データーチェック
差しタイプの1番人気は不振
秋華賞からの巻き返しあり
府中牝馬組は大苦戦
京都大賞典組は好相性
3歳馬はクラシックで1.2番人気に推された馬
基本的には実力馬が走りやすいコースで人気馬が比較的強い


2020年11月15日(日曜) 5回阪神4日第45回 エリザベス女王杯
《レース結果》
1枠8桃 18 ラッキーライラック 牝5 56.0 C.ルメール 2:10.3
2枠7橙 13 サラキア 牝5 56.0 北村 友一 2:10.4 クビ
3枠6緑 11 ラヴズオンリーユー 牝4 56.0 M.デムーロ 2:10.4 クビ
4枠6緑 12 ウインマリリン 牝3 54.0 横山 武史 2:10.7 1 3/4
5枠4青 8 センテリュオ 牝5 56.0 戸崎 圭太 2:10.8 3/4

《レース内容》1番人気ラッキーライラックが早め先頭から押し切り、
クビ差で史上4頭目の連覇を達成した。阪神競馬場のGI3勝は史上最多。
初騎乗で導いたルメール騎手は、天皇賞・秋(アーモンドアイ)に続き
GI騎乗機会2連勝となった。2着は5番人気サラキア、3着は3番人気ラヴズオンリーユーだった。
淀から仁川に舞台が替わっても、幸運の花びらは華麗に舞った。ラッキーライラックが、
1番人気に応えて史上4頭目の連覇を達成。史上3度目となる『異なる競馬場での
同一GI連覇』へ、初騎乗で導いたルメール騎手が声を弾ませた。
「(18)番枠はきついかなと思っていたけど、いいレースができました。馬が冷静だったし、
いい脚を使ってくれました。早めに先頭に立ちましたが、強い馬ですから。よく頑張ってくれました」
18頭立ての大外枠。楽な条件ではなかったが、巧みな手綱さばきが光った。
差し脚質のノームコアが意表をつく逃げをみせても、ぴたりと折り合って中団後方を追走。
3コーナーで位置を上げると、先頭に立つほど抜群の手応えで4コーナーを回った。
ラスト1ハロン過ぎで完全に抜け出すと、サラキアの猛追をクビ差でしのいだ。
1番人気のVは2011年の英国馬スノーフェアリー以来、9年ぶり。“
1番人気は勝てない”ジンクスを打ち破り、今秋のGIでの1番人気5連勝を決めた。
天皇賞・秋(アーモンドアイ)に続くGI連勝を果たした鞍上は「(期待に応えるのが)僕の仕事ですね。
(ともに)1番人気ですし、ミスをしなければ勝つことができる」と涼しい顔。
初コンビだったが「隣で何度も競馬をしてよく観察していたので、ストロングポイントもウイークポイントも
分かっていた」と胸を張った。その上で「(同世代に)アーモンドアイがいなかったら、
レジェンドホースになっていたかもしれません」と最大級の評価。
この鋭い観察眼こそが、今年のGI6勝目という活躍の原動力となっている。
ライラックは阪神JF(阪神)、エリザベス女王杯(京都)、大阪杯(阪神)に続くGI4勝目。
阪神コースでのGI3勝はグレード制が導入された1984年以降では史上最多で、
「もともと能力を秘めていた馬ではありましたが『強くなったな』と改めて思いました」と松永幹調教師。
所属する(有)サンデーレーシングの規約で6歳3月末での引退が既定路線。同社の吉田俊介代表は
「馬の様子をみてですが、あと1回は使いたい。(中1週となる)ジャパンCはないですし、
有馬記念(12月27日、中山、GI、芝2500メートル)に行きたい」と引退への花道を描く。
馬名の由来は、幸運のシンボルである『五弁のライラックの花』。
暮れのグランプリで、有終の美を飾るGI“5”勝目へ…。現役最後となる花の舞いから、目が離せない。
2019年11月10日(日曜) 5回京都4日第44回 エリザベス女王杯
《レース結果》
1 枠1白 2 ラッキーライラック 牝4 56.0 C.スミヨン 2:14.1
2 枠3赤 6 クロコスミア 牝6 56.0 藤岡 佑介 2:14.3 1 1/4
3 枠6緑 11 ラヴズオンリーユー 牝3 54.0 M.デムーロ 2:14.3 クビ
4 枠6緑 12 センテリュオ 牝4 56.0 C.ルメール 2:14.4 クビ
5 枠4青 8 クロノジェネシス 牝3 54.0 北村 友一 2:14.4 クビ

