データーチェック
天皇賞(秋)好走の1番人気が堅軸
近年は人気薄の外国馬はまずこない
菊花賞2着馬
芝2500m以上のリーディング上位種牡馬の産駒
G1実績のある3歳馬
天皇賞(秋)では明らかに距離が足りなかったようなステイヤー血統の巻き返し


2020年11月29日(日曜) 5回東京9日 第40回ジャパンカップGT
《レース結果》
1 枠2黒 2 アーモンドアイ 牝5 55.0 C.ルメール 2:23.0
2 枠4青 6 コントレイル 牡3 55.0 福永 祐一 2:23.2 1 1/4
3 枠3赤 5 デアリングタクト 牝3 53.0 松山 弘平 2:23.2 クビ
4 枠1白 1 カレンブーケドール 牝4 55.0 津村 明秀 2:23.2 ハナ
5 枠8桃 15 グローリーヴェイズ 牡5 57.0 川田 将雅 2:23.3 クビ

《レース内容》
1番人気のアーモンドアイが直線で抜け出して快勝。ラストランで芝GI9勝目をマークし、
国枝栄調教師(65)=美=は安堵の表情を浮かべた。世紀の一戦として注目を集めた
3歳3冠馬2頭は、コントレイルが2着、デアリングタクトが3着。
これで今秋のGIはここまで1番人気馬が史上最多タイの7連勝となった。
万感のラストランだ。デビューから2年以上管理してきた国枝調教師は、ルメール騎手の夫人、
バーバラさんが手作りしたアーモンドアイ・マスクを着用して最後のレースを見守った。
「天皇賞のときとは手応えが違った。エネルギーをためて反応できていたし、“これなら”と思ったよ」
万歳で人馬を出迎えると、愛馬の鼻面をなでて激走をねぎらい、鞍上とがっちりと抱擁をかわした。
「無事に走ってくれて結果も良かったし、レース後も問題ない。われわれがいろいろと
心配することがあっても全てアーモンドは乗り越えてしまう。本当にホッとしました」
日本の競馬史にきらびやかに輝く女傑と過ごした3年余り。「アーモンドアイは常に夢がふくらむような馬。
毎回わくわくさせてくれたね。何回かがっかりもしたけど(苦笑)。
自分としては充実した日々を過ごすことができました」と振り返る。
積み重ねた9つのGIタイトルで「一番うれしかった」と語るのは昨年のドバイターフだ。
初めての海外への輸送で20キロ近く馬体重を減らし、トレーナー自身も慣れない環境で体調を崩した。
それでも女王は強かった。外ラチを目いっぱい手でたたいた指揮官の激励に応え、堂々と抜け出してきた。
「勝った騎手への馬上インタビューであったり、外国の競馬は雰囲気が違うよね。おかげで、
いろいろと経験できたよ」。若き日にドバイ奨学生として欧州へ渡った国枝師の夢が実現した瞬間だった。
史上最多の芝GI9勝馬は、来春から繁殖牝馬として次のステージに進む。
「競馬はブラッドスポーツ。無事に子供を産んでくれて、その子をやらせてもらえるなら、
そんなうれしいことはない」順調にいけば初子がデビューするのは2024年。
国枝師は69歳を迎え、調教師としての集大成となるはずだ。
アーモンドアイとの物語はハッピーエンドではなく、第2章が始まったばかりなのかもしれない。
2019年11月24日(日曜) 5回東京8日第39回 ジャパンカップGT
《レース結果》
1 枠3赤 5 スワーヴリチャード 牡5 57.0 O.マーフィー 2:25.9
2 枠1白 1 カレンブーケドール 牝3 53.0 津村 明秀 2:26.0 3/4
3 枠2黒 2 ワグネリアン 牡4 57.0 川田 将雅 2:26.2 1 1/2
4 枠8桃 14 マカヒキ 牡6 57.0 武 豊 2:26.5 1 3/4
5 枠4青 6 ユーキャンスマイル 牡4 57.0 岩田 康誠 2:26.6 クビ

