データーチェック
アグネスタキオン産駒
1600mのレースか1400m以下の牡馬混合戦のオープンを経験している
前走で上がり2位以内の脚を使っている馬
その世代のリーディング上位種牡馬の産駒
ファンタジーS組は毎年1頭馬券に絡んでいる


2020年12月13日(日曜) 6回阪神4日第72回阪神ジュベナイルフィリーズ
《レース結果》
1 枠3赤 6 ソダシ 牝2 54.0 吉田 隼人 1:33.1
2 枠4青 7 サトノレイナス 牝2 54.0 C.ルメール 1:33.1 ハナ
3 枠6緑 11 ユーバーレーベン 牝2 54.0 M.デムーロ 1:33.2 クビ
4 枠8桃 18 メイケイエール 牝2 54.0 武 豊 1:33.3 1/2
5 枠4青 8 ヨカヨカ 牝2 54.0 福永 祐一 1:33.5 1 1/2

《レース内容》
吉田隼騎乗で1番人気のソダシが、好位追走から末脚を伸ばして
ハナ差の大接戦を制した。デビューから無傷の4連勝で、
白毛馬のJRA・GI勝利は史上初。2着は2番人気のサトノレイナス、
3着は6番人気のユーバーレーベンが入った。
緑のターフに火花が散った。馬場の真ん中を突き進むソダシ、内から追い込むサトノレイナス。
1、2番人気の一騎打ちはハナ差の大接戦になった。最後に約7センチだけ前に出たのは、
白毛がまぶしいソダシだ。赤い確定ランプがともると、吉田隼騎手は白い歯を見せた。
「ホッとしました。僕がこの馬を負けさせてはいけないというプレッシャーがありました。
最後まで分からなかったので、『何とかしのいでくれ!!』と必死に追いました」
レース直前にも場内をざわつかせた。ゲート入りでごねて、中に入ってからも駐立が乱れた。
それでも、スタートを決めると、前に壁を作って好位の4、5番手をキープ。
イメージ通りで迎えた最後の直線は、目の前にVロードが開けた。左ムチ一発のゴーサインに呼応し、
真っ白な四肢を伸ばしてぐんぐん加速。外めを伸びるメイケイエールをかわすと、
内から猛追してきたライバルに一度は前に出られたが、ゴール直前に差し返してみせた。
白毛馬のGI勝利は史上初の快挙。デビューから無傷で白星を4つ並べ、
2歳女王に輝いた。人気、実力を兼ね備えたアイドルホースの誕生だ。
殊勲の鞍上は、ゴールドアクターとコンビを組んだ15年有馬記念以来、
5年ぶり2度目のGI勝利。18年秋、騎手人生に後悔がないように、美浦から栗東に拠点を移した。
なかなか騎乗馬確保につながらず、腐りそうになったが、地道に厩舎を回って調教に乗り続けた。
2年かけて実り始めた今年は、これが自己最多を更新する年間重賞6勝目。須貝調教師は
「馬群での競馬は初めてだったけど、隼人が『自信があります』と。作戦通り、完璧だった」とたたえた。
次走は未定ながら、来春の桜花賞(4月11日、阪神、GI、芝1600メートル)の最有力候補だ。
須貝調教師は「真っ白な馬がターフを走るのはすごくきれい。ソダシをきっかけに
競馬に興味をもって、見る人が元気になってくれれば」と結んだ。
史上初のGI9勝を挙げた女傑アーモンドアイがターフを去った20年暮れに現れた新たなヒロイン。
コロナ禍で先行きが不透明な世の中も、明るく照らす存在になってほしい。
2019年12月8日(日曜) 5回阪神4日第71回 農林水産省賞典 阪神ジュベナイルフィリーズGT
《レース結果》
1 枠2黒 4 レシステンシア 牝2 54.0 北村 友一 1:32.7 レコード
2 枠5黄 9 マルターズディオサ 牝2 54.0 田辺 裕信 1:33.5 5
3 枠5黄 10 クラヴァシュドール 牝2 54.0 藤岡 佑介 1:33.5 ハナ
4 枠2黒 3 ウーマンズハート 牝2 54.0 W.ビュイック 1:33.9 2 1/2
5 枠1白 1 ヤマカツマーメイド 牝2 54.0 武 豊 1:33.9 クビ