《レース内容》
3番人気のラッキーライラックが直線で内から伸び、昨年のチューリップ賞(GII)以来となる
1年8カ月ぶりの復活Vを飾った。GIは、阪神JFに次ぐ2勝目。
クリストフ・スミヨン騎手(38)=ベルギー出身、フランス拠点=は、5年ぶりのJRAGI制覇。
クロコスミアが3年連続で2着、1番人気のラヴズオンリーユーは3着。
柔らかな日差しに包まれた淀のターフで、ラッキーライラックが鮮やかに復活した。
初コンビのスミヨン騎手の巧みなエスコートで、昨年のチューリップ賞以来、
1年8カ月ぶりとなるVで、2歳時の阪神JFに続くGI2勝目を飾った。
「ありがとうございます。騎乗する前から(ラッキーライラックが)オルフェーヴルの
子供ということに縁を感じていた。オルフェーヴルとはまったく違い、
おとなしくてびっくりしましたが、無念を晴らすことができました」とJRA・GI3勝目に笑顔を見せた。
クロコスミアが逃げて、道中は8番手のインで脚をためる。
直線の入り口では一瞬進路を迷ったが「運良く内が空いていた」と内を突いた。
2012、13年と凱旋門賞でオルフェーヴルに騎乗したが、ともに2着に敗れた。
特に12年は押し切るかと思われたが、ゴール手前で内ラチに大きくよれて失速し、クビ差で惜敗。
「そのときのことを思い出した」(同騎手)というが、今回は、メンバー最速の上がり3ハロン32秒8で
一気に突き抜けた。フランスで10回のリーディングを獲得し、凱旋門賞2勝の名手がまさに本領発揮だ。
「やっと勝てたという感じ。長かったですね。レースに関してはジョッキーに何もいっていませんし、
いうことない騎乗でした」と松永幹調教師はホッとした表情を見せる。
騎手時代の2000年にファレノプシスで制しているが、トレーナーに転じてからは初勝利。
当時と同じ〔1〕枠(2)番に「枠が決まったときに、いいなと思った。
ファレノプシスで勝ったときを思い出させてくれたし、いいイメージしかなかったですね」と続けた。
今後は未定で、近日中に滋賀県のノーザンファームしがらきに放牧に出される予定。
これまでマイルで全4勝だが、芝2200メートルで勝って幅が広がった。
「このくらいの距離でやれることが分かったし、力を出し切ればこういう勝ち方ができる。
次も期待したいですね」とトレーナー。エリザベス女王杯が3歳以上のレースになった1996年以降、
最優秀2歳牝馬の同レース制覇は98、99年に連覇したメジロドーベル以来で
20年ぶり2頭目。復活を遂げた女王が、さらなる高みを目指す。
2018年11月11日(日曜) 5回京都4日11R 第43回 エリザベス女王杯
《レース結果》
1 枠6緑 12 リスグラシュー 牝4 56.0 J.モレイラ 2:13.1 33.8 462 +2 矢作芳人 3
2 枠5黄 9 クロコスミア 牝5 56.0 岩田康誠 2:13.1 クビ 34.7 436 +4 西浦勝一 9
3 枠4青 7 モズカッチャン 牝4 56.0 M.デムーロ 2:13.6 3 34.7 490 +6 鮫島一歩 1
4 枠3赤 5 レッドジェノヴァ 牝4 56.0 池添謙一 2:13.6 クビ 34.5 492 +6 小島茂之 4
5 枠7橙 13 ノームコア 牝3 54.0 C.ルメール 2:13.7 クビ 34.9 466 +10 萩原清 2

