データーチェック
1400mで中団ぐらいから競馬をしている馬
毎日王冠や天皇賞・秋の好走馬はレベルが一枚上
天皇賞組では着順よりも人気の方を重視
血統的にはダート寄りの短距離適正の高い馬で短距離組より中距離組
近年は1番人気が堅実も相手には超人気薄もありえる


2020年11月22日(日曜) 5回阪神6日第37回 マイルチャンピオンシップGT
《レース結果》
1 枠2黒 4 グランアレグリア 牝4 55.0 C.ルメール 1:32.0
2 枠4青 8 インディチャンプ 牡5 57.0 福永 祐一 1:32.1 3/4
3 枠4青 7 アドマイヤマーズ 牡4 57.0 川田 将雅 1:32.2 クビ
4 枠6緑 11 スカーレットカラー 牝5 55.0 岩田 康誠 1:32.4 1
5 枠8桃 17 サリオス 牡3 56.0 M.デムーロ 1:32.4 クビ

《レース内容》
断然人気のグランアレグリアが好位から鋭く伸びて快勝。GI3連勝で、
史上8頭目の同一年春秋マイルGI制覇を成し遂げた。鞍上のルメール騎手も
天皇賞・秋、エリザベス女王杯に続くGI3連勝を飾り、アーモンドアイで挑む
29日のジャパンC(東京、GI、芝2400メートル)へ弾みをつけた。今秋のGIは、
これで6戦全て1番人気馬が勝利。2着は昨年の覇者インディチャンプが入った。
異次元の末脚だ。断然人気のグランアレグリアが、安田記念、スプリンターズSに続
くGI3連勝を決め、史上8頭目の同一年春秋マイル王に輝いた。
「きょうはグランアレグリアのおかげで勝つことができました。本当に強かったし、とても速かった。
彼女はめちゃくちゃ強くなりました。素晴らしい馬です」と自身もGI3連勝のルメール騎手が褒めたたえる。
好位5番手から抜群の手応えで直線に向いたが、他馬の厳しいマークを受けて
前がなかなかあかない。それでも、残り200メートルあたりで外へ持ち出されると一気にスパート。
先に抜け出した昨年の覇者インディチャンプを並ぶ間もなくかわした。
3/4馬身という着差以上の強さ、鞍上の冷静な手綱さばきが光った。
「(直線で)渋滞にあったけど、それも競馬。彼女の強さはよく知っているし、勝つ自信を持った。
このメンバーのレベルで、あれだけの脚を使えるのは珍しい。
まだ信じられません」と名手も目を丸くするほどの走りだった。
昨春の桜花賞を制覇。早い時期から高い能力を見せてきたが、その後の精神面の成長が
飛躍につながっている。「3歳の頃はテンションが高かったけど、大人になった。乗りやすくなり、
最後にフルパワーを使えるようになった」と主戦ジョッキーは進化を口にする。
この後は休養に入り、来年に備える見込み。新型コロナウイルスの感染拡大などの事情を
考慮して東京競馬場で観戦した藤沢和調教師は「1600メートルは上手に走れるようになってきましたし、
距離はもう少し延ばしたいなと思っています」と今後の見通しを語る。鞍上も「距離を延ばしてもいけそう。
絶対トップレベルで走れる。まだ4歳だし、来年もとても楽しみ」と笑みを浮かべた。
ルメール騎手は今週、ジャパンCにラストランとなるアーモンドアイで挑む。
「(GI勝利が)連続すぎるし少し心配しますね(笑)」と冗談を交えつつ
「楽しみにしています」と世紀の一戦に期待を膨らませる。
これでJRA賞最優秀短距離馬が当確となったグランアレグリア。
ディープインパクト産駒の快速女王は来年、さらなる高みを目指していく。
2019年11月17日(日曜) 5回京都6日第36回 マイルチャンピオンシップGT
《レース結果》
1 枠3赤 5 インディチャンプ 牡4 57.0 池添 謙一 1:33.0
2 枠7橙 14 ダノンプレミアム 牡4 57.0 川田 将雅 1:33.2 1 1/2
3 枠4青 7ペルシアンナイト 牡5 57.0 O.マーフィー 1:33.3 クビ
4 枠2黒 3マイスタイル 牡5 57.0 田中 勝春 1:33.4 1/2
5 枠1白 1 ダノンキングリー 牡3 56.0 横山 典弘 1:33.4 クビ