《レース内容》
逃げた4番人気のレシステンシアが2着に5馬身差をつける圧勝で2歳女王に輝いた。
走破タイム1分32秒7は2歳コースレコード。6番人気のマルターズディオサが2着に入り、
1番人気に推されたリアアメリアは6着に終わった。
戦前の3強ムードを吹き飛ばす、圧巻の逃走劇だ。4番人気のレシステンシアが、
1分32秒7の2歳コースレコードで駆け抜け、新馬戦&ファンタジーSに続く
3戦無敗で2歳女王の座に就いた。北村友騎手も笑顔でパートナーをたたえる。
「強かったです。先行するスピードは十分あると思っていました。道中は手前を
替えてばかりいてフワフワして半信半疑でしたが、直線では最後まで脚を使ってくれるかな、と」
トップスタートから先手を奪うと、600メートルを33秒7のハイペースで通過。
鞍上も速いと感じていたが、「リラックスさせて運ぶことだけ考えていました」。
直線に向くと後続を一気に突き放し、5馬身差V。
日本ダービーを制した歴史的女傑ウオッカのレコード(1分33秒1)を0秒4も更新した。
殊勲の鞍上は今年の大阪杯(アルアイン)で悲願のJRA・GI初制覇を果たしたばかりだが、
秋華賞(クロノジェネシス)に続き、あれよあれよという間に3勝目。
「いい馬に乗せていただく機会が増え、期待に応えたいという思いで
一生懸命やってきました。もっともっと勝ちたい」。貪欲に、さらなる飛躍を誓う。
「これ以上は体が細くなるというギリギリまで仕上げました。夢のようで言葉にならない感じ。
チャンスはあると思っていたけど、レコードとは…」。
開業5年目のGI初制覇に、松下調教師も歓喜の笑みを浮かべる。
今後は未定だが、来春には同じ舞台の桜花賞(4月12日)が自然と視界に入る。
「来年に夢がつながる勝ち方」と指揮官が言えば、鞍上も「まだまだ粗削りですが、
ポテンシャルを秘めています」。ウオッカ超えを果たした無敗のスピード女王が、来春まで突っ走る。 
2018年12月9日(日曜) 5回阪神4日 第70回 阪神ジュベナイルフィリーズGT
《レース結果》
1 枠7橙 13 ダノンファンタジー 牝2 54.0 C.デムーロ 1:34.1
2 枠5黄 9 クロノジェネシス 牝2 54.0 北村 友一 1:34.2 1/2
3 枠6緑 11 ビーチサンバ 牝2 54.0 福永 祐一 1:34.3 クビ
4 枠2黒 4 シェーングランツ 牝2 54.0 武 豊 1:34.4 3/4
5 枠2黒 3 プールヴィル 牝2 54.0 秋山 真一郎 1:34.5 1/2