《レース内容》
J.モレイラ騎手騎乗の3番人気・リスグラシュー(牝4、栗東・矢作厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:13.1(良)。2着にはクビ差で9番人気・クロコスミア(牝5、栗東・西浦厩舎)、
3着には3馬身差で1番人気・モズカッチャン(牝4、栗東・鮫島厩舎)が続いて入線した。
クロコスミアがマイペースでハナを切り、ミスパンテールが2番手。
ノームコアはやや行きたがる素振りで3番手の外、その後ろにモズカッチャン、
レッドジェノヴァ、カンタービレ、リスグラシューと人気どころが前めのポジションを固める。
ゆったりとした流れでやや縦長の隊列となり、3コーナーの下りでクロコスミアが後続を離して直線へ。
ノームコア、カンタービレと3歳馬がクロコスミアに襲いかかるが、
その外から脚色良くリスグラシューが強襲。残り50mで懸命に粘るクロコスミアを捕らえて先頭でゴール。
連覇を狙ったモズカッチャンも渋太く伸びてきたが3着までだった。
勝ったリスグラシューは、これまでG1で阪神JF、桜花賞、秋華賞、
ヴィクトリアマイルと4度の2着に泣いていたが、ここで悲願のG1初制覇。
そして鞍上のJ.モレイラ騎手も日本馬で海外G1を制しているが、
JRAのG1は初勝利。本日JRA通算100勝を挙げた『持っている男』が最高のパフォーマンスを見せ付けた。
2017年11月12日(日) 5回京都4日11R 第42回 エリザベス女王杯(GI)
《レース結果》
1 3 5 モズカッチャン 牝3 54.0 M.デムーロ 2:14.3   34.1 476 -2 鮫島一歩 5
2 2 4 クロコスミア 牝4 56.0 和田竜二 2:14.3 クビ 34.3 428 +4 西浦勝一 9
3 5 10 ミッキークイーン 牝5 56.0 浜中俊 2:14.3 アタマ 33.7 442 -6 池江泰寿 3
4 7 15 マキシマムドパリ 牝5 56.0 藤岡佑介 2:14.5 1 1/4 34.4 454 -2 松元茂樹 12
5 8 16 ヴィブロス 牝4 56.0 C.ルメール 2:14.6 3/4 34.3 436 +2 友道康夫 1

《レース内容》
M.デムーロ騎手騎乗の5番人気・モズカッチャン(牝3、栗東・鮫島厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:14.3(良)。2着にはクビ差で9番人気・クロコスミア(牝4、栗東・西浦厩舎)、
3着にはアタマ差で3番人気・ミッキークイーン(牝5、栗東・池江寿厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたヴィブロス(牝4、栗東・友道厩舎)は5着に敗れた。
最内のクインズミラーグロが好枠を利してハナへ。クロコスミアが2番手に続き、
マキシマムドパリ、ヴィブロスと外枠の2頭が好位を追走。
モズカッチャン、スマートレイアーはその後ろに付け、連覇を狙うクイーンズリングは中団。
それを見るようにミッキークイーン、リスグラシュー、ルージュバックが
やや後方に構え、ディアドラは後方2番手からの競馬。
ゆったりとした流れでレースは進み、番手追走のクロコスミアが先頭を奪って直線へ。
逃げ込みを図るクロコスミアにマキシマムドパリ、モズカッチャン、ヴィブロス、
更に大外からミッキークイーンも猛追。内ラチを懸命に粘るクロコスミアに
モズカッチャンが並びかけ、クビ差交わしたところが栄光のゴールとなった。
勝ったモズカッチャンは、重賞2勝目で、嬉しいG1初制覇。
管理する鮫島一歩調教師も、のべ62頭目のG1出走で初勝利となり、
オークス2着、秋華賞3着の悔しさを晴らしてみせた。
また、騎乗したM.デムーロ騎手は、このレース連覇達成で、今年5つ目のG1勝利となった。
2016年11月13日(日) 5回京都4日11R 第41回 エリザベス女王杯(GI)
《レース結果》
1 2 3 クイーンズリング 牝4 56.0 M.デムーロ 2:12.9   33.2 460 +10 吉村圭司 3
2 5 9 シングウィズジョイ 牝4 56.0 C.ルメール 2:12.9 クビ 33.7 474 0 友道康夫 12
3 1 1 ミッキークイーン 牝4 56.0 浜中俊 2:13.1 1 1/4 33.6 442 +10 池江泰寿 2
4 8 15 パールコード 牝3 54.0 川田将雅 2:13.2 3/4 34.0 504 -4 中内田充正 5
5 7 13 プリメラアスール 牝4 56.0 幸英明 2:13.4 1 1/4 34.6 500 +8 鈴木孝志 14