《レース内容》
3番人気のスワーヴリチャードが、7番手から最内を突いて力強く抜け出し、
昨年の大阪杯以来となる復活のGI2勝目を飾った。鞍上のオイシン・マーフィー騎手はJRA・GI初制覇。
2着は3歳牝馬のカレンブーケドールだった。1番人気のレイデオロは11着に敗れ、
次走の有馬記念(12月22日、中山、GI、芝2500メートル)をもっての引退が発表された。
泥まみれになりながら、栄光のゴールに飛び込んだ。スワーヴリチャードが
重馬場をものともせず抜け出し、昨年の大阪杯以来約1年8カ月ぶりの完全復活を遂げた。
「世界的に権威のあるジャパンCを勝てて、本当にうれしい。1つの夢がかないました」と、
日本で初のGI制覇を果たしたマーフィー騎手は庄野調教師と抱き合った。
5番枠を生かし、スタート後から迷わず最内へ。カレンブーケドールを見る形で7番手のインをキープし、
直線では内に空いた1頭ぶんのスペースを見逃さず、突っ込んだ。
こん身の右ムチで一完歩ごとに力強く伸び、外から伸びたカレンブーケドールに3/4馬身差。
2400メートルをぴったり回り、ロスを最小限に抑えたファインプレーがあったからこそのVだ。
「最後の1ハロンで『いける』と勝利を実感した。日本のスーパージョッキーの武豊さんや、
海外の素晴らしいジョッキーのなかで勝てたのがうれしい」。今年は英国で初のリーディングに輝いた24歳。
日本では昨年末に短期免許を初取得し、1カ月あまりで25勝。
今夏には日本馬ディアドラを英GI・ナッソーSで頂点に導いた名手は
「世界各国でGIを勝ちたい」と向上心をのぞかせた。
「本当に大きな、大きな1勝」と庄野調教師も2つめのタイトルに感無量。
大阪杯後もGIで4度の3着などもどかしい結果が続いていただけに、
何とか払拭しようとトレーナーは試行錯誤。5歳の秋で気持ちのズルさが出てきたことから
「少し馬にピリッとしてもらいたい」と、中間はこれまでのコース追い主体から坂路主体の調整に変更。
集中力を高めるためにチークピーシズも着用した。陣営の思いが、最高の形で結実した。
「ジョッキーの判断と、リチャードの気持ちの強さが見て取れた。さらに強い彼を披露できるように、
調教を続けていきたい」と庄野師。今後は未定だが、有馬記念や来年の海外挑戦などについて
「決して世界は遠くないと、実感は湧いています。“チャンスがあれば”という思いもあります」と
意気込みを口にした。苦労の末に復権を遂げたスワーヴリチャードの夢は、まだ続いていく。
2018年11月25日(日曜) 5回東京8日11R 第38回 ジャパンカップ
《レース結果》
1 枠1白 1 アーモンドアイ 牝3 53.0 C.ルメール 2:20.6 レコード 34.1 472 -8 国枝栄 1
2 枠5黄 8 キセキ 牡4 57.0 川田将雅 2:20.9 1 3/4 34.7 504 +8 中竹和也 4
3 枠7橙 11 スワーヴリチャード 牡4 57.0 M.デムーロ 2:21.5 3 1/2 34.7 510 0 庄野靖志 2
4 枠6緑 9 シュヴァルグラン 牡6 57.0 C.デムーロ 2:21.5 クビ 34.5 468 -4 友道康夫 5
5 枠4青 5 ミッキースワロー 牡4 57.0 横山典弘 2:21.9 2 33.9 482 0 菊沢隆徳 8