《レース内容》
C.デムーロ騎手騎乗の1番人気・ダノンファンタジー(牝2、栗東・中内田厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:34.1(良)。2着には半馬身差で2番人気・クロノジェネシス(牝2、栗東・斉藤崇厩舎)、
3着にはクビ差で4番人気・ビーチサンバ(牝2、栗東・友道厩舎)が続いて入線した。
最内から飛び出したベルスールにメイショウショウブが競りかけに行くが、
スッと突き放してベルスールがハナを主張。人気どころはビーチサンバがちょうど中団、
そこから2馬身ほど後ろにシェーングランツ、ダノンファンタジーが並び、更に2馬身後ろ、
後方2番手からクロノジェネシスがジックリと脚を溜める。
4コーナーではグッと馬群凝縮し、大きく広がって直線勝負へ。
ベルスールに代わってメイショウショウブが先頭に立ち、ラブミーファイン、プールヴィルも
差を詰めてくるが、外から後方にいたダノンファンタジー、クロノジェネシスが馬体を併せて
一気に前を交わし、2頭の一騎討ち。最後はダノンファンタジーがクロノジェネシスを振り切った。
勝ったダノンファンタジーは、3連勝でG1初制覇。
デビュー戦こそ次週の朝日杯FSでも有力候補に推されているグランアレグリアに敗れたが、
その後は非凡な瞬発力を武器に未勝利、ファンタジーSと連勝。その勝ちっぷりの良さから、
この大一番でも1番人気に支持されたが、その期待に応える末脚で快勝。
手綱をとるC.デムーロ騎手は土曜日の中日新聞杯を勝っていて、
土日両日での重賞制覇。先週は兄のM.デムーロ騎手が土日重賞制覇を達成しており、
デムーロ兄弟が師走競馬をリードする形となっている。
2017年12月10日(日) 5回阪神4日11R 第69回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 6 11 ラッキーライラック 牝2 54.0 石橋脩 1:34.3   33.7 484 -2 松永幹夫 2
2 4 7 リリーノーブル 牝2 54.0 川田将雅 1:34.4 3/4 33.9 494 -4 藤岡健一 3
3 2 4 マウレア 牝2 54.0 戸崎圭太 1:34.5 1/2 33.9 446 -4 手塚貴久 4
4 4 8 トーセンブレス 牝2 54.0 柴田善臣 1:34.9 2 1/2 33.7 454 -8 加藤征弘 7
5 8 16 マル外モルトアレグロ 牝2 54.0 吉田隼人 1:35.0 3/4 34.1 472 +2 武井亮 10

《レース内容》
石橋脩騎手騎乗の2番人気・ラッキーライラック(牝2、栗東・松永幹厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:34.3(良)。2着には3/4馬身差で3番人気・リリーノーブル(牝2、栗東・藤岡健厩舎)、
3着には半馬身差で4番人気・マウレア(牝2、美浦・手塚厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたロックディスタウン(牝2、美浦・二ノ宮厩舎)は9着に敗れた。
ラテュロスが好スタートを決めるが、それを制してラスエモーショネスがハナを主張。
ロックディスタウンはやや行きたがる格好で好位に押し上げる。
リリーノーブルはロックディスタウンを見る形、ラッキーライラックは控えて
ちょうど中団のポジションでその内にマウレアが付けた。
馬群はやや縦長となり、逃げるラスエモーショネスにコーディエライト、
ロックディスタウンが並びかけて直線の攻防へ。
早めに押し上げたロックディスタウンだったが、伸びはひと息。
その外から同じ勝負服のリリーノーブル、ラッキーライラックが襲いかかって
ラスト1Fは2頭の一騎討ち。外から勢いが付いたラッキーライラックが
リリーノーブルをねじ伏せるような格好でゴール。
3着にはマウレアが入り、無敗馬が上位3着を占めた。
勝ったラッキーライラックは、新種牡馬オルフェーヴル産駒でデビューから無傷の3連勝で
G1制覇。これまでの2戦は好位からレースを進めていたが、
このレースは中団に構えて末脚を温存。直線でその脚を爆発させて鮮やかな差し切り勝ち。
無敗馬5頭の直接対決が注目された一戦を制して2歳牝馬の頂点に立った。
馬主は有限会社サンデーレーシング、生産者は安平町のノーザンファーム。
2016年12月11日(日) 5回阪神4日11R 第68回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 1 2 ソウルスターリング 牝2 54.0 C.ルメール 1:34.0   34.8 472 -8 藤沢和雄 1
2 8 18 リスグラシュー 牝2 54.0 戸崎圭太 1:34.2 1 1/4 34.5 434 +6 矢作芳人 2
3 2 4 レーヌミノル 牝2 54.0 蛯名正義 1:34.5 1 3/4 35.2 462 -4 本田優 3
4 1 1 ディーパワンサ 牝2 54.0 A.シュタルケ 1:34.8 2 35.3 432 0 松下武士 5
5 8 17 ヴゼットジョリー 牝2 54.0 和田竜二 1:34.9 1/2 35.2 460 -10 中内田充正 6