《レース内容》
M.デムーロ騎手騎乗の3番人気・クイーンズリング(牝4、栗東・吉村厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:12.9(良)。2着にはクビ差で12番人気・シングウィズジョイ(牝4、栗東・友道厩舎)
3着には1馬身1/4差で2番人気・ミッキークイーン(牝4、栗東・池江寿厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたマリアライト(牝5、美浦・久保田厩舎)は6着に敗れた。
格上挑戦のプリメラアスールがハナを切り、メイショウマンボが2番手。
パールコード、シングウィズジョイと続き、マリアライトとミッキークイーンは
並ぶように中団に付ける。クイーンズリングはその2頭の直後でジックリと脚を溜める。
淡々とした流れで各馬の位置取りに大きな変動もなく直線へ。
3番手にいたパールコードがいち早く抜け出し、インで脚を溜めていたシングウィズジョイも続く。
残り1ハロンでシングウィズジョイが抜け出し、そのまま押し切るかと思われたところで、
馬群を割って出て来たクイーンズリングが一完歩ずつ差を詰め、
クビ差抜け出したところがゴール。マンハッタンカフェ産駒のワンツーフィニッシュとなった。
勝ったクイーンズリングは、前走の府中牝馬Sに続く2連勝で、
重賞4勝目が悲願のG1初制覇。昨年は秋華賞2着からこのレースに
臨んで8着と敗れていたが、今年はゴールまで力強く伸び切ってビッグタイトルを手に入れた。
鞍上のM.デムーロ騎手は意外にもこれが京都競馬場でのG1初勝利。
管理する吉村圭司調教師にとっては、開業5年目で嬉しいG1初制覇となった。

2015年11月15日(日) 5回京都4日11R 第40回 エリザベス女王杯(GI)
《レース結果》
1 6 12 マリアライト 牝4 56.0 蛯名正義 2:14.9   34.7 430 -10 久保田貴士 6
2 8 18 ヌーヴォレコルト 牝4 56.0 岩田康誠 2:14.9 クビ 34.3 448 -2 斎藤誠 1
3 4 8 タッチングスピーチ 牝3 54.0 C.ルメール 2:14.9 ハナ 34.3 458 +2 石坂正 4
4 7 15 ルージュバック 牝3 54.0 戸崎圭太 2:15.0 1/2 34.2 452 +2 大竹正博 3
5 8 16 スマートレイアー 牝5 56.0 浜中俊 2:15.0 クビ 34.0 466 +2 大久保龍志 8