《レース内容》
C.ルメール騎手騎乗の1番人気・アーモンドアイ(牝3、美浦・国枝厩舎)が優勝。
勝ちタイムはJRAレコード2:22.1(良)を1秒5縮める2:20.6(良)。
2着には1馬身3/4差で4番人気・キセキ(牡4、栗東・中竹厩舎)、
3着には3馬身半差で2番人気・スワーヴリチャード(牡4、栗東・庄野厩舎)が続いて入線した。
キセキが天皇賞同様に逃げる。2番手にノーブルマーズ、そして3番手にアーモンドアイ。
これにガンコ、スワーヴリチャードウインテンダネス、ここまでが先行集団。
少し離れてハッピーグリン、スワーヴリチャード、サトノダイヤモンド、サウンズオブアース、
サトノクラウン、カプリ、最後方にミッキースワロー、サンダリングブルー。
キセキが離し気味に締まったペースで逃げ、アーモンドアイが2番手に進出、
内で運ぶスワーヴリチャードが1つポジションを上げて4番手となり直線へ。
先に仕掛けるキセキをアーモンドアイが楽な手応えで詰め寄り、満を持して仕掛ける。
残り200mで並びかけると、一気に突き放してレコード時計でゴールイン。
勝ったアーモンドアイは最少キャリアで牝馬3冠を達成し、続く7戦目の今回、
初の古馬相手に勝利をおさめた。父はG1・6勝ロードカナロア、
母は06年エリザベス女王杯(G1)を制したフサイチパンドラ。
馬主は有限会社シルクレーシング、生産者は安平町のノーザンファーム。
2017年11月26日(日) 5回東京8日11R 第37回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 1 1 シュヴァルグラン 牡5 57.0 H.ボウマン 2:23.7   34.7 470 -2 友道康夫 5
2 1 2 レイデオロ 牡3 55.0 C.ルメール 2:23.9 1 1/4 34.6 484 +8 藤沢和雄 2
3 2 4 キタサンブラック 牡5 57.0 武豊 2:23.9 クビ 35.3 542 0 清水久詞 1
4 6 11 マカヒキ 牡4 57.0 内田博幸 2:24.6 4 35.1 500 -4 友道康夫 6
5 7 14 シカク外アイダホ 牡4 57.0 R.ムーア 2:24.7 クビ 35.1 480 前計不 A.オブライエン 10

《レース内容》
H.ボウマン騎手騎乗の5番人気・シュヴァルグラン(牡5、栗東・友道厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:23.7(良)。2着には1馬身1/4差で2番人気・レイデオロ(牡3、美浦・藤沢和厩舎)、
3着にはクビ差で1番人気・キタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)が続いて入線した。
好スタートを切ったキタサンブラックがどの馬にも競られず逃げる。
これにギニョール、ディサイファが続き、少し離れてワンアンドオンリー、内にシュヴァルグラン、
ソウルスターリング、シャケトラ、ブームタイムがひとつの集団。
これを見る形でレイデオロ、ラストインパクト、ヤマカツエース、更に間隔をあけてマカヒキ、
サトノクラウン。後方集団にアイダホ、サウンズオブアース、イキートス、レインボーラインという隊列。
キタサンブラックが先頭のまま直線に突入。徐々に外に出しつつ押し切りを狙うところを
直後からシュヴァルグラン、後方外からレイデオロが猛追して
勝負はこの3頭という状況。200mを切った辺りからシュヴァルグランの脚色が勝り、
残り100mで先頭に抜け出すと、外から伸びてきたレイデオロを抑えてゴールイン。
勝ったシュヴァルグランの半姉は13〜14年のヴィクトリアマイル(G1)を連覇したヴィルシーナ、
半妹は16年秋華賞(G1)、17年ドバイターフ(G1)を勝利したヴィブロス。
母ハルーワスウィートの仔では、牡馬のG1勝利は初。
2016年11月27日(日) 5回東京8日11R 第36回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 1 1 キタサンブラック 牡4 57.0 武豊 2:25.8   34.7 536 -2 清水久詞 1
2 6 12 サウンズオブアース 牡5 57.0 M.デムーロ 2:26.2 2 1/2 34.5 502 -8 藤岡健一 5
3 8 17 シュヴァルグラン 牡4 57.0 福永祐一 2:26.3 クビ 34.4 482 +8 友道康夫 6
4 2 3 ゴールドアクター 牡5 57.0 吉田隼人 2:26.4 1/2 35.1 504 +8 中川公成 3
5 8 16 リアルスティール 牡4 57.0 R.ムーア 2:26.4 クビ 35.1 506 +4 矢作芳人 2