《レース内容》
C.ルメール騎手騎乗の1番人気・ソウルスターリング(牝2、美浦・藤沢和厩舎)が優勝。
勝ちタイムは1:34.0(良)。2着には1馬身1/4差で2番人気・リスグラシュー(牝2、栗東・矢作厩舎)、
3着には1馬身3/4差で3番人気・レーヌミノル(牝2、栗東・本田厩舎)が続いて入線した。
アリンナが好ダッシュからハナを切り、ショーウェイ、ゴールドケープと人気薄が前へ。
その後ろにソウルスターリング、レーヌミノル、ジューヌエコールが構える。
リスグラシューはスタートでダッシュが付かず、後方3番手で終いの脚にかける。
レースは淀みなく流れ、3コーナーからリスグラシューも徐々にポジションを上げる。
逃げるアリンナ目掛けて最内からソウルスターリングが脚を伸ばして一気に先頭。
レーヌミノル、リスグラシューも脚を伸ばし、勢いの付いたリスグラシューがグングン迫ってくるが、
早めに抜け出たソウルスターリングがリードを守り切って優勝。上位の3頭は人気通りの決着となった。
勝ったソウルスターリングは、デビューから無傷の3連勝でG1初制覇。
父はヨーロッパで14戦無敗、G1を10勝し『怪物』と謳われたフランケルで、
初年度産駒が日本でもG1タイトルを奪取。同じフランケル産駒で、
次週の朝日杯FSに出走するミスエルテが牡馬を相手にどんな走りを見せるか、
こちらも非常に楽しみとなった。鞍上のC.ルメール騎手は昨年のメジャーエンブレムに続く
連覇達成で、本日6勝目。リーディング争いでもトップに立った。
同騎手はソウルスターリングの母スタセリタにも騎乗していて、
フランスのオークスにあたるディアヌ賞などコンビでG1を3勝している。
2015年12月13日(日) 5回阪神4日11R 第67回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 1 2 メジャーエンブレム 牝2 54.0 C.ルメール 1:34.5   35.8 494 0 田村康仁 1
2 7 13 ウインファビラス 牝2 54.0 松岡正海 1:34.8 2 35.6 448 -12 畠山吉宏 10
3 6 11 ブランボヌール 牝2 54.0 岩田康誠 1:35.0 1 1/4 35.5 432 -10 中竹和也 3
4 5 10 ペプチドサプル 牝2 54.0 古川吉洋 1:35.1 クビ 35.7 444 -4 木原一良 9
5 5 9 アットザシーサイド 牝2 54.0 三浦皇成 1:35.1 ハナ 35.3 434 -4 浅見秀一 4