《レース内容》
ゆったりとした流れ、稍重の馬場もあって走破時計は2分14秒9と低調だった。
確かに数字的に物足りなさはありますが、馬場を考えると仕方ないですかね。
牝馬チャンピオン戦にふさわしい馬がきっちり上位に来たのだから、まずはよしとしましょう。
勝ったマリアライトはオールカマーで“面白い存在かな”って感じてけど
正直、ヌーヴォレコルトにはかなわないのではと思っていたけど、蛯名の好騎乗もあった。
直線に向いた時に一気に4〜5馬身ほどヌーヴォらを突き放した。
その貯金できっちりしのいだ結果だもんな。ただ、ジョッキーも言っていたが
「大事に使ってきた」ことで馬も力をつけてきたんだろう。
兄弟も安定して走っているし、立派な牝系です。ここを勝つにふさわしい馬とも言えますから。
もちろんクビ差2着に惜敗したヌーヴォレコルトも勝ちに等しい内容。
ただ、いかにもツキがない馬。大外枠で乗り方も難しかったですね。
ここまでほとんど崩れることなく走っているのだから立派です。
この時期、秋が深まるとどの路線も世代交代が進むものですが、
それを感じたのが3着タッチングスピーチと4着ルージュバックです。
タッチングは内回りから外回りに替わって一変した。
ゴール過ぎでは先頭に立ってましたからね。ローズS(1着)で見せた脚が
本物だと改めて証明しました。今後はミッキークイーンともいい勝負を続けていけるんじゃないですか。
ルージュバックは今回、いらないと思っていたけど、予想以上に頑張った。
レースでも流れやポジションを考えると厳しそうだったのに、やはり能力は高い。
ローテを考えるとたいしたものですね。ミッキー、タッチング、ルージュが
3歳世代を引っ張っていくのではないでしょうか。
上位4頭はそれなりに収穫があって評価できるが、問題は11着のラキシスだ。
今日は活気に欠けていました。それほどリズムも良くなかった印象です。
個人的には札幌記念→京都大賞典というローテの組み方も
「?」という感じだし、そのあたりが微妙に影響したのでしょうか…。
2014年11月16日(日) 5回京都4日11R 第39回 エリザベス女王杯(GI)
《レース結果》
1 1 1 ラキシス 牝4 56.0 川田将雅 2:12.3   33.4 458 +2 角居勝彦 3
2 3 5 ヌーヴォレコルト 牝3 54.0 岩田康誠 2:12.3 クビ 33.6 444 -4 斎藤誠 1
3 7 15 ディアデラマドレ 牝4 56.0 藤岡康太 2:12.5 1 1/4 33.1 450 +6 角居勝彦 6
4 1 2 フーラブライド 牝5 56.0 酒井学 2:12.6 クビ 33.4 484 -4 木原一良 10
5 2 3 キャトルフィーユ 牝5 56.0 C.ルメール 2:12.6 アタマ 33.8 470 0 角居勝彦 8

《レース内容》
まずは負けたとはいえヌーヴォレコルトは正攻法で立派なものです。
春のクラシックB@着。そこで終わることなく秋も大崩れなく走っていますからね。
さすがに疲れがあるんじゃないかと思いましたが、秋華賞では差し切れず
今度は差されてともにクビ差負け…運としか言いようがない。
それでも競馬が上手なのは最大の強みだ。今日もサッと好位につけて
上手に流れに乗れますからね。それにタフネスぶりも大きな武器です。
負けたのは残念だが、来年に向けては収穫ある内容だった。期待できるでしょう。
もちろん勝ったラキシスも評価しないといけない。スローの流れでも時計2分12秒3は例年レベル。
昨年2着馬だから地力上位だったということだ。川田の好騎乗とすべてがうまくはまったのはあるけど。
このくらいの距離をずっと使ってきて条件も合っていたのでしょう。
ヌーヴォをしっかりマークしたこと、今年は無理使いしていないことも生きました。
3着ディアデラマドレも同じ角居厩舎。一瞬突き抜けたかと思ったんですけどね。
上位2頭に比べると外を回った分もあるのでしょうが…。
最後の50メートルで止まってしまった。力をフルに出せるのはやはり2000メートルまでかな。
それにしても角居厩舎の仕上げはたいしたものです。
バリバリ乗っても馬体も増えていた。もう一頭のキャトルフィーユも5着だし、見事です。
3、4歳が1〜3着を占めました。来年に続いていきそうな結果と言っていいでしょう。
4着フーラブライド、5着キャトルも頑張った。内枠で内にこだわれた分が生きた感じだ。
ショウナンパンドラは6着。秋華賞とは逆に外に行った分もあるけど、
ディアデラにあっさりと突き放されたところを見るとまだ力不足かな。
2番人気で大きく崩れたメイショウマンボはどうなんでしょう、
位置取りとしては申し分なかったんですけど。以前のデキにないってことかな。スマートレイアーは
ディアデラやショウナンとほぼ同じ位置から伸び切れなかった。やはり距離が合わないのでしょう。
2013年11月10日(日) 5回京都4日11R 第38回 エリザベス女王杯(GI)
《レース結果》
1 2 3 メイショウマンボ 牝3 54.0 武幸四郎 2:16.6   34.1 488 0 飯田明弘 2
2 8 18 ラキシス 牝3 54.0 川田将雅 2:16.8 1 1/4 34.6 456 -4 角居勝彦 6
3 4 7 アロマティコ 牝4 56.0 三浦皇成 2:16.8 クビ 34.1 466 -2 佐々木晶三 5
4 8 17 トーセンアルニカ 牝3 54.0 池添謙一 2:17.1 1 3/4 34.7 438 0 木村哲也 13
5 7 14 デニムアンドルビー 牝3 54.0 内田博幸 2:17.1 アタマ 34.1 440 -2 角居勝彦 3