《レース内容》
3番人気のインディチャンプが好位から抜け出してV。安田記念に次ぐ、
史上7頭目の同一年春秋マイルGI制覇を達成した。騎乗停止中の福永騎手に替わって
初めてコンビを組んだ池添謙一騎手は同レース単独最多の4勝目。
次は香港マイルを目指す。1番人気ダノンプレミアムが1馬身半差の2着だった。
春を制した底力を見せつけた。今年の安田記念の優勝馬・インディチャンプが、
鋭い決め脚を発揮してマイルチャンピオンシップを制覇。
史上7頭目の同一年春秋マイルGIVの快挙を達成だ。
「強かったです。少しゲートが不安定と聞いていたけど、しっかり出てくれました。
左斜め前にダノンプレミアムがいたので、見ながらのいいポジション。直線で追い出したら、
すごくいい反応をしてくれました。これで、真のマイルのチャンピオンになったと思います」
単独最多4勝目の池添騎手が、パートナーをたたえる。好位の内を追走し、直線に向いても、
1番人気馬が追われるのを尻目に手綱は持ったまま。「外のダノンプレミアムよりも
手応えに余裕があるように見えたし、ソラを使う前に一気にかわそうと思いました」とジョッキーは回顧。
その後、残り1ハロンでゴーサインが出されると、瞬時に1馬身半抜け出した。
主戦の福永騎手が9日の東京で騎乗停止となり、巡ってきた代打。福永騎手に不安定なゲート、
気を抜く癖のアドバイスをもらい、13日の追い切りで初めてコンタクトを取った。
「またがった瞬間、すごく雰囲気がありました」。あとは責任を果たすだけと臨んで完璧なリード。
昨年の有馬記念(ブラストワンピース)以来となる歴代7位タイのGI25勝目になったが、
「馬が頑張ってくれました。役目を果たせてホッとしています。
福永先輩にもお礼を言いたいです」と謙虚に話した。
「デキは今年で一番でしたからね。自信があったし、うれしい」
このレース2位の3勝目となった音無調教師も、仕上がりに胸を張った。
次に見据えるのは香港マイル。「香港にはビューティージェネレーションという強い馬がいる。
どこまでやれるか」とトレーナーは期待を寄せる。昨年12月のオープン入りから
一気にマイル界を統一したインディチャンプ。
勢いそのままに、世界制圧も成し遂げてしまうかもしれない。
2018年11月18日(日曜) 5回京都6日 11R 第35回 マイルチャンピオンシップGT
《レース結果》
1 枠1白 1 ステルヴィオ 牡3 56.0 W.ビュイック 1:33.3 34.1 478 +10 木村哲也 5
2 枠1白 2 ペルシアンナイト 牡4 57.0 M.デムーロ 1:33.3 アタマ 33.9 492 +8 池江泰寿 3
3 枠2黒 3 アルアイン 牡4 57.0 川田将雅 1:33.5 1 1/4 34.5 520 +8 池江泰寿 4
4 枠8桃 16 カツジ 牡3 56.0 松山弘平 1:33.5 アタマ 33.4 488 +6 池添兼雄 16
5 枠5黄 10 ミッキーグローリー 牡5 57.0 戸崎圭太 1:33.5 クビ 33.4 554 +4 国枝栄 8

《レース内容》
W.ビュイック騎手騎乗の5番人気・ステルヴィオ(牡3、美浦・木村厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:33.3(良)。
2着にはアタマ差で3番人気・ペルシアンナイト(牡4、栗東・池江寿厩舎)、
3着には1馬身1/4差で4番人気・アルアイン(牡4、栗東・池江寿厩舎)が続いて入線した。
どの馬も積極的には行こうとせず、ロジクライ、アルアインが押し出される形で前へ出るが、
その流れを嫌ってアエロリットが外から先手を奪う。ステルヴィオは5番手のイン。
それを見ながらペルシアンナイトはジックリと脚を溜める。モズアスコットは後方5番手あたりを追走。
残り800mを過ぎてペースが上がると馬群がグッと凝縮。横に大きく広がって直線の攻防へ。
逃げるアエロリット目掛けてアルアイン、レッドアヴァンセ、ケイアイノーテックが襲いかかり、
更に内を縫ってステルヴィオ、ペルシアンナイトが急追。一旦は完全に抜け出したアルアインだったが、
白い帽子の2頭が一気に突き抜け、ステルヴィオがペルシアンナイトをアタマ差封じ込んでゴール。
2年連続3歳馬の勝利となった。勝ったステルヴィオは、スプリングS以来の勝利で重賞2勝目。
手綱をとったW.ビュイック騎手は4年ぶりの重賞勝ちでG1は初勝利。
管理する木村哲也調教師は開業8年目で嬉しいG1初勝利。
16日に46歳となったばかりで2日遅れのバースデープレゼントとなった。
2017年11月19日(日) 5回京都6日11R 第34回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 8 18 ペルシアンナイト 牡3 56.0 M.デムーロ 1:33.8   33.9 488 +12 池江泰寿 4
2 6 11 エアスピネル 牡4 57.0 R.ムーア 1:33.8 ハナ 34.6 480 +4 笹田和秀 2
3 2 4 サングレーザー 牡3 56.0 福永祐一 1:33.9 1/2 34.4 482 +6 浅見秀一 7
4 5 9 レーヌミノル 牝3 54.0 和田竜二 1:34.0 3/4 35.0 472 -6 本田優 10
5 6 12 イスラボニータ 牡6 57.0 C.ルメール 1:34.1 クビ 34.5 486 +2 栗田博憲