《レース内容》
メジャーエンブレムが1番人気に応えて快勝。
最優秀2歳牝馬の座を確実なものにした。それにしても強かった。
2着に2馬身差だからワンサイドと言っていい。
現時点ではスピードの絶対値が違うし、A番枠でスタートも決まった。
さらに鞍上がルメールとくれば、他馬はもう付け入るスキがなかった。文句なしの内容だ。
500キロ近い大型馬でこのメンバーでは迫力が抜けてました。
ペースがもう少し速ければ、もっと強い勝ち方ができたでしょう。
脚質からポカの少ないタイプで展開にも注文がつかない。ズバリ、来春の桜花賞の最有力候補です。
勝ちタイムそのものは水準レベルだろうが、現時点でナンバーワンであることは間違いない。
調教でびっしり追えるのも大きな強みだし、何より鞍上がルメールというのは頼もしい。
これで来年の3歳牝馬戦線の軸ができました。今後はこの馬を基準に桜花賞を占うことになります。
2着も関東馬でウインファビラスが健闘した。勝ち馬には離されたが、
さすがに新潟2歳Sで2着しただけのことはある。走破タイムも1分34秒台だから立派。
ちなみに3着から12着は35秒台だから上位2頭が抜けていたということだ。
その1、2着馬はアルテミスSで2、5着。ほかにも4着ペプチドサプル、7着デンコウアンジュ、
8着クロコスミアがアルテミスSの4、1、3着馬ですから、
今年のアルテミスSはレベルが高い。これからはアルテミスS↓阪神JFが王道になりそうです。
それを制したデンコウは今回、折り合いを欠いてしまった。
外枠で前に壁をつくれなかったのも不運だった。
クロコスミアは素晴らしいデキに見えましたが…8着が精一杯でした。
終わってみれば1戦余分だったかな。気配は良かったが、最後はそのあたりが影響したんだろう。
アルテミスSとは対照的にファンタジーS組はブランボヌールの3着が最高でした。
ただ、ウインファビラスに完敗となると、今後はちょっと厳しいでしょう。
今日の結果を見るとファンタジーSは低レベルだったのかもしれません。
キャンディバローズは先行したものの、直線はくしゃくしゃになってたから。
2戦2勝で重賞初挑戦のアットザシーサイドもさすがにここに入ると力の差があったようだ。
来春に向けてほかに見直せるような馬は大外をまくって見せ場をつくったペルソナリテくらい。
1分34秒台で走破した馬が2頭だけとなると、今年の2歳牝馬はちょっと手薄のようだ。
デンコウはまだ見限れませんが、力を出せなかったような馬はほとんどいなかったように思います。
極論すれば、桜花賞候補はメジャーエンブレム1頭だけかもしれません。
2014年12月14日(日) 5回阪神4日11R 第66回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 8 16 ショウナンアデラ 牝2 54.0 蛯名正義 1:34.4   34.0 468 -2 二ノ宮敬宇 5
2 6 11 レッツゴードンキ 牝2 54.0 浜中俊 1:34.5 1/2 34.3 466 +8 梅田智之 2
3 2 4 ココロノアイ 牝2 54.0 横山典弘 1:34.6 1/2 34.5 450 -2 尾関知人 4
4 8 18 ムーンエクスプレス 牝2 54.0 松山弘平 1:34.7 3/4 35.0 414 +2 鈴木孝志 12
5 2 3 アルマオンディーナ 牝2 54.0 幸英明 1:34.7 クビ 34.9 450 +4 西浦勝一 11

《レース内容》
出走18頭中唯一のディープインパクト産駒だったショウナンアデラが
らしい末脚で2歳女王の座に就いた。
エンジンがかかったラスト100メートル地点からの矢のような伸び脚はまさに父譲りだった。
決してバテていたわけではないですが残り200メートルではモタついていて
勝てる雰囲気はなかったんですけど…。前、後半4ハロンはきれいに
47秒2→47秒2のイーブンペース。紛れのない展開でこの勝ちっぷりは素直に褒めるしかありません。
勝利騎手インタビューで蛯名が語っていたが控える競馬を試みつつ、
かつ勝利という結果も手にしたのだから本当に収穫の大きいレースになった。
好位からの競馬一辺倒ではなく自在性も証明できました。
結果論としてはいい位置取りだったのかもしれませんが
道中は馬群でかなりもまれていました。
それでいて他の馬が苦しくなったところで逆に伸びてきたあたりは大したものです。
新潟、東京、阪神と競馬場が替わっても環境の変化に動じることなく能力を発揮できる点も心強い。
最優秀2歳牝馬にふさわしい勝者といえる。
2着レッツゴードンキ、3着ココロノアイはアルテミスSと入線順が入れ替わる形になりました。
そのアルテミスSと同じ1分34秒4の決着ですから今回も力を出したものと考えていいでしょう。
路線の基準となるこの2頭を差し切ったのですから文句はつけられません。
抜けた馬になる可能性もあったあの馬がここで脱落した以上、トップ評価に異論はありません。
ロカは9ハロンの新馬戦が5ハロン通過64秒1のスロー。
マイルGTのここは後方追走になるとは考えていましたが、まさか出遅れるとは…。
出脚が鈍いうえ大跳びの馬だから1枠1番を引いた時点で嫌な予感はしていた。
ただ負けるにしても少しはピリッとした脚を使ってもらいたかった。
5着アルマオンディーナと6着スマートプラネットが3馬身差。
せめてこのあたりには食い込んでもらいたかった。
馬っぷりはやはり素晴らしいし決してここで終わる馬とは思いたくないが…。
新種牡馬ハービンジャーのことは褒めたりけなしたりしていますが
この馬は母方が強く出ていると見ていました。
ただマイラーらしい適性が要求される今回の展開で結果が出なかったのは
やはりハービンジャーなのかもしれません。他の産駒にも課題を突きつけた敗戦だったといえるでしょう。
2013年12月8日(日) 5回阪神4日11R 第65回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 8 レッドリヴェール 牝2 54.0 戸崎圭太 1:33.9   34.1 418 -8 須貝尚介 5
2 10 ハープスター 牝2 54.0 川田将雅 1:33.9 ハナ 33.6 476 +2 松田博資 1
3 6 フォーエバーモア 牝2 54.0 蛯名正義 1:33.9 クビ 34.6 460 +2 鹿戸雄一 8
4 12 クリスマス 牝2 54.0 M.デムーロ 1:34.1 1 1/2 33.6 422 -18 斎藤誠 7
5 13 マーブルカテドラル 牝2 54.0 田辺裕信 1:34.3 1 1/4 34.6 440 +2 上原博之 4