《レース内容》
レースは大方の予想通りにエディンが先手を奪い、重馬場もあってやはりスローペースに。
1番人気ヴィルシーナはスタート良かったものの控えて中団前目の位置取り、
その前に2番人気メイショウマンボが積極的に先行策、
3番人気デニムアンドルビーはスタート決めたもののいつも通り後方へ。
馬群固まったままゆったりと流れて、直線を向いてからの瞬発力勝負になりました。
中団外からじっくりと進めた二冠馬メイショウマンボが、直線で斬れ脚を発揮して抜け出し完勝。
これまでと違って積極的に前で競馬を進め、ゴチャついた4コーナーでも
上手く外へ出していて、直線では見ていて安心するくらいでしたね。
道悪もあってかロングスパート勝負にならず、直線の瞬発力勝負になったのが良かったです。
それも3・4コーナーで早めに動きたいヴィルシーナを内で閉じ込めたのが大きかったでしょう。
武幸四郎Jが勝利ジョッキーインタビューで「たまには自分の騎乗も褒めて欲しい」と言っていましたが、
実に完璧な好騎乗だったと思います。
一方、勝負所で動けなかったヴィルシーナは直線で斬れ負けして10着と惨敗。
元々スパッと斬れるタイプではないですし、もう少し前で競馬していればと思うのですが。
京都2200mや2400mは頭数が揃うとスローペースでも縦長の展開になりやすいのですが、
今回は道悪もあってか馬群が割と詰まっていました。
お陰で3・4コーナーではややゴチャつき、外を回す馬も仕掛けづらく、
結果的に瞬発力勝負になってしまいました。
この流れを上手く生かせたのが2着ラキシス、4着トーセンアルニカの3歳勢2頭。
2頭共格上挑戦でしたが、瞬発力勝負で勝ってきた馬だけに、今回の流れと時計はもってこいでしたね。
ラキシスは新馬戦が強い勝ち方で、年始のクラシック予想でもオークス、秋華賞で印を打っていたほど。
出世が遅れて大外枠のここは厳しいだろうと思っていましたけど
良い競馬を見せてくれましたし、来年も期待したいです。
3番人気に支持されたデニムアンドルビーはせっかくスタート決まったのに、最後方まで下げての競馬。
少し前で競馬をしたアロマティコが3着まで追い込んで来ているだけに残念です。
外々を回して6着まで追い込んだホエールキャプチャの方が内容は良かったように思います。
2年連続で道悪のレースとなり、昨年はレインボーダリアが道悪適性を見せましたが、
今年はメイショウマンボが流れを上手く利用しての見事な勝利でした。
3歳で秋華賞、エリザベス女王杯を連勝したのはダイワスカーレット以来で、
他にはファインモーションと名牝そろいですが、競馬のイメージはカワカミプリンセスに似ているかな。
牡馬相手にも気後れしなさそうですし、来年以降もGT戦線を賑わしてくれるでしょう。
2012年11月11日(日) 5回京都4日 11R 第37回 エリザベス女王杯(GI)
《レース結果》
1 15 レインボーダリア 牝5 56.0 柴田善臣 2:16.3   35.8 462 0 二ノ宮敬宇 7
2 12 ヴィルシーナ 牝3 54.0 内田博幸 2:16.3 クビ 36.1 448 -2 友道康夫 1
3 6 ピクシープリンセス 牝4 56.0 M.デムーロ 2:16.3 アタマ 35.1 450 +4 野中賢二 5
4 14 マイネオーチャード 牝4 56.0 柴田大知 2:16.6 1 3/4 35.8 454 -4 畠山吉宏 15
5 10 オールザットジャズ 牝4 56.0 川田将雅 2:16.8 3/4 36.9 452 +14 角居勝彦 4

