンボが直線で力強く抜け出し、
オークス馬の貫禄を見せて二冠達成。ペースが流れて競馬もしやすかったでしょうし、
底力の要る展開で強い勝ちっぷりでしたね。
これで京都内回りコースは3戦3勝となり、絶好の相性を見せています。
血統的に坂がダメと言う事はなく、阪神でも東京でも勝っています。
ただ、阪神で勝ったのはやはり内回りコースで、本命にした桜花賞では惨敗、
ローズSでも4着に敗れていました。
やはり直線の短いコースでピュッと斬れる競馬が合っているのでしょう。
オークスは距離適性の差で勝ったと考えれば、有馬記念に出てきても面白そうな。
1番人気に支持されたデニムアンドルビーは、仕掛けたところでメイショウマンボを交わし切れず、
直線もなかなか追い付けずに4着。位置取りの差もあるでしょうけど、
スタートして内田Jが押しても出て行かなかったので、
これはもうこの馬の競馬をしたと言わざるを得ない感じ。
直線の長いコースで脚を使えば突き抜ける力は持っていると思いますけど。
そのデニムアンドルビーの仕掛けを後ろから付いていった
スマートレイアーが最後にちょこんと交わして2着。
スタートがあまり良くなかったですが、最内枠でしたしどの道下げていたでしょう。
デニムアンドルビーとの追い比べでは勝てないと思いましたが、
早めに動いてくれたので競馬もしやすく、長く脚を使う持ち味も生きました。
牡馬なら菊花賞で期待したくなるくらいの血統で、
外回りコースのエリザベス女王杯なら逆転の可能性もあるかも。
3着に差して来たリラコサージュはさすがにノーマークでした。前走のローズSは最下位に敗れており、
ブライアンズタイム×キングマンボと底力溢れる血統も、
全姉が短距離で活躍したレディルージュでしたからね。
道中は勝ったメイショウマンボの内におり、4コーナーでもジッと我慢して
直線ではメイショウマンボも後ろを付いて行き、最後は激戦の2着争いに加わるも惜しくも3着でした。
展開が向いたのが大きいでしょうけど、距離に目処が付いた感じはします。
5着にはやはり後方から上がり最速で追い込んできたリボントリコロールで、
掲示板は道中中団から後方にいた馬で占めました。とは言え、
ほぼ最後方から追い込んだ2着スマートレイアーと、
直線抜け出して粘った8着セキショウまで0.1秒差の大激戦でしたし、
やはり上位の馬は力があると言う事でしょう。癖のある馬が多そうですけどね。
2013年10月13日(日) 4回京都4日11R 第18回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 15 アパパネ 牝3 55.0 蛯名正義 1:58.4   34.1 490 -4 国枝栄 1
2 10 アニメイトバイオ 牝3 55.0 後藤浩輝 1:58.5 3/4 34.0 458 -6 牧光二 6
3 4 アプリコットフィズ 牝3 55.0 武豊 1:58.6 1/2 34.4 428 -4 小島太 2
4 17 ワイルドラズベリー 牝3 55.0 池添謙一 1:58.7 クビ 34.2 468 -6 中尾秀正 4
5 1 レディアルバローザ 牝3 55.0 幸英明 1:58.7 クビ 34.3 474 -12 池江泰郎 15