《レース内容》
武豊騎手騎乗の1番人気・キタサンブラック(牡4、栗東・清水久厩舎)が優勝。
勝ちタイムは2:25.8(良)。2着には2馬身半差で5番人気・サウンズオブアース(牡5、栗東・藤岡健厩舎)、
3着にはクビ差で6番人気・シュヴァルグラン(牡4、栗東・友道厩舎)が続いて入線した。
ゲート入りに時間はかかったものの、全馬揃ったきれいなスタート。
注文通り内からキタサンブラックが先行。1馬身、2馬身とリードをとっていく。
ワンアンドオンリーが2番手、インコースの内目にゴールドアクターが追走。
リアルスティールも早めの4番手につけ、ルージュバックとサウンズオブアースは並んでちょうど中団をキープ。
シュヴァルグランがその後ろで、ディーマジェスティは後方3番手からの競馬。
1000m通過が1分1秒7とペースが上がらない。変わらずキタサンブラックが淡々とした逃げをうち、
道中は大きな動きもなく4コーナーから直線へ。横いっぱいに広がって、
武豊騎手はキタサンブラックを馬場の良いところに導く。外からはリアルスティール、
内を突くのがゴールドアクター。大外からはサウンズオブアースも追いこんでくる。
しかし、200mを切ってキタサンブラックが後続を突き離し、これがセーフティリード。
2馬身半差をつけ、1番人気に応えて逃げ切った。
勝ったキタサンブラックはこれで昨年の菊花賞、今年の天皇賞(春)に続いてのG1・3勝目。
今回は日本ダービー14着以来の東京コースであったが、
マイペースに持ち込んで見事に勝利を収めた。
同一年に天皇賞(春)とジャパンCを制したのは06年ディープインパクト以来の史上5頭目。
ジャパンCを逃げ切ったのは03年タップダンスシチー以来3頭目の快挙となった。
この後には有馬記念への参戦が予定されている。

2015年11月29日(日) 5回東京9日11R 第35回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 7 15 ショウナンパンドラ 牝4 55.0 池添謙一 2:24.7   33.9 442 +4 高野友和 4
2 3 6 ラストインパクト 牡5 57.0 R.ムーア 2:24.7 クビ 33.9 494 +2 松田博資 7
3 1 1 ラブリーデイ 牡5 57.0 川田将雅 2:24.8 クビ 34.3 486 0 池江泰寿 1
4 2 4 ジャングルクルーズ せん6 57.0 北村宏司 2:25.0 1 1/4 33.9 510 0 藤沢和雄 17
5 5 10 サウンズオブアース 牡4 57.0 M.デムーロ 2:25.0 ハナ 34.4 502 -2 藤岡健一 5