《レース内容》
M.デムーロ騎手騎乗の4番人気・ペルシアンナイト(牡3、栗東・池江寿厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:33.8(稍重)。2着にはハナ差で2番人気・エアスピネル(牡4、栗東・笹田厩舎)、
3着には半馬身差で7番人気・サングレーザー(牡3、栗東・浅見厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたイスラボニータ(牡6、美浦・栗田博厩舎)は5着に敗れた。
これまで1度もハナを譲ったことがないマルターズアポジーが敢然とハナへ。
淀みのない流れでエアスピネル、イスラボニータ、サングレーザー、レッドファルクスら
人気どころは中団を追走。ペルシアンナイトは後方3番手、
安田記念の覇者・サトノアラジンは後方2番手から直線勝負にかける。
レースを引っ張ったマルターズアポジーはラスト300mで一杯となり、
外からエアスピネルがR.ムーア騎手のゲキに応えて一気に先頭を奪う。
そこへ内からスルスルとレーヌミノル、真ん中をペルシアンナイト、サングレーザーと
3歳勢が迫り、ゴール前はエアスピネルとペルシアンナイトのマッチレースとなるが、
ハナ差ペルシアンナイトが捕らえてゴールを駆け抜けた。
勝ったペルシアンナイトは、今年の皐月賞2着馬で2つ目の重賞勝ち。
3歳馬の勝利は2000年のアグネスデジタル以来17年ぶり4頭目。
88年サッカーボーイ、97年タイキシャトルいずれも歴史に残る名馬で、
これらにどこまで近づき、追い越すことが出来るか、今後の活躍が大いに期待される。
鞍上のM.デムーロ騎手は年間最多タイとなるG1・6勝目。
いずれも違う馬で勝利する空前絶後の記録となったが、
この日は母親が京都競馬場に来場。2003年のネオユニヴァースで勝った
皐月賞以来2度目の来日で最高の親孝行ともなった。
2016年11月20日(日) 5回京都6日11R 第33回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 8 16 ミッキーアイル 牡5 57.0 浜中俊 1:33.1   35.6 484 -2 音無秀孝 3
2 4 8 イスラボニータ 牡5 57.0 C.ルメール 1:33.1 アタマ 35.0 480 -2 栗田博憲 2
3 7 15 ネオリアリズム 牡5 57.0 R.ムーア 1:33.2 3/4 35.6 502 +6 堀宣行 7
4 3 6 ダノンシャーク 牡8 57.0 松山弘平 1:33.4 3/4 34.8 456 +6 大久保龍志 14
5 1 2 サトノアラジン 牡5 57.0 川田将雅 1:33.4 アタマ 35.0 526 -6 池江泰寿 1