《レース内容》
レースは内枠から好スタートを決めたセキショウが紫苑Sと同じくハナを窺うも、
逃げ宣言をしていたビーナストリックが押してハナを叩き、
1000m通過が58.9と秋華賞らしく淀みのない厳しい流れに。
前はバラバラとなり、中団以降はバラけてはいないものの縦に伸びる隊列。
1番人気デニムアンドルビー、2番人気スマートレイアーはスタートが遅く後方からで、
3番人気のメイショウマンボは中団の位置取り。
4コーナーでデニムアンドルビーが早めに仕掛けると、
直線は激しい追い比べとなりラスト1Fでガラリと入れ替わる展開になりました。
デニムアンドルビーの仕掛けに押し込まれまいと抵抗したメイショウマンボが
直線で力強く抜け出し、オークス馬の貫禄を見せて二冠達成。
ペースが流れて競馬もしやすかったでしょうし、底力の要る展開で強い勝ちっぷりでしたね。
これで京都内回りコースは3戦3勝となり、絶好の相性を見せています。
血統的に坂がダメと言う事はなく、阪神でも東京でも勝っています。
ただ、阪神で勝ったのはやはり内回りコースで、本命にした桜花賞では惨敗、
ローズSでも4着に敗れていました。
やはり直線の短いコースでピュッと斬れる競馬が合っているのでしょう。
オークスは距離適性の差で勝ったと考えれば、エリザベスに出てきても面白そうな。
1番人気に支持されたデニムアンドルビーは、仕掛けたところで
メイショウマンボを交わし切れず、直線もなかなか追い付けずに4着。
位置取りの差もあるでしょうけど、スタートして内田Jが押しても出て行かなかったので、
これはもうこの馬の競馬をしたと言わざるを得ない感じ。
直線の長いコースで脚を使えば突き抜ける力は持っていると思いますけど。
そのデニムアンドルビーの仕掛けを後ろから付いていった
スマートレイアーが最後にちょこんと交わして2着。
スタートがあまり良くなかったですが、最内枠でしたしどの道下げていたでしょう。
デニムアンドルビーとの追い比べでは勝てないと思いましたが、
早めに動いてくれたので競馬もしやすく、長く脚を使う持ち味も生きました。
牡馬なら菊花賞で期待したくなるくらいの血統で、
外回りコースのエリザベス女王杯なら逆転の可能性もあるかも。
3着に差して来たリラコサージュはさすがにノーマークでした。
前走のローズSは最下位に敗れており、ブライアンズタイム×キングマンボと底力溢れる血統も、
全姉が短距離で活躍したレディルージュでしたからね。
道中は勝ったメイショウマンボの内におり、4コーナーでもジッと我慢して直線では
メイショウマンボも後ろを付いて行き、最後は激戦の2着争いに加わるも惜しくも3着でした。
展開が向いたのが大きいでしょうけど、距離に目処が付いた感じはします。
5着にはやはり後方から上がり最速で追い込んできたリボントリコロールで、
掲示板は道中中団から後方にいた馬で占めました。とは言え、
ほぼ最後方から追い込んだ2着スマートレイアーと、直線抜け出して粘った
8着セキショウまで0.1秒差の大激戦でしたし、やはり上位の馬は力があると言う事でしょう。
癖のある馬が多そうですけどね。
2013年10月13日(日) 4回京都4日11R 第18回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 15 アパパネ 牝3 55.0 蛯名正義 1:58.4   34.1 490 -4 国枝栄 1
2 10 アニメイトバイオ 牝3 55.0 後藤浩輝 1:58.5 3/4 34.0 458 -6 牧光二 6
3 4 アプリコットフィズ 牝3 55.0 武豊 1:58.6 1/2 34.4 428 -4 小島太 2
4 17 ワイルドラズベリー 牝3 55.0 池添謙一 1:58.7 クビ 34.2 468 -6 中尾秀正 4
5 1 レディアルバローザ 牝3 55.0 幸英明 1:58.7 クビ 34.3 474 -12 池江泰郎 15

《レース内容》
混戦と言われた3歳牝馬路線だけど、終わってみればメイショウマンボの
見事な勝ちっぷりが際立った。前後半5ハロンのラップ差が0秒8
紛れの生じにくい流れの中を正攻法できっちり勝ち切ったのだから大したものです。
オークスではタフな競馬を制し、今回は高速馬場でのスピード、瞬発力勝負を制した。
ここまでやれるとは驚かされた。オークスの時はチャカつき気味だったけど
今回は落ち着いていてすごく気配が良かった。
世代レベルうんぬんの話もあるけど、夏を挟んでのG1連勝は評価してもいいでしょう。
キャリアを考えると2着スマートレイアーの走りもなかなかのもの。
それほど切れるタイプではないので、スタートで行き脚がつかなかったのは痛かったでしょうが、
よく差を詰めてきました。初G1でこの内容なら先が楽しみです。
一方で1番人気のデニムアンドルビーはまさかの4着。
馬券圏内すら外してしまった。メイショウマンボに並びかけて勝ちに行ったけど
パンチ不足の内容。今回も道中の行きっぷりが悪かったですね。
流れ的にはハマりそうだったのですが・・・。正直、1.2着馬と比べるとスケールで見劣ったいう印象です。
3着の伏兵リラコサージュは小柄な馬体でよく上位に食い込みました。
決してフロックではないでしょう。りボントリコロール、シャトーブランシュも脚は見せたし
セキショウも大きくは負けていない。良血トーセンソレイユあたりも今後は注意が必要です。
体も大きく成長してます。上位馬はおおむね頑張った中、春の晩成勢力の
ローブティサージュ、エバーブロッサムは案外でした。
ローブは好不調の波が大きいタイプ、好調期間も不調期間も長いというか。
エバーは短期間で2度の関西遠征は少なからず不利な材料でしたね。
まあローブは成長力が物足りないしエバーもここまで崩れると立て直しに時間が必要だろう。
最後にこの世代の牝馬は勝ったメイショウマンボは誉めざるを得ないけど
今後、年長馬や牡馬との戦いになると・・・
ジェンティルドンナら近年の名牝たちと比べるのは少しかわいそうですかね。
2012年10月14日(日) 4回京都5日11R 第17回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 14 ジェンティルドンナ 牝3 55.0 岩田康誠 2:00.4   33.1 474 +2 石坂正 1
2 1 ヴィルシーナ 牝3 55.0 内田博幸 2:00.4 ハナ 33.9 450 0 友道康夫 2
3 2 アロマティコ 牝3 55.0 佐藤哲三 2:00.6 1 1/2 33.1 458 0 佐々木晶三 6
4 3 ブリッジクライム 牝3 55.0 大野拓弥 2:00.7 1/2 33.0 446 0 鈴木康弘 11
5 6 チェリーメドゥーサ 牝3 55.0 小牧太 2:00.7 ハナ 35.5 436 0 小西一男 15