《レース内容》今年は外国馬4頭が参戦。日本からは今年に入って怒涛の活躍を見せるラブリーデイ、
有馬記念での引退が発表され今回がラスト2戦目となるゴールドシップ、
二冠牝馬ミッキークイーン、果敢に秋古馬王道路線に挑んでいる
4歳牝馬ショウナンパンドラらが迎え撃つ構図となった。
フルゲート18頭、まずは注目のスタートだが、ゴールドシップも全く互角のスタート。
そこから定位置の後方へ下がっていく。
内ではラブリーデイも好スタートを決めて好位へ。その外からはワンアンドオンリー、
イラプト、ダービーフィズ、サウンズオブアース、ミッキークイーン、イトウなども先団に向かう。
1コーナー入り口では各馬が殺到し、やや押し合いになる場面もあった。
先手を取ったカレンミロティックは軽快に飛ばしていき、向正面に入ると馬群はかなり縦長の隊列となる。
単独の2番手にアドマイヤデウス、続いてイトウ、ワンアンドオンリー、イラプトが先行集団。
前半1000mの通過は59秒3と、かなり締まったペース。ただし、カレンミロティックは
5馬身ほどの大逃げで2番手以降の集団の通過は60秒ちょうどから61秒台くらい。
カレンミロティックがいい流れを作ったおかげで掛かる馬もおらず、
馬群は縦長のままで3〜4コーナーへ。
直線には馬群が横に大きく広がった形で入る。逃げるカレンミロティックのリードは2馬身ほどとなり、
これをアドマイヤデウスが追い詰める。さらに2馬身後ろ、
3番手集団が横にズラっと広がってワンアンドオンリー、ラブリーデイ、
サウンズオブアース、ペルーサ、そして大外ゴールドシップ。
しかし、やはりここから抜け出してくるのがラブリーデイ。余裕の手応えのまま内外の各馬を置き去りにして、
前を行くカレンミロティックとアドマイヤデウスもまとめて捕まえに行く。
サウンズオブアースは必死にラブリーデイに食い下がるが、
替わって馬群の中からショウナンパンドラ、最内を突いてはラストインパクトが伸びてくる。
ラブリーデイは残り300mで先頭に立つが、果たしてここからリードを守り切れるかどうか
最内からはラストインパクト、外からはショウナンパンドラが良い伸び脚でラブリーデイを目標に追い込んでくる。
ラブリーデイは辛くも先頭を守ったまま残り100mまで来るが、脚色は限界。
内からラストインパクト、そして外から力強い伸びで馬体を並べてくるのがショウナンパンドラ。
やや遅れてサウンズオブアース、内からはイラプト、ジャングルクルーズらも頑張りを見せる。
ゴール手前で一旦は3頭が全く横並びとなるが、この争いから抜け出したのはショウナンパンドラだった。
最後はラブリーデイを半馬身ほど競り落とし、内のラストインパクトもクビ差退けて1着のゴール。
この秋は敢えて牡馬の強敵相手の戦いを選んだショウナンパンドラが、この大舞台で最高の走りを披露した。
2着は内に拘る走りであわや大金星のレースとなった7番人気ラストインパクト。
そして、ラブリーデイは今までの競馬ぶりと同様に、
そして1番人気らしく横綱相撲の走りを見せたが、最後に力尽きて3着に敗れた。
ショウナンパンドラはこの秋、オールカマーから始動して快勝を収めると、続く天皇賞・秋が僅差の4着。
そしてジャパンカップへ出走と、エリザベス女王杯など牝馬限定戦には見向きもせず秋の古馬王道路線を進んできた。
今回は中団で、ラブリーデイを眼前に捉えながら上手くレースを進めることが出来た。
そして、直線も素晴らしい末脚を繰り出し、鮮やかに追い比べを制して優勝。
秋華賞以来となる2つ目のG1タイトルは1着賞金3億円、秋の東京のビッグタイトル・ジャパンカップとなった。
2014年11月30日(日) 5回東京9日11R 第34回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 2 4 エピファネイア 牡4 57.0 C.スミヨン 2:23.1   35.0 492 +2 角居勝彦 4
2 1 1 ジャスタウェイ 牡5 57.0 福永祐一 2:23.8 4 35.1 498 前計不 須貝尚介 3
3 7 15 スピルバーグ 牡5 57.0 北村宏司 2:23.9 1/2 34.8 508 +2 藤沢和雄 6
4 2 3 ジェンティルドンナ 牝5 55.0 R.ムーア 2:24.0 3/4 35.5 472 +2 石坂正 1
5 3 6 ハープスター 牝3 53.0 川田将雅 2:24.0 クビ 35.0 476 前計不 松田博資 2

《レース内容》
東京競馬場に集まった10万人を超えるファンも満足してくれる好レース。
強い馬たちがきっちり上位にきた。戦前の盛り上がり通りの中身のある競馬でした。
それにしてもエピファネイアの強さには驚いた。キズナを物差しにすれば
能力的にはここでも互角のものはあるんだろうけど…。
今日も気が入って汗はかいていましたが、風呂上がりのようだった前走よりは少なめ。
もちろんそのあたりも勝因でしょうが、決して楽な流れではないのに見事な走りでした。
時計のかかり気味の馬場で勝ちタイム2分23秒1も優秀。
ただ能力もあるが、2着との4馬身差は騎手の腕もあった。
ガッチリ抑え込んでコントロールしていましたからね。
道中もそうだし一気に突き放したスパートのタイミングも絶好だった。さすがの騎乗だった。
スミヨンもジャパンCで降着10年ブエナビスタがあったり、短期免許が交付されなかったり
いろいろありましたからね。ジョッキーの意地も見た一戦でした。
2着ジャスタウェイはワールドクラスの底力といったところだ。
状態がひと息というのは皆さん一致する見方でしょう。
それでも2着にきたのだから大したもの。エピファには負けたけど福永君も面目を保てました。
底力を示したと言えば3着スピルバーグもそうだ。しっかり伸びて2着争いに加わってきた。
ベルが平凡とはいえ、天皇賞を鮮やかに勝ったのですからね。
ジャスタウェイと同じ5歳世代で来年が楽しみになりました。
人気を集めた牝馬はジェンティルドンナが4着、ハープスターが5着。
しかし、2頭とも悲観する内容ではない。
ジェンティルはこれまで厳しい競馬を続けてきて、一番いいころに比べると消耗もあるでしょう。
それでも2着とは差がないのですから褒めなければなりません。
ハープは3角過ぎで故障した外国馬のアオリをモロに受けてしまった。
まともなら2着争いに加わってもおかしくなかった。
いつもより早めの競馬でしたし勝負どころでは外にはじかれて…。
かわいそうな競馬でしたが2番人気に支持されましたし能力は確かなはずです。
渡辺 フェノーメノは有馬記念での巻き返しを期待したい。
1角で外に振られるなど流れに乗れなかったですね。ただ、馬は前回よりだいぶ良くなっていました。
3歳馬2頭はワンアンドオンリーも故障馬による不利がいくらか響いた感じだ。
ハープほどではありませんが影響はありました。馬は良くなっていましたが。
イスラボニータは距離が長かったか。持ったきりできましたから距離に尽きるでしょう。
2013年11月24日(日) 5回東京8日11R 第33回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 7 ジェンティルドンナ 牝4 55.0 R.ムーア 2:26.1   33.9 470 0
2 9 デニムアンドルビー 牝3 53.0 浜中俊 2:26.1 ハナ 33.2 434 -6
3 5 トーセンジョーダン 牡7 57.0 W.ビュイック 2:26.1 クビ 34.1 480 +4
4  6 アドマイヤラクティ 牡5 57.0 C.ウィリアムズ 2:26.2 3/4 33.5 484 +2
5 10 シカク外ドゥーナデン 牡7 57.0 J.スペンサー 2:26.3 クビ 33.6 464