《レース内容》
浜中俊騎手騎乗の3番人気・ミッキーアイル(牡5、栗東・音無厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:33.1(良)。2着にはアタマ差で2番人気・イスラボニータ(牡5、美浦・栗田博厩舎)、
3着には3/4馬身差で7番人気・ネオリアリズム(牡5、美浦・堀厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたサトノアラジン(牡5、栗東・池江寿厩舎)は5着に敗れた。
注目の先手争いは好スタートからスピードに乗ったミッキーアイルがスンナリとハナへ。
ネオリアリズム、内からディサイファ、スノードラゴンらも好位に取り付く。
イスラボニータはそれらの先行集団を見る形、ヤングマンパワー、サトノアラジンは中団から前をうかがう。
淀みない流れでミッキーアイル、ネオリアリズムが後続を少し離して直線に入ると、
2頭のマッチレースで残り150m。ネオリアリズムが力尽きると外からイスラボニータが猛追。
グングン差が詰まったが、アタマ差ミッキーアイルがイスラボニータを振り切ったところがゴール。
勝ったミッキーアイルは、一昨年のNHKマイルC以来となる2つ目のG1勝利。
その勝利以降、マイル戦では3戦いずれも2ケタ着順の大敗を喫していたが、
このレースはスムーズにハナを奪い、折り合いも付いてマイペースで17頭を先導。
ゴール前で外へよれるシーンもあったが、後続の追撃を抑えて逃げ切り勝ちを決めた。
なお、NHKマイルCとマイルCS双方の勝利は史上初の快挙。
2015年11月22日(日) 5回京都6日11R 第32回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 8 16 モーリス 牡4 57.0 R.ムーア 1:32.8   33.1 508 -2 堀宣行 4
2 5 10 フィエロ 牡6 57.0 M.デムーロ 1:33.0 1 1/4 33.3 506 0 藤原英昭 2
3 3 5 イスラボニータ 牡4 57.0 蛯名正義 1:33.0 クビ 33.0 480 +4 栗田博憲 1
4 4 8 サトノアラジン 牡4 57.0 C.ルメール 1:33.0 ハナ 33.2 526 0 池江泰寿 3
5 4 7 マル外アルビアーノ 牝3 54.0 柴山雄一 1:33.1 クビ 33.7 512 0 木村哲也 5

《レース内容》安田記念以来のレースとなった4番人気モーリスが外から鮮やかに突き抜けて快勝。
8年ぶりとなる同年春秋マイルG1制覇を連勝で達成した。勝ち時計は1分32秒8。
1馬身1/4差の2着は昨年の2着馬の2番人気フィエロ。さらにクビ差の3着には1番人気イスラボニータが入った。
イスラボニータとハナ差の4着には3番人気サトノアラジン、さらにクビ差の5着は5番人気アルビアーノ。
上位人気馬が順当に上位を占める結果となった。
スタートでイスラボニータ、ヴァンセンヌ、アルマワイオリが出遅れ。
先行争いは内からレッツゴードンキ、外目からはトーセンスターダム、
ロゴタイプ、そしてクラリティスカイも鞍上が押して押して前へ。
レッツゴードンキが先頭を取り切るが、外からクラリティスカイがやや執拗に競りかけて、
しばらくはこの2頭で雁行気味にレースを引っ張る形となる。
3番手にはトーセンスターダム、その後ろにケイアイエレガント、アルビアーノ、ロゴタイプと好位を形成。
中団にフィエロ、その外にモーリス、2頭の直後にサトノアラジンと有力馬が固まる形。
イスラボニータは最内から追い上げて、中団の人気3頭を見るような位置。
前半600mの通過は34秒6。このレースとしてはほぼ平年並みか少し遅い程度。
しばらく先頭はレッツゴードンキとクラリティスカイが競り合っていたが、
結局600m手前でレッツゴードンキがハナを取り切った。
ここで一旦ペースが落ちるが、3〜4コーナーの下り坂で再びペースが加速。
先頭はレッツゴードンキ、これに外からクラリティスカイ、トーセンスターダムが並んでいく。
モーリスは中団の外。その内にフィエロ、さらに内にサトノアラジンと、この3頭は横並び。
イスラボニータはサトノアラジンの後ろ、最内を回る。
直線に入ってレッツゴードンキが一旦リードを広げるが、
外のトーセンスターダムの手応えも良い。2頭の間のクラリティスカイは後退し
内を突いてはアルビアーノが伸びてくる。モーリスは自信を持って外へ回り、鞍上のアクションに応えてグイグイと伸びてくる。
フィエロは馬群の中から外へと捌いて追撃。サトノアラジンもこの2頭を追うように大外へ持ち出していく。イスラボニータは内へ。
残り200mを切って、先頭はまだレッツゴードンキだが、これを内外からトーセンスターダムとアルビアーノが交わしに掛かる。
そして、これをまとめて飲み込む勢いで追い込んでくるのがモーリス。
その内でフィエロも良く脚を伸ばしているが、モーリスとの差は広がってしまう。
遅れて大外からはサトノアラジン、内の馬群を割ってはイスラボニータ。
どちらも勢いは十分だが、先に抜け出したモーリス、フィエロには届くかどうか。
モーリスは残り100mで堂々と先頭へ。1頭だけ力の違いを見せ付けるかのようにリードを広げていく。
2番手争いからはフィエロが抜け出すが、これにゴール前イスラボニータとサトノアラジンが猛追。
モーリスは最後まで危なげなく、1馬身1/4までリードを広げて快勝。
ダイワメジャー以来となる同年春秋マイルG1制覇を、史上初となる安田記念→マイルCSの連勝で達成した。
2着はフィエロがクビ差凌いで確保。これでマイルCSは2年連続の2着となった。
3着争いは内外離れての大接戦となったが、1番人気イスラボニータが僅かにこの争いを制していた。
勝ったモーリスはこれで今年無傷の5連勝。春は全て1番人気に推されての優勝だったが、
今回は毎日王冠の回避など中間の経過が嫌われたか4番人気となった。
しかし、終わってみればまざまざと力の違いを見せ付ける快勝劇。
長らく主役不在という雰囲気だったマイル路線に、久々に確固たる主役が誕生したと言っていいだろう。
堀宣行厩舎は今年4度目のG1勝利となった。これはドゥラメンテとモーリスで2勝ずつ挙げたもの。
フィエロは2年連続の2着となったが、ハナ差の昨年と比べると今年は内容的に完敗だった。
3着イスラボニータは出遅れが響いた感じで、4着サトノアラジンも内から外へ持ち出すのに
時間が掛かってしまい、結果的に1・2着馬とはその差が出てしまった印象だ。
5・6着には3歳牝馬の2頭、アルビアーノとレッツゴードンキが食い込んだ。
アルビアーノは流石という地力の高さ。ややリズムを崩していた桜花賞馬レッツゴードンキも
この距離なら十分戦えるところを見せた。
2014年11月23日(日) 5回京都6日11R 第31回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 6 12 ダノンシャーク 牡6 57.0 岩田康誠 1:31.5   34.1 444 +2 大久保龍志 8
2 4 8 フィエロ 牡5 57.0 福永祐一 1:31.5 ハナ 34.4 508 -2 藤原英昭 3
3 2 3 グランデッツァ 牡5 57.0 秋山真一郎 1:31.7 1 1/2 34.8 498 0 平田修 9
4 7 13 トーセンラー 牡6 57.0 武豊 1:31.8 3/4 34.1 466 +2 藤原英昭 2
5 4 7 エキストラエンド 牡5 57.0 W.ビュイック 1:31.9 1/2 34.3 472 +4 角居勝彦 12