《レース内容》
最優秀2歳牝馬の座をかけた戦いはレッドリヴェールに凱歌が上がった。
うまく流れに乗れたのが勝因でしょう。
鞍上の戸崎圭ジョッキーは牝馬の扱いが本当に上手です。
札幌2歳S以来で馬体が8キロ減っていましたが、特に細くは映りませんでした。
父も小柄なステイゴールドですから、このあたりは気にしなくてもいいかも知れません。
それにしてもいい根性をしています。札幌2歳Sを勝った時も1頭だけ追い込んで来たぐらい。
勝ちタイムの1分33秒9も合格点でしょう。
ただ、今回はすべてがうまく行ったのも事実。100%の力を出し切った気がします。
ハープスターは直前に3頭併せを敢行するくらいですから、決してベストの仕上げではなかった。
それでもイレ込みもなくスタートもうまく出ました。変にズブいところもないし、
来年の桜花賞戦線の主役はやはりこの馬でしょう。
関係者からすれば連勝が止まったのは悔しいでしょうけど、
今後は気楽に行けるぶん、良かったんじゃないかな。
4コーナーで3着のフォーエバーモアとは10馬身近くの差があったと思うが、良く追い上げました。
結局、ハナ差及ばなかったが、ゴール後は完全に突き抜けていました。
それに馬群を割ることが分かったのも収穫だった。
そのフォーエバーモアもスムーズなレース運びでした。迫力という点では見劣りますが、
内容的には立派です。ホウライアキコを自分で負かしに行った分、
最後は差されたけど大健闘だろう。ただ、距離は長くなっていいタイプではないかも。
4着にはクリスマスが追い込んできました。決して高速のマイル戦向きではないと思いますが、
本来はこういう戦法が合っているんでしょう。
マーブルカテドラルは道中かかり気味だったこともあるが、上位3頭には力負け。
ホウライアキコもこの負け方では桜戦線から大きく後退したと言わざるをえません。
レース自体はこの馬のパターンと思いますが、坂で止まってしまった。
血統的にもこれから強くなるというタイプでもないだけに・・・。
レーヴデトワールはどうしたのか。前走(白菊賞)はあれだけ強かったのに、
今回はまったく脚を使えなかった。
内枠でモマれたのが良くなかったんでしょうか。でも、今回は力を出していない。
こちらはまだ見限れません。

2012年12月9日(日) 5回阪神4日11R 第64回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 1 ローブティサージュ 牝2 54.0 秋山真一郎 1:34.2   35.9 442 -4 須貝尚介 5
2 7 クロフネサプライズ 牝2 54.0 柴山雄一 1:34.2 クビ 36.3 472 +18 田所秀孝 15
3 10 レッドセシリア 牝2 54.0 三浦皇成 1:34.3 クビ 35.6 416 -10 鹿戸雄一 10
4 6 コレクターアイテム 牝2 54.0 浜中俊 1:34.4 3/4 35.9 474 +2 須貝尚介 1
5 14 カラフルブラッサム 牝2 54.0 和田竜二 1:34.5 3/4 35.5 460 +2 鈴木孝志 7