《レース内容》
ジェンティルドンナが史上初のJC連覇を達成した。ただ内容的にはどうなんだろう。
勝ち時計が6Rの古馬500万下より遅くレース自体は凡戦。
ジェンティルはペースや位置取り、相手関係を考えれば
3馬身くらい突き抜けてもおおはずなんですが・・・。
はっきり言ってあまり強くなかったです。ムーア騎手がうまく騎乗して
最終的にはハナ差ですから。オルフェーヴルに競り勝った昨年と比べると
迫力不足は否めません。ちょっと影りというか、力を落ちたというのが正直なところ。
ただ、連覇したという事実は誉めておかないとね。
振り返ってみれば、JCでエアグルーヴが2.2着、ウオッカは4.3.1着
ブエナビスタも実質1.1(10年は1位入線→2着降着)ですから
トップクラスの牝馬は本当にタフでしたたか。牝馬だからこそ連覇できた、という見方もできます。
2着にも牝馬のデニムアンドルビーが追い込んできたけど、今回が秋4戦目。
決して最大目標にしてたレースじゃないんだから、タフなんですね。
それもハナ差まで追い詰めたのだから立派です。
超スローの決め手勝負という展開が良かった。後方でじっくり待機して
うまく切れ味を生かしました。レース前から何が逃げる?というメンバー構成。
スローは予想できたが、まさかエイシンフラッシュが行くとは・・・。
不本意にも逃げる形になりました。ラップからすれば、もっと頑張れずはずですけど、
この競馬では持ち味が出ないんでしょうね。対照的に3着トーセンジョーダンは
スローペースを利して前で流れに乗った。体調が上向いていたこともあって
ジョッキーの好騎乗だろう。ゴールドシップもエイシン同様、展開がマッチしませんでした。
スローでもスパートのダイミング次第では思ったのですが、
ちょっどラップが11秒台に変わった時に押し上げて行きましたから、
1番まずいパターンにはまりました。それにしてもだらしがなかった。
デニムと同じような位置にいて、直線は反応なし。
エイシンやアイコイルドもそうですが、レースのスタイルが崩れた時はペースに関係なく
大敗してしまうことがあります。今年のJCは外国馬を含めてメンバーが小粒ということで
何となく盛り上がらなかった。有馬記念はオルフェーヴル、キズナあたりに頑張ってもらわないと。
1番人気のジェンティルドンナが勝ってもファンはあまり熱狂しません。
それこそレースの中身が乏しかった証拠です。
2012年11月25日(日) 5回東京8日11R 第32回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 15 ジェンティルドンナ 牝3 53.0 岩田康誠 2:23.1   32.8 460 -14 石坂正 3
2 17 オルフェーヴル 牡4 57.0 池添謙一 2:23.1 ハナ 32.9 458 前計不 池江泰寿 1
3 13 ルーラーシップ 牡5 57.0 C.ウィリアムズ 2:23.5 2 1/2 32.7 506 -8 角居勝彦 2
4 10 ダークシャドウ 牡5 57.0 M.デムーロ 2:23.5 アタマ 32.8 512 -4 堀宣行 6
5 4 フェノーメノ 牡3 55.0 蛯名正義 2:23.9 2 1/2 33.5 492 -4 戸田博文 4