《レース内容》高速の芝コンディションのなか、内枠からスイッチの入ってしまった3歳ホウライアキコが引っ張り、
1分31秒5(45秒3−46秒2)のレースレコードの決着となった。
勝ったダノンシャークは、1分33秒3で6着だった4歳時は6番人気。
1分32秒7で3着の5歳時は1番人気。福永騎手)につづき、今回が3度目の出走であり、
8番人気の今年は一転、挑戦者の立場だった。
早めに正攻法でスパートするとゴール前が甘くなるので、大久保龍志調教師から
「先にだけは行かないで欲しい」という注文のついたテン乗りだったと伝えられるが、
これは陣営の、そして岩田康誠騎手のファインプレイである。前2年に比べれば気楽な立場はたしかだが、
外枠12番ながらいつのまにか内に入り、中団より後方から追走。
直線のコース取りはまさに岩田騎手の真価。コーナーを回ってしばらく、あっというまに最内に突っ込んでみせた。
一連のレース内容からダノンシャークがいまになって急に強くなったわけもなく、
もうマイルCSには最後の挑戦となるかもしれないと考えた陣営の、
これまで以上の猛調教がダノンシャークを目覚めさせたのかもしれない。
陣営の読みに、岩田騎手の好騎乗が見事に重なったGI初勝利だった。
2着フィエロは、完全に勝った競馬だったが、ダノンシャークに150点くらいのレースをされてしまった。
今回は仕方がないと、称えたい。5歳馬とはいえ、休み休みで今回がまだ12戦目。
このハナ差負けは苦しいレースを重ねた経験の差だったろう。福永騎手にしてみれば、
ダノンシャークは前回、自分が乗っていた馬であり、その馬にインから差されたのは痛恨だが、
フィエロのレースの中身は勝ち馬に一歩も見劣るものではなかった。
GIで6回も連続して重賞未勝利馬が勝つことになってしまうではないか。
フィエロが勝つとWIN5が1票だけ的中してしまうというではないか。
勝利の女神がちょっといじわるしたようなゴール寸前の逆転だった。
苦しいレースをした経験がないといえば、その弱みが露呈してしまったのは
1番人気の3歳馬ミッキーアイル自身のレース結果の中身は
「前半1000m通過56秒7−上がり3ハロン36秒1」=1分32秒8である。
超高速馬場だから時計の比などほとんど意味はないが、
3歳馬としてマイルCSを制した2000年のアグネスデジタル(GI6勝)こそ1分32秒6だったが、
馬場コンディションはまるで異なるとはいえ、タイキシャトルは1分33秒台、サッカーボーイは1分35秒台であり、
究極の総合スピード勝負になるマイルCSを、3歳馬が1分32秒台で乗り切って古馬に競り勝つのは、
歴史のなかでもありえないこと。アグネスデジタルは別名、ミラクルホースだった。
トーセンラーは、昨年はいきなり1分32秒4上がり33秒3。初の1600m出走でありながら
鮮やかにこのGIを制したように、高いマイル適性も秘めるが、
3200mの天皇賞・春も3分14秒4で乗り切っている万能タイプ。
同じディープインパクト産駒のなかでは、ダノンシャークや、フィエロのように、
ことマイルなら1分31秒台で乗り切ることもできる本質マイラーとはちょっと色合いが異なるのだろう。
「時計が速すぎたというしかない。人気の1頭ワールドエースは痛恨の出遅れ。
春のマイラーズCで対戦したフィエロ、エキストラエンドに大きく逆転されてしまった。
毎回乗り変わっている馬だから、P.ブドー騎手でのプラスもありえたが、
チャンス十分のGIとあって気が入りすぎたのだろう。テン乗りの若いブドー騎手は責められない。
2013年11月17日(日) 5回京都6日11R 第30回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 5 トーセンラー 牡5 57.0 武豊 1:32.4   33.3 460 +4 藤原英昭 2
2 4 ダイワマッジョーレ 牡4 57.0 蛯名正義 1:32.6 1 34.1 440 0 矢作芳人 3
3 13 ダノンシャーク 牡5 57.0 福永祐一 1:32.7 3/4 34.1 444 +8 大久保龍志 1
4 1 コパノリチャード 牡3 56.0 浜中俊 1:33.0 1 3/4 34.7 488 -2 宮徹 6
5 10 ドナウブルー 牝5 55.0 W.ビュイック 1:33.0 アタマ 33.8 440 +8 石坂正 10