《レース内容》
伏兵のレインボーダリアが外から見事に差し切った。デキがいいとは思っていたが
それにしても勝つとは思わなかった。2分16秒3の勝ち時計が示す通り、重馬場が良かったかな?。
直前の10レースから馬場が悪くなりました。ラップタイムを見てもアップダウンがあるということではなくて、
どの地点もかかってますから影響は大きかったと思います。

良馬場ではチョイ足らずの馬だけど、時計のかかる馬場がそれを補ってくれた。
ブライアンズタイム産駒ですし、レインボーと名がつく馬は昔から重馬場巧者が多い。
今回はジェンティルドンナが不在、能力的に抜けた馬もいなかったです。勝つ時はやっぱり条件が揃うものです。

一方、ヴェルシーナはまたまた2着、目の上のタンコブがいないここは絶好のチャンスだったが・・・
状態は引き続き良かったと思います。重馬場の適正に関しては詰めの甘さをカバーできた
可能性もあるのではっきりしたことは言えませんが、これで5戦続けて2着。
能力は十分に示したので評価を下げる必要はありません。
結果的に正攻法の競馬で漁夫の利にさらわれるような形になったけど、1番人気だけに仕方がない。
秋華賞の後ということを考えれば頑張っている。勝負運がなかったということだろう。

3着には前走で1000万下を勝ったばかりのピクシープリンセスが最後方から追い込んできました。
上がり馬らしくデキの良さもあったと思いますが、それ以上にデムーロ騎手の腕に負うところが大きい。
あの作戦は何年も日本にきて馬場を熟知している彼だからこそ。
秋の天皇賞に続いて今回も魅せてくれました。
フミノイマージンはまったくいいところがなかった。陣営がレース前から良馬場を希望していたように、
この馬場がこたえたようだ。こんなに負ける馬じゃないです。今回は力を出していません。
ホエールキャプチャーも10着に大敗。3歳だった昨年が4着だから、こちらも負け過ぎ
本質的に距離も少し長いのかもしれないし、意外に馬場が合わなかった。
ヴィクトリアマイルを1分32秒4で勝った馬ですから、
底力やスタミナが問われるような競馬は本質的に不向き、イメージよりも非力なのかもしれません。
アカンサスは後方のまま抵抗できず、切れ味が身上の馬だから馬場も良くなかっただろうが
G1ではまだ壁がありそうだ。マイネイサベルは前回に続いて馬体減。
雨の影響もありパドックの気配もいまひとつでした。
2011年11月13日(日) 6回京都4日  11R 第36回 エリザベス女王杯(GI)
《レース結果》
1 18 スノーフェアリー 牝4 56.0 R.ムーア 2:11.6   33.8 472 前計不 E.ダンロップ 1
2 1 アヴェンチュラ 牝3 54.0 岩田康誠 2:11.6 クビ 34.2 478 -4 角居勝彦 2
3 4 アパパネ 牝4 56.0 蛯名正義 2:11.8 1 34.7 496 -6 国枝栄 4
4 3 ホエールキャプチャ 牝3 54.0 池添謙一 2:12.0 1 1/2 35.1 456 -4 田中清隆 6
5 9 レインボーダリア 牝4 56.0 川田将雅 2:12.2 1 34.6 454 -16 二ノ宮敬宇 17

《レース回顧》
勝ち時計2分11秒6は昨年より0.9秒早い決着。レースレコードに僅かに0.4秒差だ。
厳しい流れのサバイバルレースで実力勝負になった。
注文を付けてハナを切ったシンメイフジの5ハロン通過が57.5秒
離れた2番手との差が2秒とすればホエールキャプチャ以下はイーブンペース
どの馬も力を出し切ったと言えます。

連覇を飾ったスノーフェアリーはまさに貫禄勝ち
今年は地元欧州で善戦止まりだったが、57〜60キロを背負ってのもの
去年より2キロ重いとはいえ、56キロで牝馬同士なら当然か。
去年と違ってハードな臨戦過程が懸念材料ではありましたが
来日後の調教内容も日本馬の常識からすれば物足りないものでした。
ただ去年も同じようなパターンでしたし、調子がつかみにくい点が悩みどころです。
それでもパドックの気配は迫力があって申し分のないものでした。