《レース内容》
残り200mを切ってからはまさに、ガチンコのマッチレース。
お互いがお互いの強さを引き立てる迫力ある叩き合いだった。
少々強引にジェンティルドンナが割って入ってぶつかってしまいましたが、
勝負事ですし、仕方がないレベルと見ました。
数字うんぬん以上に全体のレベルが高かったレースと言っていいでしょう。
勝ったジェンティルドンナは3歳牝馬として初のJC制覇。あのウオッカでも4着止まりだったのだから
まさに女傑だ。軽量の53kを差し引いても持ち前の勝負根性は特筆ものです。
馬の強さもさることながら岩田くんの騎乗も光りました。
スタートから1番うまく流れに乗ったのがこのコンビでした。
特に後続勢がマクリ気味に外を回った3〜4角でジッとインで我慢した場面は好プレーでしょう。
本人もインタビューで語っていたが、前日からのイン有利の馬場を読んで
かつ53kを生かす積極策が功を奏した。対照的にオルフェーヴルは外を回ったことが
最後に響いたし展開的にも前にいたほうが有利だった。評価が下がる内容ではないし、
むしろ現役最強馬であることをアピールしたんじゃないか。
凱旋門賞後という難しい臨戦過程でもありますし、荒っぽいレースでなくとも
結果を残しました。勝ち馬もそうですが、2分23秒1で走って上がりも32秒台ですから
実力は十分に誇示しました。2頭が別格だったので、すっかりかすんでしまったが
3、4着馬。走破タイムは例年ならば勝ち馬レベルだ。
もったいなかったのがルーラーシップ。今回も痛恨の出遅れで後手後手の競馬、こうなると外を回らざる得ない。
ルーラーシップにこそジェンティルドンナのレース運びをしてもらいたかったんですけど
・・・上位4頭から少し水をあけられたのがフェノーメノです。1週前追いきりあたりがピークだったでしょうか。
今日は覇気がなく映りました。こなしてもらいたかったのですが、
3歳馬が天皇賞でメイチに仕上げた後ではお釣りがなくても仕方がありません。
そのフェノーメノと同じような位置にいたのがエイシンフラッシュ。ところが坂上から置かれて9着止まりだった。
何とも走りごろが難しいタイプだ。11頭が34秒を切る上がりを使いました。
みんなが同じ脚を使えるような展開は向いていないですね。
凱旋門賞馬のソレミアもこういう馬場、展開が合わないタイプなのは確か。
それにしてもオルフェーヴルを負かした馬にしては見せ場がなかった。
他の外国馬はネームバリューからして走る前から日本馬に負けていた。
ソレミアを除けば十数年前なら招待されるレベルの馬ではありません。
アメリカのブリーダーズカップ、香港国際競争と競合する時期でもありますし、
このままでは同じような色彩のメンバーが続きかねません。
思い切って、1着賞金を5億円に上げるぐらいの改革が必要でしょう。


2011年11月27日(日) 5回東京8日  10R 第31回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 2 ブエナビスタ 牝5 55.0 岩田康誠 2:24.2   33.9 464 +2 松田博資 2
2 16 トーセンジョーダン 牡5 57.0 C.ウィリアムズ 2:24.2 クビ 34.3 478 0 池江泰寿 6
3 1 ジャガーメイル 牡7 57.0 四位洋文 2:24.5 1 3/4 34.0 484 -6 堀宣行 14
4 5 トレイルブレイザー 牡4 57.0 武豊 2:24.6 1/2 34.6 488 -2 池江泰寿 11
5 12 ウインバリアシオン 牡3 55.0 安藤勝己 2:24.7 3/4 35.0 512 -4 松永昌博 7