《レース内容》
春の安田記念を制したロードカナロアが不在で小粒なメンバー構成。
チャンスはどの馬にもあったが、マイル戦初出走のトーセンラーがいきなり
G1を奪取してしまった。これまでは中〜長距離G1で勝ち切れなかったが、
戦ってきた相手の質が違ったということか。
戦前からトーセンラーにとって最大の争点はやはり距離でした。
これをクリアできた一つの要因が展開でしょう。
3ハロン通過は35秒1のスロー。位置取りこそ後方でしたが、
愁然と追走できたことがメンバー中最速の33秒3の末脚につながりました。
それに安田記念を予想する時は1800くらいの好走実績があったほうがいいとも言うほど。
そもそも現在競馬はマイルをこなせるスピードがなければオープンまでは上がってこられません。
仮に2000がベスト距離とすれば、その前後の400m程度はこなせるはず、
つまりマイルも守備範囲となります。確かに流れが落ち着いたことが
最後の爆発力につながったことは間違いない。ただ、これだけの勝ちっぷりを見せられると、
流れがどうあれ結果は変わらなかった気さえしてきます。
ともあれ今後の選択肢が広がったことは陣営にとってもありがたいだろう。
年が明けてもまだ6歳だし、さらなる飛躍が期待できる。
ビッシリ追い切っても体をキープしてきた陣営の手腕も評価していいです。
ただ京都のような直線が平坦なコースがベターであるのは確かでしょう。
トーセンラー快勝の影で2着以下はすっかりかすんでしまった。
ダイワマッジョーレは小柄な馬体ながら今回もいい勝負根性を見せてくれた。
ただ、どうしてもピリッとした脚を長くは使えない。
ダノンシャークはG1だと負けないけど勝てないというか煮え切らない。
2頭ともうまく流れには乗っていました。ただ瞬発力勝負の展開になってしまった分、
勝ち馬とは決め手の差が出てしまいました。本来はあまり誉めたくない
コパノリチャードですが今回も変幻自在の逃げで後方を幻惑しました。
そのうちに大仕事をしても不思議ではありません。
G1馬は連覇を狙ったサダムパテックの7着が最高でいずれも見せ場はなかった。
来年はマイル路線の勢力図は変わると思っていいだろう。
その主役になると思って期待したのがクラレント。
ただし12キロの馬体増はまさかの数字だった。
木曜日発表の数字が6キロ増だから当日は絞れてくると踏んでいたんだが・・・。
見た目にもボッテリ映りました。調子が良過ぎたからこそ太目が残ることがあります。
今回の調整に関しては失敗と言わざるを得ないでしょう。
2012年11月18日(日) 5回京都6日11R 第29回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 1 サダムパテック 牡4 57.0 武豊 1:32.9   34.1 506 -2 西園正都 4
2 7 グランプリボス 牡4 57.0 内田博幸 1:32.9 クビ 34.0 520 -2 矢作芳人 1
3 17 ドナウブルー 牝4 55.0 C.スミヨン 1:33.0 1/2 34.1 434 +2 石坂正 5
4 12 シルポート 牡7 57.0 川田将雅 1:33.2 1 1/4 35.0 508 +4 西園正都 10
5 10 リアルインパクト 牡4 57.0 R.ムーア 1:33.2 クビ 34.6 508 -8 堀宣行 9