《レース内容》
今年の2歳女王決定戦は3連単304万馬券の大波乱。これがフロックかどうか
見極めないことには来春の桜花賞、オークスを占うことはできない。
1分34秒2は08年以降で最も速い時計の決着ですからレベルはまずまずと見ていいでしょう。
勝ったローブティサージュは前走・ファンタジーSが2着止まり。
評価はもうひとつでしたが、快勝した新馬戦では高いポテンシャルを示していました。
今回は厳しい流れの中、インのポケットでうまくタメが利いていた。
これが最後の末脚につながった。レース運びのうまさと完成度の高さが光ったが、
迫力という点は正直、少々もの足りない。混戦の中、秋山君の手綱さばきが勝利を手繰り寄せました。
NHKマイルCで初G1を制して以降、今年は自信を持ってレースに臨んでいます。
ただスケールに関しては、ウォーエンブレム産駒で成長力も不確かです。
ここ2年の勝ち馬程度の評価はできますが、ウオッカやブエナビスタ級と持ち上げるのは早計でしょう。
着差が着差・・・そのクビ+クビ差の2.3着馬をどう見るか。人気皆無だったクロフネサプライズは
先行馬総崩れの展開で唯一、前に行って粘った。1番、強い競馬をしたのがこの馬ともいえる。
自身の5ハロン通過は57秒9ですから中身は文句ありません。
バリバリ追いきりを消化して馬体重はプラス18キロ。デキはメンバーで1番良かったでしょう。
決して逃げてこそ、というタイプではないので、今後も注目していきたいです。
ラスト1ハロンでグングン脚を伸ばした3着レッドセシリアにも驚かされました。
新馬戦の1分38秒9から4秒6も時計を縮めるとは想像できなかった。
土曜はそうでもなかったですが、日曜は芝はイン有利の傾向が出ていました。
外をブン回さなかったことが大きな好走要因でしょう。一方、1番人気のコレクターアイテムは
大きなミスこそありませんでしたが、コース取りの差が最後に響きました。
とはいっても展開的には差し有利だっただけに少し置かれた4着には不満が残ります。
レコードVの前走・アルテミスSの反動があったのかもしれない。
ローブティサージュと併せた最終追いきりの動きもひと息だったから。
アユサンは7着、コース取りの差はあるにせよ、まだ全体的に未完成な面は否めない。
現状はゆったり流れる展開がベターだ。
2番人気のサンプルエミューズは好位で流れに乗れているように見えました。
栗東調整もうまくいっていたようですが・・・
好時計勝ちの美容Sが評価されただろうが、中山の高速馬場の記録だからうのみにすべきではなかった。
ただ上位も拮抗、今後の勢力図の変動には例年以上に注意していかないとならない。
2011年12月11日(日) 6回阪神4日   11R 第63回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 13 ジョワドヴィーヴル 牝2 54.0 福永祐一 1:34.9   34.1 418 -2 松田博資 4
2 11 アイムユアーズ 牝2 54.0 I.メンディザバル 1:35.3 2 1/2 34.9 452 -2 手塚貴久 8
3 18 サウンドオブハート 牝2 54.0 武豊 1:35.3 ハナ 35.0 460 0 松山康久 1
4 8 イチオクノホシ 牝2 54.0 M.デムーロ 1:35.4 1/2 34.5 432 +6 矢野英一 5
5 1 アンチュラス 牝2 54.0 川田将雅 1:35.4 クビ 34.8 446 -2 安田隆行 10

《レース回顧》
外回りコースになってからは落ち着いた流れが定番となっているが
今年も例に漏れず5ハロン通過は60秒2だ。
乱ペースにならなかったことで、むしろ実力通りの結果が出る傾向が続いています。

ジョワドヴィーヴルも1戦1勝のキャリアながら正々堂々たる勝ちっぷり
脚長の姿形は似ていないが、スケールの大きさは姉ブエナビスタと同様。
他馬とは器の違いが2馬身半の結果に現れた。