《レース内容》
強い3冠牝馬が誕生した。ジェンティルドンナ正直、危なかったですね。
直線に向いたときはどうなる事かと思いました。
桜花賞が1/2馬身差、オークスが5馬身差、
今回こんなに差が詰ると思わなかった。
その要因を作ったのは内田騎手ヴァルシーナの巧みなレース運びと
岩田にかかった3冠のプレッシャーだろう。
ただジェンティルドンナはローズSで2番手からの競馬をしたことが
結果的に実を結んだ感じがする。
もっと前に位置しても良かったかと思いますが、
春のような位置取りだったら負けていたかもしれません。
ラスト3F地点で先頭からヴェルシーナが6〜7馬身差、
そこから4馬身ほど後ろにジェンティルドンナ。
ここから上がり33.9秒対33.1秒だったあたりに底力の違いが表れている。
3冠すべて2着のヴェルシーナも褒めてあげなければいけませんが、
辛勝でも器がやっぱり一枚違う勝ち方でした。
しかも、今回はさらに体付きが立派になっていました。
今後、どんなレースを使ってどんな走りを見せてくれるか本当に楽しみだ。
もちろんヴェルシーナにも牝馬戦線での期待がかけられるのだけど。
3着以下ではアロマティコ、夏を越して大きな成長を見せた1頭だ。
逆にアイムユアーズは3冠で3→4→6着とジリ貧の結果に終わった。
この馬の場合、どんな競馬でもできることが裏目に出ている感じ、
何か思い切った打開策を講じないと逆襲は厳しそうです。
加えてチェリーメドゥーサの小牧太に功労賞を贈りたい。
最近はこういう思い切った競馬で場内を沸かせる馬が少なくなってきてるから。
もう少し力があれば残れている展開でしたけど、この仕掛けがなかったら
5ハロン通過63秒くらいのひどい競馬に終わるところ、
3冠馬が生まれるレースを平凡なG1戦に終わらせなかった功労は大きい。
今後も続くG1シリーズでも面白い競馬、
かつ強者が強い競馬を見せてくれることを願うばかりです。
2011年10月16日(日) 5回京都4日  11R 第16回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 4 アヴェンチュラ 牝3 55.0 岩田康誠 1:58.2   34.9 482 -4 角居勝彦 2
2 1 キョウワジャンヌ 牝3 55.0 飯田祐史 1:58.4 1 1/4 34.8 468 -2 飯田明弘 7
3 12 ホエールキャプチャ 牝3 55.0 池添謙一 1:58.6 1 1/4 34.7 460 +2 田中清隆 1
4 13 アカンサス 牝3 55.0 横山典弘 1:58.7 1/2 34.2 436 +2 畠山吉宏 10
5 2 リヴァーレ 牝3 55.0 江田照男 1:58.7 クビ 34.8 454 -6 牧光二 12


《レース回顧》
アヴェンチェラが期待に応えて最後の一冠をモノにした。
逃げ馬こそ1000m通過が58.3秒でしたが、その直後にいた組は59秒5〜7
決して苦しいペースではありませんから、岩田騎手の正攻法の乗り方は大正解でした。