《レース内容》
稍重馬場の影響があったにせよ、逃げたシルポートが4着に粘ったように
思いのほか流れが落ち着いた。番手のコスモセンサーが同厩舎ということもあったかもしれないが・・・。
前後半4ハロンでは0秒9も後半が速かったですから、どちらかというとスローに近かった。
確かにシルポートがブンブン飛ばしてくれなかったので、ちょっとつまらなかったですが、
ある程度時計がかかったことも手伝って総合力が問われたG1だったと思います。

そこで1着をもぎ取ったサダムパテックはこれが初のG1勝ち、
やはりマイル適正が高かったことと、内枠を利して立ち回れたことが大きかったのでしょう。
古馬になってからあまり順調に使えていなかったようですが、直前はすごい追いきりをやっていました。
状態は明らかに上がっていました。直線で抜け出すタイミングもどんぴしゃだったし
1分31秒台の高速決着にならなかったのもこの馬の特性を考えたらプラスに働いた。
ただ、エイシンアポロンがフラついて2着に入ったグランプリボスなど6頭ぐらい被害に遭っていた。
正直、後味は悪かった。G1という舞台での大混戦、競り合いの中で多少の接触が生じるのは自然なこと。
もちろん危険騎乗を肯定するわけでなく、新降着制度もこういったケースのためにあるのでは。
それにしてもグランプリボスは褒められる。同じ位置にいた3着ドナウブルーをねじ伏せて
勝ち馬に迫った内容は強いの一言。この馬を勝者にしてもいいくらいだ、
逆に3頭出しの堀厩舎は5着に入ったリアルインパクトが最先着と不振に終わった。
8着ストロングリターンはパドックで少しチャカつくのは別としても何かいい感じは映らなかったです。
それと、この馬向きの消耗戦にならなかったのも災いした印象です。
ファイナルフォームは初めての関西遠征でしたし、
昔から富士Sで好走して評価が上がった馬って得てしてマイルCSでは凡走しています。
同じ3歳のレオアクティヴも全くいいところがなかった。
牝馬のマルセリーナもレオと同じく流れが合わなかったクチだろう。
キャリアの浅い3歳馬はすべて10着以下に負けたわけですから、何かしら死角を
抱えていた馬は好走できない状況、上位3頭はマイルでの総合力が上だったと結論していいでしょう。
2011年11月20日(日) 6回京都6日  11R 第28回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 5 エイシンアポロン 牡4 57.0 池添謙一 1:33.9   34.9 506 +6 松永昌博 5
2 1 フィフスペトル 牡5 57.0 横山典弘 1:33.9 クビ 35.1 454 -4 加藤征弘 11
3 13 サプレザ 牝6 55.0 C.ルメール 1:34.1 1 1/2 34.7 452 前計不 Rd.コレ 4
4 2 ダノンヨーヨー 牡5 57.0 北村友一 1:34.2 クビ 35.0 518 -2 音無秀孝 12
5 8 リアルインパクト 牡3 56.0 福永祐一 1:34.3 3/4 35.1 508 0 堀宣行 1

《レース回顧》
エイシンアポロンが始めてG1タイトルをゲットした。
この秋は復調ムードではありましたが、勝つときは何もかもがうまくいくもの。
状態の良さに加えて展開が味方したし、最後のクビ差は3冠ジョッキーのツキもあったかもしれない。
デキは際立っていましたし流れも4ハロン46秒7では稍重の馬場を考慮しても速くはありません。
そんな中、池添騎手は理想的なポジションに付けて隙のないレース運びでした。