《レース回顧》
大きなポイントはレコ−ド決着の天皇賞(秋)を走った扱いだった。
状態の上積みがあるのか?はたまた反動が出るのか?
それぞれ個別の敗因はあるでしょうが、大きく負けた組は
何らかの影響があったと見ていいでしょう。

米国のミッションアプルーヴドの先手は分かっていたが、ここまでスローとは。
即座に察知して2番手を取りに行ったのがトーセンジョーダン、
外枠の不利を帳消しにするウィリアムズの好判断だった。

体質がしっかりしたうえに、以前にない自在性も身に着いてきました。
東京よりは中山が合うタイプだけに有馬記念が楽しみです。

その本格化したトーセンとの叩き合いを制したのがブエナビスタ
ただ、能力、位置取りからすれば、半馬身から1馬身は抜け出しても良いと思うが・・
さすがに本当に良かった昨秋ほどのすごみは感じられませんでした。
それでも結果を残すあたりが、歴史的名牝なんだろう、精神力の強さは想像力を超えている。

他の天皇賞組からはいいところがなかった。
エイシンフラシュ、ローズキングダムは前回が先行する激しい競馬だっただけに
反動も出たのかもしれない。ペルーサはパドックで見る限り、一枚上のスケ−ルの馬ですが

別路線が3歳馬と外国馬。スローを嫌って自分から動いた
ウインバリアシオンは力を出し切った。
本意ではない作戦でしょうが、待っていても勝機は訪れません。
挑戦の姿勢を見せた安勝さんの決断は高く評価できます。

期待されたデインドリームは6着止まりだが、まだ3歳馬。
凱旋門賞は素質だけで抜け出したけど
今回は歴戦の古馬との経験の差が出てしまった。

これまでの凱旋門賞馬と違ってスピード、斬れ負けしたわけではありませんからね。
上がり34秒0は2位タイ、ただ前半に置かれ過ぎました。

展開がスローで頂点のG1でも実が詰っていなかった気がするけど・・・
物足りなかった分はオルフェーヴルも加わる有馬記念で熱いレースを見せてもらいましょう。
2010年 11月28日(日) 5回東京8日   10R 第30回 ジャパンカップ(GI)
《レース結果》
1 6 ローズキングダム 牡3 55.0 武豊 2:25.2   34.2 462 -2 橋口弘次郎 4
2 16 ブエナビスタ 牝4 55.0 C.スミヨン 2:24.9 (1位降着) 33.5 462 +6 松田博資 1
3 2 ヴィクトワールピサ 牡3 55.0 M.ギュイヨン 2:25.2 ハナ 34.4 510 前計不 角居勝彦 8
4 8 ジャガーメイル 牡6 57.0 R.ムーア 2:25.3 3/4 33.7 484 0 堀宣行 7
5 7 ペルーサ 牡3 55.0 安藤勝己 2:25.3 クビ 33.5 510 +8 藤沢和雄 3

《レース内容》

シンゲンがゆったりとしたラップで引っ張った隊列は、
大きな動きがなく直線へと向かい、そこから追い比べがスタートする。
恐るべき瞬発力を繰り出したのは、やはりブエナビスタだ。
好位から前を追撃しようとするローズキングダムを交わし、
抜け出していたヴィクトワールピサも捉え、
この3歳両馬の激しい2着争いを2馬身ほど突き離してゴールへ。
自身6つ目となるGI・JpnI タイトルを堂々獲得したかに思えた。

が、レース途中で審議の文字が点灯し、
複数の案件が審議対象となったこの一戦。
とりわけ注目を集めたのは、
ゴールの手前、内からヴィクトワールピサに、
外からはブエナビスタに寄られて行き場を失くしたローズキングダムの姿だった。

長い審議の末、ブエナビスタは2着降着、
ローズキングダムが繰り上がり1着。皐月賞4着、
日本ダービーと菊花賞は2着と
クラシックで惜敗を続けたローズキングダムが、
思わぬ形でビッグタイトルを手にすることになったのである。

意外な結末ながら、鞍上・武豊騎手が「普通ならひるむところを、
よく頑張ってくれた」と語ったとおり、不利を受けても最後まで諦めず、
懸命に2位入線を果たしたローズキングダムの闘志は称えられるべきだろう。
そして、その不屈の魂こそ、日本が世界へ近づくべく
磨き上げてきたものではなかったか。
そんなことを考えさせるジャパンカップだった。