積極的に良い位置に付けて早めのスパートはこの馬の勝ちパターン
行ったもの勝ちの馬場も味方して堂々と押し切った。
デビューから6戦目でこの内容ですから立派。

もともと全兄妹にフサイチホウオー、トールポピーという良血馬ですが、
ここへきて素質が開花したという事でしょう。
春のクラシックは骨折で棒に振ったことも、
使い減りしなかったという点では良かったかも知れません。

2着にも夏場に力をつけたキョウワジャンヌが頑張った。
こちらも流れに乗って早めの競馬をしたのが正解でした、
新潟の1000万勝ちが強かったし、前走も中身がありました。

1番人気のホーエルキャプチャはオークスに続いて3着
レース運びに特にミスはなかったと思うが勝ち切れないのは運がないのか・・・
この馬も1分58秒台で走っているんですから力は出しています。

ただ桜花賞馬のマルセリーナ7着、オークス馬エリンコート10着、ピュアブリーゼ17着となると
春の実績馬は全体に成長が足りなかったと言えるかも知れません。

近年こそダイワスカレットやブエナビスタ、アパパネなど強い牝馬がいて
春の勢力図が秋もそのままというケースが目立ったが
昔はガラッと変わるケースも珍しくありませんでしたから。
マルセリーナに限っては距離的な面もあると思います。

紫苑S組はアカンサスが頑張りましたが、今年も本番には直結しませんでした。
期待したデルマドゥルガーも追い上げましたが6着止まり
前半の位置取りがちょっと後ろ過ぎました。
2010年 10月17日(日) 5回京都4日     11R 第15回 秋華賞(GI)
《レース結果》
1 15 アパパネ 牝3 55.0 蛯名正義 1:58.4   34.1 490 -4 国枝栄 1
2 10 アニメイトバイオ 牝3 55.0 後藤浩輝 1:58.5 3/4 34.0 458 -6 牧光二 6
3 4 アプリコットフィズ 牝3 55.0 武豊 1:58.6 1/2 34.4 428 -4 小島太 2
4 17 ワイルドラズベリー 牝3 55.0 池添謙一 1:58.7 クビ 34.2 468 -6 中尾秀正 4
5 1 レディアルバローザ 牝3 55.0 幸英明 1:58.7 クビ 34.3 474 -12 池江泰郎 15

《レース内容》
アパパネの独走にストップをかけようと、数多くのライバルが名乗りをあげていた。
アプリコットフィズは古馬相手のクイーンSを勝って成長をアピールし、
アニメイトバイオ、ワイルドラズベリー、エーシンリターンズはローズSでアパパネに先着。
オークスでアパパネと激闘を演じたサンテミリオンも、
チューリップ賞でアパパネに先着したショウリュウムーンもいた。だが、女王はこれらの挑戦を軽く退ける。

レースはアグネスワルツの逃げで進んだ。3コーナーに差しかかると後続が差を詰め始め、
一団となって4コーナー、そして直線へと向かう。好スタートから中団に控えたアパパネも、
ここで馬群の外を回って進出。直線では大外から先行勢に襲い掛かっていく。「この馬の力を信じていた」

鞍上・蛯名正義騎手の言葉通り、小細工のない正攻法の走り。力強く芝を蹴るアパパネは、
好位から抜け出そうとするアプリコットフィズ、最内を伸びたレディアルバローザを一瞬にして交わし去ると、
アニメイトバイオやワイルドラズベリーの猛追も完封して先頭でゴールを駆け抜ける。
次の瞬間、蛯名騎手の左手がスタンドに向かって突き上げられた。

1986年のメジロラモーヌ、2003年のスティルインラブに次いで、
史上3頭目となる三冠牝馬の誕生。阪神ジュベナイルフィリーズを含む“牝馬四冠”は史上初のことだ。
阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞は半馬身差、オークスは同着、
そして秋華賞は4分の3馬身差と大勝はないものの、確実に前を捉え、
後ろを封じ込め、しっかりと勝ち切ってしまう強さがアパパネにはある。

その「勝ち切る」という武器で、エリザベス女王杯での牝馬五冠に挑むのか、
あるいは牡馬を相手に別の栄冠を目指すのか。
いずれにせよこの馬の歩みは、新たな歴史を切り開いていくことになるはずである。