血統的にもアポロンの父ジャイアンツコーズウェイは決して快速系というわけじゃないので
少し時計のかかる馬場も味方したと思います。
もともとクラシック路線で活躍した素質馬、これで完全復活と見てよいだろう。

ただG1らしい強さをアピールできたかとなると疑問が残る。
G1とすればスローに近いペースで特に3〜4コーナーでは流れが落ち着いてしまった。
先行勢に分があったのは否めない。
それに有力馬のリアルインパクト、リディルの凡走に助けられた感もある。
馬場が稍重まで回復したことで、距離ロスのないインコースを通れる馬が有利になりました。

勝ち馬も2着フィフスペトルも内枠を最大限に生かしました。
対照的にリディルは外枠で前に壁が作れずかかってしまった。
前走のスワンSとは流れが違い過ぎた点も折り合いを欠いた要因でしょう。

3着は3年連続の参戦の外国馬サプレザ、展開を考えれば、外から伸びてきた点は評価できるが
結局、昨年と同じようなレースになってしまった。
このあたりは自分で競馬を作れない弱みです。

昨年1番人気で2着だったダノンヨーヨーが4着、まだ完調ではないんでしょうが、やっぱり力があります。
もう一頭の外国馬イモータルヴァースはこの時計に対応し切れなかったように思う。
まだ若いので可能性はあるが、サプレザとはキャリアの差ということなんだろう。
3歳牝馬の初来日ですから順当な結果でしょう。

桜花賞馬のマルセリーナも牡馬相手で年長組が相手になると、これが精一杯だったと思います。
2010年 11月21日(日) 6回京都6日    11R 第27回 マイルチャンピオンシップ(GI)
《レース結果》
1 13 エーシンフォワード 牡5 57.0 岩田康誠 1:31.8 レコード 34.3 488 +10 西園正都 13
2 8 ダノンヨーヨー 牡4 57.0 C.スミヨン 1:31.8 クビ 33.6 518 +4 音無秀孝 1
3 15 ゴールスキー 牡3 56.0 福永祐一 1:31.8 ハナ 34.4 472 +4 池江泰郎 6
4 16 サプレザ 牝5 55.0 C.ルメール 1:31.8 ハナ 33.8 454 前計不 R.コレ 2
5 3 ライブコンサート せん6 57.0 和田竜二 1:32.0 1 1/4 34.8 474 +6 白井寿昭 12

《レース内容》

ジョーカプチーノが果敢に飛ばし、マイネルファルケ、ガルボ、スマイルジャックらも積極的に先行する。
1000m通過タイムは56秒7。第27回マイルチャンピオンシップ(GI)は、昨年より2秒も速いラップで進行した。

R.ムーア騎手の乗る3番人気キンシャサノキセキは中団、C.ルメール騎手の2番人気サプレザ、
C.スミヨン騎手が駆る1番人気ダノンヨーヨー、M.デムーロ騎手が跨る4番人気トゥザグローリーは
後方からの競馬。各国の名手に手綱が託された馬たちは、ハイペースを味方につけるべく控えている。
これら人気上位勢がどこで勝負に出るかが注目された。

そんな中、「気楽に乗れた」と振り返ったのは13番人気の伏兵エーシンフォワードを操る岩田康誠騎手だ。

7〜8番手の内で流れに乗って4コーナーを回り切ったエーシンフォワードは、
後方待機勢が外を回して追い込んでくるのとは対照的に、
直線でも思い切ってインコースへ舵を切る。逃げ粘るジョーカプチーノと最内を狙うスマイルジャック、
2頭の間からいち早く抜け出して先頭に踊り出ると、
3頭並んで追い込んできたダノンヨーヨー、ゴールスキー、サプレザの猛追を
クビ差凌ぎ切ってゴールへ。コースレコードとなる1分31秒8でGI の勲章を勝ち取ったのだった。

落馬負傷から先週復帰したばかりの岩田騎手は「こんなに早く勝てるとは」と表情をほころばせる。
また安田記念では逃げて10着に敗れたエーシンフォワードだが、
この日は13番枠から抜群のスタートを切りながら、前へ行きたい馬をやり過ごし、
先行集団の直後で上手に内へと潜り込むという冷静なレースを見せた。

もともと初コンビ・初重賞制覇となった今春の阪急杯でも、
内でロスなくコーナーを回り、直線では前にいる馬の間から抜け出す走りを見せていた
エーシンフォワードと岩田騎手。その記憶、人気薄の気楽さ、
レースを走れる喜びなどが重なって、新たなマイル王が生まれたわけである。