418キロの数字ほど小さくは見えなかった、自身も小柄だったディープインパクトの産駒だけに
体はこれぐらいで良いのかも。
ただ顔つきにはまだ幼さが残るだけに、先々がほんとうに楽しみです。

1分34秒9の時計も同日1000万下との比較で合格点。
過去の勝ち馬と肩を並べた、納得せざるを得ない好素材です。
難しいのは離れた2着以下のジャッジ。

接戦の2着争いを制したアイムユアーズは重賞でモマれた経験が生きた。
この安定感はそれなりに評価できる。
1600m〜1800mをステップにしてきた組が幅を利かせていますが
近年はウオッカやブエナビスタですからね。
1400m以下を使ってきた組が不利となる根拠になりません。
今回も流れに乗ってこの馬らしい末脚を繰り出したが・・・
もう少し接戦になると思っていただけに物足りなさが残ります。

サウンドオブハートは直前輸送、それでいて体をキープできたことが大きかった。
このレースは外枠が不利にならないことも注意すべき点です。
古馬なら最短距離を通れる内枠が有利ですが、
2歳戦にとってモマれない外枠のメリットは大きいですね。
それでいてコース設定は広々としているのでロスは少ない。

イチオクノホシはパドックの気配は抜群に良かった。
ところが申し分のない仕上がりのジョワドヴィーヴルに完敗だけに・・・。
ただ父はゼンノロブロイで、血統的に今後の成長が見込める。
2010年 12月12日(日) 5回阪神4日  11R 第62回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
《レース結果》
1 11 レーヴディソール 牝2 54.0 福永祐一 1:35.7   33.9 450 -2 松田博資 1
2 4 ホエールキャプチャ 牝2 54.0 池添謙一 1:35.8 1/2 34.1 456 0 田中清隆 4
3 18 ライステラス 牝2 54.0 M.デムーロ 1:36.0 1 34.5 452 +4 和田正道 8
4 1 アヴェンチュラ 牝2 54.0 和田竜二 1:36.1 3/4 34.1 462 -12 角居勝彦 3
5 12 ツルマルワンピース 牝2 54.0 安藤勝己 1:36.1 クビ 34.7 488 0 橋口弘次郎 11

《レース内容》

ピュアオパールの逃げで進んだレースは、1000m通過61秒2のスローで流れる。
力を持て余してジリジリと馬群の外を上がっていくのはダンスファンタジア。
桜花賞馬の母ダンスインザムードから譲り受けたレースセンスと瞬発力を武器に、
こちらもデビュー2連勝中、単勝オッズ3.6倍の2番人気に支持され、
レーヴディソールとの一騎打ちムードを漂わせていた存在である。

これに対し、レーヴディソールの鞍上・福永祐一騎手は中団で折り合いに専念。
この遅いペースの中でも「直線で伸びてくれることはわかっていた」と自信に満ちた騎乗だ

その直線。京王杯2歳Sで牡馬相手に4着と善戦したライステラスが先頭に躍り出る。
あるいはファンタジーSで強烈な末脚を繰り出し3着となったホエールキャプチャが
馬群を縫って追い込んでくる。そこへ外から飛んで来たのがレーヴディソールだ。
ダンスファンタジアを置き去りにし、先行各馬を一気に抜き去り、
ライステラスとホエールキャプチャも差し切ってゴールへ。
前2走で見せた力強い末脚を今回も繰り出して、
デビュー3連勝での女王即位を成し遂げたのである。

レーヴディソールの半姉レーヴダムール、半兄のアプレザンレーヴとレーヴドリアンは、
いずれもGI 戦線を沸かせながらビッグタイトルを勝ち取れず、志半ばでターフを去っている。
その雪辱を果たす勝利ともなったわけだが、もちろん、ここがレーヴディソールの最終目標ではない。

狙うは来春のクラシック、進むはファンの記憶に残る名牝への道。
「飛翔の夢」という意味の馬名そのままに、レーヴディソールが、
大いなる夢への一歩を踏み出した。