前半は無理せず3角からインに潜り込むレースぶりは馬の力量を把握し
かつ信頼しているからできる芸当。ムーア騎手の手綱さばきも見事だった。
そして並んで、抜け出す脚は本当に凄い。
決して時計では測れないスケールを感じます。
まさに別格ですから今年の2〜4着は例年なら1〜3着の評価をして差し支えない。

特にゴール前でもう一度、差し返そうとしたアヴェンチュラは中身の濃い2着だった。
今までのレースと違い、本当に苦しい競馬を克服して総合力を証明しました。
牝馬は得てして絶好のデキの時は素晴らしいレースをします。
その反面、兄弟の戦歴を思い起こすと信用しきれない面も。
姉トールポピーはオークスの時点で完成されていた。
アヴェンチュラは今春を棒に振ったから今が充実期だろう。

アパパネは昨年と同じ3着、ただ今年は一叩きしての参戦だから同列には扱えない。
今回の内容は力を出し切ったもの、やはり距離2000m以下の方が合っていると考えて良い。

ホエールキャプチャはまたしても善戦止まりですが、
実質的にハナを切る厳しい形ですから評価は下がりません。

一方、実力を出せなかったはもう一頭の外国馬ダンシンググレインと
2歳女王レーヴディソールだ。ともに調整過程で言い訳ができる材料がある。
かつてJCでよくあった外国馬の敗戦パターン、スピ−ドタイプではない逃げ馬が行けないと苦しい。
レーヴディソールは今回の結果に限っては納得しているファンも多いはず、
3番人気は応援票といったところか、叩いた今後に期待しよう。
2010年 11月14日(日) 6回京都4日   11R 第35回 エリザベス女王杯(GI))
《レース結果》
1 6 スノーフェアリー 牝3 54.0 R.ムーア 2:12.5   34.0 468 前計不 E.ダンロップ 4
2 9 メイショウベルーガ 牝5 56.0 池添謙一 2:13.2 4 34.4 508 +4 池添兼雄 2
3 5 アパパネ 牝3 54.0 蛯名正義 2:13.5 1 3/4 35.1 494 +4 国枝栄 1
4 17 リトルアマポーラ 牝5 56.0 福永祐一 2:13.5 ハナ 35.5 474 +2 長浜博之 7
5 10 ヒカルアマランサス 牝4 56.0 C.ルメール 2:13.6 3/4 34.6 476 +6 池江泰郎 6

《レース内容》

テイエムプリキュアが大逃げを打って先導する流れの中、スノーフェアリーは6〜7番手、
アパパネをマークするポジションに付けた。鞍上のライアン・ムーア騎手が
「いい位置取りで、道中もスムーズだった」と振り返る追走だ。

3コーナー過ぎからアパパネがペースを上げ、後方ではメイショウベルーガも追撃体勢へ。
これに合わせてムーア騎手の手綱も動き始める。ただし、有力各馬が4コーナーから
直線にかけて外を回ったのに対し、スノーフェアリーは内へ切れ込んでいく。
勝利への最短コースを、欧州を代表する強豪と、イギリスで3度も
リーディングを獲得した名手のコンビが見逃すはずもなかった。

残り200m。驚くべき瞬発力で内から突き抜けたスノーフェアリーは、
一気に後続との差を広げていく。2着メイショウベルーガは4馬身後方、
さらに1馬身4分の3後ろではリトルアマポーラと競り勝ってアパパネが3着を死守。
そんな争いとは別次元の強さで、スノーフェアリーはゴールへと飛び込んだ。

プレレーティングでは、アパパネとメイショウベルーガの112ポンドに対して
スノーフェアリーは118ポンド。数字に表れていた以上の圧勝で、
外国馬として初めてエリザベス女王杯を制覇、
日本の競馬史に名前を刻んだスノーフェアリー。

「2つのオークスと比べても、今日のレースがベスト」

ムーア騎手もそう述懐した、凄まじいまでのパフォーマンスであった。